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東京科学大学 院試 過去問 解答例

東京科学大 物質理工学院 材料系 材料系 B日程筆答専門試験 2025年度 院試 解答例・解説

東京科学大学 物質理工学院 材料系 材料系 B日程筆答専門試験 2025年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全13問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。

最終更新:

設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。

続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。

1 — I-1 数学

熱方程式

境界条件 u(0,t)=u(L,t)=0u(0,t)=u(L,t)=0 から空間固有関数は sin(nπx/L)\sin(n\pi x/L) に限られる。初期条件が第1固有関数そのものなので,Fourier 係数は A1=1A_1=1,それ以外は 0 である。

典型ミス

A1BA=CA^{-1}BA=CBBCC が相似であることを表す。したがって固有値は共通であり,CC の Jordan ブロックから CnC^n の非対角成分が n4n1n4^{n-1} になる。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

2 — I-2 力学

摩擦の向き

接触点の速度 vRωv-R\omega の符号を先に調べると,摩擦の向きが決まる。撃力が重心より高い位置に入るため,初期には回転が強すぎ,摩擦は並進を助け回転を弱める。

試験で書くべきポイント

並進方程式,重心まわりの回転方程式,純転がり条件 v=Rωv=R\omega の三つを別々に書く。慣性モーメント 2mR2/52mR^2/5 を入れ忘れると係数が全てずれる。

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3 — I-3 物理化学

混合エントロピーの微分

全物質量が n(1+α)n(1+\alpha) に変わるため,単に「二成分が等モルで最大」とはならない。物質量を入れた ΔSmix=Rinilnxi\Delta S_{\mathrm{mix}}=-R\sum_i n_i\ln x_i を直接微分するのが安全である。

典型ミス

分圧で 1+α1+\alpha を落とすと KpK_p の分母が誤る。ミカエリス・メンテン式では [E][\mathrm E][ES][\mathrm{ES}] の和が一定であり,[E][\mathrm E][E]0[\mathrm E]_0 にそのまま置き換えない。

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4 — I-4 有機化学1

HCl 付加の分岐

求電子付加で最初にできる二級カルボカチオンは,捕捉されれば CC,ヒドリド移動で第三級カルボカチオンに変われば DD になる。DD の条件は,第三級炭素をもつことを確認するための手掛かりである。

典型ミス

ヒドロホウ素化を Markovnikov 付加として扱うと (1)-1 が逆になる。IR ではカルボン酸の広い O--H と C=O を別々に読み,C=O 吸収を三重結合としない。

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5 — I-5 金属物理学

ステレオ投影の検算

図の記号だけに頼らず,面法線との内積で垂直条件を確認すると読み違いを減らせる。すべり系の計算でも,面法線・すべり方向・引張方向をすべて単位ベクトル化してから Schmid 因子を作る。

典型ミス

{111}110\{111\}\langle110\rangle の 12 系と Taylor 条件の 5 系を混同しやすい。分解せん断応力では,面法線との角 ϕ\phi とすべり方向との角 λ\lambda の両方が必要である。

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6 — I-6 無機固体物性学

岩塩型の数え方

面心立方の格子点数は 4,八面体空隙も単位胞あたり 4 である。密度計算では nm を cm に直してから体積を三乗する。

典型ミス

半径比 0.4140.414 は八面体空隙の下限であり,四面体空隙の値と取り違えない。TiO の金属性は単なる「Ti が金属元素だから」ではなく,Ti 3d バンドの部分占有で説明する。

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7 — I-7 高分子化学

HDPE と LDPE

HDPE は分岐が少ないため密に充填して結晶化しやすい。透明性は結晶散乱のため下がり,強度・融点は上がる。

典型ミス

フェノール樹脂では「酸性=ノボラック,塩基性=レゾール」を構造差とセットで書く。開始剤は,過酸化物・アゾ化合物をラジカル,有機金属・強塩基をアニオン,酸/Lewis 酸をカチオンに分ける。

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8 — II-1 電磁気学

磁場方向の決め方

正電荷なので v×B\mathbf v\times\mathbf B がそのまま力の向きである。負電荷の場合は向きが反転するため,電荷の符号を必ず確認する。

典型ミス

加速は「ギャップ通過ごと」ではなく 1 周あたり 2 回である。EnE_n を半径から求める場合,E=q2B2r2/(2m)E=q^2B^2r^2/(2m)q2q^2B2B^2 を落とさない。

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9 — II-2 熱力学

符号規約

この問題では「外界からなされた仕事」が正である。通常の「気体がした仕事」を正にする約束と逆なので,断熱圧縮の仕事は正になる。

典型ミス

COP の温度は摂氏ではなく絶対温度で入れる。3525=1035-25=10 だけを見て 25/1025/10 としない。

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10 — II-3 量子力学

指数の符号

e2iϕe^{-2i\phi}m=2m=-2 の角運動量固有関数である。+2+2\hbar としないよう,i-i2i-2i の積を丁寧に計算する。

典型ミス

障壁内の波数は実数ではなく減衰定数 α\alpha である。透過率は振幅 TT ではなく確率流の比であり,本問では左右のポテンシャルが同じなので T2|T|^2 と一致する。

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11 — II-4 有機化学2

1,2-付加と1,4-付加

有機リチウムは硬い求核剤としてカルボニル炭素へ 1,2-付加しやすい。一方,Gilman 試薬は共役エノンの β\beta 位へ 1,4-付加し,プロトン化後に置換シクロヘキサノンを与える。

典型ミス

シクロペンタジエンは sp3sp^3 炭素で共役が途切れるため芳香族ではない。Friedel--Crafts では配向性だけでなく,反応条件下で基質が Lewis 酸と錯形成して失活するかも見る。

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12 — II-5 金属組織学

てこの規則

求めたい相の分率は反対側の線分を分子に置く。全体組成 ggα\alpha 側の cc に近いほど α\alpha 相が多くなるので,fα=kg/ckf_\alpha=kg/ck は直感とも合う。

典型ミス

共析反応は全て固相の反応であり,共晶反応と書かない。相律は本問が一定圧力下であるため +2+2 ではなく +1+1 を用いる。

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13 — II-6 無機化学

Ellingham 図の読み方

還元剤が酸素を奪えるかは,還元剤の酸化反応の ΔG\Delta G^\circ 線が金属酸化物生成線より下にあるかで判断する。直線の傾きは ΔS-\Delta S^\circ なので,CO 生成のように気体分子数が増える反応は負の傾きになる。

典型ミス

酸化還元電位は還元電位として与えられているため,酸化側に使うときは符号を反転する。Ellingham 図の計算では J と kJ をそろえてから温度を求める。

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