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名大 理学研究科 物理 院試 過去問対策|6回分の解答制作で見えた4問固定と答案の作り方
名古屋大学大学院 理学研究科 物理学専攻の2020・2022〜2026年度6回分、計24問の解答制作メモから、力学・電磁気・量子・統計の4問構成、年度別テーマ、最初に解く順番、失点しやすい条件、参考書の使い方を整理します。
最終更新: 2026-05-23
この記事は、名古屋大学大学院 理学研究科 物理学専攻の募集要項を要約するための記事ではありません。InshiHubで2020年度、2022年度、2023年度、2024年度、2025年度、2026年度の6回分、計24問の解答TeXを作ったときに見た、問題見出し、答案制作の詰まり、部分点を落としやすい条件を、名大物理の受験生がそのまま過去問演習に使える形で整理します。
名大物理の一番大きな特徴は、近年の4問構成がかなり安定していることです。力学、電磁気、量子力学、統計力学が毎回そろい、京大のような大量選択型ではありません。つまり「得意な2問だけで逃げる」より、4問すべてに触り、どの順番で点を作るかを先に決めておく試験です。
6回分24問で見えた年度別テーマ
以下は問題本文ではなく、InshiHubの解答ファイル見出しと解説制作時の観察から作った対策用の地図です。2021年度は公式ページ上でオンライン面接試験扱いのため、筆記試験PDFがある年度だけを対象にしています。
| 年度 | 解答制作で確認したテーマ | 対策上の読み方 |
|---|---|---|
| 2026 | 力学、電磁気、量子力学、統計力学 | 4分野が素直に並ぶ年度。拘束運動、双極子近似、標準量子、二準位系の答案条件を落とさない。 |
| 2025 | 力学、量子力学、電磁気学、統計力学 | 量子と電磁気の順番が入れ替わる。問題番号ではなく、得点化しやすい分野から着手する練習に向く。 |
| 2024 | 解析力学、電磁気学、統計力学、量子力学 | 統計と量子の順番が後半で入れ替わる。統計を早めに確保できると全体が安定する。 |
| 2023 | 解析力学、電磁気学、量子力学、統計力学 | 4力の標準形。解析力学の拘束条件、電磁気のベクトルポテンシャル、量子の位相、統計の近似条件が重い。 |
| 2022 | 古典力学の分子振動、電磁気のベクトルポテンシャル、一次元ポテンシャル、理想気体と吸着 | 小振動、遠方近似、境界条件、大分配関数が並ぶ。教科書の標準章を答案化できるかが問われる。 |
| 2020 | 古典力学の拘束運動、円電流、水素原子と摂動、調和振動子と輻射 | 6回分の中でも物理の基礎体力が出る年度。保存量、磁気双極子、縮退摂動、モード密度の確認に使いやすい。 |
名大物理は問題選択ではなく順番設計
4問構成では、完全な捨て問を作ると合格点の設計が苦しくなります。最初の5分で、全問を次の3分類に分けてください。大事なのは「自分の得意科目」ではなく、「答案の最初の3行がすぐ書けるか」です。
| 分類 | 典型サイン | 本番判断 |
|---|---|---|
| 最初に取る | 無限井戸、デルタ関数ポテンシャル、二準位系、理想気体、調和振動子、標準的な分配関数 | 境界条件や分配関数の型が見える。規格化、縮退度、極限チェックまで書いて完答候補にする。 |
| 中盤で攻める | 拘束運動、小振動、分子振動、解析力学、円運動、重心固定条件 | 一般化座標と拘束条件が置ければ伸びる。自由度を定義してから運動方程式へ進む。 |
| 最後に慎重に扱う | ベクトルポテンシャル、円電流、磁気双極子、電気双極子近似、輻射、場のモード密度 | 符号、向き、ゲージ、積分範囲で崩れやすい。完答より、物理法則と近似条件を明示して部分点を守る。 |
分野別に何を鍛えるか
力学・解析力学
2020の拘束運動、2022の分子振動、2023・2024の解析力学、2026の拘束運動を見ると、名大物理の力学は「式を覚えているか」より「自由度をどう減らすか」が先に来ます。ラグランジアンを書く前に、一般化座標、拘束条件、平衡位置からの微小変位、保存量を答案に出してください。
特に小振動では、自然長や平衡位置を運動方程式に残したまま進めると係数が崩れます。分子振動型の問題では、対称モード、反対称モード、並進モードを見分け、重心固定条件をどこで使ったかを1行残すだけで答案の説得力が変わります。
電磁気学
