早稲田大学 院試 過去問 解答例
早稲田大学 基幹理工学研究科 数学応用数理専攻 専門科目 2025年度 院試 解答例・解説
早稲田大学 基幹理工学研究科 数学応用数理専攻 専門科目 2025年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全12問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
最終更新:
設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。
続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — 微分積分
これは第二平均値定理を組み立てる問題である。 による部分積分で重み を作ると、 を全質量とする評価に変わる。最後の は、尾部積分を に押し込むと一行で Cauchy 性が出る。
第2問 — 線形代数
第(2)問では固有値 が重複しているため、平方根は単に対角成分に符号を付けるだけでは尽くせない。重複固有空間上では任意の実対称 involution を許す、というのが全解の形である。
第3問 — 基礎数理 3A・3B
有限では「個数」または「次元」が保存量になる。無限次元では右シフト・左シフトが典型的な反例である。可積分関数の極限問題では、連続性だけでは細い山を無限に作れるが、一様連続性があると山の幅に下限が生まれるため、積分有限性と矛盾する。
第4問 — 代数
平方根を付け加えた環の正規性では、跡で を、ノルムで を制御する。最後に が平方因子を持たないことが、 の分母を消す役割を果たす。
第5問 — 代数
有限体拡大を 次元ベクトル空間として見ると、位数 の元が自然に線形変換を与える。上界は有理標準形で、半単純部分の位数と冪零部分の 冪を分けて評価する。
第6問 — 解析
核の有限次元性も閉値域性も、コンパクト埋め込みから得られる「 収束部分列」を、仮定の評価で 収束に引き上げるのが要点である。
第7問 — 解析
核の具体形は指数関数の Fourier 積分から直接出る。後半は「質量が原点近くへ集中する」ことと、 平行移動の連続性を組み合わせる標準的な近似単位の証明である。
第8問 — 幾何
三つのベクトル場は球面の回転を表す。半径方向の -形式は回転方向を消し、球面上では逆に回転方向が接平面を張るため、接空間上の -形式は消えてしまう。
第9問 — 幾何
第(1)問は「底空間で縮むループのホモトピーを持ち上げる」と、上でも縮むことを示す問題である。第(2)問は被覆空間と基本群部分群の対応を使う。なお、結論には通常の連結被覆として扱う仮定が必要で、余分な連結成分を付けた非連結被覆では同じ主張は成り立たない。
第10問 — 確率・統計
既知平均の場合、分散推定量は独立な の平均である。四次モーメントだけ計算すれば、平均・分散・MSE はすべて直ちに出る。
第11問 — 応用数理
すべて Neumann 級数の応用である。最後の行列は対角の を基準にして を単位行列の摂動と見ると、行和ノルムの評価がちょうど になる。
第12問 — 応用数理
次数和と木の辺数公式で構造量を出し、数え上げは「辺を選んで新しい葉を挿入する」再帰に帰着する。根を挿入する操作は、新しいラベル付き葉を一つ増やす操作と同じ情報を持っている。