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東京都立大 理学研究科 数理科学 院試 過去問対策|直近6実施回76問で見る夏季・冬季の違い
東京都立大学大学院 理学研究科 数理科学専攻の2024〜2026年度夏季・冬季6実施回76問の解答制作メモから、冬季の数学I 4問、夏季の数学I+数学II、ジョルダン標準形・可換環・曲面・複素積分・離散数学の選び方、答案で落としやすい条件を整理します。
最終更新: 2026-05-24
この記事は、東京都立大学大学院 理学研究科 数理科学専攻の募集要項を要約する記事ではありません。InshiHubで2024年度夏季・冬季、2025年度夏季・冬季、2026年度夏季・冬季の6実施回、計76問の解答TeXを作ったときに見た、夏季と冬季の違い、数学IIでどの問題を取りに行くか、答案制作で条件を書き落としやすかった箇所を整理します。
都立大数理は、冬季だけを見ると「線形代数と解析の基礎確認」に見えます。一方、夏季まで含めると、数学IIでジョルダン標準形、可換環、曲面、位相、ベクトル解析、複素積分、常微分方程式、グラフ、アルゴリズムまで広がります。対策の本体は、広く読むことではなく、夏季の数学IIで自分が取れる問題群を先に決めることです。
直近6実施回で見えた年度別テーマ
以下は問題本文の転載ではなく、InshiHubの解答ファイル見出しと解説制作時の観察から作った対策用の地図です。夏季は数学I 4問と数学II 9問、冬季は数学I 4問として扱っています。英語問題や出題意図欄は数学パックから除外しています。
| 実施回 | 解答制作で確認したテーマ | 対策上の読み方 |
|---|---|---|
| 2026夏季 | 数学Iは線形写像、固有値、極値、広義積分。数学IIは標準形、可換環、曲面、位相、ベクトル解析、複素積分、常微分方程式、二部グラフ、アルゴリズム。 | 6回の中で最も「選択設計」が重要。ジョルダン標準形と中山の補題型の可換環を取れるなら代数、フレネル積分・ベクトル解析を取れるなら解析寄りで組める。 |
| 2026冬季 | 同時対角化、行列式、関数項級数、多変数積分。 | 冬季の典型。線形代数は共通固有ベクトルと固有空間、解析は一様収束と項別積分、変数変換のヤコビアンまで書けるかを見る。 |
| 2025夏季 | 数学Iは線形代数、線形写像、多変数微分積分、関数項級数。数学IIはジョルダン標準形、可換環、曲面論、距離空間、ベクトル解析、複素解析、常微分方程式、組合せ、離散数学。 | 都立大数理の幅がよく出る年度。可換環では「極大なら常に成り立つ」と読める主張への反例確認、曲面ではステレオ投影型の第一基本量、複素解析では整数和を留数で拾う処理が差になる。 |
| 2025冬季 | 線形写像、固有値と対角化、広義積分、べき級数。 | 線形代数と解析の答案作法を測る年度。重複固有値の固有空間、広義積分の端点分離、べき級数の収束半径と一様収束を落とさない。 |
| 2024夏季 | 数学Iは微分積分、多変数積分、線形写像、対角化。数学IIはジョルダン標準形、可換環、曲線と曲面、商位相、グリーン公式、留数計算、常微分方程式、グラフ、ビット列。 | 数学IIの横断性が強い年度。商位相のwell-defined、管状曲面の法線、Green公式の発散定理、ビット列のフィボナッチ型帰納法など、定義から組み立てる問題が並ぶ。 |
| 2024冬季 | 広義積分、関数項級数、線形代数、部分空間。 | 冬季対策の土台。望遠和型の関数項級数、固有多項式だけでは決まらない対角化可能性、部分空間の和を行列の階数で読む処理を確認する。 |
数学IIは得意分野を作ってから選ぶ
| 分類 | 典型サイン | 本番判断 |
|---|---|---|
| 最初に取りに行く | 固有値、対角化、行列式、線形写像、広義積分、関数項級数、多変数積分 | 数学I側で点を作る。固有空間の次元、比較判定、一様収束、ヤコビアンを答案に残せるなら安定する。 |
| 準備していれば強い | ジョルダン標準形、可換環、複素積分、常微分方程式、ベクトル解析 | 夏季数学IIの主戦場。最小多項式、イデアルの包含、留数を拾う極、級数解、Green/Gauss/Stokes系の公式を、条件つきで説明できるなら選ぶ。 |