電磁気は、円電流、ベクトルポテンシャル、磁気双極子、電気双極子近似のように、向きと近似の扱いが重い問題が目立ちます。2022・2023ではベクトルポテンシャル、2026では双極子近似の処理が答案の中心になります。まず厳密なポテンシャルや積分式を書き、その後に遠方近似や一次近似へ落とす流れを崩さないでください。
電磁気で一番危険なのは、計算を急いで座標系、電流方向、観測点、積分範囲を曖昧にすることです。式の符号が正しいだけでは弱く、なぜ単極子項が消えるのか、なぜ磁気双極子として扱えるのか、どの微分が観測点に作用するのかを答案内で説明できるようにします。
量子力学
量子は得点源にしやすい分野です。2020の水素原子と摂動、2022の一次元ポテンシャル、2023の円周上粒子、2024のデルタ関数ポテンシャル、2025の一次元井戸型、2026の標準量子問題を見ると、境界条件、規格化、縮退、測定後の状態、摂動の選択則が繰り返し現れます。
名大の量子では、最終式だけを置く答案より、波動関数がどの領域でどう振る舞うか、どの量子数が保存されるか、どの状態だけが混ざるかを書いた答案が強いです。デルタ関数ポテンシャルなら微分の不連続条件、井戸型なら番号をn=1から始めること、摂動ならパリティと縮退空間を明示します。
統計力学・熱力学
統計は、名大物理で安定した点を作りやすい科目です。2020の調和振動子と輻射、2022の理想気体と吸着、2023の古典分配関数と近似、2024のフェルミ粒子、2025の理想気体、2026の二準位系を見ると、分配関数から熱力学量へ進む王道が多い一方で、縮退度、区別可能性、モード密度、仕事の符号規約で失点します。
大分配関数を使うべき場面を正準分配関数で押し切る、吸着点を粒子のように1/M!で割る、偏光の2倍や八分球の数え方を落とす、系のエントロピー変化だけで第二法則を判断する、というミスが起きやすいです。答案冒頭に「何を固定し、何が出入りする系か」を書く癖をつけてください。
参考書は4力を章単位で使う
名大物理は、特殊な研究分野の知識より、学部標準の4力を条件付きで答案にする力が効きます。参考書は通読より、過去問で見えた論点へ戻る辞書として使う方が速いです。
| 分野 | 使う本 | 名大物理で重点的に見る箇所 |
|---|---|---|
| 力学 | Goldstein、ランダウ=リフシッツ『力学』 | 拘束条件、一般化座標、保存量、小振動、基準振動、重心固定条件 |
| 電磁気 | 砂川重信『理論電磁気学』、Griffiths、Jackson | ベクトルポテンシャル、磁気双極子、電気双極子、境界条件、電磁波のモード密度 |
| 量子 | Sakurai、Shankar、砂川『量子力学』 | 一次元ポテンシャル、散乱、井戸型、デルタ関数、縮退摂動、水素原子、角運動量 |
| 統計 | 田崎晴明『統計力学 I・II』、久保亮五 | 正準分布、大分配関数、理想気体、吸着、二準位系、フェルミ気体、輻射、モード密度 |
| 物理数学 | Arfken、数学演習系の線形代数・微分方程式教材 | 固有値問題、ガウス積分、特殊関数、フーリエ展開、近似展開、次元解析 |
答案で落としやすい条件
- 力学で、拘束条件と一般化座標を定義せずにラグランジアンを書き始める。
- 小振動で、平衡位置からの変位と自然長を混同し、不要な定数を残す。
- 電磁気で、観測点に作用する微分と電流分布上の積分変数を混同する。
- 双極子近似で、単極子項が消える理由と一次まで残す条件を書かない。
- 量子の井戸型・散乱で、波動関数の連続条件、規格化、入射波の向きを曖昧にする。
- 摂動論で、パリティ、縮退空間、保存される量子数を説明しない。
- 統計で、正準分配関数と大分配関数、区別可能性、縮退度、モード密度の係数を取り違える。
- 熱力学操作で、仕事の符号規約と熱浴に接しているかどうかを明示しない。
後回しにしてよいもの
場の量子論、一般相対論、素粒子論の細部、宇宙論の専門的計算、研究室固有の論文読みは、筆記試験対策の最初では後回しでよいです。口頭試問や研究室訪問の準備としては必要になりますが、筆記の6回分を見る限り、先に必要なのは4力の標準問題を条件つきで最後まで答案化することです。
6か月の演習配分
- 1か月目: 2020・2022〜2026の全年度を眺め、各年の4問を力学・電磁気・量子・統計に分類する。
- 2か月目: 量子と統計を先に固める。一次元ポテンシャル、摂動、二準位系、理想気体、大分配関数を答案化する。
