東京大学 院試 過去問 解答例
東大 情報理工学系研究科 電子情報学専攻 専門科目 2025年度 院試 解答例・解説
東京大学 情報理工学系研究科 電子情報学専攻 専門科目 2025年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全5問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
最終更新:
設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。
続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — 交流回路と理想変圧器
変圧器を先に消去する
理想変圧器を含む回路では、二次側負荷を一次側へ換算してから直列回路として見るのが最も早い。インピーダンスは巻数比の二乗で換算され、電圧は巻数比で換算される。この二つを混同すると係数 と が入れ替わる。
ステップ応答の確認
最終値定理から であり、得られた時間応答も同じ値へ収束する。また で、キャパシタ電圧が瞬時に飛ばないという物理的直感とも合う。
第2問 — 順序回路
順序回路は式、表、図の順で固める
最初に各DFFの入力式を読む。次に、現在状態を全列挙して次状態表を作る。状態遷移図はこの表を丸と矢印にしただけなので、表の段階で誤りがなければ自然に描ける。
周期出力の設計
任意の長さ7の周期列は、3個のDFFで7状態だけを使えば実現できる。出力関数は「その状態で出す値」を真理値表にしてカルノー図または論理式で簡単化する。未使用状態 は自己ループにせず、既知の初期状態へ戻すようにしておくと、初期化失敗時にも復帰しやすい。
第3問 — 最小全域木
Kruskal 法の計算量
エッジを重みでソートする部分が 、Union-Find による閉路判定はほぼ線形時間である。単純には なので、指定された形の として評価できる。
Second MST の考え方
木に非木エッジ を1本加えると閉路が一つだけできる。全域木へ戻すには、その閉路から1本を除くしかない。重みをできるだけ増やさないには、閉路上で最大の木エッジを除けばよい。この操作をすべての非木エッジについて調べると、最小全域木の次に軽い全域木が得られる。
第4問 — 最小二乗法
行列の向きに注意
本問では各データ が列ベクトルで、 は 行列である。そのため予測値は ではなく になる。ここを取り違えると正規方程式も転置が逆になる。
一意性の意味
最小値が存在しても、特徴量方向にデータが全く変化しない成分があると、その成分の係数を変えても予測値が変わらない。このとき解は一意でない。正則性条件 または は、そのような見えない方向がないことを表している。
第5問 — 離散時間信号処理
安定性は極で見る
離散時間LTIシステムのBIBO安定性は、すべての極が単位円の内側にあることと同値である。差分方程式そのものを解かなくても、分母多項式から極を調べれば安定範囲を決められる。
周波数応答の位相
と変形すると、振幅と位相が一度に読める。 は分母が0になるため、通常の有限な振幅特性として扱えない点に注意する。