電気通信大学 院試 過去問 解答例
電通大 情報理工学研究科 専門科目(基礎数学・力学) 2023年度 院試 解答例・解説
電気通信大学 情報理工学研究科 専門科目(基礎数学・力学) 2023年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全2問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
最終更新:
設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。
続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — 基礎数学
固有値の重複度と固有空間の次元を分ける
この問題で が効くのは固有値そのものではなく、 の固有空間の次元である。固有値 は代数的重複度2を持つため、対角化可能にするには対応する固有空間が2次元でなければならない。固有値が重複しているだけでは対角化可能とは限らない点が採点上の注意点である。
極値判定では指数関数を落とさない
停留点の方程式を解く段階では として消してよい。しかし2階微分の値には が残る。特に でのヘッセ行列の符号を確認するとき、共通因子 は正なので判定の符号は変わらない。
極座標では面積要素が必要
と置いたあと、面積要素を とすることを忘れない。被積分関数が になっても、積分する量は である。この を落とすと答えが大きく変わる。
1階方程式の定数は暗黙形でよい
は楕円族を表す暗黙解である。 と解いてもよいが、一般解としては暗黙形の方が簡潔で、定数解も自然に含められる。
第2問 — 力学
はね返り係数は物体全体の重心速度で見る
最初の衝突は、実際には質点Aと左側の質点との衝突である。ただし設問で物体と質点Aとのはね返り係数を問うているため、衝突後の物体側の速度には2質点全体の重心速度を使う。左側の質点の速度 をそのまま使うと、物体全体との相対運動を見たことにならない。
相対運動では有効質量より式を直接引く
相対座標 を使えば、運動方程式を2本書いて引くだけで が出る。ここで角周波数を としてしまう誤りは、左右2質点が互いに近づく相対運動を1質点の運動のように扱ってしまうことから生じる。
停止条件は左側の質点から決まる
2回目の衝突では右側の質点だけが質点Bとぶつかる。したがって、左側の質点を止める手段は衝突そのものにはなく、衝突直前から左側の質点の速度が0である必要がある。この条件が を与え、時刻が先に決まる。次に右側の質点を弾性衝突で止める条件から が決まる。
ばねが自然長に戻っていることの確認
では なので、間隔は である。もしこの確認をしないと、速度だけが0でもばねが伸び縮みしていて、その直後に再び運動を始める可能性を見落とす。ここでは自然長かつ速度0なので、完全静止という結論が成り立つ。