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京大物理の院試過去問・解答|2026年度解析力学・物理数学

京大物理2026年度I-2の解析力学7小問とI-3の物理数学8小問を解説。正準方程式、重根の微分方程式、行列の対角化、熱方程式のフーリエ係数を途中式と図で確認できます。公式過去問、出願・TOEICの条件も掲載。

最終更新: 2026/10/17

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京大の物理学・宇宙物理学専攻は、物理数学を含む筆記だけでなく、英語スコア、出願時レポート、第一次合格者への口頭試問で選考します。 以下では2027年度入学の選考条件と、2022〜2026年度の過去問の題材を分けて説明します。 2027年度の夏入試は終了しています。次の募集の条件は専攻の公式入試ページで確認してください。

2026年度 I-2:放物面上の質点と回転する溝

公式問題の4ページに対応する全7小問の解答です。前半は2自由度の正準方程式、後半は回転する溝での静止と微小振動を扱います。大学は解答を公開していないため、以下は院試Hubで導いた解答・解説です。

回転速度の大きさが √(ag) より小さければ原点付近で安定に振動し、角振動数は √(ag − ω²) です。等号の場合には復元力がなく、位置だけをずらす場合と初速度を与える場合を区別します。

(1)鉛直方向の速度も運動エネルギーに含める

位置を (r cos θ, r sin θ, ar²/2) と表します。水平方向の速度の2乗和は ṙ² + r²θ̇²、鉛直方向の速度は ar ṙ なので、全体の速さの2乗は次の式です。

∣v∣2=(1+a2r2)r˙2+r2θ˙2|\boldsymbol v|^2=(1+a^2r^2)\dot r^2+r^2\dot\theta^2

原点を位置エネルギーの基準に取ると V = mgz = magr²/2。L = T − V より、

L=m2[(1+a2r2)r˙2+r2θ˙2]−mag2r2L=\frac m2\left[(1+a^2r^2)\dot r^2+r^2\dot\theta^2\right]-\frac{mag}{2}r^2

z は独立な座標ではありませんが、r が変化すれば高さも変わります。鉛直方向の運動エネルギーを落とさないことが立式の要点です。a の次元は長さの逆数なので、1 + a²r² は無次元です。

(2)速度を運動量で書き換える

A(r) = 1 + a²r² と略記します。ラグランジアンを各速度で偏微分すると、

pr=mAr˙,pθ=mr2θ˙p_r=mA\dot r,\qquad p_\theta=mr^2\dot\theta

r > 0 で速度について解き、Legendre変換を行います。

r˙=prmA,θ˙=pθmr2\dot r=\frac{p_r}{mA},\qquad \dot\theta=\frac{p_\theta}{mr^2}
H=prr˙+pθθ˙−L=pr22mA+pθ22mr2+mag2r2\begin{aligned}H&=p_r\dot r+p_\theta\dot\theta-L\\&=\frac{p_r^2}{2mA}+\frac{p_\theta^2}{2mr^2}+\frac{mag}{2}r^2\end{aligned}

原点では極角を定められないため、この極座標表示は r > 0 で使います。後半では、原点を越えて動ける符号付き座標に切り替えます。

(3)位置と運動量について4本の正準方程式を書く

座標が2つあるので、正準方程式も2組必要です。特に動径方向の運動量の式では、A の位置依存性も微分します。

∂H∂r=−a2rpr2mA2−pθ2mr3+magr\frac{\partial H}{\partial r}=-\frac{a^2rp_r^2}{mA^2}-\frac{p_\theta^2}{mr^3}+mag r
r˙=prmA,θ˙=pθmr2\dot r=\frac{p_r}{mA},\qquad \dot\theta=\frac{p_\theta}{mr^2}
p˙r=a2rpr2mA2+pθ2mr3−magr\dot p_r=\frac{a^2rp_r^2}{mA^2}+\frac{p_\theta^2}{mr^3}-mag r
p˙θ=−∂H∂θ=0\dot p_\theta=-\frac{\partial H}{\partial\theta}=0

H に θ が現れないため pθ は保存されます。これは実際に z 軸まわりの角運動量です。

Lz=m(xy˙−yx˙)=mr2θ˙=pθL_z=m(x\dot y-y\dot x)=mr^2\dot\theta=p_\theta

動径方向の検算には pᵣ = mA ṙ を使います。時間微分して代入すると次の式となり、a → 0 で水平面上の自由運動の式に戻ります。

Ar¨+a2rr˙2−rθ˙2+agr=0A\ddot r+a^2r\dot r^2-r\dot\theta^2+ag r=0

(4)回転する溝では角速度を固定する

慣性系から見た溝の角度は ωt または ωt + π。どちらも角速度は ω なので、(1)の式へ θ̇ = ω を代入します。

L=m2(1+a2r2)r˙2−m2(ag−ω2)r2L=\frac m2(1+a^2r^2)\dot r^2-\frac m2(ag-\omega^2)r^2

原点を越えて反対側の溝へ移る運動には、符号付き座標 q を使います。非負の水平距離は r = |q| です。

(x,y,z)=(qcos⁡ωt, qsin⁡ωt, aq2/2)(x,y,z)=(q\cos\omega t,\ q\sin\omega t,\ aq^2/2)
z0q < 0q > 0質点r = |q|
溝を含む鉛直断面。q は水平面への射影を正負付きで測る座標で、溝に沿った弧長とは異なります。

κ = ag − ω² と置くと、拘束後のラグランジアンは次の形です。

Lg=m2(1+a2q2)q˙2−mκ2q2L_{\mathrm g}=\frac m2(1+a^2q^2)\dot q^2-\frac{m\kappa}{2}q^2

