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立教大学 理学研究科 物理学専攻の院試過去問|大問選択と頻出分野
立教大学理学研究科物理学専攻の筆記試験「物理学」を、2023〜2025年度の夏季・春季6回30問で分析。研究室で決まる大問の選び方、4分野の出題、失点しやすい設問、無料で読める6問、公式過去問と解答例の所在、2027年2月の春季入試を案内します。
最終更新: 2026/10/28
立教大学大学院理学研究科物理学専攻(博士課程前期課程)の一般入試で課される、筆記試験「物理学」の過去問ガイドです。試験は夏季(7月)と春季(翌年2月)の年2回あり、どちらも同じ入学年度の入試です。2023年度夏季から2025年度春季までの6回・30問を院試Hubの解答原稿から読み、研究室で決まる大問の選び方、分野ごとの出題、失点しやすい設問をまとめました。
問題は物理学専攻の入試問題ページに2003〜2025年度分があります(2021年度は夏季・春季とも口頭試問で、問題はありません)。2026年度の問題と大学の解答例は、大学本体の過去問題ページから公開されています。院試Hubの解答PDFは2023〜2025年度の6回分で、各回1問ずつ、計6問の解答を年度別ページで無料公開しています。次の試験は2027年2月24日の春季入試です。
物理学120分、英語60分、午後に口頭試問
2027年度の入試要項(夏季・春季実施分)の内容です(2026年10月28日確認)。夏季と春季は同じ時間割で、夏季は2026年7月12日に実施済みです。
| 項目 | 2027年度要項の内容 |
|---|---|
| 募集人員 | 20名(夏季・春季の合計)。区分は一般と社会人で、物理学専攻は外国人入試を実施しない。要項1ページ |
| 春季の日程 | Web出願は2027年1月12日〜15日(書類のアップロードを含む)、試験は2月24日、合格発表は3月3日。 |
| 時間割(一般) | 9時〜11時に物理学、11時30分〜12時30分に英語、15時から口頭試問。要項11ページ |
| 選考 | 筆記試験と口頭試問の成績を総合して評価する。物理学専攻は、筆記の点数によって口頭試問を受けられない場合があり、可否は口頭試問の開始前に発表される。 |
| 出願前 | 志望研究室の教員と面談する(オンライン可)。研究計画書に志望研究室(原子核・放射線物理学、理論物理学、宇宙地球系物理学)を書き、第2志望も書ける。要項8ページ |
英語の試験では英和・和英の語学辞書を使えます。用語辞典と電子辞書は使えません。専門科目は日本語で出題されます。要項に科目ごとの配点や合格最低点の記載はありません。夏季入試には、学内受験者の筆記試験免除制度があります。
大学が公表した2026年度入試結果では、物理学専攻の一般入試は夏季(2025年7月)が志願者42名・合格者33名、春季(2026年2月)が志願者10名・合格者7名でした。学外からの志願者は夏季7名・春季4名で、合格者は夏季3名・春季1名です。夏季の人数には、学内の筆記試験免除者(志願者21名・合格者21名)が含まれます(同資料の注記)。科目別の配点と合格最低点は、この資料にも載っていません。
社会人入試は物理学の筆記がなく、英語と口頭試問で選考します。関連する職に2年以上勤務した経験などの条件があり、春季の受験資格審査の書類提出は2026年11月25日〜27日です(国内からは消印有効)。手続きは社会人入試の受験資格と審査にまとめています。
研究室によって、解く大問が決まる
過去問の表紙には、どの大問を解くかが指定されています。大問は6問、解答用紙は4枚で、1問に1枚を使い、左上に大問の番号を書きます。2025年度の表紙には、選んだ大問の番号が不明確な答案は採点しないとあります。
| 実施回 | 表紙の指定 |
|---|---|
