院試hub

室蘭工業大学 工学研究科 専門科目(機械ロボット工学・共創情報学E系) 2026年度 一般入試(2次) 院試 過去問 解答例・解説(解説11項目)

解説11項目の分野は力学5項目、熱・統計力学2項目、制御工学1項目です。固有値・固有ベクトル、重積分と極座標、伝達関数などが出ています。2026年度 一般入試(1次)と共通するテーマは重積分と極座標、伝達関数、剛体の回転運動です。解説はすべて、途中式と最終答は大問1問ぶんを公開しています。PDFの収録範囲は商品ページで確認できます。問題本文は含みません。

最終更新:

数学 1. — 線形代数:固有値と固有空間

固有値は det⁡(λI−A)=0\det(\lambda I-A)=0 から求め、その値を代入した連立一次方程式で固有空間を求めます。固有ベクトルは零ベクトルを除く任意の定数倍を含みます。得られた代表ベクトルについて Av=λvAv=\lambda v を直接確かめると、成分の順序や符号の誤りを見つけられます。

線形代数:固有値と固有空間の途中式・最終答をPDFで見る

数学 2. — 微分積分:部分積分と長方形領域

指数関数と三角関数の積は、両方の微分項を加えます。定積分では部分積分の上下の端点を差の順に代入し、重積分では長方形領域の上下限を固定して順に積分します。独立な範囲でも被積分関数を無理に積の形へ分けず、項ごとに積分できるかを見ます。

微分積分:部分積分と長方形領域の途中式・最終答をPDFで見る

数学 3. — 微分方程式:指数因子の変換

指数関数を含む外力には y=exvy=e^xv の置換が使えます。変換後の同次方程式を解き、正弦・余弦を組み合わせた特解を加えます。置換で得た積分定数を元の yy へ戻した後、二つの独立な同次解が残っていることと、外力の係数を再確認します。

微分方程式:指数因子の変換の途中式・最終答をPDFで見る

熱力学 1. — 熱力学:熱量の微分と比熱

閉じた系の第一法則に、理想気体の状態式と内部エネルギーの温度依存を組み合わせます。エンタルピーを使う経路でも同じ熱量の微分式が得られ、二つの係数を比べると比熱の関係式が現れます。熱は状態量ではないため、全微分と同じ記号で扱わない点にも注意します。

熱力学:熱量の微分と比熱の途中式・最終答をPDFで見る

熱力学 2. — 熱力学:オットーサイクルの数値

圧縮比と比熱比からオットーサイクルの理論熱効率を求めます。最高圧力は定積加熱の終点にあり、断熱圧縮で得る温度比と、加熱前後の温度比を分けて使います。温度には絶対温度を用い、同じ体積にある二状態だけに圧力と温度の比例関係を適用します。

熱力学:オットーサイクルの数値の途中式・最終答をPDFで見る

流体力学 1. — 流体力学:気体密度と絶対温度

理想気体の密度は p=ρRTp=\rho RT で圧力・温度と結び付きます。温度を求める際は、気体定数が単位質量当たりの値であることと、圧力の単位をそろえます。式の右辺が温度の次元になるかを確かめれば、密度や気体定数を逆に掛ける誤りを防げます。

流体力学:気体密度と絶対温度の途中式・最終答をPDFで見る

流体力学 2. — 流体力学:一様流中の円柱抗力

円柱の抗力には、動圧、抗力係数、流れに垂直な投影面積を使います。長い円柱の側面積や断面の円面積をそのまま入れると、抗力係数を定義した面積と合わなくなります。直径と長さから投影面積を作り、長さの単位をそろえてから数値を代入します。

流体力学:一様流中の円柱抗力の途中式・最終答をPDFで見る

流体力学 3. — 流体力学:連続の式と流れの条件

質量保存の式から、定常なら時間微分項が消え、非圧縮なら速度場の発散が零になります。一方向だけに速度成分を持つ場合は、その条件を成分式へ代入します。定常と非圧縮は別の仮定であり、定常というだけで密度を空間的に一定としてはいけません。

