近畿 · 神戸大学
神戸大物理学科・物理学専攻の院試過去問・解答|物理Ⅰ・Ⅱ6回分
神戸大学物理学専攻の院試過去問を2020〜2025年実施の6回・38大問で分析しました。物理Ⅰ・Ⅱは2022年実施から各120分で3問必答で、力学・電磁気・量子・統計が毎回出ます。失点しやすい設問、TOEICの条件、無料で読める解答を案内します。
最終更新: 2026/10/28
神戸大学大学院理学研究科物理学専攻(博士課程前期課程)の筆記試験は、物理Ⅰと物理Ⅱの2科目です。2022年以降に実施された回は、どちらも120分で問Ⅰ〜Ⅲの3問すべてを解く形式でした。2020〜2025年に実施された6回の問題(38大問・181設問)を、院試Hubの解答をもとに分析しました。物理Ⅰは毎回、問Ⅰが力学、問Ⅱが電磁気学で、問Ⅲは波動・熱・光学・実験から出ています。物理Ⅱは問Ⅰが量子力学、問Ⅱが統計力学で、問Ⅲは2023年から3回続けて電磁気学でした。
問題は物理学専攻の「過去の入試問題」で、2016〜2025年の物理Ⅰ・物理Ⅱが実施年ごとに公開されていますが、解答はありません。院試Hubは各回1問の解答を無料で公開し、6回分の解答を1冊のPDFにまとめています。物理の年度は公式ページと同じく実施年で数えるため、2025は2025年8月19日に実施された、2026年4月入学の選抜の問題です。一般選抜では、理学部物理学科から進学する人も他大学から受ける人も、同じ物理Ⅰ・物理Ⅱを受けます。
2027年4月入学の筆記は2026年8月18日。英語はTOEICのスコアで評価
令和9年度(2027年4月入学)一般選抜の募集要項で確認した物理学専攻の条件です。この回は2026年8月に実施済みで、次の募集の日程は新しい要項で確認する必要があります。
| 項目 | 2027年4月入学・一般選抜 |
|---|---|
| 募集人員 | 24人。別に外国人留学生特別選抜を行う(要項2ページ)。 |
| 第一次選考 | 2026年8月18日。物理Ⅰが9時30分〜11時30分、物理Ⅱが13時〜15時。合格者の発表は8月19日9時(要項11ページ)。 |
| 第二次選考 | 8月19日9時30分から面接。第一次選考の合格者だけが受ける。 |
| 英語 | TOEIC L&R公開テストのスコア。ListeningとReadingを1:3の重みで評価する。筆答試験の日から過去2年以内に受けたものが有効で、IPテストと複数回分の提出は認められない(要項5ページ)。 |
| 出願書類 | 共通の書類に加え、入学しようとする理由をA4用紙1枚に書く(字数・書式の指定なし)。Web出願で指導教員名の入力は不要(要項5〜6ページ)。 |
| 選抜方法 | 筆答試験・口頭試問と成績証明書を総合して判定する。物理学専攻では希望する教育研究分野も勘案する。合格発表の予定は9月9日10時(要項7ページ)。 |
国内でTOEICを受けた場合は、所定の受験情報確認票を提出したうえで、TOEICの申込サイトから理学研究科の申請コードを入力してスコアを送ります。この回の送信期限は8月3日でした。理学研究科の入試情報には、令和10年度入試からスコアの提出期限を出願期間の最終日にするという告知があり、期限までに提出しなければ出願は受理されません。英語の条件と出願の手順は、神戸大学大学院の外部受験のページにもまとめています。
同じ入試情報のページでは、2027年4月入学の秋期追加募集は「なし」で、冬期は実施するかどうかを11月中旬に発表する予定とされています(2026年10月28日確認)。
2022年から物理Ⅰ・Ⅱとも120分。2020・2021年は150分で物理Ⅰが4問