溝を回転させる装置が角速度を保つため、質点の角運動量 mωq² は q とともに変わります。(3)の角運動量保存を、この拘束後の運動に使うことはできません。

(5)任意の位置で静止するには ω² = ag

q̇ = q̈ = 0 を保つ条件を、ラグランジアンから求めます。静止時には次の式が必要です。

∂Lg∂q=−mκq=0\frac{\partial L_{\mathrm g}}{\partial q}=-m\kappa q=0

原点以外の任意の q でも成り立つには κ = 0、すなわち

ω2=ag,∣ω∣=ag\omega^2=ag,\qquad |\omega|=\sqrt{ag}

回転の速さを ω ≥ 0 と書くなら ω = √(ag) です。この条件で消えるのは有効ポテンシャルであり、運動エネルギーの係数 1 + a²q² は残ります。ラグランジアン全体が位置に依存しなくなるわけではありません。原点だけでの静止なら、どの ω でも可能です。

(6)正準方程式から線形化し、臨界条件を分ける

拘束後のラグランジアンから運動量 p とハミルトニアン K を作ります。ここでは A = 1 + a²q² です。

p=mAq˙,K=p22mA+mκ2q2p=mA\dot q,\qquad K=\frac{p^2}{2mA}+\frac{m\kappa}{2}q^2
q˙=pmA,p˙=a2qp2mA2−mκq\dot q=\frac{p}{mA},\qquad \dot p=\frac{a^2qp^2}{mA^2}-m\kappa q

p = mAq̇ を時間微分した式と、正準方程式の右辺に p を代入した式を等しいと置きます。

mAq¨+2ma2qq˙2=ma2qq˙2−mκqmA\ddot q+2ma^2q\dot q^2=ma^2q\dot q^2-m\kappa q
(1+a2q2)q¨+a2qq˙2+κq=0(1+a^2q^2)\ddot q+a^2q\dot q^2+\kappa q=0

原点の静止状態の周りで1次まで残すと、q²q̈ と qq̇² は3次なので落ちます。

q¨+κq=0,κ=ag−ω2\ddot q+\kappa q=0,\qquad \kappa=ag-\omega^2
  • ω² < ag:κ > 0。原点へ戻す力が働き、安定な振動になります。
  • ω² > ag:κ < 0。一般解に増大する指数関数が含まれ、原点は不安定です。
  • ω² = ag:復元力がありません。位置だけをずらして静かに置けば留まりますが、初速度を与えると移動し続けます。
κ > 0復元力ありqUκ = 0復元力なしqUκ < 0外向きの力qU
U は有効ポテンシャル。κ = ag − ω² の符号で曲線の向きが変わります。κ = 0 でも、初速度があれば質点は動き続けます。

等号の場合の線形化した解は q = q₀ + v₀t です。位置だけの変化を中立と呼ぶ場合もありますが、速度を含む任意の小さな摂動に対して安定とはいえません。この違いは厳密な運動でも確認できます。

s(q)=∫0q1+a2u2 dus(q)=\int_0^q\sqrt{1+a^2u^2}\,du
s(q)=12[q1+a2q2+arsinh⁡(aq)a]s(q)=\frac12\left[q\sqrt{1+a^2q^2}+\frac{\operatorname{arsinh}(aq)}a\right]

s は溝に沿った符号付き弧長です。κ = 0 の厳密な運動方程式から s̈ = 0 なので、初速度がゼロでなければ弧長は等速で増減します。どれほど小さい初速度でも、十分に時間が経てば原点の固定した近傍を離れます。

安定側の κ > 0 では、K ≥ mκq²/2 により小さい初期エネルギーが振幅を制限します。ただし K は慣性系の力学的エネルギー E そのものではありません。

E=m2(1+a2q2)q˙2+m2(ω2+ag)q2E=\frac m2(1+a^2q^2)\dot q^2+\frac m2(\omega^2+ag)q^2
K=E−ωLz,Lz=mωq2K=E-\omega L_z,\qquad L_z=m\omega q^2

回転装置が質点に仕事をするため、E 単独の保存を仮定すると静止・安定の条件を誤ります。

(7)微小振動の角振動数

ω² < ag のとき、線形化した式を q̈ + Ω²q = 0 と比べれば、

Ω=ag−ω2\Omega=\sqrt{ag-\omega^2}
q(t)=q0cos⁡Ωt+v0Ωsin⁡Ωtq(t)=q_0\cos\Omega t+\frac{v_0}{\Omega}\sin\Omega t

Ω は符号付き変位 q の角振動数です。r = |q| は原点を通るたびに折り返すため、半径のグラフだけから周期を読み取らないようにします。

ω = 0 では Ω = √(ag)、回転速度を臨界値へ下から近づけると Ω → 0。質量 m が消えること、ag と ω² の次元が一致することも検算になります。この結果は |aq| ≪ 1 の微小振動に対するもので、大振幅の運動へそのまま使う式ではありません。

2026年度 I-1の電磁気学の解答例も公開しています。年度ごとの収録内容とPDF見本は京大物理の解答・解説集で確認できます。

2026年度 I-3:物理数学の全8小問

公式問題の5ページに対応する解答です。微分方程式の重根、行列の固有空間、熱方程式の境界条件を順に確認します。問題文は公式PDFと照合してください。

(1-1)斉次方程式とa=1の場合

指数関数を代入して特性方程式を作ると、次のように因数分解できます。

λ2+(a+1)λ+a=(λ+1)(λ+a)=0.\lambda^2+(a+1)\lambda+a=(\lambda+1)(\lambda+a)=0.

a≠1では異なる2根に対応する解が独立なので、一般解は

y(x)=C1e−x+C2e−ax(a≠1).y(x)=C_1e^{-x}+C_2e^{-ax}\qquad(a\ne1).

