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神戸大学機械工学の院試過去問・解答|2026年度数学・基礎力学・材料力学

神戸大学機械工学の2026年度数学・基礎力学・材料力学を全36小問解説。複素積分、微分方程式、滑車、車両の横滑り、丸軸の熱応力とねじり、等強度梁のたわみを途中式と図で説明。公式過去問と科目・配点も案内します。

最終更新: 2026/10/16

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神戸大学工学研究科機械工学専攻の2026年度過去問から、数学4問・基礎力学2問・材料力学2問の解答を掲載しています。数学13小問、基礎力学10小問、材料力学13小問の計36小問について、式を立てる理由、途中の計算、答えが成り立つ条件まで説明します。

問題は機械工学専攻の公式ページで公開されています。解答・解説は院試Hubによるものです。2024〜2026年度の他の科目も含めた公式PDF一覧は、神戸大学の過去問ページから開けます。

数学90分、専門5科目が各60分

2027年度一般入試要項の機械工学専攻の科目・配点です。この回は2026年8月24・25日に実施されました。以下で解く2026年度の過去問とは年度が異なります。

区分科目・試験時間配点
数学90分。線形代数、微積分、常微分方程式、複素関数論、フーリエ解析。100点
専門基礎力学、材料力学、流体力学、熱力学、機械力学と制御工学。各60分。各100点
計500点
英語外部英語試験のスコアを利用。提出できる試験・有効期間は要項を確認。100点
合計上記の筆記科目と英語。700点

公式過去問は2026年度から基礎力学を含む構成です。2024・2025年度では機械力学と生産工学・制御工学が別の科目でした。古い年度を使うときは科目名だけで選ばず、受験する回の出題範囲と照合してください。次の募集日程や変更は工学研究科の入試案内で確認できます。

2026年度数学の第4問はラプラス変換です。2027年度要項に列挙された範囲に「ラプラス変換」という独立項目があるという意味ではありません。過去の出題と受験年度の範囲を分けて扱います。

数学1:接平面、四面体の最小体積、回転行列

2026年度数学の公式問題2ページに対応します。単位球面上の点(a,b,c)はa,b,c>0、a²+b²+c²=1を満たします。

(1-a)接平面はax+by+cz=1

球面を定義する関数x²+y²+z²の勾配は、点(a,b,c)で2(a,b,c)です。このベクトルを法線に持ち、指定された点を通る平面を立てます。

a(x−a)+b(y−b)+c(z−c)=0a(x-a)+b(y-b)+c(z-c)=0

a²+b²+c²=1を使うと、求める接平面は次式です。

ax+by+cz=1\boxed{ax+by+cz=1}

(1-b)四面体の体積の最小値は√3/2

接平面と各座標軸との交点は(1/a,0,0)、(0,1/b,0)、(0,0,1/c)です。座標平面と囲む四面体の体積は、3辺の積の6分の1になります。

V=16abcV=\frac1{6abc}

体積を小さくするにはabcを大きくします。正の3数a²,b²,c²へ相加相乗平均の不等式を使います。

a2b2c2≤(a2+b2+c23)3=127a^2b^2c^2\le\left(\frac{a^2+b^2+c^2}{3}\right)^3=\frac1{27}

したがってabc≤1/(3√3)。等号はa²=b²=c²のときで、正の条件から3成分とも1/√3です。

Vmin⁡=32,a=b=c=13\boxed{V_{\min}=\frac{\sqrt3}{2},\quad a=b=c=\frac1{\sqrt3}}

(2)行列の積を計算する

t=tan(θ/2)と置きます。−π<θ<πなのでtは有限で、det(I+A)=1+t²>0です。I+Aは常に逆行列を持ちます。

A=(0t−t0),(I+A)−1=11+t2(1−tt1).\begin{aligned}A&=\begin{pmatrix}0&t\\-t&0\end{pmatrix},\\(I+A)^{-1}&=\frac1{1+t^2}\begin{pmatrix}1&-t\\t&1\end{pmatrix}.\end{aligned}
(I−A)(I+A)−1=11+t2(1−t2−2t2t1−t2)(I-A)(I+A)^{-1}=\frac1{1+t^2}\begin{pmatrix}1-t^2&-2t\\2t&1-t^2\end{pmatrix}

半角の公式cosθ=(1−t²)/(1+t²)、sinθ=2t/(1+t²)を代入します。

(I−A)(I+A)−1=(cos⁡θ−sin⁡θsin⁡θcos⁡θ)\boxed{(I-A)(I+A)^{-1}=\begin{pmatrix}\cos\theta&-\sin\theta\\\sin\theta&\cos\theta\end{pmatrix}}

数学2:三角積分路の留数と実積分

公式問題2ページの関数f(z)=eⁱᶻ/(z−i)を、R、iR、−Rを頂点とする三角形で積分します。R>1で、積分路は反時計回りです。

反時計回りの三角積分路実軸上のRから虚軸上のiRへC1、そこから負の実軸上の−RへC2、実軸をRへ戻るC3。極iを内側に囲む。R−RiR0iC₁C₂C₃
R>1なら極iは三角形の内側。C₃は実軸を−RからRへ進みます。

(1)閉路積分は2πi/e

三角形の内部にある特異点は単純極z=iだけです。留数はeⁱⁱ=e⁻¹なので、留数定理から次の値を得ます。

∫Cf(z) dz=2πiRes⁡z=if=2πie\boxed{\int_C f(z)\,dz=2\pi i\operatorname*{Res}_{z=i}f=\frac{2\pi i}{e}}