公式PDFの表紙にある実施日、試験時間、解答の指示をまとめました。どの回も選択問題はなく、解答は問題ごとに別の解答用紙に書きます。
| 実施日 | 物理Ⅰ | 物理Ⅱ |
|---|---|---|
| 2025年8月19日 | 120分。問Ⅰ〜Ⅲの3問すべて | 120分。問Ⅰ〜Ⅲの3問すべて |
| 2024年8月20日 | 120分。3問すべて。問Ⅲはグラフ用紙に記入 | 120分。3問すべて |
| 2023年8月22日 | 120分。3問すべて | 120分。3問すべて |
| 2022年8月23日 | 120分。3問すべて | 120分。3問すべて |
| 2021年8月23日 | 150分。問Ⅰ〜Ⅳの4問すべて。問Ⅳはグラフ用紙 | 150分。3問すべて |
| 2020年8月26日 | 150分。問Ⅰ〜Ⅳの4問すべて。問Ⅳは作図用の別紙 | 150分。3問すべて |
2020・2021年の物理Ⅰ問Ⅳは、作図用の別紙やグラフ用紙を使う実験の問題でした。2022年からは問Ⅳがなくなり、時間も150分から120分になっています。2020・2021年の物理Ⅰを120分で練習するなら、問Ⅰ〜Ⅲを120分で解き、問Ⅳは別の時間に回します。
院試Hubの解答で数えた設問数は、120分の回で1冊あたり12〜16設問です。最も少ないのは2022年の物理Ⅰ(12設問)、最も多いのは2024年の物理Ⅰ(16設問)でした。1問あたり40分とすると、4〜6個の設問を40分で書き切る分量になります。
2020〜2025年に実施された6回の出題
表の年は実施年で、各回は翌年4月入学の選抜です。問番号は公式PDFの番号です。
| 実施年 | 物理Ⅰ | 物理Ⅱ |
|---|---|---|
| 2025年 8月19日 | 問Ⅰ 解析力学:最小作用の原理、保存量、ばねでつながれた質点の小振動問Ⅱ 電磁気学:2層の誘電体を挟んだ同軸円筒コンデンサー、境界の分極電荷問Ⅲ 実験:ノギスの読み取り、振り子の周期の誤差と加重平均、おもりの大きさの補正 | 問Ⅰ 量子力学:ガウス型波束の期待値、位相速度と群速度問Ⅱ 統計力学:結晶中のフレンケル欠陥の数と比熱問Ⅲ 電磁気学:ベクトルポテンシャルと一様磁場、クーロンゲージ |
| 2024年 8月20日 | 問Ⅰ 力学:糸の長さを変える単振り子とパラメトリック励振問Ⅱ 電磁気学:平行二線の静電容量・インダクタンスと特性インピーダンス問Ⅲ 熱・実験:半無限体の熱伝導と誤差関数、グラフ用紙で決めるサーミスタ定数 | 問Ⅰ 量子力学:二重井戸ポテンシャルとトンネル分裂問Ⅱ 統計力学:鎖状分子のゴム弾性問Ⅲ 電磁気学・宇宙物理:マイクロ波の遮蔽、宇宙背景放射、無線給電 |
| 2023年 8月22日 | 問Ⅰ 力学:ジャイロスコープの歳差運動問Ⅱ 電磁気学:マクスウェル方程式、ポインティングの定理、平面波問Ⅲ 実験:陽電子の運動量選別、シンチレータの同時計測、光子数とエネルギー分解能 | 問Ⅰ 量子力学:半直線上のデルタ関数型ポテンシャル問Ⅱ 統計力学:常磁性体の磁化と断熱消磁問Ⅲ 電磁気学・相対論:電磁場テンソルとE×Bドリフト |
| 2022年 8月23日 | 問Ⅰ 力学:中心力の有効ポテンシャルと円軌道まわりの振動問Ⅱ 電磁気学:帯電した球殻の電場、回転する球殻が中心に作る磁場問Ⅲ 光学:マイケルソン干渉計による表面形状の計測 | 問Ⅰ 量子力学:3準位系の時間発展問Ⅱ 統計力学:異核2原子分子の回転と比熱問Ⅲ 数学物理:コーシー・リーマンの関係式と直角に折れた導体の電場 |
