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室蘭工業大学 工学研究科 専門科目(機械ロボット工学・共創情報学E系) 2025年度 一般入試(1次) 院試 過去問 解答例・解説(解説10項目)

解説10項目の分野は力学4項目、熱・統計力学2項目、制御工学1項目です。固有値・固有ベクトル、重積分と極座標、伝達関数などが出ています。解説はすべて、途中式と最終答は大問1問ぶんを公開しています。PDFの収録範囲は商品ページで確認できます。原題の条件だけでは答えが一つに決まらないため、確定答案を収録していない箇所が1項目あります。各項目に対象の小問と収録範囲を記載しています。問題本文は含みません。

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数学 1. — 線形代数:三次行列の固有ベクトル

三次行列の特性多項式を因数分解し、各固有値で連立方程式を解きます。固有値が異なれば固有ベクトルは一次独立になるため、求めた三本を並べた行列でも確認できます。ベクトルの定数倍は同じ固有方向を表し、成分の数値が異なるだけでは不一致になりません。

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数学 2. — 微分積分:逆正接と円盤の積分

逆正接の偏微分では、まず中身を一つの関数と見て連鎖律を適用します。定積分は部分分数に分け、円盤上の重積分は固定した xx に対する上下の境界を書いてから積分します。円盤の対称性を使うときも、被積分関数がどの変数について偶関数かを確認します。

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数学 3. — 微分方程式:指数余弦外力の特解

二階定数係数方程式を、同次解と特解に分けて解きます。外力の指数因子をくくると、正弦・余弦の未定係数を決める二元連立方程式が得られます。特解の係数を決めた後は、元の微分演算子を作用させて、指数項と三角関数の両方が一致するかを検算します。

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熱力学 1. — 熱力学:状態量と密閉容器

一部の確定答案なし

原題の理想気体・等温・固定質量という条件と、二状態の圧力・体積の数値が両立しないため、この小問の確定答案を収録していません。比エンタルピーの定義だけによる形式値を示し、状態方程式と温度依存から条件の不整合を説明しています。他の設問は収録しています。

比エンタルピーの定義は h=u+pvh=u+pv です。ただし設問(1)では、記載された圧力・体積が理想気体の等温条件と両立しません。形式的な計算値と、全条件を同時に満たす答案の有無を分ける必要があります。密閉容器の別設問では、体積一定のため圧力比を絶対温度比に置き換えます。

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熱力学 2. — 熱力学:断熱関係と二つの熱効率

可逆断熱過程の温度・比体積の関係を、第一法則と理想気体の状態式から導きます。カルノー機関は二つの熱源の絶対温度比、オットーサイクルは圧縮比と比熱比で効率を表します。どちらの温度が高温側か、放熱量を正の大きさで置いているかをそろえて計算します。

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流体力学 1. — 流体力学:円管層流と圧力損失

円管層流では、平均速度と管断面積から流量を求め、放物線状の速度分布から中心速度を読みます。圧力損失には Darcy の管摩擦係数を使い、Fanning の係数と取り違えないようにします。レイノルズ数で層流の仮定を確かめ、最後に圧力の単位まで確認します。

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流体力学 2. — 流体力学:定常運動方程式の無次元化

流体の加速度は、時間変化に加えて速度場の空間変化による移流項を持ちます。原題にある成分添字の不整合は、物質微分を各速度成分へ作用させて判断できます。代表長さと代表速度で無次元化した後は、慣性項で割ることで粘性項の係数がレイノルズ数の逆数になると分かります。

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材料力学:段付き棒の熱応力

固定壁の間にある段付き棒では、自由熱膨張と軸力による弾性変形の和が零になります。途中に外力がなければ各区間の軸力は共通ですが、断面積が違うため応力は異なります。加熱時の反力を引張り正の規約で書けば負となり、各区間が圧縮されることも確かめられます。