(2)C₁上で|z−i|を下から評価する

RからiRへ進むC₁をz=R−y+iy、0≤y≤Rと表します。平方完成すると最小値が分かります。

∣z−i∣2=(R−y)2+(y−1)2=2(y−R+12)2+(R−1)22.\begin{aligned}|z-i|^2&=(R-y)^2+(y-1)^2\\&=2\left(y-\frac{R+1}{2}\right)^2+\frac{(R-1)^2}{2}.\end{aligned}
∣z−i∣≥R−12\boxed{|z-i|\ge\frac{R-1}{\sqrt2}}

(3)C₁の積分はR→∞で0

C₁上では|eⁱᶻ|=e⁻ʸ、|dz|=√2dyです。(2)の下限を分母へ使います。

∣∫C1f(z) dz∣≤2R−1∫0Re−y dy=2(1−e−R)R−1⟶0.\begin{aligned}\left|\int_{C_1}f(z)\,dz\right|&\le\frac{2}{R-1}\int_0^R e^{-y}\,dy\\&=\frac{2(1-e^{-R})}{R-1}\longrightarrow0.\end{aligned}

(4)求める実積分は2π/e

問題文で使ってよいとされているC₂の積分の極限0と(3)から、C₃の積分は2πi/eへ収束します。実軸上のfを実部と虚部へ分けます。

f(x)=xcos⁡x−sin⁡xx2+1+icos⁡x+xsin⁡xx2+1f(x)=\frac{x\cos x-\sin x}{x^2+1}+i\frac{\cos x+x\sin x}{x^2+1}

虚部を比較すると、答えは次式です。

∫−∞∞cos⁡x+xsin⁡xx2+1 dx=2πe\boxed{\int_{-\infty}^{\infty}\frac{\cos x+x\sin x}{x^2+1}\,dx=\frac{2\pi}{e}}

対称区間での極限だけでは通常の広義積分の存在までは言えません。cos x/(x²+1)は絶対可積分です。残るx sin x/(x²+1)は、x>1でx/(x²+1)が単調減少して0へ近づくため、Dirichletの判定法で正の半直線上の積分が収束します。負の半直線も同様です。したがって、ここで得た値はコーシーの主値だけでなく、通常の広義積分の値です。

数学3:変数変換で解く非線形微分方程式

公式問題2ページの微分方程式y′=(4x−y+2)²を、x≥0で解きます。

(1)一次式の解はy=4xとy=4x+4

y=αx+βを代入するとα=((4−α)x+2−β)²です。右辺がxに依存しないためにはα=4が必要で、そのとき4=(2−β)²。よってβ=0または4です。

y=4x,y=4x+4\boxed{y=4x,\qquad y=4x+4}

(2)u=4x−y+2に置き換える

uをxで微分し、元の方程式を代入します。xとyが混じった右辺がuだけの式になります。

dudx=4−y′=4−u2\boxed{\frac{du}{dx}=4-y'=4-u^2}

(3)初期条件y(0)=1を満たす解

初期条件はu(0)=1です。u≠±2として変数分離し、部分分数で積分します。

∫du4−u2=14log⁡∣2+u2−u∣=x+C\int\frac{du}{4-u^2}=\frac14\log\left|\frac{2+u}{2-u}\right|=x+C

u(0)=1から初期値の近くでは(2+u)/(2−u)=3e⁴ˣ。この式をuについて解きます。

u=23e4x−13e4x+1u=2\frac{3e^{4x}-1}{3e^{4x}+1}

y=4x+2−uへ戻すと、次の解を得ます。分母は正なので、x≥0全体に延長できます。

y(x)=4x+43e4x+1\boxed{y(x)=4x+\frac4{3e^{4x}+1}}

x=0ではy=1です。微分した式と(4x−y+2)²も一致します。変数分離で除いた定数解u=±2は(1)の2つの一次式に対応し、今回の初期条件は満たしません。

数学4:ラプラス変換と積分方程式

公式問題3ページにあるラプラス変換をF(s)=∫₀∞f(t)e⁻ˢᵗdtと書きます。以下の変換は、積分が収束する右半平面で扱います。

(1)sin tのラプラス変換

sin t=(eⁱᵗ−e⁻ⁱᵗ)/(2i)を積分し、Re s>0で無限遠の項が0になることを使います。

L[sin⁡t]=12i(1s−i−1s+i)=1s2+1\mathcal L[\sin t]=\frac1{2i}\left(\frac1{s-i}-\frac1{s+i}\right)=\boxed{\frac1{s^2+1}}

(2)積分した関数の変換はF(s)/s

g(t)=∫₀ᵗf(x)dxとすると、g′=f、g(0)=0です。G(s)=ℒ[g]を部分積分します。収束する十分右側の領域では境界項が消えます。

G(s)=[−g(t)e−sts]0∞+1s∫0∞f(t)e−st dtG(s)=\left[-\frac{g(t)e^{-st}}s\right]_0^\infty+\frac1s\int_0^\infty f(t)e^{-st}\,dt
G(s)=F(s)s\boxed{G(s)=\frac{F(s)}s}

(3)積分方程式を変換してF(s)を求める

元の式の右辺はt sin tです。fの1回積分と2回積分には(2)を順に適用します。

f(t)−2∫0tf(x) dx+∫0t ⁣(∫0xf(y) dy)dx=tsin⁡t\begin{aligned}f(t)&-2\int_0^t f(x)\,dx\\&+\int_0^t\!\left(\int_0^x f(y)\,dy\right)dx=t\sin t\end{aligned}