| 2021年 8月23日 | 問Ⅰ 力学:大きさのあるおもりの振り子、回転座標系、フーコー振り子問Ⅱ 電磁気学:並進する2つの電荷にはたらく静電気力と磁気力問Ⅲ 熱力学:気体分子運動論と断熱大気の温度・密度問Ⅳ 実験:放射性崩壊、鉛によるガンマ線の減衰(グラフ用紙) | 問Ⅰ 量子力学:調和振動子のハイゼンベルク描像とコヒーレント状態問Ⅱ 統計力学:イジング模型の平均場近似と強磁性転移問Ⅲ 応用物理:火星ヘリコプターの重力と揚力の見積もり |
| 2020年 8月26日 | 問Ⅰ 力学:穴を通した棒の剛体振り子と、周期が最短になる支点問Ⅱ 電磁気学:同心円形回路の相互インダクタンスと磁場のエネルギー問Ⅲ 波動:弦の波動方程式とピアノの打弦点問Ⅳ 実験:抵抗ブリッジ、交流電圧の測定、RC回路(作図用の別紙) | 問Ⅰ 量子力学:2つのデルタ関数型井戸の束縛状態問Ⅱ 統計力学:励起準位が2重に縮退した系とショットキー比熱問Ⅲ 力学:逆二乗力とルンゲ・レンツベクトル |
物理Ⅰは力学・電磁気と測定、物理Ⅱは量子・統計に電磁気が加わる
物理Ⅰ:問Ⅰの力学と問Ⅱの電磁気学は6回とも同じ配置
問Ⅰの力学は、6回のうち4回で振り子や回転する物体を扱いました。2020年は棒の剛体振り子、2021年は大きさのあるおもりの振り子と回転座標系、2023年は円板のジャイロスコープ、2024年は糸の長さを変える単振り子です。2022年は中心力の有効ポテンシャル、2025年は最小作用の原理から運動方程式と保存量を導く解析力学でした。慣性モーメントは、2025年物理Ⅰ問Ⅲの最後の設問(おもりの大きさによる周期の補正)でも使います。
問Ⅱの電磁気学は、対称性の高い配置で場を求め、静電容量やインダクタンス、エネルギーへ進む流れが中心です。2022年は帯電した球殻と回転する球殻、2024年は平行な2本の導線、2025年は誘電体を2層挟んだ同軸円筒でした。2020年は同心円形回路の相互インダクタンスと磁場のエネルギー、2021年は並進する2つの電荷にはたらく静電気力と磁気力、2023年はマクスウェル方程式からポインティングの定理と平面波を扱っています。
問Ⅲは年ごとに分野が変わりました。2020年は弦の波動、2021年は気体分子運動論と大気の温度分布、2022年はマイケルソン干渉計です。2023〜2025年は3回続けて実験の問題で、陽電子の同時計測、熱伝導とサーミスタ、ノギスと振り子による重力加速度の測定が出ました。2020・2021年の問Ⅳ(交流の測定、ガンマ線の減衰)も含めると、6回のうち5回に実験の問題があります。
実験と見積もりの問題で問われること
実験の問題では、グラフの軸を選んで測定値を直線に並べ、その傾きから物理量を読む設問が2回出ています。2021年物理Ⅰ問Ⅳはガンマ線の計数を片対数で描いて吸収係数を求め、2024年物理Ⅰ問Ⅲはサーミスタの抵抗の対数を温度の逆数に対して描いて定数を決めます。計数のばらつきをポアソン分布で見積もる設問も、2021年物理Ⅰ問Ⅳと2023年物理Ⅰ問Ⅲにありました。2025年物理Ⅰ問Ⅲは、平均値の誤差、誤差の伝播、誤差の異なる測定値の加重平均を順に求める構成です。
桁を見積もる設問もあります。2021年物理Ⅱ問Ⅲは、火星で飛ぶヘリコプターの重力と揚力を次元解析と概算で比べます。2024年物理Ⅱ問Ⅲは、マイクロ波の波長から電子レンジの遮蔽や宇宙背景放射の温度を考える問題でした。問題に与えられていない量を自分で仮定するときは、その仮定を答案に書いておきます。
物理Ⅱ:量子力学と統計力学に、3問目の電磁気学
問Ⅰの量子力学は、1次元のポテンシャルと状態の時間発展が中心です。デルタ関数型のポテンシャルが2020年(2つの井戸)と2023年(半直線上の障壁)に出ており、どちらも接続条件が答案の出発点になります。2021年は調和振動子の生成消滅演算子とコヒーレント状態、2022年は3準位系の時間発展、2024年は二重井戸のトンネル分裂、2025年はガウス型波束の期待値と群速度でした。
