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東京科学大 理学院 数学系 院試 過去問対策|2020〜2025年度75問で見る午前5問と午後8問の分け方

東京科学大学(旧東工大)理学院 数学系の2020〜2025年度6年分75問の解答制作メモから、午前の線形代数・位相・実解析、午後の可換環・体論・群論・微分幾何・ホモロジー・複素解析・測度論・関数解析の選び方と答案の落とし穴を整理します。

最終更新: 2026-05-24

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公式過去問PDFと併用する、院試hub独自の解答・解説PDF。問題本文は含みません。

解答の入手方法を比較する

この記事は、東京科学大学の新体制や旧東工大からの沿革を説明する記事ではありません。InshiHubで東京科学大学大学院 理学院 数学系 数学コースの2020〜2025年度6年分、計75問の解答TeXを作ったときに見えた、午前問題で落としてはいけない基礎、午後問題で選ぶべき分野、答案で根拠を書き落としやすい箇所を整理します。

2025/2024/2023/2022/2020年度は午前5問と午後8問、2021年度はオンライン実施の午前3問と午後7問として制作しました。午前は線形代数・位相・実解析の足腰、午後は可換環、体論、群論、微分幾何、代数的位相、複素解析、測度論、関数解析がほぼ毎年並びます。対策の本体は「数学を広く読む」ことではなく、午前を崩さず、午後で自分が勝てる2〜3分野を決めることです。

2020〜2025年度75問の出題地図

以下は問題本文の転載ではなく、InshiHubの解答ファイル見出しと解説制作時の観察から作った対策用の地図です。2026年度の公式過去問も現在の数学コース公式アーカイブから確認できますが、この解答パックと本記事の分析対象は2020〜2025年度です。

年度午前側で見たテーマ午後側で見たテーマ対策上の読み方
2025線形代数、線形写像、位相、実解析、広義積分。ファイバー積とNoether性、Kummer拡大、位数27の非可換群、四次元球面上の二乗写像、三次元トーラス内部分空間のホモロジー、二乗可積分正則関数、分布関数、関数解析。午後の専門色が強い年度。Noether性を部分環一般論で済ませず、Galois群は自己同型の生成元まで書き、幾何・解析は条件を言葉で説明する。
2024特殊行列、跡写像と交換子、グラフの閉性、正項級数、半直線上の一様連続性。局所化整数環、五次方程式の分解体、実射影空間のド・ラームコホモロジー、三つの二次元球面の和集合、偏角原理とHurwitz、例外集合を除いた収束、弱特異核の積分作用素、随伴ODEとGreen関数。6年分の中でも午後の横断性が高い。代数で直積代数を落とす、射影空間に形式が降りる条件を省く、Green関数のジャンプ条件を曖昧にするのが危ない。
2023線形代数、行列式、位相空間、広義積分、級数と積分。体論、可換環、微分形式、ホモロジー、複素関数、ルベーグ積分、常微分方程式、ヒルベルト空間。午前は標準的に見えて、午後は反例・核・閉凸射影など証明の芯を問う。ルベーグ積分は真偽判定と反例を作る訓練が必要。
2022線形代数、線形写像、位相空間、関数列、積分極限。群論、可換環、体の拡大、微分幾何、代数的位相、測度論、関数解析、複素解析。午前5問・午後8問の標準型。午前を全部触り、午後は代数2問と解析/幾何のどちらを取るかを事前に決める年度。
2021線形代数と微分作用素、コンパクト性、多変数解析。可換環の冪等元、Dickson不変式、微分幾何、ホモロジー、複素解析、測度論、Volterra作用素。オンライン実施で10問。午前側が3問でも午後の重さは残る。代数・幾何・解析のうち最低1系統は専門答案を書ける状態にする。
2020リーマン和の誤差、階差と平均、相対位相、線形変換、多項式空間上のアフィン置換。商環と誘導準同型、加法多項式と有限生成加群、正則値と超曲面、写像トーラス、留数と固定点、数列空間、概収束、Gronwall型不等式。古い年度でも午後の型は現在の対策に使える。well-defined、正則値、写像トーラス、コンパクト作用素など、定義から組み立てる問題が多い。