右辺は(1)の変換をsで微分して求めます。積分の中でsを微分すると−tが掛かるので、ℒ[t sin t]=−dℒ[sin t]/dsです。

L[tsin⁡t]=−dds1s2+1=2s(s2+1)2\mathcal L[t\sin t]=-\frac{d}{ds}\frac1{s^2+1}=\frac{2s}{(s^2+1)^2}
F(s)−2F(s)s+F(s)s2=2s(s2+1)2F(s)-\frac{2F(s)}s+\frac{F(s)}{s^2}=\frac{2s}{(s^2+1)^2}
F(s)=2s3(s−1)2(s2+1)2\boxed{F(s)=\frac{2s^3}{(s-1)^2(s^2+1)^2}}

検算として部分分数に分け、逆変換してみます。

F(s)=12(s−1)+12(s−1)2−s2(s2+1)−s2(s2+1)2.\begin{aligned}F(s)&=\frac1{2(s-1)}+\frac1{2(s-1)^2}\\&\quad-\frac{s}{2(s^2+1)}-\frac{s^2}{(s^2+1)^2}.\end{aligned}
f(t)=(1+t)et−(1+t)cos⁡t−sin⁡t2f(t)=\frac{(1+t)e^t-(1+t)\cos t-\sin t}{2}

1回積分は(teᵗ−(1+t)sin t)/2、2回積分は((t−1)eᵗ+(1+t)cos t−sin t)/2です。元の式へ代入するとt sin tに戻ります。また解にはteᵗが含まれるので、このF(s)のラプラス積分の収束領域はRe s>1です。

基礎力学1:質量のある定滑車・動滑車と斜面上の物体

2026年度基礎力学の公式問題1ページに対応します。斜面上の物体は質量3M、定滑車と動滑車はそれぞれ質量M・半径r₀の一様円板です。動滑車の軸には、さらに質量Mの物体が付いています。斜面上の物体が下向きに動き出す場合を考えます。

(1)滑車の慣性モーメント

面密度をσ=M/(πr₀²)とし、半径ρ、幅dρの環状部分に分けます。回転軸は円板の中心を通り、面に垂直です。

Iw=∫0r0ρ2 2πσρ dρ=12Mr02I_w=\int_0^{r_0}\rho^2\,2\pi\sigma\rho\,d\rho=\boxed{\frac12Mr_0^2}

(2)速度の関係と運動方程式

斜面上の物体の下向き変位をx、動滑車の上向き変位をyとします。糸の長さが一定なのでx−2yは一定です。時間で微分すると、斜面上の速さvに対して動滑車の上向きの速さはv₀=v/2です。もう一度微分すると、加速度もa₀=a/2になります。

v0=v2,a0=a2\boxed{v_0=\frac v2,\qquad a_0=\frac a2}

張力を、斜面上の物体と定滑車の間でT₁、定滑車と動滑車の間でT₂、動滑車と天井の固定端の間でT₃とします。動滑車と吊り下げ物体は一緒に動くため、並進運動では質量2Mとして扱います。

動滑車と吊り下げ物体を合わせた自由物体図質量Mの動滑車と質量Mの物体は一緒に上向き加速度a/2で動く。左の天井側張力T3と右の定滑車側張力T2が上向きに、合計の重力2Mgが下向きに働く。天井側定滑車側T₃T₂MM2Mga/2
並進の式に使う質量は2Mです。動滑車の回転を加速するため、運動中のT₂とT₃は一致しません。

斜面上の物体は斜面下向きを正、動滑車側は上向きを正に取ります。まだ摩擦のない部分を動いているので、並進の式は次の2本です。

3Ma=3Mgsin⁡θ−T1,2Ma2=T2+T3−2Mg.\begin{aligned}3Ma&=3Mg\sin\theta-T_1,\\2M\frac a2&=T_2+T_3-2Mg.\end{aligned}

糸と滑車が滑らないため、定滑車の角加速度の大きさはa/r₀です。動滑車は天井側の糸が静止しているので、角加速度の大きさはa₀/r₀=a/(2r₀)になります。各滑車の回転方向を正に取ると、回転の式は次のとおりです。

(T1−T2)r0=Iwar0,(T2−T3)r0=Iwa2r0.\begin{aligned}(T_1-T_2)r_0&=I_w\frac a{r_0},\\(T_2-T_3)r_0&=I_w\frac a{2r_0}.\end{aligned}

滑車の質量を無視していないので、張力を最初から全部同じに置くことはできません。その差が滑車の角加速度を生みます。

(3)斜面下向きの加速度

動滑車の並進と回転の式から、T₂+T₃=2Mg+Ma、T₂−T₃=Ma/4です。これに定滑車の式T₁−T₂=Ma/2を合わせます。

T3=Mg+38Ma,T2=Mg+58Ma,T1=Mg+98Ma.\begin{aligned}T_3&=Mg+\frac38Ma,\\T_2&=Mg+\frac58Ma,\\T_1&=Mg+\frac98Ma.\end{aligned}

斜面上の物体の式へT₁を代入して整理します。

338Ma=Mg(3sin⁡θ−1)\frac{33}{8}Ma=Mg(3\sin\theta-1)
a=833g(3sin⁡θ−1)\boxed{a=\frac8{33}g(3\sin\theta-1)}