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機械力学:頂点支持平板の自由振動

平板を頂点まわりに回す慣性モーメントは、重心まわりの値に平行軸の項を加えて求めます。ばねの変位を微小角に比例する量へ直し、回転剛性と慣性の比から固有角振動数を出します。角振動数と周波数の違いに注意し、Hz で答えるときは 2π2\pi で割ります。

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制御工学:三次系の根軌跡

設問(1) 出発する極

根軌跡は D(s)+KN(s)=0D(s)+KN(s)=0 の根を K≥0K\ge0 で追ったものである。K=0K=0 では D(s)=0D(s)=0 の根から出発する。今回の一巡伝達関数には有限零点がなく、三つの枝は無限遠へ向かう。

分母の因子 (s−1)(s-1) は極 +1+1 を表し、−1-1 ではない。これを取り違えると開ループの不安定極を消し、後の安定判定の説明も変わってしまう。

設問(2) 実軸上の区間

実軸上の各一次因子は、評価点が極の左側なら負、右側なら正になる。分子が正の定数なので、G(s)G(s) が負の実数となるには分母の負の因子が奇数個必要である。これは K=−D(s)/100≥0K=-D(s)/100\ge0 という実数の条件からも確認できる。

例えば s=−2s=-2 なら D=(−2+4)(−2+8)(−2−1)=−36D=(-2+4)(-2+8)(-2-1)=-36 で K=0.36>0K=0.36>0。一方 s=−6s=-6 では D=(−2)(2)(−7)=28D=(-2)(2)(-7)=28 となり K=−0.28K=-0.28 で対象外になる。左側の極を数えて奇数区間を選ぶと、この例と逆の区間を答える。

設問(3) 漸近線の角度

ゲインを無限大へ近づけると、最高次の項が無限遠での方向を決める。s3≃−100Ks^3\simeq-100K の右辺は負の実数なので、その三つの三乗根の方向が等間隔に並ぶ。角度は正の実軸から反時計回りに測った。

0∘,120∘,240∘0^\circ,120^\circ,240^\circ とすると s3s^3 が正の実数になり、s3+100K=0s^3+100K=0 の符号を満たさない。角度を360度ずつ変えて表すことや、−60,−180,−300-60,-180,-300 度の組で表すことは同じ方向を表す。

設問(4) 漸近線の交点

分母を展開すると D=s3+11s2+20s−32D=s^3+11s^2+20s-32。s=z−11/3s=z-11/3 とずらすと z2z^2 の項が消え、大きな根の三方向がこの点の周りで釣り合うことが分かる。一般式は、根の和が多項式の二次係数で決まることに基づく。

交点は分離点ではない。分離点は dK/ds=0dK/ds=0 を満たす点で、今回約 −1.063-1.063 である。−11/3-11/3 を枝が実軸を離れる位置として描くと、原題で示された分離点約 −1-1 とも一致しない。

設問(5) 根軌跡の概形

分離点の候補が二つ出ても、K≥0K\ge0 の実軸区間に属する点だけを採用する。もう一つの約 −6.27-6.27 は (−8,−4)(-8,-4) にあり、正のゲインの枝ではない。共役な枝は実係数多項式の根なので実軸対称になる。

虚軸との交点は s=jωs=j\omega を s3+11s2+20s+100K−32=0s^3+11s^2+20s+100K-32=0 に代入して求められる。虚部は ω(20−ω2)=0\omega(20-\omega^2)=0、非零の交点は ω=20\omega=\sqrt{20}。実部から K=2.52K=2.52 となる。根軌跡の曲線はこの交点と分離点を通るよう、計算結果をもとに独自に描いた概形である。

設問(6) 安定性と振動性の判断

不安定性は右半平面の極、振動性は非実の共役極によって判断する。KK がほぼ零のとき正の実極があるので不安定だが、極は三つとも実数のままなので振動的とはいえない。この二つの性質を分けると(ウ)が正しく(エ)が誤りと判断できる。

(イ)は上で求めた安定区間が反例になる。(オ)は分離点より先の共役枝が反例になる。係数がすべて正となる K>0.32K>0.32 だけで安定と判断すると、大きなKで二つの極が右半平面へ移る挙動を見落とす。

解答

設問(1) 出発する極

分母は (s+4)(s+8)(s−1)(s+4)(s+8)(s-1)。従って実軸の左から A=−8+j0,B=−4+j0,C=1+j0. A=-8+j0,\quad B=-4+j0,\quad C=1+j0.