条件のa>0にはa=1も含まれます。この場合はy=e⁻ˣvとおくと、

y′′+2y′+y=e−xv′′=0y''+2y'+y=e^{-x}v''=0

となり、v=C₁+C₂xです。したがって

y(x)=(C1+C2x)e−x(a=1).y(x)=(C_1+C_2x)e^{-x}\qquad(a=1).

C₁、C₂は任意の実定数です。異なる根の式へa=1を代入するだけでは、2本の指数関数が同じになり、独立な定数が1個に減ります。xe⁻ˣを含めて2階方程式の一般解を揃えます。

(1-2)余弦の外力を持つ非斉次方程式

特殊解をyₚ=αcos x+βsin xとおきます。微分して代入し、余弦と正弦の係数をそれぞれ比較します。

(a−1)α+(a+1)β=2(a2+1),−(a+1)α+(a−1)β=0.\begin{aligned}(a-1)\alpha+(a+1)\beta&=2(a^2+1),\\-(a+1)\alpha+(a-1)\beta&=0.\end{aligned}

係数行列の行列式は2(a²+1)>0で、a=1でもゼロになりません。これを解くとα=a−1、β=a+1です。(1-1)の斉次一般解をyₕと書けば、

y(x)=yh(x)+(a−1)cos⁡x+(a+1)sin⁡x.\begin{aligned}y(x)&=y_h(x)+(a-1)\cos x\\&\quad+(a+1)\sin x.\end{aligned}

特にa=1では次の形になります。

y(x)=(C1+C2x)e−x+2sin⁡x.y(x)=(C_1+C_2x)e^{-x}+2\sin x.

特殊解を代入すると、余弦の係数が(a−1)²+(a+1)²=2(a²+1)、正弦の係数が0になります。a=1の検算でも、左辺は4cos xとなります。

(2-1)重複固有値と対角化

特性多項式は第2列で展開すると計算が短くなります。

det⁡(λI−A)=(λ+1)∣λ−21λ+3∣=(λ+1)2(λ+2).\begin{aligned}\det(\lambda I-A)&=(\lambda+1)\begin{vmatrix}\lambda&-2\\1&\lambda+3\end{vmatrix}\\&=(\lambda+1)^2(\lambda+2).\end{aligned}

固有値−1は2重です。その固有ベクトルはx+2z=0を満たし、y、zを自由に取れるため、固有空間は2次元です。固有値−2ではx=−z、y=−zとなります。例えば次の3本を選べます。

v1=(−201),  v2=(010),  v3=(−1−11).v_1=\begin{pmatrix}-2\\0\\1\end{pmatrix},\; v_2=\begin{pmatrix}0\\1\\0\end{pmatrix},\; v_3=\begin{pmatrix}-1\\-1\\1\end{pmatrix}.

この順に列へ並べたPの行列式は−1であり、3本は独立です。

P=(−20−101−1101),det⁡P=−1.P=\begin{pmatrix}-2&0&-1\\0&1&-1\\1&0&1\end{pmatrix},\qquad \det P=-1.
P−1AP=D=diag⁡(−1,−1,−2).P^{-1}AP=D=\operatorname{diag}(-1,-1,-2).

したがってAは対角化可能です。固有値の重複だけで判断せず、固有空間の次元を確かめます。AP=PDを各列で確認すると、固有ベクトルの符号と順序も検算できます。

(2-2)Aのn乗

Aⁿ=PDⁿP⁻¹を計算します。逆行列と、式を短く書くための記号を次のように定めます。

P−1=(−10−1112102).P^{-1}=\begin{pmatrix}-1&0&-1\\1&1&2\\1&0&2\end{pmatrix}.
sn=(−1)n,rn=(−2)n.s_n=(-1)^n,\qquad r_n=(-2)^n.
PDn=(−2sn0−rn0sn−rnsn0rn).PD^n=\begin{pmatrix}-2s_n&0&-r_n\\0&s_n&-r_n\\s_n&0&r_n\end{pmatrix}.

右からP⁻¹を掛けると、

An=(2sn−rn02(sn−rn)sn−rnsn2(sn−rn)rn−sn02rn−sn).A^n=\begin{pmatrix}2s_n-r_n&0&2(s_n-r_n)\\s_n-r_n&s_n&2(s_n-r_n)\\r_n-s_n&0&2r_n-s_n\end{pmatrix}.

同じ答えを、次の短い式で表しても構いません。

An=(−1)n(A+2I)−(−2)n(A+I).\begin{aligned}A^n&=(-1)^n(A+2I)\\&\quad-(-2)^n(A+I).\end{aligned}

A+2Iは固有値−1の空間では恒等作用、−2の空間ではゼロになります。−(A+I)はその逆です。それぞれに固有値のn乗を掛ければ上式になります。n=1でA、n=0でIに戻ることも確認できます。

(2-3)初期条件を満たす連立微分方程式の解

v=P⁻¹uとおけば、v′=Dvとなり、成分ごとに解けます。初期値も同じ変換を行います。

v(0)=P−1(121)=(−253).v(0)=P^{-1}\begin{pmatrix}1\\2\\1\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}-2\\5\\3\end{pmatrix}.
v(t)=(−2e−t5e−t3e−2t).v(t)=\begin{pmatrix}-2e^{-t}\\5e^{-t}\\3e^{-2t}\end{pmatrix}.

u=Pvへ戻すと、求める解は

u(t)=(4e−t−3e−2t5e−t−3e−2t−2e−t+3e−2t).u(t)=\begin{pmatrix}4e^{-t}-3e^{-2t}\\5e^{-t}-3e^{-2t}\\-2e^{-t}+3e^{-2t}\end{pmatrix}.

