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室蘭工業大学 工学研究科 専門科目(機械ロボット工学・共創情報学E系) 2026年度 一般入試(1次) 院試 過去問 解答例・解説(解説10項目)

解説10項目の分野は力学4項目、熱・統計力学2項目、制御工学1項目です。重積分と極座標、伝達関数、剛体の回転運動などが出ています。2025年度 一般入試(2次)と共通するテーマは伝達関数、剛体の回転運動、はりの曲げです。解説はすべて、途中式と最終答は大問1問ぶんを公開しています。PDFの収録範囲は商品ページで確認できます。問題本文は含みません。

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数学 1. — 線形代数:全実数での正則性

パラメータを含む行列がすべての実数 xx で正則となるには、行列式が一度も零にならないことが必要です。行列式を xx の二次式に直し、最高次係数が零になる場合を先に分けます。二次式の場合は判別式の符号で判定し、境界の重根を含めないようにします。

線形代数:全実数での正則性の途中式・最終答をPDFで見る

数学 2. — 微分積分:積の微分と楕円領域

設問(1) 指数関数と三角関数の微分

微分可能な関数 u,vu,v について (uv)′=u′v+uv′(uv)'=u'v+uv' である。これは差分 u(x+h)v(x+h)−u(x)v(x)u(x+h)v(x+h)-u(x)v(x) に u(x+h)v(x)u(x+h)v(x) を足し引きして、二つの差商へ分けると得られる。三角関数の引数は 3x3x なので、連鎖律から (sin⁡3x)′=3cos⁡3x(\sin3x)'=3\cos3x、(cos⁡3x)′=−3sin⁡3x(\cos3x)'=-3\sin3x となる。

本問では指数関数側の係数 22 と三角関数側の係数 33 を別々に保つと、正弦の係数は 2−3=−12-3=-1、余弦は 2+3=52+3=5 と確認できる。x=0x=0 で微分係数は 55。積の微分の第1項を落とした式 3e2x(cos⁡3x−sin⁡3x)3e^{2x}(\cos3x-\sin3x) では x=0x=0 に 33 となり一致しない。

設問(2)(a) ヤコビ行列

ヤコビ行列は、入力の微小変位 (dr,dθ)(dr,d\theta) を出力 (dx,dy)(dx,dy) へ移す一次近似 (dx,dy)T=J(dr,dθ)T (dx,dy)^{\mathsf T}=J(dr,d\theta)^{\mathsf T} の係数行列である。第1列は半径方向、第2列は角度方向の変化を表す。rr を固定した角度方向の微分では rr が残る。

θ=0\theta=0 では J=diag⁡(a,br)J=\operatorname{diag}(a,br) となり、半径方向は xx 方向へ、角度方向は yy 方向へ移るので幾何的にも確認できる。第2列から rr を落とすと、原点 r=0r=0 でも角度を変えたときに移動が生じる誤った一次近似になる。行列の行と列を転置しても行列式だけは一致し得るが、微小変位の対応は変わるため、ここでは変数の順を明記した。

設問(2)(b) 面積の倍率

二つの微小辺をヤコビ行列の列で近似すると、像の平行四辺形の面積は元の長方形の面積の ∣det⁡J∣|\det J| 倍になる。重積分に必要なのは符号付き行列式そのものではなく絶対値である。本問の積分範囲では abr≥0abr\ge0 なので同じ式を使える。r=0r=0 の退化は一点だけであり、積分値には影響しない。

倍率を積分して領域の面積を確かめると ∫02π∫01abr dr dθ=πab \int_0^{2\pi}\int_0^1 abr\,dr\,d\theta=\pi ab となり、半径 a,ba,b の楕円の面積に一致する。倍率を単に abab とすると 2πab2\pi ab となり、面積を2倍に数えてしまう。