| 得意でなければ時間を吸われる | 曲面論、商位相、距離空間、二部グラフ、アルゴリズム、ビット列 | 見た目は短いが、定義や証明の一行が抜けると弱い。曲面の法線、商写像のwell-defined、最大マッチング、反転数や再帰式を説明できる人向け。 |
分野別に何を鍛えるか
線形代数
冬季・夏季を通じて、線形代数は都立大数理の最も安定した得点源です。ただし、固有値を出すだけでは足りません。2026冬季の同時対角化では、1次元固有空間にあるベクトルがもう一方の行列の固有ベクトルにならなければならない、という必要条件が決め手になります。2025冬季では、重複固有値の固有空間が代数的重複度に届くかを確認します。
行列式問題は、全部展開するより、行操作や「全成分1の行列+スカラー行列」と見抜く方が速いです。答案では、なぜ行列式が変わらない行操作なのか、どの部分空間でどの固有値になるのかを一行残してください。
解析
都立大の解析は、広義積分、関数項級数、多変数積分が反復します。2024冬季の望遠和型の関数項級数では、各点収束と一様収束の違いが問われます。2026冬季ではWeierstrassの判定法による一様収束と項別積分が要点です。2026夏季の広義積分では、一様収束を使って極限と積分を交換する流れが出ています。
多変数積分では、楕円体の変数変換、空間極座標、ヤコビアン、積分領域の分割を自分の手で書ける必要があります。計算結果より先に、領域をどうパラメータ化したかが採点される答案になります。
代数
夏季数学IIでは、ジョルダン標準形と可換環が続けて現れます。ジョルダン標準形では、最小多項式が最大ジョルダン細胞サイズを記録すること、固有空間の次元でブロック数が決まることを使います。固有多項式だけで可能な標準形を断定しないでください。
可換環では、2024夏季の冪等元からの環分解、2025夏季のイデアル積と共通部分、2026夏季の中山の補題型の主張が並びます。特に2025夏季は、極大イデアルなら常に成り立つように見える命題に対し、包含条件がないと反例があることまで読む必要があります。
幾何・位相
曲面論は、第一基本量、単位法線、第二基本量、曲率の符号まで行くと時間を使います。2024夏季の管状曲面ではFrenet標構と法線方向、2025夏季ではステレオ投影型の計量、2026夏季ではグラフ曲面の法線と基本量がポイントです。
位相は商位相・距離空間・コンパクト性・連結性が出ます。2024夏季の商位相では、誘導写像がwell-definedであること、2025夏季の距離空間では2つの距離が同じ位相を定めること、2026夏季では単位球面との同相を作ることが答案の中心です。
複素解析・離散数学
複素解析は、留数の計算だけでなく、どの極が曲線内部に入るか、どちらの半平面に閉じるか、円弧上の評価が消えるかを説明する必要があります。2026夏季のフレネル積分型では、偏角を回してガウス積分に接続する見取り図が重要です。
離散数学では、グラフの次数列、二部グラフの最大マッチング、ビット列、行列積の零成分判定、再帰式と計算量が出ます。短い問題に見えて、最大次数、反転数、非負整数の和、マッチングと階数の違いを言葉で確認する必要があります。
答案で落としやすい条件
- 夏季と冬季を同じ試験として扱い、数学IIの選択準備を後回しにする。
- 対角化可能性を固有多項式だけで判断し、固有空間の次元を書かない。
- 関数項級数で、各点収束の評価をそのまま一様収束の証明に使う。
- 広義積分で、端点と無限遠、または原点近傍と無限遠を分けずに判定する。
- 可換環で、互いに素なイデアルの条件や反例確認を省いて一般命題として書く。
- 商位相の誘導写像で、well-definedの確認を飛ばす。
- 曲面論で、法線の向き、混合項、曲率の符号を曖昧にする。
- 留数計算で、曲線内部に入る極と入らない極を分類しない。
- グラフ・アルゴリズムで、具体例だけを書いて一般の場合の証明を残さない。
6か月の演習配分
- 1か月目: 冬季3回の数学Iを先に解き、線形代数と解析の穴を特定する。
- 2か月目: 固有値、同時対角化、行列式、線形写像、部分空間を答案化する。固有空間の次元まで必ず書く。
- 3か月目: 広義積分、関数項級数、多変数積分を固める。一様収束、項別積分、ヤコビアンを毎回言語化する。