t=0で初期値(1, 2, 1)ᵀに戻ります。また、e⁻ᵗの係数(4, 5, −2)ᵀは固有値−1、e⁻²ᵗの係数(−3, −3, 3)ᵀは固有値−2に属するため、全てのtでu′=Auも成立します。ここでは固有値−1の固有ベクトルが2本そろっており、te⁻ᵗを付ける必要はありません。

(3-1)熱方程式の変数分離

非零の分離解c=T(t)X(x)を代入し、T′X=TX″を得ます。分離定数λを用いると、T′=λT、X″=λXです。後者にXを掛けて積分します。

λ∫0LX2 dx=∫0LXX′′ dx=[XX′]0L−∫0L(X′)2 dx=−∫0L(X′)2 dx.\begin{aligned}\lambda\int_0^L X^2\,dx&=\int_0^L XX''\,dx\\&=[XX']_0^L-\int_0^L(X')^2\,dx\\&=-\int_0^L(X')^2\,dx.\end{aligned}

両端でX=0なので境界項が消えます。右辺が0ならXは定数となり、境界条件から零解に限られます。非零解ではλ<0です。有限区間では指数関数も有界なので、有界性だけを理由に符号を決めることはできません。

λ=−k²とおくと、X=Cₓsin kx+Dₓcos kxです。X(0)=0からDₓ=0、X(L)=0からkL=nπを得ます。

Xn(x)=Cxsin⁡nπxL,n=1,2,….X_n(x)=C_x\sin\frac{n\pi x}{L},\qquad n=1,2,\ldots.
Tn(t)=Ctexp⁡[−(nπL)2t].T_n(t)=C_t\exp\left[-\left(\frac{n\pi}{L}\right)^2t\right].

Cₓ、Cₜは任意の実定数で、非零解ではCₓCₜ≠0です。零解c≡0もあります。n=0では両端の条件を満たす非零解を作れません。一般の初期分布を表すには、異なるnの分離解を重ね合わせます。

(3-2)正弦波1つの初期条件

初期分布はn=2のモードで、係数は1です。

c(x,t)=sin⁡2πxLexp⁡(−4π2tL2).c(x,t)=\sin\frac{2\pi x}{L}\exp\left(-\frac{4\pi^2t}{L^2}\right).

両端では正弦が0、t=0では指数関数が1になります。さらにcₜ=cₓₓ=−(4π²/L²)cで、方程式も満たします。振幅は減衰しますが、x=L/2の節は全時刻で残ります。

(3-3)放物線の初期分布とフーリエ係数

正弦関数の直交性から、各モードの係数を取り出します。kₙ=nπ/Lとおきます。

bn=2L∫0Lx(L−x)sin⁡(knx) dx.b_n=\frac2L\int_0^L x(L-x)\sin(k_nx)\,dx.

f(x)=x(L−x)とし、bₙの積分部分をIₙと書きます。部分積分を2回行います。最初の境界項はf(0)=f(L)=0で消えます。

In=[−f(x)cos⁡(knx)kn]0L+1kn∫0L(L−2x)cos⁡(knx) dx.\begin{aligned}I_n&=\left[-\frac{f(x)\cos(k_nx)}{k_n}\right]_0^L\\&\quad+\frac1{k_n}\int_0^L(L-2x)\cos(k_nx)\,dx.\end{aligned}

2回目はsin 0=sin(nπ)=0を使います。

In=1kn[(L−2x)sin⁡(knx)kn]0L+2kn2∫0Lsin⁡(knx) dx=2{1−cos⁡(nπ)}kn3.\begin{aligned}I_n&=\frac1{k_n}\left[\frac{(L-2x)\sin(k_nx)}{k_n}\right]_0^L\\&\quad+\frac2{k_n^2}\int_0^L\sin(k_nx)\,dx\\&=\frac{2\{1-\cos(n\pi)\}}{k_n^3}.\end{aligned}

したがって、偶数次の係数は0です。

bn=4L2{1−(−1)n}(nπ)3.b_n=\frac{4L^2\{1-(-1)^n\}}{(n\pi)^3}.

奇数次だけを残し、各モードの時間減衰を掛けると、

c(x,t)=∑j=0∞8L2((2j+1)π)3×sin⁡(2j+1)πxL×exp⁡[−((2j+1)π)2tL2].\begin{aligned}c(x,t)&=\sum_{j=0}^{\infty}\frac{8L^2}{((2j+1)\pi)^3}\\&\quad\times\sin\frac{(2j+1)\pi x}{L}\\&\quad\times\exp\left[-\frac{((2j+1)\pi)^2t}{L^2}\right].\end{aligned}

偶数次の係数を0として、全てのnについて和を取る表記も正しいです。初期分布の対称軸はx=L/2で、f(L−x)=f(x)です。中心に関して反対称な偶数次の正弦は、積分で打ち消し合います。

0½1ξc/L²τ = 0τ = 0.03τ = 0.10
横軸はξ=x/L、縦軸はc/L²、時刻はτ=t/L²です。両端の値は常に0で、高次の正弦波ほど早く減衰します。

各項が両端で0になり、t=0の正弦級数は初期分布に一致します。t>0では指数減衰により項別微分でき、それぞれが熱方程式を満たします。時間が経つほど高次の成分が小さくなり、n=1の正弦波が主になります。