午前5問は「満点狙い」ではなく「崩れない答案」

午前側では、線形代数、線形写像、位相、実解析、級数・積分極限が毎年の軸になります。2024年度の「対角成分と非対角成分が一定の行列」や跡写像による双対空間は、計算量より構造を見抜けるかが勝負です。2023年度の広義積分、2022年度の関数列、2025年度の広義積分も、結論だけでなく収束判定や極限交換の根拠を残す必要があります。

午前で一番避けたいのは、線形代数の計算に時間を使い切り、位相・解析の短い証明を空白にすることです。線形代数は固有値、階数、核と像、跡写像を10〜15分で方針まで書く練習をし、位相と解析は定義を1行書いてから証明に入る癖をつけてください。

午後8問は先に選択領域を決める

分類対象テーマ本番での判断
最初に見る可換環、体論、群論、複素解析、測度論、関数解析。毎年の午後に近い位置で並ぶ。自分の専門に近い2分野を主戦場にし、残り1分野を予備にする。
準備していれば強いNoether性、局所化、Kummer拡大、Galois群、非可換p群、閉凸錐、弱特異核、Green関数。見た目より定義確認が重い。短完全列、自己同型の生成元、表現次元の検算、完備性による最小化列を答案に残せるなら得点源になる。
得意でなければ時間を吸われる実射影空間のド・ラームコホモロジー、球面和集合のホモロジー、写像トーラス、四次元球面上の二乗写像。図形の見取り図がないまま計算に入ると長い。Mayer-Vietoris、懸垂、臨界値、形式が商へ降りる条件を説明できる人向け。

分野別に何を鍛えるか

線形代数・線形写像

午前の線形代数は、固有値計算だけでは終わりません。2024年度の跡写像による双対空間と交換子では、行列全体を成分計算で押すより、跡形式で双対を見て、交換子部分空間を直交補として読む方が速いです。2020年度の線形変換の階数と同型性、2025年度の線形写像も、核と像の次元を最初に置く答案が安定します。

計算を短縮するときほど、どの空間の基底を使っているか、写像がどの部分空間に制限されているかを明記してください。最終行だけ合っていても、同型性や階数の根拠が空白だと弱い答案になります。

実解析・位相

実解析では、広義積分、関数列、正項級数、パラメータ付き級数、半直線上の一様連続性が繰り返し出ます。2024年度の一様連続性と原始関数、2023年度の級数と積分、2022年度の積分極限は、極限と積分を交換してよい理由を一行で済ませないことが重要です。

位相では、コンパクト性、連結性、閉グラフ、相対位相が出ます。2021年度のコンパクト性、2024年度のグラフの閉性、2020年度の相対位相と連結成分はいずれも、定義を正確に運用できるかを見る問題です。「直感的に閉じている」ではなく、逆像、被覆、列、連続写像のどれで示すかを決めてから書きます。

可換環・体論・群論

午後の代数は、単なる用語確認ではなく、構造を1段深く使います。2025年度のファイバー積とNoether性では、Noether環の部分環が常にNoetherとは限らないため、短完全列でイデアル列の停止を確認します。2024年度の局所化整数環上の多項式環では、pが単元でないことと、商でpを可逆にする仕掛けを見落とさないでください。

体論では、2025年度のKummer拡大でxi_pxi_(p^2)の違いがGalois性の中心になります。2024年度の五次方程式では、体だけでなく直積代数も分類対象になります。群論では2025年度の位数27の非可換群で、共役類数と既約表現の次元二乗和を検算として使えます。

幾何・代数的位相

2024年度の実射影空間のド・ラームコホモロジーでは、S^n上の形式が対蹠写像で不変なら商へ降りる、という一文が答案の核です。原始形式を作るときも、不変成分を取り直す必要があります。

ホモロジーでは、2025年度の三次元トーラス内の部分空間、2024年度の三つの二次元球面の和集合、2023年度のホモロジー、2020年度の写像トーラスが並びます。Mayer-Vietorisを使うなら、被覆の交わり、写像の核、懸垂で次数が一つ上がることを、図形の言葉で先に説明してください。