設問(2) 実軸上の区間

正のゲインの根軌跡では位相条件 arg⁡G(s)=(2q+1)π\arg G(s)=(2q+1)\pi を満たす。実軸上では、その点の右側にある実極・実零点の総数が奇数になる区間を選ぶ。 右側の個数は左から3、2、1、0なので、区間①と③である。

設問(3) 漸近線の角度

極3個、有限零点0個なので漸近線は3本。高周波の特性式 s3+100K≃0s^3+100K\simeq0 から θq=(2q+1)180∘3(q=0,1,2). \theta_q=\frac{(2q+1)180^\circ}{3}\quad(q=0,1,2).

設問(4) 漸近線の交点

漸近線の重心は極の和と零点の和の差を次数差で割る。 σa=(−8)+(−4)+13=−113. \sigma_a=\frac{(-8)+(-4)+1}{3}=-\frac{11}{3}.

設問(5) 根軌跡の概形

分離点は K=−D/100K=-D/100 を微分して 3s2+22s+20=0,s=−11±613. 3s^2+22s+20=0,\quad s=\frac{-11\pm\sqrt{61}}3. 実軸の根軌跡上にあるのは sb=(−11+61)/3≃−1.063s_b=(-11+\sqrt{61})/3\simeq-1.063。 −4-4 と 11 から出た枝はここで合流して共役に分かれ、残りの枝は −8-8 から左へ進む。

三次系の根軌跡。極−8・−4・1、分離点と60度・180度・300度の漸近線、ゲインを増やす方向。

設問(6) 安定性と振動性の判断

ラウス表の第1列は 1,11,252−100K11,100K−32. 1,\quad11,\quad\frac{252-100K}{11},\quad100K-32. よって安定範囲は 0.32<K<2.520.32<K<2.52。K≃0K\simeq0 では三極は実数で、そのうち一つが正である。分離後は複素共役極を持つ。有限零点はないので、K→∞K\to\infty ですべての枝が無限遠へ向かう。

最終答

設問(1) 出発する極

A=−8A=-8、B=−4B=-4、C=1C=1。

設問(2) 実軸上の区間

区間① (−∞,−8)(-\infty,-8) と区間③ (−4,1)(-4,1)。

設問(3) 漸近線の角度

60∘,180∘,300∘60^\circ,180^\circ,300^\circ(300∘=−60∘300^\circ=-60^\circ)。

設問(4) 漸近線の交点

σa=−11/3\sigma_a=-11/3。

設問(5) 根軌跡の概形

上図。矢印は KK が増える向き、破線は漸近線。

設問(6) 安定性と振動性の判断

正しいものは(ア)(ウ)、誤りは(イ)(エ)(オ)。

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2025年度 一般入試(1次)の出題内容

解説10項目

この10問の分野は力学4問・熱・統計力学2問・制御工学1問・線形代数1問・微分積分・解析1問・微分方程式1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
数学 1.線形代数三次行列の固有ベクトル—あり
数学 2.微分積分・解析逆正接と円盤の積分—あり
数学 3.微分方程式指数余弦外力の特解—あり
熱力学 1.熱・統計力学状態量と密閉容器—一部の確定答案なし
熱力学 2.熱・統計力学断熱関係と二つの熱効率—あり
流体力学 1.力学円管層流と圧力損失—あり
流体力学 2.力学定常運動方程式の無次元化—あり
材料力学力学段付き棒の熱応力—あり
機械力学力学頂点支持平板の自由振動—あり
制御工学制御工学三次系の根軌跡—あり

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