流体力学:連続の式と流れの条件の途中式・最終答をPDFで見る

材料力学:安全率と最小断面

安全率を考慮した許容応力から必要断面積を求め、円形断面の直径へ換算します。棒の引張りとボルトのせん断では、力を受ける面の数と応力の種類を分けます。直径を丸める場合は許容応力を超えない側へ選び、得た直径を元の応力式へ戻して確かめます。

材料力学:安全率と最小断面の途中式・最終答をPDFで見る

機械力学:質点を持つ棒の振り子

設問(1) 慣性モーメント

質点の慣性モーメントは mr2mr^2 であり、支点の上か下かに関係なく非負になる。下側の質点は質量が2倍、距離も2倍なので寄与が 2×22=82\times2^2=8 倍になる。

運動エネルギーで確かめると、上の速度の大きさは Lθ˙L\dot\theta、下は 2Lθ˙2L\dot\theta なので T=m(Lθ˙)2/2+(2m)(2Lθ˙)2/2=9mL2θ˙2/2T=m(L\dot\theta)^2/2+(2m)(2L\dot\theta)^2/2=9mL^2\dot\theta^2/2。距離を二乗せず mL+2m(2L)=5mLmL+2m(2L)=5mL とすると次元が慣性モーメントにならない。

設問(2) 微小振動の式

上の質点だけなら、鉛直上向きの位置から倒れるほど重力位置エネルギーが減少する。一方、下の質点は傾けると位置が高くなり、復元モーメントを生む。二つの差 4mgL−mgL=3mgL4mgL-mgL=3mgL が正なので、鉛直姿勢は安定になる。

減衰器の取付点は支点から LL で、水平変位は Lsin⁡θ≃LθL\sin\theta\simeq L\theta。速度に対する抵抗力を腕 LL で回転へ換算する。重力寄与をすべて足して 5mgLθ5mgL\theta とすると、上側質点も安定化すると誤って扱ったことになる。位置エネルギーの二階微分で符号を確認するとこの誤りを避けられる。

設問(3) 非減衰固有振動数

微小角の非減衰方程式 θ¨+ωn2θ=0\ddot\theta+\omega_n^2\theta=0 の係数から固有角振動数を読む。重力と慣性はいずれも質量に比例するため、質量 mm が消える。幾何学的に相似な振り子では長くすると遅くなり、L−1/2L^{-1/2} の依存性もこの挙動と一致する。

有効振り子長さを JO/(3mL)=3LJ_O/(3mL)=3L と置けば単振り子の g/ℓeff\sqrt{g/\ell_{\rm eff}} と同じ形になる。距離が長い下側の質点だけを採用すると g/(2L)\sqrt{g/(2L)} となり、上側の質点による不安定化と慣性を落とす。

設問(4) 臨界減衰係数

減衰を増やしたときに振動性が失われる境界は、特性式の判別式が零になる点である。今回の回転減衰は Cθ=cL2C_\theta=cL^2 で、臨界値は 2JOKθ2\sqrt{J_OK_\theta}。元の並進係数へ戻すため L2L^2 で割る。

g/Lg/L は s−2\mathrm{s^{-2}}、従って ccc_c は kg/s\mathrm{kg/s} になる。運動方程式を L2L^2 で割って 9mθ¨+cθ˙+(3mg/L)θ=09m\ddot\theta+c\dot\theta+(3mg/L)\theta=0 としてから重根条件を使っても同じ結果になる。cc=29m×3mgLc_c=2\sqrt{9m\times3mgL} とすると、この割算で復元項に残る 1/L1/L を落としている。

解答

設問(1) 慣性モーメント

棒自体の質量を無視するので、二つの質点を加える。 JO=mL2+(2m)(2L)2=9mL2. J_O=mL^2+(2m)(2L)^2=9mL^2.

