東京大学 院試 過去問 解答例
東大 工学系研究科 物理工学専攻 物理学 2017年度 院試 解答例・解説
東京大学 工学系研究科 物理工学専攻 物理学 2017年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全6問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
最終更新:
設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。
続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — 午前・摩擦つき連結物体と安定性
前半は、動き出しの時刻で座標と時刻を取り直すと式が単純になる。小時間近似では一次の項が打ち消えるため、 は から始まる点に注意する。
後半は、外場ポテンシャルの曲率が で負、 で正になるため、中央質点だけが不安定化の種になる。左右対称性を使って、反対称モードと対称モードに分けると固有値計算が短くなる。
第2問 — 午前・電気双極子と鏡像法
双極子同士の向きは、電場を毎回作図するよりも相互作用エネルギー で扱うのが確実である。導体面では鏡像との相互作用をそのまま使わず、エネルギーを半分にする点が採点上の注意点である。
第3問 — 午後・井戸中の二フェルミ粒子
この問題は、軌道部分の交換対称性とスピン部分の交換対称性を分けて整理すると崩れない。摂動 は の対角期待値を持たず、交差積分 だけが対称・反対称状態の分裂を作る。
第4問 — 午後・一次元ひも状分子
棒の向きは独立な二値変数なので、二項分布と二準位系の分配関数に帰着する。外力がない場合の復元力はエネルギーではなく、配置数が最大になる へ戻ろうとするエントロピー起源の力である。
第5問 — 午後・ファラデー効果
磁場で左右円偏光の屈折率が分裂することがファラデー効果の本質である。直線偏光は左右円偏光の重ね合わせなので、二つの波数差が相対位相を生み、偏光面が回転する。反射して戻っても回転が打ち消されない非相反性が、通常の自然旋光との重要な違いである。
第6問 — 午後・電子線回折と二次元結晶
電子線回折は「格子和」と「基底の構造因子」を分けると整理しやすい。有限サイズはピーク幅を決め、ブラベー格子はピーク位置を決め、単位胞内の原子配置は強度を決める。積層の設問では、二次元逆格子ロッドが三次元逆格子点へ変わることを説明できればよい。