東大 学際情報学府 学際情報学専攻 先端表現情報学コース 専門科目 2017年度 院試 過去問 解答例・解説(全5問)
全5問です。正定値行列、正規表現・形式言語が出ています。解説はすべて、途中式と最終答は大問1問ぶんを公開しています。残りは解答PDFに収録しています。問題本文は含みません。
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第1問 — 回帰と正則化
行列の向き
データ行列 は、各データの を行として並べる形にすると が予測値ベクトルになる。この向きを誤ると、正規方程式の と が逆になる。
微分の検算
損失を展開してから微分すると符号を確認しやすい。最小化条件は とも書け、残差が の各列と直交するという幾何学的意味をもつ。
正則化の意味
を足すと、大きな係数が罰せられる。さらに は常に正定値なので、通常の最小二乗で が特異に近い場合でも解が安定しやすい。
解答
とおけば、線形モデルは と表せる。
では、2点 を通る直線を求めればよい。 とすると したがって
であるから、
最小化条件は である。 が正則なら である。条件は、 の列が一次独立、すなわち であることである。
新しい損失を とすると、 したがって より となる。
最終答
。通常の最小二乗解は 、正則化後は 。
第2問 — Cと正規表現
ポインタの別名
このCコードの要点は、\&x が2回渡されているため、 と が同じ記憶場所を読むことである。更新後の値を と の両方が読むので、出力は と になる。
JITで書くべき効用
JIT は単に「実行時にコンパイルする」だけでなく、よく実行される部分だけを最適化する、実行時プロファイルを使える、仮想機械方式でも高速化できる、という効用まで述べるとよい。
第3問 — 二色性反射
二色性モデルの骨格
RGB画素値を と見るのが二色性反射モデルの中心である。 は物体色、 は光源色で、係数 が画素位置によって変わる。この式を言葉で説明できれば、RGB空間での分布と分離方法が自然に書ける。
角度の役割
ランバート反射では法線と入射方向の角度 が効く。一方、鏡面反射ではハーフベクトルと法線のずれ 、観測方向の角度 、ローブ幅 が効く。角度記号を混同しないことが重要である。
偏光分離の注意
偏光法では「鏡面反射だけが完全に残る」と断定しすぎない。実物体では拡散成分も半分程度透過し、偏光度も完全ではないため、最大・最小画像の差分や較正によって成分を推定する、と書くのが安全である。
第4問 — 状態フィードバック
状態の取り方
2階微分方程式では、状態を位置と速度に分けるのが標準である。入力 は の式にだけ現れるため、 になる。
極配置の考え方
この系は可制御なので、2つの閉ループ極を任意に配置できる。係数比較で を出せることを示すと、単なる安定条件より強い答案になる。
速応性の限界
極を左へ移せば数学モデル上は速くなるが、実機では入力制限、ノイズ、サンプリング周期、構造共振が効いてくる。制御工学の論述では、この現実的制約を書けると評価されやすい。
第5問 — 防災報道
時間フェーズで分ける
防災報道は、平時、発災直後、復旧期で役割が変わる。本問では事前と直後を明確に分け、事前は教育・監視、直後は避難行動に直結する情報、と整理するとよい。
集中報道の構造
「マスコミが悪い」と感情的に書くのではなく、アクセスしやすい現場、映像価値、公式発表への依存、他社追随という構造を説明する。構造が書けると、解決策も代表取材や情報共有に自然につながる。
具体例の重要性
影響の例では、救援車両の妨げ、物資の偏在、被災者のプライバシー侵害、心理的負担など、被災地側の実害を一つ具体的に示すことが採点上有利である。
年度別の解答例(11年度)
基礎数学 / 画像検索 / 重力走行と振動
基礎数学 / オペアンプ回路 / 流体の無次元数
二次曲線 / CとRPN / 色空間とDCT
2017年度(このページ・全5問)
回帰と正則化 / Cと正規表現 / 二色性反射
2016年度(全5問)最終答まで公開
ロジスティックモデル / 動的計画法 / 無線LANとフーリエ変換
2015年度(全5問)最終答まで公開
ガウス関数のフーリエ変換 / 乱数生成アルゴリズム / レイトレーシング
2014年度(全5問)最終答まで公開
積分とアステロイド / 水量計測と状態探索 / 画像処理
2013年度(全5問)最終答まで公開
QR分解と最小二乗 / 集合データ構造 / 信号処理
2012年度(全5問)最終答まで公開
線形最小二乗 / ソートの計算量 / 線形システムと相互情報量
2011年度(全7問)最終答まで公開
固有値と漸化式 / 命題論理 / 信号解析
2010年度(全11問)最終答まで公開
線形微分方程式 / 漸化式と高速計算 / z 変換とデジタルフィルタ
2017年度の出題内容
全5問
前年度(2016年度)との違い
- 大問数
- 2016年度 5問 → 2017年度 5問
東京大学の公式過去問
- 公開年度範囲
- 2010〜2020(先端表現情報学コースとして公開されている専門科目)
- 公式の解答例
- 非公開(問題冊子のみ)
- 英語の扱い
- TOEFL/TOEIC 等の扱いは募集要項で年度別に確認。公式過去問ページは専門科目PDFを公開。
- 院試hubの最終確認
- 2026-07-05