複素解析・測度論・関数解析

複素解析は、留数計算だけでなく、偏角原理、Hurwitzの定理、整関数の積分表示、二乗可積分正則関数まで広がります。2024年度のHurwitzでは、零点数が保たれる条件を確認せずに結論を書くのが典型ミスです。

測度論では、概収束、測度収束、例外集合を除いた収束、分布関数と可積分性が出ます。2024年度は L^2 有界性が部分列抽出に効く場面、2025年度はdyadic判定で分布関数の尾を読む場面が要点です。関数解析では、閉凸錐への射影、Volterra作用素、弱特異核によるコンパクト性、Green関数のジャンプ条件など、無限次元でコンパクト性を雑に使わない姿勢が必要です。

答案で落ちやすい箇所

  • Noether環の部分環もNoetherだと誤って使い、ファイバー積の証明を崩す。
  • Kummer拡大で、必要な根が体内にあるかを確認せずGalois群を書き始める。
  • 五次方程式の分裂代数で、体だけを探して直積代数を落とす。
  • 射影空間の微分形式で、不変形式が商に降りる条件を書かない。
  • Mayer-Vietorisで、交わりのホモロジーと写像の核を図形なしで処理する。
  • 測度収束と概収束を混同し、部分列を取る箇所を省略する。
  • 閉凸集合への射影を「閉だから最小点がある」と書く。無限次元では閉有界集合のコンパクト性は使えない。
  • Green関数で、連続条件と導関数のジャンプ条件のどちらが必要かを混ぜる。

参考書は午後の選択分野から逆算する

分野使う本東京科学大数学で重点的に見る箇所
線形・午前解析齋藤正彦『線型代数入門』、杉浦光夫『解析入門I』核と像、跡形式、特殊行列、広義積分、関数列、級数、極限交換。午前5問の初動を速くするため、章末問題を証明込みで解く。
可換環・体論・群論Atiyah-Macdonald『可換代数入門』、雪江明彦『代数学』局所化、Noether性、イデアル商、有限エタール代数、Kummer拡大、Galois群、p群の共役類と表現。午後で代数を選ぶ人の主戦場。
幾何・トポロジー松島与三『多様体入門』、Bott-TuまたはHatcher微分形式、ド・ラームコホモロジー、射影空間、Mayer-Vietoris、懸垂、写像トーラス。図形を描いて群を計算する訓練が必要。
複素・測度・関数解析神保道夫『複素関数入門』、伊藤清三『ルベーグ積分入門』、吉田耕作『函数解析』偏角原理、Hurwitz、概収束と測度収束、分布関数、閉凸射影、コンパクト作用素、Green関数。定理名だけでなく仮定を書けるようにする。

短期対策で削ってよいもの

新体制の沿革、研究室一覧の暗記、広すぎる専門書読み、英語外部試験スコア対策は、数学筆答の直前期には優先度を下げてよいです。数学コース公式ページでは、2026年5月24日時点で、修士課程入学試験ではTOEIC/TOEFL等の外部試験を利用せず、英語筆答試験を必ず受験すると案内されています。英語の扱いは募集要項で確認しつつ、数学の演習時間とは分けてください。

また、午後8分野を全部同じ深さで仕上げる必要はありません。短期なら、午前5問の土台を固めたうえで、午後は代数系、幾何/トポロジー系、解析/関数解析系のうち2系統に絞る方が点になります。

6か月で作る演習順

  1. 1〜2か月目: 午前対策。線形代数、位相、実解析、級数・積分を、2022〜2025年度の午前問題だけで回す。
  2. 3か月目: 午後の主戦場を決める。代数、幾何/トポロジー、解析/関数解析から2系統を選び、残りは予備にする。
  3. 4か月目: 選んだ午後分野を年度横断で解く。可換環だけ、ホモロジーだけ、関数解析だけのように縦に並べて解く。
  4. 5か月目: 2025、2024、2023年度を年度単位で通す。午前で空白を作らず、午後は選ぶ/捨てる判断を記録する。
  5. 6か月目: 解答パックと照合し、定義の抜け、仮定の書き忘れ、反例の作り方、Mayer-Vietorisの写像、極限交換の根拠だけを修正する。

