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名古屋大学 院試 過去問 解答例

名大 環境学研究科 地球環境科学専攻 地球惑星科学系 専門科目 2025年度 院試 解答例・解説

名古屋大学 環境学研究科 地球環境科学専攻 地球惑星科学系 専門科目 2025年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全8問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。

最終更新:

設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。

続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。

1 — 科目A: 地球環境学

方針

科目Aは、用語の暗記だけでなく、物質循環や保護地域管理の因果関係を短く説明する問題である。温室効果ガスでは、発生条件が「好気的か嫌気的か」、保護地域では「面積目標か実効的保全か」を軸に整理すると書きやすい。

典型的な誤り

メタン排出を「水を抜くと稲が弱るから減る」と説明すると、土壌酸化還元状態とメタン生成菌の関係が抜ける。リジェネラティブ農業では、すべてを「有機物が増える」だけで済ませず、根、土壌構造、土壌酸素、微生物、侵食のどれを通じた効果かを明示する。

検算

GWPの大小は、二酸化炭素が基準で最小、メタンが中間、一酸化二窒素が最も大きい。中干し延長は土壌を酸化的にする操作なので、嫌気的なメタン生成を抑える説明と整合する。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

2 — 科目B: 地球科学I

方針

地質図問題は、地層境界と等高線の交点を追い、同じ地層面が同じ標高でどちらへ移るかを見る。化石年代と岩相は、相対年代と堆積環境を補強する情報として使う。

典型的な誤り

断層の活動時期を、断層が「切る」単位と「覆われる」単位を分けずに断定すると危険である。また、B層の恐竜足跡とC層の石灰岩化石を同じ環境として扱うと、不整合の説明が崩れる。

検証

石灰質軟泥は炭酸塩補償深度より浅いこと、珪質軟泥は珪藻・放散虫が主要成分であることを確認する。生痕化石では、体化石と違い「その場での行動」を表す点が採点上の要点になる。

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3 — 科目C: 地球科学II

方針

相図問題は、液相線・固相線・タイラインを混同しないことが最重要である。AFM図は、三角図の位置をそのまま読むのではなく、問2では珪線石からFM線へ投影した後の1次元順序を使う。

図依存箇所

AFM図のXMgX_{\mathrm{Mg}}、シュライネマーカース束の安定延長、変成帯Yの反応系列は図の読み取りを含む。採点用の専用答案欄では、反応線のどちら側にどの鉱物組合せを書くかが重視される。

検算

相律は圧力一定なのでF=CP+1F=C-P+1であり、通常のCP+2C-P+2をそのまま用いない。アイソスタシーの隆起量は、氷の質量を(ρmρc)(\rho_m-\rho_c)で割るので、単純に氷厚のρi/ρm\rho_i/\rho_m倍にはならない。

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4 — 科目D: 地球科学III

方針

Sm--Nd年代では、横軸を147Sm/144Nd^{147}\mathrm{Sm}/^{144}\mathrm{Nd}、縦軸を143Nd/144Nd^{143}\mathrm{Nd}/^{144}\mathrm{Nd}にする。濃度ppmをそのまま比にせず、原子量と同位体存在度で同位体比へ変換するのが採点上の山場である。

典型的な誤り

半減期から壊変定数を求めるときにλ=1/T1/2\lambda=1/T_{1/2}としてしまう誤りが多い。正しくはln2/T1/2\ln2/T_{1/2}である。また、問8では原岩形成から上記物質形成までの経過時間を使う。

検算

鉱物BはAよりSm/Ndが高く、現在のNd同位体比も高いので、アイソクロンの傾きは正である。Naの分析では、最終濃度63.8 ppmを検量線上限5 ppm以下へ落とす必要があるため、最低でも約13倍希釈が必要になる。

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5 — 科目E: 物理学

方針

力学では、台とともに動く非慣性系でブロックに右向きの慣性力を入れると、すべり条件と転倒条件を同じ図で扱える。熱力学では、自由膨張そのものは不可逆でも、エントロピー差は同じ始状態・終状態を結ぶ可逆等温経路で計算してよい。

典型的な誤り

問6で重力のモーメントの符号を落とすと、転倒条件が反対になる。Aはブロック右下の角なので、重力は反時計回り、慣性力は時計回りのモーメントを与える。熱力学では、混合前の体積比がモル比と等しいことを使う。

検算

L=L0L=L_0を問6のモーメント式へ入れると、N=0N=0になる。これは問8の出発点と一致する。混合エントロピーはx=0x=0または1で混合相手がなくなるため0となり、x=1/2x=1/2で最大になる。

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6 — 科目F: 化学

方針

周期表問題は、電子配置から周期・族を判断して、原子半径とイオン化エネルギーの一般傾向へつなげる。平衡問題は、反応量をxxで置くより、指定されたN2\mathrm{N_2}の減少量から化学量論比で直接求めるのが速い。

典型的な誤り

問2で平衡に戻った時点の[NH3][\mathrm{NH_3}]を、平衡定数から解き直そうとして計算を複雑にしがちである。この設問は途中の[N2][\mathrm{N_2}]が与えられているため、反応式の係数比だけで求まる。

検算

アンモニア合成でN2\mathrm{N_2}が0.44減れば、NH3\mathrm{NH_3}は0.88増える。反応式の係数比1:21:2と一致している。

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7 — 科目G: 生物学

方針

生物学は、用語穴埋めと記述が混在している。細胞内共生では「内膜と外膜の由来」、植物では「配偶体優占か胞子体優占か」、生態では「食物連鎖に沿う濃縮」を明示すると減点されにくい。

典型的な誤り

菌類に葉緑体を入れて2種類と答える誤りがある。菌類は真核生物だが光合成をしないため、独自ゲノムをもつ小器官は通常ミトコンドリアのみである。PCB濃度は栄養段階が上がるほど高くなるので、植物プランクトンより小魚の方が高い。

検証

植物の生活環では、コケ植物は単相の配偶体が大型、シダ植物以降は複相の胞子体が大型である。被子植物の特徴は胚珠が子房に包まれる点で、裸子植物との決定的な違いになる。

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8 — 科目H: 数学

方針

線形代数では、対称性のある行列は固有値で処理すると速い。積分の漸化式は、与えられた式をそのまま使うだけでなく、どのnnから目的のnnへ上げるかを見極める。

典型的な誤り

問題2問2のInI_nは不定積分として漸化式を書き、最後に0から1を代入する。最初から定積分だと思って端点項を落とすと値がずれる。問題5では、共分散項が2abCov(X,Y)2ab\operatorname{Cov}(X,Y)になる点に注意する。

検算

x2x^2のフーリエ級数でx=0x=0を入れると交代級数、x=πx=\piを入れると1/n2\sum1/n^2が出る。固有値問題では、最大固有値8の固有ベクトルが主成分方向になる。

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