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東大 数理科学研究科 院試 専門科目A の出題傾向と対策

東京大学大学院 数理科学研究科 専門科目Aの院試対策。代数・幾何・解析・確率の出題分野と過去問演習の進め方、答案で失点しない方針の書き方。

最終更新: 2026-05-08

東京大学大学院 数理科学研究科の修士課程は、外部生にとって日本の数学系院試で最も準備量が問われる試験の一つです。専門科目Aは代数・幾何・解析・確率から学部数学の幅広い範囲を要求し、答案では計算の正解だけでなく証明の筋道までしっかり書き切ることが求められます。本記事では、専門科目Aで何が問われ、どこで失点しやすく、残り時間別にどう演習を組むべきかを整理します。配点や合格点は公表されていないため、ここでは公開されている過去問と募集要項から読み取れる範囲の傾向と、実際に答案を作る上での実務的な指針に絞って書きます。

公式情報で必ず確認すること

専門科目Aは年度ごとに大問の選択方式や出題分野の比重が変わるため、対策を始める前に研究科の公式募集要項と過去問配布ページで最新の試験形式を確認します。下記は受験前に最低限チェックしておきたい項目です。

  • 修士課程募集要項の試験科目欄(専門科目A・専門科目B・外国語の扱い)
  • 過去問の公式配布ページで公開されている直近5〜7年分の問題冊子
  • 解答時間と大問数、選択方式(必答か選択かが年度で変わる場合があります)
  • 外国語試験の提出書類(TOEFL/TOEICのスコア提出と期限)
  • 志望研究室の指導可能分野と過去の合格者数の傾向

出題傾向と科目構成

専門科目Aは代数・幾何・解析・確率の4分野を軸とした構成で、年度により大問数と選択方式が異なります。代数では群・環・体と加群論、幾何では多様体論と位相幾何の基本、解析では複素解析・ルベーグ積分・関数解析の基礎、確率では測度論的確率論と確率変数の収束が頻出範囲です。問題文は短く、定義をどう運用するか・標準的な定理をどの場面で適用するかを問う出題が中心で、難解な技巧よりも学部数学の体系的理解を見られている印象が強い試験です。

答案で失点する典型パターン

外部生の答案で頻出する失点は、第一に定義の暗黙利用です。例えばコンパクト性や連続性の定義に立ち戻らずに「明らかに」と書いてしまうと、論理の飛躍と判定されて部分点を落とします。第二に、証明の方針を冒頭で明示しないまま計算を始めてしまい、途中で詰まったときに採点者がどこまで理解しているか判断できなくなるパターン。第三に、反例構成や具体例検証を要求された問題で計算ミスをし、結論だけ間違えて残りの論述が無効化されるパターン。答案の冒頭で「以下、〇〇を用いて△△を示す」と一行だけ方針を書く習慣を演習段階から徹底することで、これらの失点はかなり防げます。

3か月・6か月の演習計画

残り6か月の場合

最初の2か月は学部教科書の通読復習に充てます。代数は雪江本または松坂群論、幾何は多様体論の標準的教科書、解析は複素解析とルベーグ積分の入門書、確率は測度論的確率論の入門で構いません。次の2か月で過去問を年度ごとに解き始めますが、ここで重要なのは時間制限なしでまず完答を狙い、解けなかった大問は教科書の該当章まで戻ることです。最後の2か月で時間制限を入れた答案演習に切り替え、論述の書き方を採点者目線で点検します。

残り3か月の場合

3か月しか残っていない場合は、得意分野2つに絞った戦略が現実的です。直近5年分の過去問を見て、毎年安定して出ている分野から優先的に固めます。最初の1か月で過去問を1周しながら穴を特定、次の1か月で穴埋め、最後の1か月で答案精度を磨きます。証明問題に慣れていない場合は、解答の各ステップで「なぜこの定理を使うのか」を口頭で説明できるレベルまで自分で確認することが効果的です。

InshiHub の解答パックの使い方

過去問は研究科公式ページに掲載されていますが、解答が公式に公開されていないため、外部生は自分の答案が採点者に通じる水準に達しているか判断しにくいのが実情です。院試hub では各年度の問題に対して対応する年度別解答パックを提供しており、論述の組み立て方や定理の使い分けを答案例として確認できます。教科書での復習が一巡したあとに、自力答案と解答例を見比べて論理の抜けを点検する用途で使うと、独学でも答案の質を採点基準に近づけやすくなります。研究科全体の対策計画は数理科学研究科 専門科目Aのページから関連科目とまとめて確認できます。

よくある質問

公開前に必ず最新の公式募集要項・公式過去問ページで試験科目・実施時期・出題範囲を確認してください。

上記の出題範囲をカバーするオリジナル解答・解説PDFを年度別に整備しています。

対応する解答パックを見る

よくある質問

専門科目Aと専門科目Bはどちらを選ぶべきですか。
専門科目Aは代数・幾何・解析・確率から複数題出題され、学部数学の標準範囲を満遍なく要求されます。専門科目Bはより専門に寄った大問構成です。学部で純粋数学系の演習を積んできた受験者はA、特定分野に絞って深く準備した受験者はBを選ぶ判断が一般的です。
外部生でも合格は現実的ですか。
外部からの合格者は毎年います。ただし学部で代数・幾何・解析・確率の主要科目を一通り履修していることが前提になり、未履修分野が多い場合は半年以上の独習が必要になることが多いです。
過去問は何年分やるべきですか。
公開されている直近5〜7年分を目安に、最低2周以上することをおすすめします。出題分野の偏りや問題文の言い回しに慣れることが、答案の精度を底上げします。
答案は計算結果だけ書けば良いですか。
結論だけでは部分点が伸びません。定義の確認、用いた定理、論理の筋道を簡潔に明示することが重要です。証明問題では特に、仮定の使い方と結論への到達経路を明示しないと大幅に失点します。
確率分野はどこまで対策すべきですか。
学部レベルの測度論的確率論の基礎、特に確率変数・期待値・収束概念・条件付き期待値を押さえておきます。専門研究室が確率論系であれば、伊藤積分や確率過程の基礎まで踏み込むのが安全です。
英語の試験はありますか。
数理科学研究科では年度ごとに英語試験の扱いが変わります。最新の募集要項で TOEFL/TOEIC の提出要否、提出期限、スコアの有効期限を必ず確認してください。

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