静止状態から斜面下向きに動き出す条件はsinθ>1/3です。運動エネルギーからも確かめられます。斜面上の速さをvとすると、動滑車側の速さはv/2、2つの角速度はv/r₀とv/(2r₀)。各物体の並進・回転エネルギーの和は(1/2)(33M/8)v²で、同じ係数33M/8を得ます。

(4)天井に固定された糸の端の張力

求めるのはT₃です。定滑車の軸を支える力と取り違えないようにします。(3)のaを代入すると、次の値です。

T3=Mg+38Ma=Mg11(10+3sin⁡θ)\boxed{T_3=Mg+\frac38Ma=\frac{Mg}{11}(10+3\sin\theta)}

(5)摩擦のある部分で等速になるときの動摩擦係数

等速では並進・回転の加速度がすべて0です。回転の式からT₁=T₂=T₃、動滑車側のつり合いから各張力はMgになります。斜面上の動摩擦力は3μMg cosθで、斜面上向きです。

3Mgsin⁡θ−3μMgcos⁡θ−Mg=03Mg\sin\theta-3\mu Mg\cos\theta-Mg=0
μ=3sin⁡θ−13cos⁡θ\boxed{\mu=\frac{3\sin\theta-1}{3\cos\theta}}

0<θ<π/2で、(3)の下向きに動き出す条件のもとではμ>0です。摩擦のない区間の張力をそのまま使わず、等速になった区間のつり合いを立て直しています。

基礎力学2:傾いたカーブでの横滑りと内輪の浮き上がり

公式問題2ページの車両を、車両と一緒に回る座標系で考えます。質量m、速さv、旋回半径r、路面の傾きθ、車輪間の幅2w、路面に垂直な重心高さhGです。内輪の垂直抗力をN₁、外輪をN₂とします。以下は0≤θ<π/2、r,w,hG>0として、問題で省略されている車体やタイヤの変形は扱いません。

傾いた路面上の車両に働く力左が内輪、右が外輪。外側ほど高い路面に対し垂直抗力N1とN2が垂直に働く。重心Gには鉛直下向きに重力mg、水平外向きに遠心力mvの2乗割るrが働く。高速側で必要な摩擦力の合計Dは路面に沿って内向き。内輪外輪N₁N₂Gmgmv²/rDhG2w
車両と一緒に回る座標系での力の向き。Dは2輪に働く摩擦力の合計で、図はD>0となる高速側です。hGは路面に垂直な重心高さです。

(1)内輪・外輪の垂直抗力

重心Gには鉛直下向きの重力mgと、水平外向きの遠心力mv²/rが働きます。路面に垂直な力のつり合いからN=N₁+N₂、路面に沿う力のつり合いから必要な内向き摩擦力の合計Dを求めます。

N=m(gcos⁡θ+v2rsin⁡θ),D=m(v2rcos⁡θ−gsin⁡θ).\begin{aligned}N&=m\left(g\cos\theta+\frac{v^2}{r}\sin\theta\right),\\D&=m\left(\frac{v^2}{r}\cos\theta-g\sin\theta\right).\end{aligned}

Dは符号を持ちます。D>0なら摩擦力は路面に沿って内向き、D<0なら外向きです。重心まわりのモーメントを取ると、重力と遠心力の寄与は0になり、次の関係が残ります。

w(N2−N1)=hGDw(N_2-N_1)=h_GD
N1=12(N−hGwD),N2=12(N+hGwD).\boxed{\begin{aligned}N_1&=\frac12\left(N-\frac{h_G}{w}D\right),\\N_2&=\frac12\left(N+\frac{h_G}{w}D\right).\end{aligned}}

θ=0の水平路面ならN=mgで、速度が上がるほど内輪の荷重が減り、外輪が増えます。hGが大きい車両ほど同じDでも左右の荷重差が大きくなります。

(2)外向きに横滑りを始める速度

両輪が接地し、同じ静止摩擦係数μを持つとき、摩擦力の限界の合計はμ(N₁+N₂)=μNです。高速側の外向き横滑りではD=μNとなります。

v2r(cos⁡θ−μsin⁡θ)=g(sin⁡θ+μcos⁡θ)\frac{v^2}{r}(\cos\theta-\mu\sin\theta)=g(\sin\theta+\mu\cos\theta)
vskid=rg sin⁡θ+μcos⁡θcos⁡θ−μsin⁡θ\boxed{v_{\mathrm{skid}}=\sqrt{rg\,\frac{\sin\theta+\mu\cos\theta}{\cos\theta-\mu\sin\theta}}}

この有限の限界速度があるのはcosθ−μsinθ>0の場合です。分母が0以下なら、このモデルでは速度を上げても外向き横滑りの条件へ有限速度で到達しません。内輪が先に浮く場合には、両輪接地を仮定した横滑りの式を実際の限界速度には使えません。

(3)内輪が浮き上がり始める速度

滑らずに旋回しているとき、内輪の浮き上がりはN₁=0、すなわちhGD=wNで起こります。(1)のN,Dを代入して解きます。

v2r(hGcos⁡θ−wsin⁡θ)=g(wcos⁡θ+hGsin⁡θ)\frac{v^2}{r}(h_G\cos\theta-w\sin\theta)=g(w\cos\theta+h_G\sin\theta)
vlo=rg wcos⁡θ+hGsin⁡θhGcos⁡θ−wsin⁡θ\boxed{v_{\mathrm{lo}}=\sqrt{rg\,\frac{w\cos\theta+h_G\sin\theta}{h_G\cos\theta-w\sin\theta}}}