設問(2)(c) 楕円上の二次モーメント

被積分関数は x2+y2=r2(a2cos⁡2θ+b2sin⁡2θ)x^2+y^2=r^2(a^2\cos^2\theta+b^2\sin^2\theta) で、面積要素の rr と合わせて r3r^3 になる。角度については cos⁡2θ=(1+cos⁡2θ)/2\cos^2\theta=(1+\cos2\theta)/2 を一周積分すれば π\pi が得られ、正弦二乗も同じである。

a=b=Ra=b=R に近づけると I=πR4/2I=\pi R^4/2。円盤の極座標積分 2π∫0Rs3ds2\pi\int_0^R s^3ds と一致する。長さを一様に2倍にすると、関数が4倍、面積が4倍なので積分は16倍になることも式から分かる。変換後の関数を r2r^2 だけにしてしまうと πab/2\pi ab/2 となり、楕円の伸縮方向の二乗を落として次元も長さの四乗にならない。

解答

設問(1) 指数関数と三角関数の微分

積の微分を用いて f′(x)=2e2x(sin⁡3x+cos⁡3x)+e2x(3cos⁡3x−3sin⁡3x)=e2x(5cos⁡3x−sin⁡3x).\begin{align*} f'(x)&=2e^{2x}(\sin3x+\cos3x) +e^{2x}(3\cos3x-3\sin3x)\\ &=e^{2x}(5\cos3x-\sin3x). \end{align*}

設問(2)(a) ヤコビ行列

変数の順を (r,θ)(r,\theta) とすると J=∂(x,y)∂(r,θ)=(∂x/∂r∂x/∂θ∂y/∂r∂y/∂θ)=(acos⁡θ−arsin⁡θbsin⁡θbrcos⁡θ). J=\frac{\partial(x,y)}{\partial(r,\theta)} =\begin{pmatrix} \partial x/\partial r&\partial x/\partial\theta\\ \partial y/\partial r&\partial y/\partial\theta \end{pmatrix} =\begin{pmatrix}a\cos\theta&-ar\sin\theta\\ b\sin\theta&br\cos\theta\end{pmatrix}.

設問(2)(b) 面積の倍率

二次の行列式を展開すると det⁡J=abrcos⁡2θ+abrsin⁡2θ=abr. \det J=ab r\cos^2\theta+ab r\sin^2\theta=ab r. r≥0r\ge0、a,b>0a,b>0 より、面積要素は dx dy=abr dr dθdx\,dy=ab r\,dr\,d\theta である。

設問(2)(c) 楕円上の二次モーメント

領域は 0≤r≤10\le r\le1、0≤θ<2π0\le\theta<2\pi に移る。したがって I=ab∫02π∫01r3(a2cos⁡2θ+b2sin⁡2θ) dr dθ=ab4(a2π+b2π).\begin{align*} I&=ab\int_0^{2\pi}\int_0^1 r^3(a^2\cos^2\theta+b^2\sin^2\theta)\,dr\,d\theta\\ &=\frac{ab}{4}\left(a^2\pi+b^2\pi\right). \end{align*}

最終答

設問(1) 指数関数と三角関数の微分

f′(x)=e2x(5cos⁡3x−sin⁡3x)f'(x)=e^{2x}(5\cos3x-\sin3x)。

設問(2)(a) ヤコビ行列

J=(acos⁡θ−arsin⁡θbsin⁡θbrcos⁡θ)J=\begin{pmatrix}a\cos\theta&-ar\sin\theta\\b\sin\theta&br\cos\theta\end{pmatrix}。

設問(2)(b) 面積の倍率

det⁡J=abr\det J=abr。

設問(2)(c) 楕円上の二次モーメント

I=πab(a2+b2)4I=\dfrac{\pi ab(a^2+b^2)}4。

数学 3. — 微分方程式:指数三角関数の外力

まず同次方程式の特性根を求め、外力の e−xe^{-x} をくくる置換で特解を探します。e−xe^{-x} が同次解に現れても、外力には三角関数が含まれるため、特性根全体を見て共鳴を判定します。求めた特解を二階まで微分して元の方程式へ戻すと、係数と符号を確認できます。

