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東京大学 院試 過去問 解答例

東大 情報理工学系研究科 電子情報学専攻 専門科目 2022年度 院試 過去問 解答例・解説(全5問)

全5問。情報1問・電磁気学・回路1問。テーマタグは2件(フーリエ変換・ラプラス変換)。2021年度と共通のテーマはフーリエ変換。

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解説5問/全5問(1,593字)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき5問)
問題本文
非収録

東大 専門科目 2022年度 院試 過去問の出題内容(全5問)

この5問の分野は情報1問・電磁気学・回路1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問電磁気学・回路RL回路のラプラス変換時間移動の扱い / 概形の確認あり
第2問—記憶階層と仮想記憶CPIは全命令あたりでそろえる / ページテーブルの支配項あり
第3問情報パターン照合アルゴリズム素朴法の平均計算量 / DFAの状態の意味あり
第4問—デジタル変調と誤り率16QAMの平均エネルギー / 最近傍近似あり
第5問—矩形パルスと理想低域フィルタ理想低域フィルタの二つの効果 / 正弦積分への変形あり

2022年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は2問に2テーマが出ています。

前年度(2021年度)との違い

大問数
2021年度 5問 → 2022年度 5問
両年度に出たテーマ
フーリエ変換
2022年度で新しく出たテーマ
ラプラス変換
2021年度のページを見る

第1問 — RL回路のラプラス変換

時間移動の扱い

有限時間だけ続くランプ波は,単なる tu(t)−(t−T)u(t−T)t u(t)- (t-T)u(t-T) ではなく,終了後に値を 00 へ戻す項も必要である。この項を落とすと,t≥Tt\ge T で入力が一定値のまま残り,電流波形の後半がまったく別のものになる。

概形の確認

0<t<10<t<1 では入力電圧が増えるため電流は上昇する。ただしインダクタにより立ち上がりは滑らかで,i(0)=0i(0)=0 である。t=1t=1 以降は電源が切れるので,蓄えられた磁気エネルギーが抵抗で消費され,e−te^{-t} 型に減衰する。t=1t=1 で電流が連続になる点は,インダクタ電流が瞬時に飛ばないことの確認にもなる。

RL回路のラプラス変換の途中式・最終答をPDFで見る

第2問 — 記憶階層と仮想記憶

CPIは全命令あたりでそろえる

キャッシュミス率は命令アクセス・データアクセスの種類ごとに与えられることが多い。CPIに加えるときは,必ず「1命令あたり何回そのミスが起こるか」に直す。データアクセスは全命令の一部だけなので,0.600.60 を掛ける点が失点しやすい。

ページテーブルの支配項

単純な1段ページテーブルは,実際に使うページ数ではなく仮想ページ番号の全範囲に比例する。32 bit 仮想空間ではまだ計算しやすいが,64 bit ではこの方式が現実的でないことが,多段化や逆引き方式の動機である。

記憶階層と仮想記憶の途中式・最終答をPDFで見る

第3問 — パターン照合アルゴリズム

素朴法の平均計算量

最悪時は各開始位置で mm 回近く比較するため O(nm)O(nm) である。しかしランダム列では早い段階で不一致が起こりやすく,1開始位置あたりの期待比較回数は等比級数で有界になる。ここでは k≥2k\ge2 なので,期待値が 22 未満に収まることが本質である。

DFAの状態の意味

状態を「何文字一致したか」とだけ覚えるのではなく,「次に利用できる最長接尾辞の長さ」として作るのがポイントである。状態 33 から入力 11 で状態 11 に戻るのは,すでに読んだ末尾の 11 が新しい一致の先頭として使えるからである。

ハッシュ法の注意

ハッシュ値が一致しても列が一致するとは限らない。したがって答案では,候補をハッシュで絞ったあとに実比較で確認する,または衝突確率を評価する,という一言が必要である。

パターン照合アルゴリズムの途中式・最終答をPDFで見る

第4問 — デジタル変調と誤り率

16QAMの平均エネルギー

16QAMでは最小距離そのものではなく,各信号点の原点からの距離の二乗を平均する。格子点が ±B/2,±3B/2\pm B/2,\pm 3B/2 にあるため,1軸平均が 5B2/45B^2/4 になる。この計算を B2B^2 や 2B22B^2 と誤ると,後の誤り率の引数もずれる。

最近傍近似

高SNRでは,遠い信号点へ誤判定される確率は最近傍への確率に比べて小さい。そのため最近傍だけを数えればよい。16QAMは点の位置により最近傍数が異なるので,角・辺・内側に分けて平均する。

デジタル変調と誤り率の途中式・最終答をPDFで見る

第5問 — 矩形パルスと理想低域フィルタ

理想低域フィルタの二つの効果

H(ω)H(\omega) は通過帯域では振幅 11 で,位相だけが −ωtd-\omega t_d である。これは時間領域では遅延を表す。帯域外では 00 なので,矩形パルスの高周波成分が切られ,出力の立ち上がり・立ち下がりにリンギングが出る。

正弦積分への変形

矩形パルスのフーリエ変換は sinc 型である。帯域制限後の逆変換では有限区間で sin⁡(⋅)/ω\sin(\cdot)/\omega を積分するため,正弦積分関数が自然に現れる。変数を τ=t−td\tau=t-t_d と置くと,遅延の効果を式全体の平行移動として見通しやすい。

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東大 専門科目 院試 過去問の収録5年度

  • 2025年度(全5問)

    交流回路と理想変圧器 / 順序回路 / 最小全域木

  • 2024年度(全5問)

    RLC直列回路 / 同期式順序回路 / 最大部分列和

  • 2023年度(全5問)

    二端子対回路と能動フィルタ / 符号付き加減算器とオーバーフロー / 最大フローと二部マッチング

  • 2022年度(このページ・全5問)

    RL回路のラプラス変換 / 記憶階層と仮想記憶 / パターン照合アルゴリズム

  • 2021年度(全5問)

    交流回路と力率改善 / 同期式順序回路 / Union-Find