| 2023年度夏季〜2024年度春季 | 理論物理学研究室が第1志望なら大問1〜4の4問。原子核・放射線物理学研究室か宇宙地球系物理学研究室が第1志望なら、大問1〜6から4問を選ぶ。 |
| 2025年度夏季・春季 | 大問1〜6から4問を選ぶ。第1・第2志望にかかわらず、理論物理学研究室を志望する場合は大問1〜4の4問。 |
| 春季の3回 | すべての出願者が理論物理学研究室を第1志望としていたため、大問5・6は配布されなかった。公開されている冊子も大問1〜4だけ。 |
2025年度の指定では、実験系の研究室を第1志望、理論物理学研究室を第2志望にした人も大問1〜4を解きます。研究計画書に書く志望の組み合わせで選べる大問が変わるので、受験する回の表紙の指定を最初に確かめてください。2025年度夏季は、大問5の片対数プロット用にグラフ用紙と定規が配られ、大問5を選ばない人もグラフ用紙に受験番号を書く指示がありました。
6回の出題テーマと傾向
大問1〜4は毎回、力学、電磁気学、量子力学、統計力学の順です。大問5・6は夏季だけに出ている実験・測定の問題です。テーマは院試Hubの解答原稿の見出しによります。
| 実施回 | 大問1 力学 | 大問2 電磁気学 | 大問3 量子力学 | 大問4 統計力学 | 大問5・6 実験・測定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023年度夏季 (2022年7月) | 二重振り子の微小振動と基準モード | 磁気モーメント・磁気回転比・g因子 | 無限井戸の中央に置いたデルタ関数障壁 | 常磁性体の断熱消磁と3スピン環 | 5:立体角と輝度の比較測定/6:非対称度の統計誤差 |
| 2023年度春季 (2023年2月) | 減衰と外力を受ける振り子の共鳴 | 電気双極子の場と、点電荷から受ける力・トルク | 半直線上の調和振動子(級数解法) | 理想フェルミ・ボース気体、相対論的電子のフェルミエネルギー | 配布なし |
| 2024年度夏季 (2023年7月) | 棒にはたらく動摩擦(並進・回転)と二糸振り子 | トロイダルコイルの磁場・エネルギー・自己インダクタンス | 超対称性をもつ調和振動子とスピン、縮退のある摂動 | 1次元イジング模型の転送行列 | 5:熱伝導による温度緩和と温度計/6:統計誤差の低減と誤差伝播 |
| 2024年度春季 (2024年2月) | 円筒座標の中心力運動と保存量 | 球形コンデンサーの電場・電位・静電容量 | デルタ関数井戸の束縛状態(2つの井戸) | マクスウェル方程式から空洞放射とプランク分布 | 配布なし |
| 2025年度夏季 (2024年7月) | ロケットの運動とツィオルコフスキーの式 | ビオ・サバールの法則から多角形・円電流の磁場 | 時間依存2準位系と相互作用表示の摂動 | 等間隔準位のフェルミ気体と低温展開 | 5:片対数プロットと誤差の検討/6:X線の減衰と測定時間の配分 |
| 2025年度春季 (2025年2月) | ケプラー運動と近星点・遠星点の速度 | 一様電場中の導体球(ラプラス方程式) | 非調和振動子とハイパービリアル関係式 | リング上のハードコア格子気体と転送行列 | 配布なし |
大問1の力学は、6回中3回がラグランジアンを立てる問題でした(2023年度夏季の二重振り子、2024年度春季の円筒座標、2025年度春季のケプラー運動)。残りの3回は、減衰と外力のある振り子の共鳴、棒にはたらく動摩擦と二糸振り子、質量が減るロケットです。
大問2の電磁気学は静的な場が中心で、回ごとに使う法則が変わります。2024年度春季はガウスの法則、2024年度夏季はアンペールの法則、2025年度夏季はビオ・サバールの法則、2025年度春季は球座標のラプラス方程式が主役でした。2023年度の2回は磁気モーメントとg因子、電気双極子にはたらく力とトルクです。2024年度春季の大問4も、マクスウェル方程式から電磁波の波動方程式を導く設問から始まります。