問Ⅱの統計力学は、状態を数えて分配関数やエントロピーを作り、比熱や磁化率まで進む問題です。場合の数からエントロピーを出す問題が2021年(イジング模型の平均場近似)、2024年(鎖状分子のゴム弾性)、2025年(フレンケル欠陥)の3回あり、比熱の温度変化は2020年(ショットキー比熱)、2022年(2原子分子の回転)、2025年に問われました。2023年は常磁性体の磁化とエントロピーから断熱消磁を説明します。
問Ⅲは、2020年が逆二乗力とルンゲ・レンツベクトルの力学、2021年が火星ヘリコプターの見積もり、2022年が複素関数のコーシー・リーマンの関係式と静電場でした。2023年は電磁場テンソルとE×Bドリフト、2024年はマイクロ波、2025年はベクトルポテンシャルで、3回続けて電磁気学です。2023〜2025年は物理Ⅰ問Ⅱと合わせて、電磁気学が毎回2問出ています。
3問とも必答。前の設問の式を後で使う構成が多い
どの回も選択問題がないため、苦手な分野を避けて解くことはできません。120分で3問なら1問あたり40分が目安です。これは時間配分の目安で、要項と問題の表紙に配点は書かれていません。最初の数分で3問の設問をひととおり見て、設問1を書ける問題から始めます。
神戸大の物理は、前の設問で出した式を次の設問で使う構成が多くあります。2020年物理Ⅰ問Ⅰでは、設問1の慣性モーメントを周期の式に入れ、最後に周期が最短になる支点を求めます。2024年物理Ⅰ問Ⅲも、誤差関数の値、熱伝導方程式の確認、温度分布の時間変化と順に積み上がります。序盤で出した式は、単位と極限の値で確かめてから次へ進みます。
分野ごとの最初の一手は次のとおりです。
- 力学:回転を含む問題は、支点まわりの慣性モーメントを先に求めます。重心まわりの値に質量と距離の2乗の積を足す平行軸の定理で検算できます。
- 電磁気学:配置が球・円筒・平行線のどれかを確かめ、ガウスの法則やアンペールの法則で場を出してから、電位差や磁束へ積分します。誘電体の境界では、連続になる量と不連続になる量を分けて書きます。
- 量子力学:領域ごとの解の形、境界での接続条件、規格化の条件を最初に書きます。デルタ関数型のポテンシャルでは、波動関数は連続で、導関数はポテンシャルの強さとその点での波動関数の値に比例して跳びます。
- 統計力学:1粒子の準位とその状態数(縮退度)を書き出してから分配関数を作ります。低温では基底状態だけが残る値に、高温では各状態の占有がそろう値や古典的な値に近づくかを確かめます。
- 実験:どの軸を取れば直線になるか(片対数、逆数)と、使う誤差が1回の測定のばらつきか平均値の誤差かを先に決めます。
失点しやすい設問と確かめ方
院試Hubの解答で誤りやすい点として挙げた箇所から、年度と分野が偏らないように11件を選びました。問番号と設問番号は公式PDFの番号です。
| 実施年・設問 | 起こりやすい誤り | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 2020年 物理Ⅰ問Ⅰ設問1 | 棒の慣性モーメントを、支点より下の部分だけで積分する。 | 支点より上の部分も軸から離れているので全長で積分する。重心まわりの値に質量と支点までの距離の2乗の積を足す平行軸の定理でも同じ式になるか確かめる。 |
| 2020年 物理Ⅱ問Ⅰ設問2 | ポテンシャルが偶関数なので、波動関数も偶関数だと決める。 | 反転した関数も同じエネルギーの解で、1次元の束縛状態は縮退しないことから、偶か奇のどちらかになると示す。奇の状態も候補に残す。 |