2026年度の収録内容と解説、2022〜2026年度の解答PDF・見本も確認できます。改訂点は訂正情報に掲載しています。

2027年度の筆記・一次発表・口頭試問

選考2026年の日程対象・内容
筆答試問8月17日9〜12時、13時30分〜16時30分物理学。物理数学を含みます。対面実施。
第一次合格者発表8月25日15時頃専攻Webページで発表。
口頭試問8月26〜27日、9時から第一次合格者のみ。オンラインで、提出レポートと物理・宇宙物理の知識(実験・観測を含む)を試問。
学力考査合格者発表9月4日正午理学研究科のWebページに受験番号を掲載し、合格者へ郵送通知。

筆記の予備日は8月19日、口頭試問の予備日は8月28日です。第一次合格と最終的な学力考査合格を混同しないでください。 選考は筆記と英語スコアを基本に、レポートと口頭試問の評価を加えます。 要項は、志望分科ごとの志願状況も含めて総合判断し、必ずしも総得点順に合否を決めるわけではないと説明しています。 出典:理学研究科要項9・12・16ページ。

出願時のレポートは2種類:関心のある内容と志望理由

2027年度の出願書類は2026年6月22〜26日17時必着でした。郵送する場合は簡易書留速達を使い、 6月22日以前の日本国内の発信局消印には期限後到着を受理する例外があります。海外からは追跡可能な郵便で提出します。 大学卒業・2027年3月卒業見込みの出願資格は他大学出身者も対象です。外国の大学の出身者などは、AAO審査や資格審査の該当条件を共通要項で別に確認してください。

物理学・宇宙物理学では、次の2種類のレポートを出願書類と同時に提出します。それぞれA4片面2ページ以内です。

  1. これまで勉強したことで、物理学・宇宙物理学に関して特に関心を持った内容。
  2. 志望した分科または分科群を選んだ理由。第1志望だけでなく、その他の志望についても記載。

指定書式を使い、数式・図の挿入、手書き・コンピューターでの作成、英語での記述が認められています。 「入学後の研究計画」だけを書いて済ませず、各課題に答えているか確認してください。 志望分科の書き方や追加調査書は分野で異なるため、要項16ページの注も読みます。 2027年度は物理学第二分野のビーム物理学で募集しない訂正が出ています。古い研究室一覧だけで志望先を決めないでください。 根拠:要項11・12・16ページ、専攻の訂正案内。

TOEIC L&R公開テストの証明書を出願時に提出

2027年度は2024年9月以降に受験したTOEIC L&R公開テストの公式スコアを使います。 TOEFLやTOEIC IPを代わりに出す指定ではありません。 出願書類に、デジタル公式認定証を印刷したもの、または主催団体が発行する公式認定証の原本を添えます。紙の原本のコピーは不可です。

証明書を提出できなくても受験資格を失うわけではなく、英語0点として扱います。提出した認定証は返却されません。 今回確認した要項には、合格を保証するTOEIC点数や合格最低点は記載されていません。 古い過去問に英語の設問があっても、2027年度の英語評価方法と同じとは限りません。 出典:理学研究科要項11・16ページ。

2026年度は午前6問・午後5問:全解答用紙を提出する

2026年度の物理学Iは3時間・6問、物理学IIは3時間・5問です。 それぞれの表紙に6枚・5枚の解答用紙をすべて提出する指示があります。 得意な数問だけを選ぶ試験として練習せず、全問を見て着手順を決め、各答案を残してください。

ただし、この形式を過去の全年度へ当てはめることもできません。過年度にはA・Bなどに分かれた問題があります。 演習ではその年度の表紙の指示を読みます。次年度の問題数も、2026年度と同じと決めつけないでください。 公式問題の入手先は専攻の過去問一覧です。

2022〜2026年度の題材を使って、復習先を決める

次の表は院試Hubで制作した解説の見出しを基に、年度ごとの題材と復習の観点を整理したものです。 設問を分割した項目もあり、見出しの本数は公式の大問数とは一致しません。 2023年度の英語1項目は、公開問題で本文が省略されているため、確定答案ではなく資料の制約を説明しています。

年度主な題材復習で確認すること
2026Maxwell応力、放物面上の質点、熱方程式、Poisson統計、2準位スピン、量子調和振動子、Stark効果、相対論的縮退気体、連星系、留数、四重極磁場。物理モデルから方程式を立て、微分方程式・固有値・統計モデルの計算へつなげる。
2025力学、誘電体・磁性体境界、Joule–Thomson過程、2準位系、Fourier級数、Landau準位、1次元鎖、Laplace変換、フォトダイオード、剛体、導波管。境界条件、状態数、規格化、測定信号の定義を式と対応させる。
2024Pauli演算子とIsing鎖、周期媒質、フォノン、減衰振動、Fourier変換、円環上の質点、Blume–Capel模型、Hermite多項式、干渉計、有限井戸、ベータトロン。近似の次数、境界条件、直交性や積分公式を使う条件を確認する。
2023連星系、円形コイル、行列冪、コヒーレント状態、Ising模型、2井戸のボーズ粒子、熱容量計。英語は公開資料で本文省略。保存量と近似、粒子の区別、測定量を確認する。省略された英語本文の確定答案は作れません。
20222次元調和振動子、電気双極子・四重極子、波動方程式、回転系、Stefan–Boltzmann則、ベクトル解析、角運動量合成、一般化排他統計、デルタ型ポテンシャル、数え落とし、結合振り子。初期条件・接続条件、回転座標、統計的仮定、測定補正を整理する。

題材の登場だけで、次も同じ問題が出るとは判断できません。自分の答案で止まった箇所を基に、授業の教科書へ戻る章を決めてください。解答解説の収録年度・設問・見本から照合する内容を確認できます。