有限の値になる条件はhG cosθ−w sinθ>0です。分母が0以下なら、このモデルでは有限速度で内輪が浮く条件に達しません。また、先に滑れば「滑らずに旋回する」という仮定が失われます。この式は転倒後の運動まで表すものではありません。

(4)浮き上がる前に横滑りする条件

q=v²/(rg)、k=w/hGと置き、必要な摩擦力と垂直抗力の比ρ=D/Nを比べます。

ρ(q)=qcos⁡θ−sin⁡θcos⁡θ+qsin⁡θ\rho(q)=\frac{q\cos\theta-\sin\theta}{\cos\theta+q\sin\theta}
ρ′(q)=1(cos⁡θ+qsin⁡θ)2>0\rho'(q)=\frac1{(\cos\theta+q\sin\theta)^2}>0

速度を上げるとρは増え、横滑りはρ=μ、内輪の浮き上がりはρ=kで始まります。両方の限界速度が有限なら、小さい比へ先に達するので、答えは次の条件です。

μ<whG\boxed{\mu<\frac{w}{h_G}}

等号なら同時です。有限の横滑りが先に起こることまで要求する一般の条件は、これにcosθ−μsinθ>0を加えたものです。内輪の限界速度が存在しなくても、横滑りの条件が有限なら横滑りが先に起こります。両方の限界速度が存在しない場合を、単に大小比較だけで判定することはできません。

(5)車両の寸法や路面条件をどう変えるか

重心高さhGを下げるか車輪間の幅2wを広げるとw/hGが大きくなり、内輪が浮きにくくなります。横滑りより先に浮き上がることを避けるという設問の目的には、この2つが対応します。

摩擦係数μを大きくすると横滑りの限界速度は上がりますが、内輪が浮く限界は変わりません。したがって、摩擦だけを増やせば浮き上がりも防げるとは言えません。旋回半径rを大きくすると、両方の有限の限界速度は√rに比例して上がりますが、どちらが先かは変わりません。路面の傾きθも有限の限界速度を上げる方向に働きますが、両方が有限の範囲で先後を決める条件はμとw/hGの比較です。

低速でも安全に旋回できるとは限らない

上の限界は、両輪が接地して滑らずに走れる状態から速度を増したときの上限です。傾きが大きい路面では、速度が低すぎると内側へ滑ったり、外輪が浮いたりする場合があります。

摩擦の条件|D|≤μNと、2輪の荷重が非負となる条件|D|≤kNを合わせると、c=min(μ,k)として|ρ(q)|≤cです。単調増加するρについて解けば、下限と上限をまとめて求められます。

qmin⁡=max⁡(0,sin⁡θ−ccos⁡θcos⁡θ+csin⁡θ)q_{\min}=\max\left(0,\frac{\sin\theta-c\cos\theta}{\cos\theta+c\sin\theta}\right)
qmax⁡=sin⁡θ+ccos⁡θcos⁡θ−csin⁡θ(cos⁡θ−csin⁡θ>0)\begin{gathered}q_{\max}=\frac{\sin\theta+c\cos\theta}{\cos\theta-c\sin\theta}\\(\cos\theta-c\sin\theta>0)\end{gathered}

上限の分母が0以下ならqの上限はありません。実際の許容速度は√(rgqmin)以上、有限の上限があれば√(rgqmax)以下です。静止時はρ(0)=−tanθなので、c<tanθでは静止状態から安定しているとは仮定できません。

材料力学1:両端固定の丸軸の熱応力とねじり

2026年度材料力学の公式問題1ページでは、直径2dの軸ABと直径dの軸CDを、薄い剛体円盤でつないでいます。長さは各L、A・Dは固定です。AB側の材料定数をE₁,G₁,ν₁,α₁、CD側をE₂,G₂,ν₂,α₂とします。通常の線形弾性の棒理論で解き、接合部の局所的な応力集中は扱いません。

両端固定の段付き丸軸と中央のトルク左のABは直径2d、右のCDは直径dで長さは各L。BとCは中央の薄い剛体円盤につながり、円盤にトルクTが加わる。AとDの支持トルクはともにTと逆向き。TATTD直径2d直径dAB/CDLL
トルクを軸方向のベクトルで表示。A・Dの支持トルクは大きさで表し、向きはTと逆です。中央の円盤は熱膨張しない条件です。

断面積をA₁,A₂、断面二次極モーメントをJ₁,J₂と置きます。丸軸のねじりでは、曲げに使う断面二次モーメントと区別します。

A1=πd2,A2=πd24,J1=πd42,J2=πd432.\begin{aligned}A_1&=\pi d^2,&A_2&=\frac{\pi d^2}{4},\\J_1&=\frac{\pi d^4}{2},&J_2&=\frac{\pi d^4}{32}.\end{aligned}

(1)温度上昇による軸力

引張を正に取ります。円盤に軸方向の外力がないので、つり合いから両軸の軸力は同じNです。両端の距離は変わらないため、2本の熱膨張と弾性変形を合わせた伸びが0になります。

NLE1A1+α1LΔT+NLE2A2+α2LΔT=0\begin{aligned}&\frac{NL}{E_1A_1}+\alpha_1L\Delta T\\&\quad+\frac{NL}{E_2A_2}+\alpha_2L\Delta T=0\end{aligned}