| 2021年 物理Ⅰ問Ⅳ設問3 | 片対数グラフで読んだ常用対数の傾きを、そのまま吸収係数にする。 | 自然対数に直すためにln10を掛け、横軸を鉛板の枚数から厚さ(cm)に直してから傾きを読む。最後に単位がcm⁻¹になるか見る。 |
| 2022年 物理Ⅰ問Ⅲ設問3 | 基準鏡を動かしたときの光路長の変化を、鏡の移動距離と同じにする。 | 鏡の変位は入射と反射の両方の経路に効くので、光路長は変位の2倍変わる。強度の時間変化の周期で検算する。 |
| 2022年 物理Ⅱ問Ⅱ設問1 | 回転準位の縮退度2ℓ+1を掛け忘れる。 | 最初の励起準位に3つの状態があることを数え直す。縮退を落とすと低温の比熱が3分の1になる。 |
| 2023年 物理Ⅰ問Ⅲ設問4 | 光子数のばらつきの標準偏差を平均値そのものにする。2つの光子の合計エネルギーを1台の検出器に入れる。 | ポアソン分布の標準偏差は平均の平方根。対消滅で出る光子1個のエネルギーは電子の静止エネルギーに等しい。 |
| 2024年 物理Ⅰ問Ⅰ設問3 | 糸の張力を、重力の糸方向の成分だけにする。 | 円運動の向心加速度の分を加える。最下点では張力が重力より大きくなることを確かめる。 |
| 2024年 物理Ⅱ問Ⅰ設問2 | 波動関数そのものの積分が1になるように規格化する。 | 規格化は絶対値の2乗の積分で行う。1次元の波動関数の単位がmの−1/2乗になるかで検算できる。 |
| 2025年 物理Ⅰ問Ⅱ設問3・4 | 誘電体の境界で電場も連続とする。2層を並列のコンデンサーとして容量を足す。 | 自由電荷のない境界で連続になるのは電束密度の法線成分。2層には同じ電荷が通るので、電位差を足し合わせる直列の形になる。 |
| 2025年 物理Ⅰ問Ⅲ設問2・3 | 1回の測定のばらつき(標準偏差)をそのまま平均値の誤差にする。誤差の伝播で周期の係数2を落とす。 | 平均値の誤差は標準偏差を測定回数の平方根で割る。重力加速度は周期の2乗に反比例するので、周期の相対誤差は2倍で効く。 |
| 2025年 物理Ⅱ問Ⅲ設問3 | 円筒座標の回転で、ベクトルポテンシャルの成分をrで微分するだけにする。 | 円筒座標の回転の式にあるAφ/rの項を入れる。外側の領域で磁場が0になるかで確かめる。 |
表の1行目(2020年物理Ⅰ問Ⅰ)は無料公開している解答で確認できます。ほかの設問の解説は解答PDFに収録しています。
分野別の練習と参考書
過去6回の出題を分野ごとにまとめ、練習の方法と結びつけました。
| 分野 | 過去6回で出た内容 | 練習のしかた |
|---|---|---|
| 力学 | 剛体振り子、回転座標系とフーコー振り子、ジャイロスコープ、中心力、パラメトリック励振、最小作用の原理、ルンゲ・レンツベクトル。 | 慣性モーメントの計算と、エネルギー・角運動量の保存を使う問題をまとめて解く。ラグランジアンから運動方程式と保存量を出す練習も入れる。 |
| 電磁気学 | 球殻・平行二線・同軸円筒の場と静電容量、相互インダクタンス、ポインティングベクトル、電磁場テンソル、ベクトルポテンシャル、マイクロ波。 | 対称性のある配置で、場から電位差、静電容量やインダクタンスまでを通しで求める。境界条件と、円筒座標の回転・発散の式を確かめておく。 |
| 量子力学 | デルタ関数型ポテンシャル、調和振動子とコヒーレント状態、3準位系、二重井戸、ガウス型波束。 | 接続条件、規格化、期待値の計算を1次元の問題で繰り返す。交換関係を使って演算子の時間発展を書く練習もする。 |
| 統計力学 | 縮退のある準位、イジング模型の平均場近似、2原子分子の回転、常磁性体、ゴム弾性、フレンケル欠陥。 | 分配関数と場合の数(スターリングの公式)の両方からエントロピーを出し、比熱の低温と高温の極限を確かめる。 |