着手順と検算を、実問題で練習する

最初の演習には、全問提出の指示を確認できる2026年度を使えます。午前・午後を各180分で解き、 読解、立式、計算、見直しのどこに時間がかかったかを記録します。未完の問題も、分かる条件と必要な方程式を残してから復習します。 以下は答案を自分で点検する例で、大学の採点基準を示すものではありません。

  • 物理学Iの放物面上の質点:拘束条件と座標の定義を確かめてから運動方程式を立てます。式の各項の次元と、求めた解が拘束条件を満たすかを確認します。
  • 物理学Iの中性子散乱とPoisson統計:何を確率変数にし、どの時間幅で数えるのかを書きます。平均と分散を使う際は、問題の仮定と対応させます。
  • 物理学IIのStark効果:基底状態と励起状態、縮退の有無を区別します。非縮退の摂動公式をそのまま適用してよいかを先に確認します。
  • 物理数学:微分方程式の解を元の式と初期・境界条件へ代入します。積分で近似した箇所は、近似を使える領域を確認します。

外部受験の難易度を知りたい場合も、研究科全体の倍率だけでは自分の準備不足は分かりません。 今回確認した資料では、物理専攻の外部受験者数・外部合格者数や合格最低点は確認できていません。公式統計の範囲と分母を確認しつつ、志望分科の募集と自分の答案を別々に点検してください。

途中式と最終答まで読める解説

問題本文は含みません。公式の問題冊子と併用してください。

専門科目(物理学)の収録解説の分野(2022〜2026年度・52項目)

院試hubの収録解説5実施回・52項目の見出しを分野別に数えたものです。設問を分割した項目や、公開資料の制約を説明する項目を含むため、公式問題の大問数や完成答案数とは一致しません。量子力学が11項目(全体の21%)で最多。量子力学・力学・熱・統計力学・電磁気学・回路は5実施回すべてに出ています。

分野項目数全項目に占める割合直近の連続出題最後に出た回
量子力学1121%5回連続2026年度
力学1019%5回連続2026年度
熱・統計力学917%5回連続2026年度
電磁気学・回路815%5回連続2026年度
510%3回連続2026年度
数学510%3回連続2026年度

このほか1項目だけ収録した分野は 英語・線形代数・微分積分・解析・微分方程式 です。

収録年度と解説項目数

院試hubに収録した5実施回の一覧です。1回あたりの解説見出しは8〜11項目です。2024年度以降の収録分は11項目です。

京大 専門科目(物理学)の解答で立てた注意点(179件)

院試hubの解説で、その設問だけに立てた小見出しです(「方針」「検算」のような全問共通の 見出しは除いています)。新しい実施回から並べています。

力学43件

  • 2026年度 第2問 I-2 解析力学(放物面上の質点)拘束の扱い / 次元と極限 / Hamiltonianに残す変数 / 原点での座標 / 動径方向の検算 / 角運動量が保存する理由 / 回転による拘束 / 原点を通る振動 / 位置依存性が消える項 / 原点だけなら条件は不要 / 力の釣り合い / 線形化する次数 / 臨界条件での初速度 / 安定側の保存量 / 微小振動の解 / 極限での検算 / 適用範囲
  • 2026年度 第9問 II-3 力学(連星系・剛体円環の歳差運動)方針 — 連星-リング系の潮汐力と歳差 / 背景 — 地球軸の歳差と Saros 周期
  • 2025年度 第1問循環座標と対称性 / 作用の符号 / 粒子の屈折率 / 散乱角と焦点の近似
  • 2025年度 第10問 II-5A 力学(剛体の慣性モーメントと板上の球の運動)方針 — 「並進 + 回転」のエネルギー分配 / 背景 — Tippe Top と「板を引いて球を回す」
  • 2024年度 第4問 I-4A 力学(粘性抵抗のある減衰振動子)方針 — 減衰のロジ-振幅(対数減衰率) / 検算 — 隣接ピークでも同じ比 / 背景 — RLC 回路と減衰
  • 2024年度 第6問 II-1 力学(円環上を滑る質点の回転・転がり運動)方針 — 円環上の質点は cyclic な α で「運動量保存」 / 背景 — Wobbling Wheel と複合振り子

量子力学33件

  • 2026年度 第5問 I-5 量子力学(2 準位スピンと量子速度限界)方針 — Mandelstam-Tamm の量子速度限界 / 背景 — 量子計算のクロック速度
  • 2026年度 第7問 II-1 量子力学(水素原子の Stark 効果)方針 — 縮退・非縮退摂動論の使い分け / 背景 — Stark 効果と Rydberg 状態
  • 2025年度 第4問 I-4A 量子力学(2 準位系の時間発展と期待値)方針 — 2 準位系での時間発展は周波数 2ω / 背景 — NMR と量子ビット
  • 2025年度 第6問 II-1 量子力学(磁場中の荷電粒子・Landau 準位)方針 — 対称ゲージでの Landau 問題 / 背景 — 量子 Hall 効果と最低ランダウ準位
  • 2024年度 第1問 I-1 量子力学(Pauli 演算子と 3 体 Ising 鎖)方針 — Stabilizer 符号としての \{h_j\} / 背景 — 1D Cluster State と MBQC
  • 2024年度 第10問 II-5A 量子力学(有限井戸ポテンシャル)方針 — 井戸内外の波動関数のマッチング / 検算 — V_0→∞ 極限 / 背景 — トンネル効果と古典禁止領域