- 4か月目: 夏季数学IIの代数と解析系を固める。ジョルダン標準形、可換環、複素積分、常微分方程式を選択候補にする。
- 5か月目: 曲面・位相・離散数学を、取るか捨てるか決める。得意なら強いが、定義証明が薄いなら代数・解析を厚くする。
- 6か月目: 夏季は13問全体を眺めて選択順を決め、冬季は4問通しで時間を計る。新しい本を増やすより、答案の根拠抜けを潰す。
短期対策で後回しにしてよいもの
都内併願戦略や大学名の変遷から読むより、まず冬季3回の数学Iを解いてください。線形代数と解析の標準答案が弱いまま夏季数学IIへ進むと、ジョルダン標準形、可換環、曲面、複素積分のどれも中途半端になります。
短期なら、数学IIの全分野を均等に追う必要はありません。代数で行くならジョルダン標準形と可換環、解析で行くなら複素積分と常微分方程式、幾何で行くなら曲面と位相、離散で行くならグラフとアルゴリズム、というように2系統へ絞る方が実戦的です。
関連大学の対策ガイド
よくある質問
本記事は、2026年5月24日時点の東京都立大学公式ページと、InshiHubで作成した2024〜2026年度夏季・冬季の解答制作メモに基づいています。出願前には必ず最新の募集要項、公式過去問PDF、英語・面接の実施方式を確認してください。
東京公立大 院試 の他専攻ガイド
東京公立大 (旧首都大東京) 大学院 理学研究科 数学専攻は、物理学専攻と隣接した出題分野です。数学で身につけた「定義の宣言→反例・収束評価」は、物理学の場の理論・解析力学でも答案の骨格として効きます。下記の同大学他専攻ガイドも合わせて読むと、東京公立大 院試 全体の出題傾向が見えます。
都立大 数学 院試の出題分野(2024〜2026年度・全51大問)
院試hubが解答を作った6実施回・全51大問の見出しを分野別に数えたものです。が15回(全体の29%)で最多。線形代数・微分積分・解析は6実施回すべてに出ています。
| 分野 | 出題回数 | 全大問比 | 直近の連続出題 | 最後に出た回 |
|---|---|---|---|---|
| 15 | 29% | — | 2026年度夏季 | |
| 線形代数 | 13 | 25% | 6回連続 | 2026年度冬季 |
| 微分積分・解析 | 13 | 25% | 6回連続 | 2026年度冬季 |
| 代数 | 3 | 6% | — | 2026年度夏季 |
| 微分方程式 | 3 | 6% | — | 2026年度夏季 |
このほか1回だけ出た分野は 位相・幾何・情報・数学・複素解析 です。
都立大 数学 院試 過去問の収録年度と大問数
院試hubが解答を作った6実施回の一覧です。1回あたりの大問数は4〜13問です。2026年度冬季から4問構成です。
都立大 数学の解答で立てた注意点(51件)
院試hubの解説で、その設問だけに立てた小見出しです(「方針」「検算」のような全問共通の 見出しは除いています)。新しい実施回から並べています。
微分積分・解析19件
- 2026年度冬季 第3問 関数項級数発散の比較 / 一様収束の理由 / 項別積分の検算
- 2026年度夏季 第4問 広義積分端点 0 の扱い
- 2026年度冬季 第4問 多変数積分逆関数の存在 / ヤコビアンの符号 / 積分範囲の読み替え
- 2026年度夏季 第9問 ベクトル解析向きの確認
- 2025年度夏季 第3問 多変数微分積分鞍点の確認
- 2025年度冬季 第3問 広義積分比較の注意 / 二重積分の検算
- 2026年度夏季 第3問 極値境界の確認
- 2026年度夏季 第7問 曲面符号の確認 / 最小値の見方
- 2026年度夏季 第8問 位相連結性の注意
- 2026年度夏季 第12問 二部グラフ不等式の核心
- 2025年度夏季 第13問 離散数学アルゴリズムの意味
- 2024年度冬季 第4問 部分空間条件の読み替え / W の意味 / 共通部分への戻し方
線形代数10件
- 2026年度冬季 第1問 同時対角化固有値 の空間が決め手 / 十分性の確認
- 2026年度冬季 第2問 行列式の符号 / の固有値
- 2025年度冬季 第2問 固有値と対角化対角化条件の見方 / 余因子行列の扱い
- 2024年度冬季 第3問行列計算の確認 / 最小多項式の決め方
- 2024年度夏季 第4問 対角化なぜ 1 だけが除外されるか