Lを消去してNを解き、断面積を代入します。

N=−(α1+α2)ΔT1/(E1A1)+1/(E2A2)N=-\frac{(\alpha_1+\alpha_2)\Delta T}{1/(E_1A_1)+1/(E_2A_2)}
NAB=NCD=−πd2E1E2(α1+α2)ΔTE2+4E1\boxed{N_{AB}=N_{CD}=-\frac{\pi d^2E_1E_2(\alpha_1+\alpha_2)\Delta T}{E_2+4E_1}}

ΔT>0かつα₁+α₂>0ならN<0となり、圧縮です。各軸の伸びをそれぞれ0にするのではなく、円盤の移動を許し、合計の伸びを0にしています。

(2)各軸の熱応力

共通の軸力をそれぞれの断面積で割ります。細いCDの断面積はABの4分の1なので、熱応力の絶対値は4倍です。

σAB=−E1E2(α1+α2)ΔTE2+4E1,σCD=4σAB.\boxed{\begin{aligned}\sigma_{AB}&=-\frac{E_1E_2(\alpha_1+\alpha_2)\Delta T}{E_2+4E_1},\\\sigma_{CD}&=4\sigma_{AB}.\end{aligned}}

(3)支持トルクのつり合い

円盤に加えるTを正とし、A・Dが反対向きに支えるトルクの大きさをTA,TDとします。軸全体のつり合いは次式です。

T−TA−TD=0\boxed{T-T_A-T_D=0}

共通の正方向で符号付きの支持トルクを書くなら、支持反力は−TAと−TDです。ここでは大きさと方向を分けて記しています。

(4)AB・CD間のねじれ角

断面の回転角をϑとし、AからDへ進む向きに、φAB=ϑB−ϑA、φCD=ϑD−ϑCと定義します。A・Dは回転せず、B・Cは同じ円盤なのでϑB=ϑCです。ABは正にねじれ、CDはA→Dの向きでは負にねじれます。

φAB=TALG1J1=2TALπG1d4,φCD=−TDLG2J2=−32TDLπG2d4.\boxed{\begin{aligned}\varphi_{AB}&=\frac{T_AL}{G_1J_1}=\frac{2T_AL}{\pi G_1d^4},\\\varphi_{CD}&=-\frac{T_DL}{G_2J_2}=-\frac{32T_DL}{\pi G_2d^4}.\end{aligned}}

両方をねじれ角の大きさとして定義する場合、右辺の絶対値を使います。円盤の回転角が左右で一致する条件は同じです。

(5)支持トルクを決定する

A・Dが固定なのでφAB+φCD=0です。(4)と合わせると、左右で円盤の回転角が一致します。

TAG1J1=TDG2J2\frac{T_A}{G_1J_1}=\frac{T_D}{G_2J_2}

J₁=16J₂より、TA:TD=16G₁:G₂です。(3)の和と連立します。

TA=16G116G1+G2T,TD=G216G1+G2T.\boxed{\begin{aligned}T_A&=\frac{16G_1}{16G_1+G_2}T,\\T_D&=\frac{G_2}{16G_1+G_2}T.\end{aligned}}

両端に半分ずつ分配するのではなく、ねじり剛性GJ/Lの大きい側が多く負担します。長さは等しくても、直径の差が4乗で効きます。

(6)丸軸表面のせん断応力

丸軸のねじりによるせん断応力の大きさは、中心からの距離ρに比例して|T内部|ρ/Jです。表面までの距離はABでd、CDでd/2になります。

∣τAB∣=TAdJ1=32G1Tπd3(16G1+G2),∣τCD∣=TD(d/2)J2=16G2Tπd3(16G1+G2).\boxed{\begin{aligned}|\tau_{AB}|&=\frac{T_Ad}{J_1}\\&=\frac{32G_1T}{\pi d^3(16G_1+G_2)},\\|\tau_{CD}|&=\frac{T_D(d/2)}{J_2}\\&=\frac{16G_2T}{\pi d^3(16G_1+G_2)}.\end{aligned}}

ここではT>0としています。A→Dを共通の軸方向とする符号付き表示では、内部のねじりモーメントはABで+TA、CDで−TDです。したがって、両軸のせん断応力の向きは逆になります。

(7)主せん断応力をモール円で比較する

G₂=2G₁を(5)(6)へ代入すると、支持トルクはTA=8T/9、TD=T/9で、表面せん断応力の大きさは一致します。

∣τAB∣=∣τCD∣=τ=16T9πd3|\tau_{AB}|=|\tau_{CD}|=\tau=\frac{16T}{9\pi d^3}

また、E=2G(1+ν)とν₁=ν₂からE₂=2E₁です。σ₁=σAB、σ₂=σCDと略記すると、熱応力は次の関係です。

σ1=−E13(α1+α2)ΔT,σ2=4σ1.\begin{aligned}\sigma_1&=-\frac{E_1}{3}(\alpha_1+\alpha_2)\Delta T,\\\sigma_2&=4\sigma_1.\end{aligned}