大問3の量子力学は1次元の問題が続いています。デルタ関数ポテンシャルが2回、調和振動子を変形した問題が3回(半直線上、スピンとの結合、x⁴の非調和項)、時間に依存する2準位系が1回です。摂動論は夏季の3回すべてに出ており、2024年度夏季は縮退のある場合、2025年度夏季は相互作用表示での時間依存の摂動でした。
大問4の統計力学は、小さな系の状態を数え上げてから一般化する問題が目立ちます。2023年度夏季の3スピン環、2024年度夏季の2サイトから始める1次元イジング模型、2025年度春季の4格子のリングから始めるハードコア格子気体で、後の2回は転送行列を使います。量子統計を扱う回も3回ありました(2023年度春季の理想フェルミ・ボース気体、2024年度春季の空洞放射、2025年度夏季の等間隔準位のフェルミ粒子)。
院試Hubの解答原稿の小問見出しで数えると、大問1つの設問は2〜7個で、大問1〜4の合計は回によって18〜24個です。120分で4問なら1問あたり30分、設問1つあたり5〜7分になります。前の設問の結果を次で使う構成が多く、2024年度春季の大問1は(c)の運動エネルギーが(d)〜(g)のすべてに、大問4は(a)(iii)の偏光の自由度が(b)(ii)の状態密度に効きます。
結果の式を問題文に示して導出させる設問と、グラフや概形を描く設問もよく出ます。大問1〜4でグラフや図を描く設問は6回中5回にありました(2023年度夏季の大問3(c-3)、2023年度春季の大問4(a-2)、2024年度春季の大問2(c)、2025年度夏季の大問1(d)、2025年度春季の大問2(e))。式を出した後に、極限や特別な値で形を確かめる習慣があると、この種の設問で崩れにくくなります。
解く順番と、失点しやすい設問
理論物理学研究室の志望者は大問1〜4をすべて解くので、決めるのは順番と時間配分です。最初の数分で4問の設問を読み、前半の立式(運動エネルギー、ガウスの法則、無摂動の固有値など)を確実に書ける大問から始めます。「示せ」の設問は結果が問題文にあるので、導出で止まってもその式を使って次の設問へ進めます。
大問5・6を選べる場合は、大問1〜4のうち最も手が止まる分野と比べて決めます。大問5・6の設問は2〜6個で、温度計の原理や低温実験の注意事項を文章で書く設問(2024年度夏季の大問5(b)(c))、グラフ用紙へのプロット(2025年度夏季の大問5)、図からの数値の読み取り(2025年度夏季の大問6(e))があります。以下は、院試Hubの解答原稿で失点しやすい箇所として扱った例です。
力学
- 2023年度夏季の大問1(c):小球2の速度は2本の糸の回転の合成です。位置エネルギーを2次まで展開すると、φ₁²の係数がφ₂²の2倍になります(1本目の糸に小球2個分の重さがかかるため)。ここを同じ係数にすると固有振動数がずれます。(d)は振れ角の比の大きさと符号まで書きます。
- 2023年度春季の大問1(c)(e):空気抵抗は力なので、腕の長さRを掛けてトルクにします。(e)は固有角振動数、減衰振動の角振動数、共鳴角振動数の3つを取り違えやすく、共鳴が起こるための抵抗の上限も求めます。
- 2024年度夏季の大問1(b)(c):回転では、摩擦力のトルクを棒に沿って積分します。全摩擦力に代表的な腕の長さを掛けるだけでは係数が合いません。(c)は糸の下端の水平のずれを弦の長さで表し、重心の上昇をθの2次まで残します。
- 2025年度夏季の大問1(b):噴出した燃料の速度は、慣性系ではロケットの速度から相対速度vを引いた値です。運動量MVを微分するときにdM/dtの項を落とすと、(c)の式が出ません。
- 2025年度春季の大問1(d):問題文の遠星点距離a(1−e)は誤植で、a(1+e)が正しい値です。速度の比は角運動量保存だけで決まり、(e)で値を出すときにエネルギー保存を加えます。