| 波動・光学・熱 | 弦の固有振動、マイケルソン干渉計、気体分子運動論、半無限体の熱伝導。 | 境界条件から固有振動数を決める問題、干渉の強度の式、誤差関数で書く熱伝導の解を一度ずつ解いておく。 |
| 実験・見積もり | 抵抗ブリッジと交流、放射線の計数、シンチレータ、サーミスタ、ノギス、誤差の伝播と加重平均、次元解析。 | 片対数グラフの作図と傾きの読み方、平均値の誤差と誤差の伝播を、学生実験のデータで練習する。 |
参考書は、問題の型に合わせて使い分けます。統計力学は久保亮五編『大学演習 熱学・統計力学』(裳華房)で分配関数と比熱の計算を繰り返し、実験の誤差はJ.R.テイラー『計測における誤差解析入門』(東京化学同人)で平均値の誤差、誤差の伝播、加重平均を確かめられます。2023年物理Ⅱ問Ⅲの電磁場テンソルのような相対論の内容は、砂川重信『理論電磁気学』(紀伊國屋書店)など、特殊相対論の章がある電磁気学の教科書で補います。基本式の確認には、院試Hubの解析力学、電磁気学、量子力学、統計力学の対策記事も使えます。
無料で読める6問と、解答PDFの収録範囲
各回1問の解答を、年度別ページで無料公開しています。年度別ページの見出しやこの記事の下の一覧では「2025年度」のように表示していますが、物理ではこの数字が実施年です。
- 2025年実施の物理Ⅰ問Ⅰ:最小作用の原理とばねでつながれた質点
- 2024年実施の物理Ⅰ問Ⅱ:平行二線の特性インピーダンス
- 2023年実施の物理Ⅰ問Ⅰ:ジャイロスコープの歳差運動
- 2022年実施の物理Ⅰ問Ⅰ:中心力と有効ポテンシャル
- 2021年実施の物理Ⅰ問Ⅰ:剛体振り子とフーコー振り子
- 2020年実施の物理Ⅰ問Ⅰ:穴を通した棒の剛体振り子
物理の解答・解説PDFは、6回分・38大問・181設問を表紙込み196ページの1冊にまとめたものです。2020・2021年は物理Ⅰ問Ⅳを含む各7大問、2022〜2025年は各6大問を収録しています。問題本文と原図は載せていないため、公式PDFと並べて使います。
2020年物理Ⅰ問Ⅳ設問3は、測定器を描いた別紙の図が公開されていないため、図の中の端子やダイヤルの位置は示さず、接続のしかた、交流電圧の測り方、レンジの選び方を文章で答えています。また、2020年物理Ⅰ問Ⅱ設問5は指定された相互インダクタンスが2つの自己インダクタンスの幾何平均より大きく、2023年物理Ⅱ問Ⅰ設問3・4は無限壁の条件と外向きの波だけという条件を同時に満たす定常状態がありません。どちらも、問題の指定に沿った計算とあわせて、この点を解答で説明しています。
- 公式PDFで1回分を、物理Ⅰ・物理Ⅱとも120分で解きます。
- 無料公開の1問で答え合わせをし、答案の書き方を確かめます。
- 残りの問題はPDFと照合し、最後の値だけでなく、どの条件や近似を使ったかを比べます。
- 止まった分野を上の表に戻して練習し、別の年度を同じ時間で解きます。
同じ理学研究科でも、数学専攻は英語が30分の筆記試験で、面接の対象者も物理学専攻と異なります。神戸大学数学専攻の院試ガイド、神戸大学理学研究科のページ、神戸大学の公式過去問の案内もあわせて確認してください。
途中式と最終答まで読める解説
物理の収録解説の分野(2020〜2025年度・38項目)
収録年度と解説項目数
院試hubに収録した6実施回の一覧です。1回あたりの解説見出しは6〜7項目です。2022年度以降の収録分は6項目です。
神戸大 公式の過去問の公開年度と公式解答例
- 公式の過去問ページ
- 理学研究科 物理学専攻(修士)