数学30件

  • 2026年度 第3問 I-3 物理数学(微分方程式・行列・熱方程式)条件の範囲 / 独立性の確認 / 一般解の作り方 / 代入による検算 / 重複固有値と対角化 / 列の順序 / 計算量の少ない表し方 / 小さい次数での検算 / 初期値と微分方程式の両方を確認 / 重根の常微分方程式との違い / 分離定数の符号 / 任意定数と重ね合わせ / 条件の直接確認 / 減衰と節 / 対称性による確認 / 和の表記と条件の確認 / 時間が経過した分布
  • 2026年度 第10問 II-4 物理数学(線積分・留数定理・テイラー展開)方針 — 3 つの基本ツール / 別解 — Stokes の定理 (1) / 背景 — 留数定理と工学応用
  • 2025年度 第5問 I-4B 物理数学(対称行列・Fourier 級数・経路に依らない線積分)方針 — 楕円面積 =π/\sqrt{\det A} の便利公式 / Fourier 級数の対称性 / 完全微分の条件
  • 2024年度 第5問 I-4B 物理数学(Fourier 変換と複素積分)方針 — 球対称関数の 3 次元 Fourier 変換 / x^2n+a^2n 型の積分 / 背景 — Fourier 変換と Born 近似
  • 2022年度 第6問 I-3C 物理数学(ベクトル解析・連立 ODE・無限積分)方針 — 「テンソル成分」と「ベクトル形」を行き来する / 連立 ODE は固有値問題に帰着 / 検算 — Spence 関数(ジロサインドラー積分) / 背景 — Helmholtz 分解と (B) 式

熱・統計力学26件

  • 2026年度 第6問 I-6 統計力学(N 個の量子調和振動子)方針 — マイクロカノニカルとカノニカルの等価性 / 背景 — Einstein モデルと固体比熱
  • 2026年度 第8問 II-2 統計力学(中性子星と相対論的縮退気体)方針 — 縮退圧と Chandrasekhar 限界 / 背景 — ニュートロン星と Tolman-Oppenheimer-Volkoff 限界
  • 2025年度 第3問 I-3 統計力学・熱力学(理想気体と Joule-Thomson 過程)方針 — Joule-Thomson 過程と「自由エネルギーの変数」 / 背景 — Joule-Thomson 効果の応用
  • 2025年度 第7問 II-2 統計力学(2 状態 1 次元鎖モデル)方針 — エラスティック鎖と Ising 鎖の対応 / 転送行列法と外力下での 1 次元 Ising / 背景 — DNA 伸長実験と 2 状態モデル
  • 2024年度 第3問 I-3 統計力学(超流動体中のフォノン気体)方針 — Bose 統計と分散関係から熱力学を組む / 背景 — Landau の超流動理論
  • 2024年度 第7問 II-2 統計力学(平均場 Blume-Capel 模型)方針 — Blume-Capel 系の相転移 / なぜ g で相転移の次数が変わるか / 背景 — Blume-Emery-Griffiths モデル

電磁気学・回路22件

  • 2026年度 第1問 I-1 電磁気学(Maxwell 応力テンソルの応用)方針 — Maxwell 応力テンソルが与える「場の運動量」と「力」 / 圧力の単位と入射角による検算
  • 2026年度 第11問 II-5 電磁気学(4 重極磁場による荷電粒子の収束)方針 — 加速器物理の基本 (Strong Focusing) / 検算 — 次元
  • 2025年度 第2問 I-2 電磁気学(誘電体・磁性体境界の鏡像法)方針 — 鏡像法と双極子展開を組み合わせる / 背景 — 強磁性 vs 反磁性体への引力
  • 2025年度 第11問 II-5B 電磁気学(導波管モード電磁波の分散)方針 — 導波管モードの分散関係と「カットオフ」 / 背景 — マイクロ波導波管とプラズマ
  • 2024年度 第2問 I-2 電磁気学(層状・周期媒質中の Maxwell 方程式)方針 — 1 次元 Bloch 理論とフォトニック結晶 / E 場でなく H 場 (= b) を主軸にする理由 / 背景 — Photonic Crystal とブラッグ反射
  • 2024年度 第11問 軸対称磁場中の電子加速)方針 — Faraday の法則と運動量 - 磁場の同期 / 物理的意味の解釈 / 背景 — Wideröe 条件と現代加速器
  • 2026年度 第4問 I-4 実験(中性子散乱と Poisson 統計)方針 — Poisson 統計と誤差伝播 / 背景 — 中性子小角散乱 (SANS)
  • 2025年度 第9問 II-4 実験(X 線シリコンフォトダイオード)方針 — 半導体 X 線検出器の動作原理 / 背景 — Si(Li) 検出器と Ge 検出器
  • 2024年度 第8問 II-3 物理数学(Hermite 多項式とその性質)方針 — Rodrigues 公式から導かれる Hermite 多項式の性質 / 母関数の応用 / 背景 — 量子調和振動子
  • 2024年度 第9問 II-4 実験(Michelson-Morley 干渉計)方針 — エーテル仮説下のガリレイ的合成則 / 背景 — 特殊相対論への道
  • 2022年度 第10問 II-2B 実験(有限時間分解能と数え落とし)数え落としの仕組み / 二つの距離で測る理由 / 結果の整合性

線形代数4件

  • 2023年度 第3問 I-3A 物理数学(行列冪・Lagrange の未定係数法)方針 — 行列冪は対角化, 制約付き最大化はラグランジュ / なぜ x^2/4=y^2/9=z^2 になるか / 検算 — Hadamard の不等式 / 背景 — Cayley-Hamilton 定理と行列冪

微分積分・解析4件

  • 2023年度 第7問 II-3 実験(熱容量計の解析)方針 — 熱容量計は 1 次系 (LPF) / なぜ振動電流 I_H0cos(ω t/2) なのか / 検算 — ω_0 と低周波値 / 背景 — AC 熱容量法とリラクゼーション法