極座標・円筒座標の運動エネルギーは、2024年度春季の大問1(c)と2025年度春季の大問1(a)で書かせています。方位方向の速さはrと角速度の積なので、r²を落とさないようにします。
電磁気学
- 2023年度夏季の大問2(a)(f):正方形回路のトルクでは、力がx方向なので腕はz方向の変位(b/2)sinθです。(f)は1周後の歳差角から2πを引いた角度を答えます。
- 2023年度春季の大問2(c):点双極子は正味の電荷を持たないので、受ける力は電場の勾配で決まります。一様な電場なら合力は0です。トルクは原点に置いた双極子と外場の外積です。
- 2024年度夏季の大問2(b)(c):磁束密度が1/rで変わるので、エネルギーは厚さa、幅drの円筒殻(体積2πra dr)で積分し、対数が出ます。(c)で磁場のエネルギーをLI²/2と結ぶとき、1/2を落とすと自己インダクタンスが2倍になります。
- 2024年度春季の大問2(c):導体球の内部は電場が0で、電位は表面と同じ値です。接地された球殻の外では電位が0のままです。3つの領域をつないで描きます。
- 2025年度夏季の大問2(d)(e):多角形の各辺を(c)の有限直線として扱います。正三角形の1辺は2Lで、中心から辺までの距離はL/√3です。
- 2025年度春季の大問2(d):電位をF(r)cosθとおくと、Fはrとr⁻²の組み合わせになります。無限遠で一様電場に戻る条件と、球面の電位が0の条件で係数が決まります。
量子力学
デルタ関数を含む問題は、シュレーディンガー方程式を原点の前後で積分した接続条件から始めます。V(x)=gδ(x)なら次の形で、2023年度夏季の大問3は障壁(g>0)、2024年度春季の大問3は井戸(g<0)です。波動関数そのものは連続です。
- 2023年度夏季の大問3:井戸の幅は2aです。デルタ関数の1次摂動は、波動関数の原点での値の2乗に比例します。原点に節をもつ第1励起状態は、障壁の強さによらず変わりません。(c-3)は、摂動の補正と準位間隔を比べて、摂動論が使えなくなる強さを式で示します。
- 2023年度春季の大問3(c):級数が多項式で切れる条件と、壁の位置での境界条件ψ(0)=0の両方を使います。境界条件を落とすと、全空間の調和振動子の偶関数の準位まで混ざります。
- 2024年度夏季の大問3(b)(d):交換関係[p, x]=−iħの向きを取り違えると、σ₃の符号が逆になります。(d)のn≥1の準位は2重に縮退しているので、縮退した2状態の空間で摂動を対角化します。
- 2024年度春季の大問3(b)(iii):束縛状態の数が変わる間隔は、固有値方程式を関数とみて、κ=0での傾きの符号から決めます。κ=0は束縛状態に数えません。
- 2025年度夏季の大問3(b):摂動項に左からU₀†、右からU₀を掛ける順序を守り、成分ごとに位相を追います。振動数は外場と準位間隔の差(離調)にまとまります。
- 2025年度春季の大問3(e):この大問で計算量が最も多い設問です。交換子を展開し、(b)(c)(d)の結果を代入して整理します。n=1でビリアル定理に、n=0で平均の力が0になる関係に戻るかを確かめると、係数の誤りに気付けます。
統計力学
- 2023年度夏季の大問4(a-3)(b):エントロピーがh/Tだけの関数であることから、断熱過程でh/Tが一定に保たれると説明します。理由まで求める設問です。3スピン環には結合が3本あり、(b-2)はJの正負で支配的な項が入れ替わります。
- 2023年度春季の大問4(a-1)(b-1):大正準集団に移ると粒子数の拘束が外れ、和が1粒子状態ごとの積に分かれます。ボース気体の化学ポテンシャルの上限は最低の1粒子エネルギーで、0と書くと一般の場合に合いません。
- 2024年度夏季の大問4(a)(f):N=2の周期境界条件では同じ結合が2本重なり、相互作用が−2Js₁s₂になります。(f)は、βJ→∞とβh→0の極限をとる順序で磁化の値が変わることを示す設問です。