公式情報で確認すること

2026年5月24日時点で、Science Tokyo受験生サイトの大学院「過去の入試問題」ページには理学院数学系の案内があり、数学専攻の過去問題は数学専攻サイトを確認するよう案内されています。数学コース公式ページでは、2026年9月入学および2027年4月入学の修士課程入学試験について、出願受付期間が2026年6月4日〜6月10日、筆答試験が2026年8月18日、口頭試問が2026年8月20日と案内されています。

公式情報の確認先:Science Tokyo 過去の入試問題 / 理学院数学系 数学コース公式ページ / 数学コース過去問アーカイブ

InshiHub の解答パックの使い方

東京科学大 理学院 数学系の院試 過去問 解答PDFは、2020〜2025年度の6年分を年度別に収録しています。最初から年度単位で全問を解くより、午前5問だけ、午後代数だけ、午後トポロジーだけ、午後解析だけのように縦に解くと、自分が取るべき午後分野が見えます。

照合時は、最終式よりも「どの定義を使ったか」「どの仮定が必要か」「どの反例で否定したか」を見てください。東京科学大数学は、定理名を知っている答案より、定理の仮定を外さずに短く運用できる答案が強いです。

よくある質問

本記事はInshiHubの解答制作メモと、公開時点で確認できる東京科学大学公式情報に基づく非公式の対策記事です。募集要項、出願資格、日程、英語試験、口頭試問、過去問の公開範囲は必ず大学公式ページで最新情報を確認してください。

東京科学大 院試 の他専攻ガイド

東京科学大(旧東工大)理学院 数学系は、物理学系・地球惑星科学系・情報理工学院 数理計算科学系と隣接した出題分野です。数学で身につけた「定義の宣言→反例・収束評価」は、物理学の場の理論、地球惑星の連続体、数理計算科学のアルゴリズムでも答案の骨格として効きます。下記の同大学他専攻ガイドも合わせて読むと、東京科学大 院試 数学・物理系全体の出題傾向が見えます。

上記の出題範囲をカバーするオリジナル解答・解説PDFを年度別に整備しています。

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よくある質問

この記事の新規情報は何ですか。
InshiHubで作成した東京科学大学 理学院 数学系の2020〜2025年度6年分、計75問の解答制作メモをもとに、午前の基礎5問と午後の専門8問の出方、選ぶべき午後分野、答案で条件を書き落としやすい箇所を整理した点です。
東京科学大数学の午前は何を優先すべきですか。
2025/2024/2023/2022/2020年度は午前5問、2021年度はオンライン実施の午前3問として制作しています。線形代数、線形写像、位相、実解析、級数・積分極限が軸なので、午前はまず計算完答より、定義と極限交換の根拠を落とさない訓練を優先してください。
午後問題はどの分野を選ぶべきですか。
可換環・体論・群論を選ぶなら、Noether性、局所化、Kummer拡大、Galois群、非可換p群まで説明できる必要があります。幾何・トポロジーを選ぶなら、ド・ラームコホモロジー、Mayer-Vietoris、臨界値、射影空間に形式が降りる条件まで準備してください。
英語はTOEIC/TOEFL提出ですか。
数学コース公式ページでは、2026年5月24日時点で、修士課程入学試験では英語試験としてTOEIC/TOEFL等の外部試験は利用せず、英語筆答試験を必ず受験すると案内されています。出願前には必ず最新の募集要項で確認してください。
公式過去問はどこで確認できますか。
Science Tokyo受験生サイトの過去の入試問題ページから理学院数学系の案内に進めます。数学コース公式ページでは、修士課程入学試験の過去問PDFアーカイブへのリンクが案内されています。
InshiHubの解答パックはどう使うべきですか。
2020〜2025年度を年度単位で通す前に、午前だけ、午後の代数だけ、午後の解析だけのように分野別に解いてください。解答パックでは最終式より、Noether性の短完全列、Galois群の生成元、Mayer-Vietorisの核、測度収束の部分列、Green関数のジャンプ条件を確認するのが有効です。

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