電気通信大学 院試 過去問 解答例
電通大 情報理工学研究科 専門科目(基礎数学・力学) 2022年度 院試 解答例・解説
電気通信大学 情報理工学研究科 専門科目(基礎数学・力学) 2022年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全2問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
最終更新:
設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。
続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — 基礎数学
2次多項式に3つの根を持たせる発想
を成分で直接比較しても解けるが、固有値が3つ相異なることを使うと一気に終わる。固有ベクトルに作用させると、同じ2次多項式が で0になるからである。この見方は、最小多項式が3次であることを示している。
行列多項式は固有空間ごとに見る
をそのまま掛け算すると計算量が多い。対称行列で固有値が相異なるので、固有空間への射影に分けると、どの固有値で多項式が消えるかだけを見ればよい。今回は の固有空間だけが残る。
極値と停留点を混同しない
停留点 は勾配が0になるが、ヘッセ行列の行列式が負であるため鞍点である。答案では停留点を列挙するだけでなく、極値かどうかの判定まで書く必要がある。
変数変換ではヤコビアンを最後まで残す
と置くと領域も被積分関数も単純になるが、面積要素は である。この係数を落とすと答えが2倍ずれる。院試では変数変換の採点で最も落としやすい点である。
第2問 — 力学
相対変位と絶対変位を分ける
この問題で最も間違えやすいのは、質点1の水平方向加速度を としてしまう点である。支点が動く場合、質点1の壁から見た位置は なので、慣性系での加速度は である。ここを外すと、可動支点によって振動数が大きくなる効果が出ない。
水平方向の外力がない場合は重心で検算できる
ばねがない可動支点の部分では、水平方向の外力がない。したがって は一定である。求めた解を代入すると となり、運動量保存と整合している。この検算は符号ミスの発見に有効である。
振動しない点は重心の水平位置
糸上の振動しない点が現れるのは、支点の揺れと糸の傾きによる揺れがちょうど打ち消すからである。支点からの距離が になることは、質点2を含めた水平重心の位置に対応している。答案では「どこから測った距離か」を明記すると採点上安全である。
基準振動は行列式で決める
ばね付きでは と が結合しているため、一方だけの単振動として扱うことはできない。 とおき、振幅 に関する同次連立一次方程式を作る。非自明解の条件が行列式ゼロであり、そこから の二次方程式が出る。
の極限の見方
が十分小さいと、振り子が支点を動かす反作用は小さい。したがって一つのモードは通常の単振り子 、もう一つのモードは質点2とばねの に近い。もし と が非常に近い場合は弱結合でもモード混合が目立つため、近似だけでなく厳密式を併記しておくのが安全である。