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千葉大学 院試 過去問 解答例

千葉大 融合理工学府 先進理化学専攻 物理学コース 物理学 2021年度 院試 解答例・解説

千葉大学 融合理工学府 先進理化学専攻 物理学コース 物理学 2021年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全4問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。

最終更新:

設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。

続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。

1 — 中心力

方針

中心力問題は,角運動量保存により平面運動へ落とし,有効ポテンシャルで動径運動を 1 次元問題として扱う。後半の r2r^2 ポテンシャルでは x=r2x=r^2 が自然な変数である。

途中式の意味

UeffU_{\mathrm{eff}} の遠心項は原点への落ち込みを防ぐ正の障壁である。crλcr^\lambda の束縛条件は,r0r\to0rr\to\infty で有効ポテンシャルがどう振る舞うかを比較して判断する。

検算

U=cr2U=cr^2 は 2 次元等方調和振動子に対応する。動径が最小から最大へ移る間に角度が π/2\pi/2 進むので,閉じた楕円軌道になることと一致する。また U=E/2\langle U\rangle=E/2 はビリアル定理の結果でもある。

典型ミス

r˙2\dot{\boldsymbol{r}}^2r˙2\dot r^2 だけにして角運動の項を落とすミスが多い。円運動の条件では UeffU_{\mathrm{eff}} を微分するのであり,UU だけを微分してはいけない。

試験で書くべきポイント

保存量を示す部分では,r×F=0\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{F}=0 とエネルギー微分の相殺を明示する。積分公式を使う箇所では x=r2x=r^2 への変換と dtdt の形を書いておくと,結果だけを書くより説得力が高い。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

2 — 量子力学

方針

前半は表示変換と Airy 関数の境界条件,後半は固有関数展開と伝播核で解く。重力ポテンシャルは線形なので,波束中心は Ehrenfest の定理どおり古典運動に従う。

途中式の意味

Airy 関数の引数が x/lE/(mgl)x/l-E/(mgl) になるのは,運動エネルギー項と重力ポテンシャル項の係数をそろえるためである。ミラー境界は x=0x=0 で波動関数を 0 にするので,Airy 関数の負のゼロ点がエネルギー量子化を決める。

検算

エネルギーの次元は mglmgl で,ll は長さである。得られる中性子のエネルギーは pico eV 程度で,重力量子状態として知られる非常に小さいスケールと合っている。

典型ミス

運動量表示で x^=id/dp\hat x=-i\hbar d/dp と符号を逆にすると,交換関係の符号が合わない。伝播核では複素共役 ψn(w)\psi_n^*(w) を落とすと,t=0t=0 のデルタ関数が正しく出ない。

試験で書くべきポイント

概形を描く問題では,節の数,x=0x=0 の境界条件,転回点より上での減衰を言葉でも説明する。最後の波束問題は完全積分ができなくても,中心と幅の物理的依存性を明示すれば部分点を取りやすい。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

3 — 熱統計

方針

状態密度の温度依存性は,分散関係から状態数 N(ε)N(\varepsilon) の冪を数えるだけで決まる。ディラック電子では線形分散かつ二次元なので,状態密度がエネルギーに比例する。

途中式の意味

熱エネルギーの積分で ε=xkT\varepsilon=xkT と置くと,温度依存性は積分の前に出る冪だけで決まる。フェルミ分布の積分値は係数を決めるために必要で,T2T^2 という熱容量の冪は状態密度の線形性から来ている。

検算

通常の二次元放物型電子なら状態密度は定数で,低温熱容量は TT に比例する。一方,ディラック点では状態密度が 0 から線形に立ち上がるため,余分に TT が掛かって T2T^2 になる。

典型ミス

負エネルギー側をそのまま無限に積分して真空エネルギーを数えると発散する。ここでは絶対零度の充填状態を基準にし,熱で励起された電子と正孔だけを数える。スピン縮退を入れるかどうかも係数を変えるので,答案内で規約を明記する。

試験で書くべきポイント

係数まで求める設問では,面積因子 L2/(2π)2L^2/(2\pi)^2,円環の 2πkdk2\pi k\,dk,スピン縮退 2 を順に書く。磁化率では,励起数が T2T^2,Curie 則が 1/T1/T なので全体が TT に比例することを言葉で確認する。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

4 — 静電場

方針

前半はガウスの法則,後半は像電荷法を使う。球内の電場が位置に比例するため,点電荷の運動は調和振動になる。

途中式の意味

一様帯電球は外部から見ると中心の点電荷と同じ電場を作るが,内部では包む電荷が r3r^3 に比例するので電場は rr に比例する。二つの +q/2+q/2 のつり合いは,球からの引力と相互反発の 1 本の式で決まる。

検算

z=±a/2z=\pm a/2 の二点電荷を加えると,全電荷は 0,双極子も対称性で 0 になる。したがって遠方の先頭項が 1/r31/r^3 になるのは多重極展開として自然である。

典型ミス

接地平面がある最後の設問で,点電荷自身の像だけを入れると原点に定数力が残り,原点まわりの単振動にならない。帯電球の像も入れることで定数力が相殺され,1 次の復元力だけが残る。

試験で書くべきポイント

像電荷法では,どの実電荷にどの像を置いたかを明記する。最後の振動数比は角振動数の比なので,力の係数の比を取ったあと平方根を忘れない。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

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