英語3件

  • 2023年度 第8問 II-4 英語(公開版で本文省略)この設問を一般対策に置き換えない / 自由英作文で落としやすい点 / 公開版PDFでの限界

微分方程式2件

  • 2025年度 第8問 II-3 物理数学(Laplace 変換と微分方程式)方針 — ODE を代数方程式に / 背景 — 制御理論と回路解析

頻出論点と、同じ論点を出す他大学

院試hubが解答した大問の論点を、他大学の出題と突き合わせたものです。併願先を 探すときの重なりの実数として使えます。

論点この専攻での出題出題年度同じ論点を出す他大学全国の出題大学
固有値・固有ベクトル18問2026・2025・2024・2023・2022神戸大学・東京大学・大阪大学・名古屋大学・北海道大学25大学
調和振動子5問2026・2024・2022名古屋大学・北海道大学・電気通信大学・広島大学・九州大学16大学
分配関数5問2026・2025・2024・2023東京大学・名古屋大学・北海道大学・筑波大学・九州大学16大学
ハミルトン形式5問2026・2025・2023・2022名古屋大学・広島大学・筑波大学・九州大学・名古屋工業大学15大学
留数定理4問2026・2025・2024東京大学・北海道大学・名古屋大学・筑波大学・大阪公立大学18大学
剛体の回転運動3問2026・2025・2024北海道大学・広島大学・九州工業大学・筑波大学・九州大学16大学
摂動論3問2026・2023東京都立大学・名古屋大学・東京科学大学・大阪公立大学・東京大学11大学
ラグランジアン2問2026・2023名古屋大学・北海道大学・広島大学・筑波大学・九州大学13大学
RC回路の過渡応答2問2025九州大学・東京大学・東京科学大学・早稲田大学・東京都立大学12大学
角運動量2問2023・2022北海道大学・九州大学・東北大学・東京都立大学・東京大学9大学

京大 公式の過去問の公開年度と公式解答例

公開されている年度
各専攻ページに依存(2〜数年程度)
公式の解答例
解答例の掲載なし
英語の扱い
専攻別に異なる。2027年度の物理学・宇宙物理学はTOEIC L&R公開テストの公式スコアを出願時に提出。地球惑星科学は会場でTOEFL ITPを実施。化学・生物科学は各専攻の外部試験指定を確認。
院試hubが最後にリンクを確認した日
2026-10-15
ページの内容
理学研究科の各専攻過去問へのリンク集。数学・物理学・宇宙物理学・地球惑星科学・化学・生物科学が対象。

よくある質問

京大物理2026年度I-3の微分方程式で、a=1の場合はどうなりますか。

斉次方程式の特性根が−1の重根になり、一般解は(C₁+C₂x)e⁻ˣです。a≠1の解へa=1を代入するだけでは独立な定数が1つに減ります。非斉次方程式では、この斉次解に特殊解2sin xを加えます。

熱方程式の分離定数が負になるのはなぜですか。

両端でX=0という境界条件を使い、X″=λXにXを掛けて積分すると、λ∫X²dx=−∫(X′)²dxとなるためです。非零解では右辺が負になり、λ<0と決まります。有限区間での有界性だけでは、この符号は決まりません。

京大物理2026年度I-2で、回転する溝の中の質点が任意の位置に静止する条件は?

回転角速度の大きさが√(ag)のときです。有効ポテンシャルの係数ag−ω²がゼロになります。運動エネルギーの係数1+a²q²は残るため、ラグランジアン全体が位置に依存しなくなるわけではありません。

臨界速度ω²=agなら、原点は安定ですか。

位置だけをずらして初速度をゼロにすれば、その位置に留まります。ただし微小な初速度を与えると移動し続けるため、速度を含む任意の小さな摂動に対して安定とはいえません。ω²<agなら原点付近で安定に振動し、角振動数は√(ag−ω²)です。

京大物理の過去問は好きな問題を選んで解く形式ですか。

確認した2026年度の公式問題は、物理学Iが3時間・6問、IIが3時間・5問で、各冊子に全解答用紙を提出する指示があります。この年度を演習するときは一部だけを選ぶ試験として扱わず、全問への着手順と時間を考えます。過年度・次年度の解答指示は各冊子で確認してください。

京大物理の院試はTOEIC何点が必要ですか。

2027年度要項は2024年9月以降のTOEIC L&R公開テストの公式スコアを指定しています。提出できない場合も受験資格を失わず、英語0点の扱いです。今回確認した要項に、合格を保証するスコアや合格最低点は示されていません。

京大物理の院試では研究計画書を書きますか。

2027年度は、これまで学んだ物理学・宇宙物理学で特に関心を持った内容と、志望した分科・分科群を選んだ理由の2種類のレポートが指定されています。それぞれA4片面2ページ以内で出願時に提出し、志望理由には第1志望以外も書きます。任意の研究計画書へ置き換えず、この課題に答えます。

口頭試問は全受験者が受けますか。

2027年度は第一次合格者だけが、8月26〜27日のオンライン口頭試問を受ける日程でした。提出レポートと、実験・観測を含む物理学・宇宙物理学の知識が試問の対象です。

外部受験者にはどのくらい難しいですか。

今回確認した公式資料からは、物理専攻の外部受験者数・外部合格者数や合格最低点を確認できません。理学研究科全体の倍率で外部生の合格可能性を判断せず、志望分科の募集、試験範囲、公式過去問を時間内にどこまで解けるかを個別に確認します。

公式過去問と併用する解答・解説PDFを、京都大学の研究科・科目別に掲載しています。収録年度と価格は各ページで確認できます。

京都大学の解答PDF一覧で、京都大学の研究科・専攻・科目をまとめて確認できます。

院試対策ガイド一覧(大学別)