軸方向の垂直応力σと表面せん断応力τを重ねた平面応力状態では、モール円の中心はσ/2、半径は√((σ/2)²+τ²)です。この半径が主せん断応力の大きさです。

ABとCDのモールの応力円両軸の表面せん断応力の大きさは同じ。圧縮の熱応力の絶対値が4倍となるCDの円は、ABより中心が負の垂直応力側へ移り、半径も大きくなる。半径R1とR2が各軸の最大せん断応力。στ0R₂R₁σ₂/2σ₁/2AB:σ₁CD:σ₂=4σ₁
図は圧縮熱応力について|σ₁|=|τ|とした例です。一般の比較はR₂²−R₁²=15σ₁²/4で決まり、熱応力が0なら半径は等しくなります。
τ1AB=R1=σ124+τ2,τ1CD=R2=4σ12+τ2.\begin{aligned}\tau_{1AB}&=R_1=\sqrt{\frac{\sigma_1^2}{4}+\tau^2},\\\tau_{1CD}&=R_2=\sqrt{4\sigma_1^2+\tau^2}.\end{aligned}
R22−R12=154σ12R_2^2-R_1^2=\frac{15}{4}\sigma_1^2

熱応力が0でなければτ₁CD>τ₁ABです。表面せん断応力だけは同じでも、細いCDでは熱応力が大きいため、主せん断応力は大きくなります。熱応力が0なら両者は等しくなります。

この場合の面内主応力はσ/2±Rで、残る主応力は0です。0は2つの面内主応力の間にあるので、3次元の最大せん断応力として比較しても同じ半径Rになります。

材料力学2:曲げ応力を一定にする梁の幅とたわみ

公式問題2ページの梁はAで固定、Bが自由端、Cが中点です。断面の高さhは一定で、幅だけを変えます。座標xはBを原点としてAへ向かって増え、Aでx=L、Cでx=L/2です。たわみvは下向きを正に取ります。

(1)固定端Aの支持力と支持モーメント

Bに下向きP、Cに上向きQが働き、P>Q>0です。Aの鉛直支持力を上向きにRA、支持モーメントを図の側面で反時計回りにMAとします。力とAまわりのモーメントのつり合いを取ります。

RA+Q−P=0,MA+QL2−PL=0.\begin{aligned}R_A+Q-P&=0,\\M_A+Q\frac L2-PL&=0.\end{aligned}
RA=P−Q,MA=PL−QL2\boxed{R_A=P-Q,\qquad M_A=PL-\frac{QL}{2}}

水平方向の支持力は0です。支持モーメントは、Pが梁を時計回りに回そうとする作用を打ち消します。

(2)区間ABの曲げモーメント

切断位置からB側の部分を取り出します。0≤x≤L/2ではPだけ、L/2≤x≤LではPとQが含まれます。以下では、たわみ式E I(x)v″(x)=M(x)となる符号を正に取った曲げモーメントM(x)を使います。

M(x)=Px(0≤x≤L/2)\boxed{M(x)=Px}\quad(0\le x\le L/2)
M(x)=Px−Q(x−L/2)(L/2≤x≤L)\begin{gathered}\boxed{M(x)=Px-Q(x-L/2)}\\(L/2\le x\le L)\end{gathered}

Cでの値はPL/2で連続です。AではPL−QL/2、Bでは0となります。QがあるためCでせん断力、すなわちMの傾きが変わります。

(3)最大曲げ応力が一定となる幅と上面図

位置xでの幅をb(x)とすると、曲げに対する断面二次モーメントはI(x)=b(x)h³/12です。上下の表面での曲げ応力の最大絶対値をSと置きます。

S=M(x)(h/2)I(x)=6M(x)b(x)h2S=\frac{M(x)(h/2)}{I(x)}=\frac{6M(x)}{b(x)h^2}

高さhが一定なので、Sを一定にするにはb(x)をM(x)に比例させます。Cでは幅b、曲げモーメントPL/2だから、S=3PL/(bh²)です。

b(x)=bM(x)M(L/2)=2bM(x)PLb(x)=b\frac{M(x)}{M(L/2)}=\frac{2bM(x)}{PL}
b(x)=2bxL(0≤x≤L/2)\boxed{b(x)=\frac{2bx}{L}}\quad(0\le x\le L/2)
b(x)=2bPL((P−Q)x+QL2)(L/2≤x≤L)\begin{gathered}\boxed{b(x)=\frac{2b}{PL}\left((P-Q)x+\frac{QL}{2}\right)}\\(L/2\le x\le L)\end{gathered}
集中荷重を受ける梁の側面と等強度の上面形状固定端Aが左、自由端Bが右、中点C。Bには下向きP、Cには上向きQ、PがQより大きい。上面の幅はBで0、Cでb、Aでb掛ける2引くQ割るP。幅の輪郭はBCとCAの各区間で直線になり、中心線に対して対称。側面上面PQACBLL/20xACBbAの幅:b(2−Q/P)Bの幅:0
高さhは一定です。上面の輪郭は模式図で、幅はBからC、CからAへそれぞれ直線的に増えます。上面図の寸法はCの幅bを基準に決まり、Cで輪郭の傾きが変わります。

上面の左右の輪郭は中心線から±b(x)/2です。Bの幅は0、Cでb、Aでb(2−Q/P)となります。P>Q>0より、Aの幅はbより大きく2bより小さくなります。

Bで幅0になるのは、曲げ応力を厳密に一定にする梁理論上の理想形です。BそのものではMとIがともに0なので、応力や曲率はx→0⁺の極限で扱います。実物で集中荷重を受ける先端に有限の幅を設ければ、その部分は厳密な等強度形状から外れます。