- 2024年度春季の大問4(b)(ii):空洞の状態密度には、波数空間の第1象限だけを使う因子1/8と、偏光の因子2の両方が入ります。
- 2025年度夏季の大問4(c)(d):粒子は区別できないので、2粒子の状態はj<kの組で数えます。(d)は占有した準位の組を非減少列に置き換え、自然数の分割の数に結び付けます。
- 2025年度春季の大問4(c)(d):リングの辺は格子と同じL本です(直線の鎖ならL−1本)。(d)は与えられた和を、2行2列の行列の積のトレースと読みます。
実験・測定(大問5・6)
- 2023年度夏季の大問5(b)(c):検出器に届く光量を決めるのが穴の立体角か光源の立体角かで、場合が分かれます。(a)の立体角は、小さい角の近似を使わずに答えます。
- 2023年度夏季の大問6と2025年度夏季の大問6(d):計数の統計誤差はポアソン分布の√Nで、独立な量の誤差は二乗和で合成します。2024年度夏季の大問6(a)はA点とB点の差をとるので誤差が√2倍になり、ここを落とすと必要な測定時間を半分に見誤ります。
- 2024年度夏季の大問5(c):注意事項は、実験の遂行や結果の検討に関する2例と、人の安全に関する2例を分けて書きます。
- 2025年度夏季の大問5(c):残差を誤差で割った値やχ²を示して、誤差の見積もりを数値で検討します。自由度は、測定点の数からあてはめたパラメータの数を引いた値です。
- 2025年度夏季の大問6(f):限られた時間を透過測定と直接測定にどう分けるかを、膜厚の誤差が最小になる条件から微分で決めます。
分野別の練習と参考書
- 力学:ラグランジアンを極座標・円筒座標で立て、循環座標から保存量を読む練習をします。微小振動は行列の固有値問題に直し、基準モードと振幅の比まで求めます。ランダウ=リフシッツ『力学』(東京図書)の微小振動とケプラー問題の節が、2023年度の2回と2025年度春季の型に合います。院試Hubの解析力学の基準振動の確認も使えます。
- 電磁気学:球、円筒、トロイダルコイル、多角形の回路など対称性のある配置で、ガウス、アンペール、ビオ・サバールの各法則を使い分けます。ラプラス方程式は、球座標でcosθに比例する解を扱えれば2025年度春季の型に対応できます。要点は電磁気学の院試対策にまとめています。
- 量子力学:1次元の束縛状態(井戸、障壁、デルタ関数)、調和振動子の級数解と生成消滅演算子、縮退のある場合を含む定常状態の摂動、時間に依存する摂動を一通り解きます。猪木慶治・川合光『量子力学I・II』(講談社)などの教科書で確認し、量子力学の院試対策で境界条件の扱いを見直します。
- 統計力学:2準位のスピン系、理想フェルミ・ボース気体、空洞放射の標準問題に加えて、転送行列で1次元の模型を解く練習を入れます。久保亮五編『大学演習 熱学・統計力学』(裳華房)で演習量を確保し、統計力学の基本式で公式を確認します。
- 実験・測定:誤差の伝播、最小二乗法、χ²による検定は、J.R.テイラー『計測における誤差解析入門』(東京化学同人)で一通り確認できます。
無料で読める6問と、解答PDFの使い方
年度別ページでは、各回1問ずつ、計6問の解答と解説を無料で読めます。6問はすべて大問1・2の力学と電磁気学です。
| 実施回 | 無料で読める大問 |
|---|---|
| 2023年度夏季(2022年7月実施) | 大問2:磁気モーメント・磁気回転比・g因子 |
| 2023年度春季(2023年2月実施) | 大問1:減衰と外力を受ける振り子の共鳴 |
| 2024年度夏季(2023年7月実施) | 大問1:棒にはたらく動摩擦力と二糸振り子 |
| 2024年度春季(2024年2月実施) | 大問1:円筒座標での中心力運動とラグランジュ方程式 |
| 2025年度夏季(2024年7月実施) | 大問2:ビオ・サバールの法則から円電流の磁場まで |