- 3か月目: 力学を集中補強する。拘束条件、小振動、基準振動を、座標定義から書く練習にする。
- 4か月目: 電磁気を補強する。ベクトルポテンシャル、双極子近似、円電流、モード密度を、符号と近似条件つきで解く。
- 5か月目: 6回分を通しで解き、最初に取る問題、中盤で攻める問題、最後に回す問題を毎回記録する。
- 6か月目: 新しい問題を増やすより、過去問答案の前提条件、境界条件、規格化、縮退度、符号規約の抜けを潰す。
公式情報の確認場所
過去問は、名古屋大学 物理学教室の入試データページで確認してください。2026年5月23日時点で、同ページには2026年度から平成20年度までの一般選抜過去問題集が並び、2026年度は入試問題に加えて出題の意図及び正解・解答例へのリンクも掲載されています。2021年度はオンライン面接試験として掲載され、筆記PDFは示されていません。
理学研究科共通の大学院入試過去問題ページでは、物理科学領域の過去問入口と、博士前期課程の口頭試問として「物理学一般および卒業研究の内容等」についての試問が案内されています。記事本文の出題テーマは、公式ページの募集情報ではなく、InshiHubの6回分解答制作で扱った問題見出しに基づきます。
InshiHubの解答パックの使い方
名大 理学研究科 物理学専攻の院試 過去問 解答PDFは、2020年度と2022〜2026年度の6回分を、公式PDFを自力で解いた後に照合する用途で使ってください。おすすめは、まず4問を5分で読み、解く順番を決めてから答案を残すこと。その後に解答パックで、自由度、境界条件、規格化、分配関数、近似、符号規約の抜けを確認します。
よくある質問
名大 院試 の他専攻ガイド
名大 大学院 理学研究科 物理学専攻は、多元数理科学研究科、工学研究科 機械航空・物質科学と隣接した出題分野です。物理で身につけた「作用と対称性の宣言→保存則」は、多元数理の偏微分方程式、機械航空の流体・固体、物質科学の量子・統計でも答案の骨格として効きます。下記の同大学他専攻ガイドも合わせて読むと、名大 院試 全体の出題傾向が見えます。
この大学・研究科の解答パック
上記の出題範囲をカバーするオリジナル解答・解説PDFを年度別に整備しています。
対応する解答パックを見る名古屋大学 名大 物理 院試 — 出題範囲・倍率・日程・面接・研究計画書
筆記対策と並行して、名古屋大学 院試の倍率・日程・配点・出題範囲・面接対策・研究計画書・英語スコア要件・準備のタイムラインを確認できます。
よくある質問
- この記事の新規情報は何ですか。
- InshiHubで作成した名古屋大学 理学研究科 物理学専攻の2020・2022・2023・2024・2025・2026年度、計24問の解答TeXを見直し、年度別テーマ、4問構成の安定性、答案で条件を書き落としやすい箇所を整理した点です。募集要項をまとめただけの記事ではありません。
- 名大物理は4問固定ですか。
- InshiHubで扱った2020・2022〜2026年度では、力学、電磁気、量子、統計の4問が毎回そろっています。年度によって順番は入れ替わりますが、全問に触る前提で、得意科目から解く順番設計が重要です。
- 2021年度が解答パックに入っていないのはなぜですか。
- 名古屋大学 物理学教室の公式過去問ページでは、2021年度はオンライン面接試験として掲載されており、筆記試験PDFは公開されていません。そのため、InshiHubの名大物理解答パックでは、筆記PDFを確認できる2020年度と2022〜2026年度を対象にしています。
- 本番ではどの問題から解くべきですか。
- 量子や統計で標準設定が見えたら先に点を作るのが安定します。力学は一般化座標と拘束条件がすぐ置けるなら前半に、電磁気は符号・境界条件・近似の重さを見て中盤以降に回すと事故が減ります。
- 公式過去問はどこで確認できますか。
- 名古屋大学 物理学教室の入試データページで、平成20年度入学分(2007年8月実施)以降の一般選抜過去問が公開されています。2026年5月23日時点では2026年度の入試問題と出題の意図及び正解・解答例、2025年度以前の年度別PDF、2021年度のオンライン面接試験表記を確認できます。
- InshiHubの解答パックはどう使うべきですか。
- 公式PDFを自力で解き、各問ごとに自由度、境界条件、規格化、分配関数、近似条件を書いた答案を残してから、解答パックで照合してください。正解の数式だけではなく、部分点を支える前提条件の書き方を見る用途に向いています。