- 2024年度夏季 第5問 ジョルダン標準形列挙の考え方
代数3件
- 2026年度夏季 第6問 可換環(2) の要点
- 2025年度夏季 第6問 可換環設問の注意
- 2024年度夏季 第6問 可換環単位元の注意
数学1件
- 2026年度夏季 第10問 複素積分円弧積分の評価
位相・幾何1件
- 2025年度夏季 第8問 距離空間直積位相との比較
複素解析1件
- 2025年度夏季 第10問向きの注意
微分方程式1件
- 2025年度夏季 第11問 常微分方程式整数でない条件
都立大 数学 院試の頻出論点と、同じ論点を出す他大学
院試hubが解答した大問の論点を、他大学の出題と突き合わせたものです。併願先を 探すときの重なりの実数として使えます。
| 論点 | この専攻での出題 | 出題年度 | 同じ論点を出す他大学 | 全国の出題大学 |
|---|---|---|---|---|
| 固有値・固有ベクトル | 10問 | 2026・2025・2024 | 神戸大学・京都大学・東京大学・大阪大学・名古屋大学 | 25大学 |
| 線形空間・基底 | 6問 | 2026・2025・2024 | 神戸大学・名古屋大学・東京大学・京都大学・北海道大学 | 21大学 |
| 一様収束 | 5問 | 2026・2025・2024 | 名古屋大学・京都大学・東京科学大学・東京大学・大阪公立大学 | 14大学 |
| 重積分と極座標 | 4問 | 2026・2025・2024 | 神戸大学・京都大学・大阪大学・名古屋大学・電気通信大学 | 23大学 |
| ジョルダン標準形 | 3問 | 2026・2025・2024 | 京都大学・東北大学・東京科学大学・広島大学・京都工芸繊維大学 | 14大学 |
| 留数定理 | 2問 | 2025・2024 | 東京大学・北海道大学・名古屋大学・筑波大学・大阪公立大学 | 18大学 |
| 直交対角化 | 1問 | 2026 | 名古屋工業大学・九州大学・東京科学大学・大阪公立大学・大阪大学 | 14大学 |
| コーシーの積分定理 | 1問 | 2026 | 京都大学・大阪大学・東京科学大学・千葉大学・電気通信大学 | 8大学 |
都立大 公式の過去問 公開年度と公式解答例(2026-06-03確認)
- 公式の過去問ページ
- 理学研究科 数理科学専攻
- 公開されている年度
- 直近数年度(春・冬入学)
- 公式の解答例
- 非公開(問題冊子のみ)
- 英語の扱い
- TOEFL/TOEIC スコア提出。
- 院試hubが最後にリンクを確認した日
- 2026-06-03
- ページの内容
- 専門基礎・専門・2次募集の各区分で問題PDFを配布。
この研究科・科目の解答PDF
解説には、この51大問だけに立てた注意点が51件あります。問題本文は含みません。
東京都立大学 数学 院試 過去問 解答PDF(収録10実施回分)よくある質問
- この記事の新規情報は何ですか。
- InshiHubで作成した東京都立大学 理学研究科 数理科学専攻の2024〜2026年度、夏季3回・冬季3回、計76問の解答制作メモをもとに、夏季と冬季の違い、数学IIの9問の選び方、答案で根拠を書き落としやすい箇所を整理した点です。
- 都立大数理は夏季と冬季で何が違いますか。
- 直近6実施回のローカル制作範囲では、夏季は数学I 4問に加えて数学II 9問を扱い、冬季は数学I 4問だけを扱っています。冬季は線形代数と解析の基礎確認が濃く、夏季はジョルダン標準形、可換環、曲面、位相、複素積分、常微分方程式、離散数学まで広がります。
- 数学IIでは何を選ぶべきですか。
- まずジョルダン標準形・可換環・複素積分・常微分方程式のうち、自分の標準答案を持っている分野を候補にします。曲面論、位相、グラフ/アルゴリズムは得意なら強いですが、定義や証明の一行を曖昧にすると時間を使いやすいです。
- 冬季入試だけなら何を優先すべきですか。
- 冬季の制作済み3回を見る限り、同時対角化、行列式、固有値と対角化、線形写像、広義積分、関数項級数、多変数積分が中核です。線形代数は固有空間の次元まで、解析は一様収束や比較判定の根拠まで書く練習を優先してください。
東京都立大学の院試 過去問 解答PDF
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