| 2025年度春季(2025年2月実施) | 大問1:ケプラー運動のラグランジアンと近星点・遠星点速度 |
解答PDFは、2023年度夏季から2025年度春季までの6回・30問(夏季6問×3回、春季4問×3回)を収録し、実施回ごとにPDFが分かれています。夏季の大問5・6も含みます。問題文は含まないので、物理学専攻のページから問題PDFを開いて並べて使います。収録内容と見本は物理学の解答・解説集、理学研究科の他専攻の商品は立教大学理学研究科のページで確認できます。
使い方の例です。まず1回分を120分で解き、無料の1問で解答の書き方と途中式の細かさを確かめます。残りの大問を解答PDFで照合し、止まった設問を上の分野別の例と見比べます。2026年度の回は大学が解答例を公開しているので、院試Hubの6回を終えた後の仕上げに使えます。2027年度夏季(2026年7月実施)の物理学の問題は、2026年10月28日時点で専攻のページにも大学本体のページにも掲載されていません。
同じ理学研究科の数学専攻と化学専攻の過去問ガイドもあります。公式の問題と2026年度の解答例への入口は、立教大学の過去問ページにまとめています。
途中式と最終答まで読める解説
物理学の収録解説の分野(2023〜2025年度・30項目)
院試hubの収録解説6実施回・30項目の見出しを分野別に数えたものです。設問を分割した項目や、公開資料の制約を説明する項目を含むため、公式問題の大問数や完成答案数とは一致しません。電磁気学・回路が6項目(全体の20%)で最多。電磁気学・回路・量子力学・力学は6実施回すべてに出ています。
| 分野 | 項目数 | 全項目に占める割合 | 直近の連続出題 | 最後に出た回 |
|---|---|---|---|---|
| 電磁気学・回路 | 6 | 20% | 6回連続 | 2025年度 春季(2025年2月実施) |
| 量子力学 | 6 | 20% | 6回連続 | 2025年度 春季(2025年2月実施) |
| 力学 | 6 | 20% | 6回連続 | 2025年度 春季(2025年2月実施) |
| 5 | 17% | — | 2025年度 夏季(2024年7月実施) | |
| 熱・統計力学 | 4 | 13% | — | 2025年度 夏季(2024年7月実施) |
| 数学 | 2 | 7% | 1回連続 | 2025年度 春季(2025年2月実施) |
このほか1項目だけ収録した分野は 微分積分・解析 です。
収録年度と解説項目数
院試hubに収録した6実施回の一覧です。1回あたりの解説見出しは4〜6項目です。2025年度 春季(2025年2月実施)以降の収録分は4項目です。
立教大学 物理学の解答で立てた注意点(236件)
院試hubの解説で、その設問だけに立てた小見出しです(「方針」「検算」のような全問共通の 見出しは除いています)。新しい実施回から並べています。
電磁気学・回路49件
- 2025年度 夏季(2024年7月実施) 第2問 ビオ・サバールの法則から円電流の磁場までこの形が以降で使い回せる理由 / 角度による表現 / 向きの決め方 / 検算:n=3 / \sqrt{b^2+\ell^2}=r の意味 / 近似の速さ
- 2025年度 春季(2025年2月実施) 第2問 一様電場中に置かれた導体球符号 / 基準点の取り方 / φ に依らないこと / cosθ が現れる意味 / 第2項の意味 / 全電荷が 0 であること / 図で押さえるべき点 / 力線の疎密 / 検算:全電荷 / 双極子モーメントとの整合 / 値の意味
- 2024年度 夏季(2023年7月実施) 第2問 トロイダルコイルの磁場・エネルギー・自己インダクタンス1/r 依存 / 1/r の積分 / 別解:磁束から / I が消えること / ab の意味 / ソレノイドとの対応