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熱力学 1. — 熱力学:可逆断熱圧縮

可逆断熱過程では pVκpV^\kappa が一定です。終圧を求めた後、系が外部へする仕事を正として ∫p dV\int p\,dV を計算すると、圧縮の仕事は負になります。断熱では熱の流入が零なので、第一法則から内部エネルギーの増加が決まります。指定の平方根近似を使う段階もそろえます。

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熱力学 2. — 熱力学:オットーサイクルの効率

オットーサイクルの吸熱と放熱は二つの定積過程で生じ、どちらにも定積比熱を使います。二つの断熱過程で温度比と圧縮比を結び付けると、熱効率の式を整理できます。放熱量を負の熱として扱うか、正の大きさとして扱うかを途中で切り替えると、熱収支の放熱項の符号が逆になります。

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流体力学 1. — 流体力学:小孔からの流出

水面と小孔出口にベルヌーイの式を立てます。大気圧が相殺されることと、大タンク近似で水面速度を無視することを、それぞれ代入条件として確認します。レイノルズ数の代表長さには孔の直径を使います。水頭を代入すると、速度が同じでも別の数値になってしまいます。

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流体力学 2. — 流体力学:運動方程式と仮定

非圧縮、非定常、非粘性、定常という仮定が、運動方程式のどの項を消すかを一つずつ見ます。非圧縮でも時間微分は残り、定常でも移流加速度は残ります。また非粘性という条件だけでは密度一定とはいえません。圧力項と加速度項を残したまま、指定された仮定だけを適用します。

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材料力学:ばね支持を持つ片持ちはり

ばね反力と中央荷重によるたわみを別々に求め、重ね合わせます。反力は力の釣り合いだけでは定まらないので、はり端のたわみとばねの伸びが一致する条件を加えます。中央荷重点から先端まで曲率が零でも、荷重点までに生じたたわみ角による追加変位は残ります。

材料力学:ばね支持を持つ片持ちはりの途中式・最終答をPDFで見る

機械力学:中心支持棒の減衰振動

棒の回転運動では、ばねと減衰器の並進変位を角変位へ換算します。力に腕の長さを掛けるので、回転剛性と回転減衰には距離の二乗が現れます。慣性モーメントを求めた後に標準的な二階系と係数を比べれば、固有振動数と臨界減衰係数を取り出せます。

機械力学:中心支持棒の減衰振動の途中式・最終答をPDFで見る

制御工学:安定範囲と定常偏差

状態変数をラプラス変換で消去して伝達関数を求め、閉ループの特性多項式にラウス判別を使います。積分補償で形式的な偏差の極限が零になっても、それだけで時間応答の収束は保証されません。最終値定理を使う前に、実際の補償ゲインで閉ループが安定かを確認します。

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2025〜2026年度・4回 · ¥2,580

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年度別の解答例(4年度)

2026年度 一般入試(1次)の出題内容

解説10項目

この10問の分野は力学4問・熱・統計力学2問・制御工学1問・線形代数1問・微分積分・解析1問・微分方程式1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
数学 1.線形代数全実数での正則性—あり
数学 2.微分積分・解析積の微分と楕円領域—あり
数学 3.微分方程式指数三角関数の外力—あり
熱力学 1.熱・統計力学可逆断熱圧縮—あり
熱力学 2.熱・統計力学オットーサイクルの効率—あり
流体力学 1.力学小孔からの流出—あり
流体力学 2.力学運動方程式と仮定—あり
材料力学力学ばね支持を持つ片持ちはり—あり
機械力学力学中心支持棒の減衰振動—あり
制御工学制御工学安定範囲と定常偏差—あり

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前年度(2025年度 一般入試(2次))との違い

大問数
2025年度 一般入試(2次) 10問 → 2026年度 一般入試(1次) 10問
2026年度 一般入試(1次)で新しく出たテーマ
重積分と極座標・固有振動数と振動系・ラプラス変換・ナビエ・ストークス方程式
2025年度 一般入試(2次)の解答例

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