設問(2) 微小振動の式

角度 θ\theta に対する重力位置エネルギーは U=mgLcos⁡θ+(2m)g(−2Lcos⁡θ)=−3mgLcos⁡θ. U=mgL\cos\theta+(2m)g(-2L\cos\theta)=-3mgL\cos\theta. 微小角で dU/dθ≃3mgLθdU/d\theta\simeq3mgL\theta。上の減衰器は cL2θ˙cL^2\dot\theta の抵抗モーメントを生むから 9mL2θ¨+cL2θ˙+3mgLθ=0. 9mL^2\ddot\theta+cL^2\dot\theta+3mgL\theta=0.

設問(3) 非減衰固有振動数

回転剛性 3mgL3mgL を慣性 9mL29mL^2 で割る。 ωn2=3mgL9mL2=g3L,fn=12πg3L. \omega_n^2=\frac{3mgL}{9mL^2}=\frac{g}{3L},\qquad f_n=\frac1{2\pi}\sqrt{\frac{g}{3L}}.

設問(4) 臨界減衰係数

重根条件から (ccL2)2=4(9mL2)(3mgL)=108m2gL3. (c_cL^2)^2=4(9mL^2)(3mgL)=108m^2gL^3. 正の根を取り、L4L^4 で割って cc=6m3gL. c_c=6m\sqrt{\frac{3g}{L}}.

最終答

設問(1) 慣性モーメント

JO=9mL2J_O=9mL^2。

設問(2) 微小振動の式

JOθ¨+cL2θ˙+3mgLθ=0J_O\ddot\theta+cL^2\dot\theta+3mgL\theta=0、JO=9mL2J_O=9mL^2。

設問(3) 非減衰固有振動数

fn=(2π)−1g/(3L) Hzf_n=(2\pi)^{-1}\sqrt{g/(3L)}\ \mathrm{Hz}。

設問(4) 臨界減衰係数

cc=6m3g/Lc_c=6m\sqrt{3g/L}。

制御工学:零点を含むボード線図

ブロック線図から閉ループと一巡の伝達関数を分けて求めます。ボード線図の折点と傾きの変化を極・零点に対応させ、ゲインの高さから係数を定めます。位相余裕はゲイン交差点で読む角度です。折線近似の交点と、厳密な伝達関数の交点による値を区別します。

制御工学:零点を含むボード線図の途中式・最終答をPDFで見る

専門科目(機械ロボット工学・共創情報学E系)の解答・解説PDF

2025〜2026年度・4回 · ¥2,580

解答PDFの商品ページへ

年度別の解答例(4年度)

2026年度 一般入試(2次)の出題内容

解説11項目

この11問の分野は力学5問・熱・統計力学2問・制御工学1問・線形代数1問・微分積分・解析1問・微分方程式1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
数学 1.線形代数固有値と固有空間—あり
数学 2.微分積分・解析部分積分と長方形領域—あり
数学 3.微分方程式指数因子の変換—あり
熱力学 1.熱・統計力学熱量の微分と比熱—あり
熱力学 2.熱・統計力学オットーサイクルの数値—あり
流体力学 1.力学気体密度と絶対温度—あり
流体力学 2.力学一様流中の円柱抗力—あり
流体力学 3.力学連続の式と流れの条件—あり
材料力学力学安全率と最小断面—あり
機械力学力学質点を持つ棒の振り子—あり
制御工学制御工学零点を含むボード線図—あり

同じテーマを出した他大学・他年度

7テーマ

前年度(2026年度 一般入試(1次))との違い

大問数
2026年度 一般入試(1次) 10問 → 2026年度 一般入試(2次) 11問
2026年度 一般入試(2次)で新しく出たテーマ
固有値・固有ベクトル・ボード線図
2026年度 一般入試(1次)の解答例

室蘭工業大学の公式過去問

公開年度範囲
2025・2026年度 第1次・第2次募集
公式の解答例
全年度・全科目で公開
院試hubの最終確認
2026-10-24
室蘭工業大学の公式過去問PDF