- 2024年度 春季(2024年2月実施) 第2問 球形コンデンサーの電場・電位・静電容量球殻の影響がないこと / 誘導電荷 / 符号 / 導体内部 / グラフで押さえる点 / 接地の効果 / 極限での確認 / Q が消えること / 別解:場のエネルギー
- 2023年度 夏季(2022年7月実施) 第2問 磁気モーメント・磁気回転比・g 因子ベクトルで書くと / 単磁荷という設定 / 形によらないこと / 向きも含めた表現 / a と ω が消えること / 古典的な値 / 速さによらないこと / 磁気モーメントの影響を無視してよい理由 / g=2 の意味 / g-2 実験の原理
- 2023年度 春季(2023年2月実施) 第2問 電気双極子が作る場と外場から受ける力・トルク符号の意味 / 正電荷は動かないこと / r^-3 依存 / 向きの確認 / なぜ勾配が要るか / 検算:x'=0 の場合 / トルクの向き
量子力学47件
- 2025年度 夏季(2024年7月実施) 第3問 時間依存2準位系と相互作用表示での摂動論ユニタリ性の確認 / Ω の物理的意味 / なぜ定数になるか / 遷移確率 / 摂動論が使える条件
- 2025年度 春季(2025年2月実施) 第3問 非調和振動子とハイパービリアル関係式次元の確認 / 必要な仮定 / ビリアル定理としての読み方 / エネルギーとの関係 / i が現れる理由 / 検算:n=1 / 検算:n=0 / この関係式の使い道
- 2024年度 夏季(2023年7月実施) 第3問 超対称性をもつ調和振動子とスピンの結合系零点エネルギーの相殺 / 縮退の意味 / \hat H≥0 / 具体形での確認 / 基底状態が特別な理由 / 縮退摂動論を使う理由 / 基底状態が動かない意味
- 2024年度 春季(2024年2月実施) 第3問 デルタ関数ポテンシャルの束縛状態符号 / 規格化 / 1 次元の特徴 / 未知数の数え方 / 極限での確認 / 形の言い換え / 物理的な読み方 / Λ>λ の役割 / 符号の確認 / 指数の肩 / 別解の見通し
- 2023年度 夏季(2022年7月実施) 第3問 無限井戸に置かれたデルタ関数障壁規格化の確認 / 偶奇性 / 奇関数が影響を受けない理由 / 2 次以降の補正 / 符号の確認 / (b)との整合 / 偶奇性が保たれること / λ→∞ の物理 / 摂動論が破綻する理由 / 1 次摂動の妥当性の確認
- 2023年度 春季(2023年2月実施) 第3問 半直線上の調和振動子x≤0 の扱い / 偶数項と奇数項が分離すること / 漸化式の使い方 / 全空間の調和振動子との関係 / 微分による積分の作り方 / 積分範囲
力学42件
- 2025年度 夏季(2024年7月実施) 第1問 ロケットの運動方程式とツィオルコフスキーの式符号 / Δ t\ll1 の意味 / よくある誤り / 推力の意味 / ツィオルコフスキーの式 / グラフで押さえる点
- 2025年度 春季(2025年2月実施) 第1問 ケプラー運動のラグランジアンと近星点・遠星点速度符号の確認 / 符号 / θ が現れないこと / 各項の意味 / θ 方程式が保存則になる理由
- 2024年度 夏季(2023年7月実施) 第1問 棒にはたらく動摩擦力と二糸振り子並進との違い / 2つの近似 / 符号の意味 / 2U/θ という形 / 二糸振り子 / m が消えること
- 2024年度 春季(2024年2月実施) 第1問 円筒座標での中心力運動とラグランジュ方程式M を使った表現 / 図との対応 / この設問の位置づけ / 循環座標 / ポテンシャルの形が効くところ / 対称性との対応 / 等速円運動でないときも成り立つこと / 各項の意味 / 3つの方程式の関係 / δ 項の役割 / 軌道への影響
- 2023年度 夏季(2022年7月実施) 第1問 二重振り子の微小振動と基準モード交差項の意味 / φ_1 が2回現れること / 基準の取り方 / 2 次までの近似 / 単振り子との比較 / 行列が対称でない理由