- 公開されている年度
- 2016〜2025年の物理I・物理II(実施年で表記)
- 公式の解答例
- 解答例の掲載なし
- 英語の扱い
- 2027年度一般選抜はTOEIC L&R公開テスト。Listening:Readingを1:3で評価し、筆記試験日から過去2年以内のスコアが有効。TOEIC IP・TOEFLは不可。2028年度入試(2027年10月入学を含む)から提出期限は出願期間最終日。
- 院試hubが最後にリンクを確認した日
- 2026-10-28
- ページの内容
- 物理I(120分・問I〜III)と物理II(問I〜III)を実施年ごとにPDFで掲載。公式解答は非公開。ページの年表記は年度ではなく実施年(例: 2025年=2025年8月実施)。
よくある質問
神戸大学物理学専攻の院試は何分で何問解きますか。
2022〜2025年に実施された回は、物理Ⅰ・物理Ⅱとも120分で、それぞれ問Ⅰ〜Ⅲの3問すべてを解きます。2020・2021年は各150分で、物理Ⅰは実験の問Ⅳを含む4問でした。2027年4月入学の一般選抜(2026年8月18日実施)も、物理Ⅰが9時30分〜11時30分、物理Ⅱが13時〜15時でした。
物理学専攻の英語はどう評価されますか。
2027年度の要項では、TOEIC L&R公開テストのスコアを使い、ListeningとReadingを1対3の重みで評価します。筆答試験の日から過去2年以内に受けたスコアが有効で、IPテストのスコアや複数回分の提出は認められません。理学研究科は、令和10年度入試からスコアの提出期限を出願期間の最終日にすると告知しています。
神戸大学物理学専攻の過去問に公式の解答はありますか。
ありません。物理学専攻の公式ページは2016〜2025年に実施された物理Ⅰ・物理Ⅱの問題PDFを公開していますが、解答は載せていません。英語は2022年実施分から外部試験に変わり、問題の掲載はありません。院試Hubでは各回1問の解答を無料で公開しています。
院試Hubの物理の「2025年度」は2025年4月入学の問題ですか。
違います。物理は公式ページと同じく実施年で数えています。2025は2025年8月19日に実施された、2026年4月入学の選抜の問題です。2026年8月に実施された2027年4月入学の問題は収録していません。
面接は筆記試験の受験者全員が受けますか。
物理学専攻では、第一次選考(物理Ⅰ・物理Ⅱ)の合格者だけが第二次選考の面接を受けます。2027年4月入学の選抜では、8月19日9時に第一次選考の合格者が発表され、同日9時30分から面接でした。筆答の受験者全員が面接を受ける数学専攻とは扱いが異なります。
出願のときに指導教員を決める必要はありますか。
2027年度の要項では、物理学専攻はWeb出願で指導教員名を入力する必要がありません。選考では、希望する教育研究分野が勘案されます。提出書類として、入学しようとする理由をA4用紙1枚にまとめます。字数と書式の指定はありません。
神戸大学の解答PDF
公式過去問と併用する解答・解説PDFを、神戸大学の研究科・科目別に掲載しています。収録年度と価格は各ページで確認できます。
- 神戸大学 理学研究科 数学専攻 数学の解答PDF(収録6年分)
- 神戸大学 理学研究科 物理学専攻 物理の解答PDF(収録1年分)
- 神戸大学 経済学部 数学の解答PDF(収録3年分)
- 神戸大学 経済学部 経済学の解答PDF(収録3年分)
- 神戸大学 経済学研究科 経済理論の解答PDF(収録6実施回分)
- 神戸大学 経済学研究科 統計学の解答PDF(収録6実施回分)
神戸大学の解答PDF一覧で、神戸大学の研究科・専攻・科目をまとめて確認できます。