(4)たわみとその概形

(3)の断面ではIがMに比例するため、曲率が一定になります。位置によるMの違いと、幅の違いが相殺されます。

v′′(x)=M(x)EI(x)=6PLEbh3v''(x)=\frac{M(x)}{EI(x)}=\frac{6PL}{Ebh^3}

2回積分し、固定端Aの条件v(L)=0、v′(L)=0を使います。

v′(x)=6PLEbh3(x−L),v(x)=3PLEbh3(L−x)2.\begin{aligned}v'(x)&=\frac{6PL}{Ebh^3}(x-L),\\\boxed{v(x)}&=\boxed{\frac{3PL}{Ebh^3}(L-x)^2}.\end{aligned}
曲率が一定となる梁のたわみ左の固定端Aでたわみと傾きが0。右の自由端Bへ向かって下向きのたわみが放物線状に増える。中点CのたわみはBの4分の1。座標xはBを0、AをLとして左向きに増える。xLL/20ACBvʙ/4vʙv
Aでv=0かつv′=0、Bで下向きたわみが最大です。図は微小たわみ理論の式v(x)=vʙ(1−x/L)²を見やすく拡大しています。

たわみは下向きの放物線で、Bで最大です。代表点の値は次のとおりです。

vB=3PL3Ebh3,vA=0,vC=vB4.\begin{gathered}v_B=\frac{3PL^3}{Ebh^3},\\v_A=0,\qquad v_C=\frac{v_B}{4}.\end{gathered}

この式にQが残らないのは、Qに応じて(3)の幅b(x)も変えているためです。すでに作った同じ梁でQだけを変えても、たわみが変わらないという意味ではありません。微小たわみを仮定しているので、図では形状を拡大して示しています。

(5)自由端Bにばねを付けた場合の幅

ここからは別の梁で、Cの外力Qはありません。Bにばね定数kのばねと下向き荷重Pがあります。水平時にばねは自然長なので、Bの下向きたわみvBに対するばねの力は上向きkvBです。梁へ作用する正味の先端荷重をFとします。

F=P−kvB,M(x)=FxF=P-kv_B,\qquad M(x)=Fx

最大曲げ応力を一定にし、Cで幅bとする条件は同じです。Cの曲げモーメントFL/2を基準にするとFが消えます。

b(x)=bFxFL/2=2bxL(0≤x≤L)\boxed{b(x)=b\frac{Fx}{FL/2}=\frac{2bx}{L}}\quad(0\le x\le L)

上面はBで幅0、Cでb、Aで2bとなる三角形です。有限のk≥0では(6)からF>0となるので、この計算でFを割っても問題ありません。

(6)ばね付きの梁の先端たわみ

(5)のI(x)=bxh³/(6L)を使うと、v″=6FL/(Ebh³)です。(4)と同じ固定端条件で積分すると、BでvB=3FL³/(Ebh³)になります。F=P−kvBを代入し、vBについて解きます。

vB=3L3Ebh3(P−kvB)v_B=\frac{3L^3}{Ebh^3}(P-kv_B)
vB=3PL3Ebh3+3kL3\boxed{v_B=\frac{3PL^3}{Ebh^3+3kL^3}}

正味の先端荷重は次式です。kが有限で非負、P,E,b,h,Lが正ならFも正になります。

F=PEbh3Ebh3+3kL3F=\frac{PEbh^3}{Ebh^3+3kL^3}

k=0なら、ばねのないQ=0の場合のたわみ3PL³/(Ebh³)に戻ります。k→∞ではvB→0、ばねの支持力kvB→Pとなります。ばねが支える力を最初からPと置かず、変形量と連立する必要があります。

よくある質問

神戸大学機械工学の院試過去問はどこで入手できますか。

機械工学専攻の公式「受験生の方へ」で2024〜2026年度の数学・専門科目が公開されています。2026年度は基礎力学が加わり、機械力学・制御工学が1科目になっています。院試Hubの神戸大学ページにも年度別・科目別の公式PDFリンクがあります。

2026年度の機械工学の数学では何が出ましたか。

第1問は接平面・四面体の体積・回転行列、第2問は三角積分路による留数と実積分、第3問は変数変換を使う非線形微分方程式、第4問はラプラス変換と積分方程式です。この記事では全13小問の計算過程を説明しています。

滑車の問題では糸の張力を同じにしてよいですか。

2026年度基礎力学の第1問は滑車に質量と慣性モーメントがあるため、加速中は左右の張力が異なります。動滑車と吊り下げ物体を合わせた並進質量は2Mです。等速になった後は角加速度も0となり、各区間の張力が同じになります。

車両が浮き上がるより先に横滑りする条件は何ですか。

両方の限界速度が有限なら、静止摩擦係数μが、車輪間の半幅wを重心高さhGで割った値より小さいことです。有限速度で外向きに横滑りするにはcosθ−μsinθ>0も必要です。本文では左右輪の荷重、分母が0以下の場合、低速側の条件も説明しています。

材料力学の熱応力とねじりはどう重ねて考えますか。

2026年度第1問では、両端固定による熱応力を求めた後、中央円盤の回転角が左右で一致する条件でトルクを分配します。G₂=2G₁の条件では表面せん断応力の大きさは同じですが、細い軸の熱応力は4倍です。熱応力が0でなければ、モール円の半径である主せん断応力も細い軸のほうが大きくなります。

材料力学の梁のたわみの式にQが残らないのはなぜですか。

2026年度第2問は、最大曲げ応力が一定になるよう梁の幅を荷重に合わせて設計する問題です。幅が曲げモーメントに比例するため曲率が一定になり、中点Cの幅bを基準にするとたわみの式からQが消えます。同じ断面形状の梁でQだけを変えてもたわみが変わらない、という意味ではありません。

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