- 2023年度 春季(2023年2月実施) 第1問 減衰と外力を受ける振り子の共鳴振り子として扱える条件 / m が消えること / 減衰定数 / a の次元 / 定常解と過渡解 / 3つの振動数の大小 / (2)式も同時に出ること / 位相の意味
熱・統計力学40件
- 2025年度 夏季(2024年7月実施) 第4問 等間隔準位のフェルミ気体の分配関数ボース粒子との違い / 収束条件 / 高温・低温の極限 / 分子の q の意味 / 物理的な読み方 / 検算:N=2 / 検算:N=1
- 2024年度 春季(2024年2月実施) 第4問 マクスウェル方程式から空洞放射まで意味 / 他式との整合 / \bm{B} との関係 / 自由度 2 の重要性 / 周期境界条件との違い / 磁束密度の条件 / 因子の内訳 / ω が十分大きいという仮定 / L が消えること / プランクの放射則 / 2つの極限 / 零点エネルギーを引く理由
- 2023年度 夏季(2022年7月実施) 第4問 常磁性体の断熱消磁と3スピン環因子分解の根拠 / h=0 の場合 / 極限での確認 / h/T だけの関数であること / 断熱消磁 / 直感的な説明 / 限界 / 1 個だけ向きが違う配置の相互作用エネルギー / フラストレーション / 有限系であること / キュリー・ワイス的な振る舞い
- 2023年度 春季(2023年2月実施) 第4問 理想量子気体の大分配関数と分布関数μ の役割 / 図に書き込むこと / 化学ポテンシャルとフェルミエネルギー / 非相対論との比較 / スピンの因子 / フェルミとの違い / ボース・アインシュタイン凝縮との関係 / 3つの分布の関係 / 正値性 / 光子気体との関係
- 2025年度 夏季(2024年7月実施) 第6問 X線の減衰と統計誤差の最適化指数減衰になる理由 / 図の読み方 / 吸収端の一般的性質 / 増加の理由 / 測定量の組み合わせ / λ の誤差は考えない / どちらが効くか / 要求精度と統計量の関係 / 読み取りの幅 / 結果の読み方 / 改善の度合い / f の意味の確認
- 2024年度 夏季(2023年7月実施) 第5問 熱伝導による緩和と温度測定グラフで示すべき情報 / 時定数の読み方 / 仮定の確認 / 他の候補 / 答案の組み立て / (a)との関係 / 測定条件の一定性
- 2024年度 夏季(2023年7月実施) 第6問 統計誤差の低減と誤差伝播\sqrt2 を落とすとどうなるか / 測定精度の限界 / どの項が効くか / 密度一定の仮定
- 2023年度 夏季(2022年7月実施) 第5問 立体角と輝度の比較測定立体角の定義 / 距離によらないこと / r_i、d_i が答えに現れない理由 / 遠方近似 / (b)との対比 / 設問文の仮定
- 2023年度 夏季(2022年7月実施) 第6問 非対称度の統計誤差符号の消え方 / A の有界性 / 整理の要点 / 検算:極端な場合 / 結果の意味 / 実験計画への使い方 / 1/\sqrt N の普遍性
数学15件
- 2025年度 春季(2025年2月実施) 第4問 リング上のハードコア格子気体と転送行列リングと直線の違い / 母関数の意味 / L≥3 が必要な理由 / x^n/2+n'/2 の意味 / F(1) の意味
- 2024年度 夏季(2023年7月実施) 第4問 1次元イジング模型の転送行列N=2 の特殊性 / 各成分の由来 / なぜ対称にするか / \cosh^2-1=\sinh^2 / 相転移がないこと / 熱力学的な意味 / 具体形 / 極限の順序が効く理由 / 相転移がないことの意味 / 相関長との対応
微分積分・解析7件
- 2025年度 夏季(2024年7月実施) 第5問 片対数プロットによる指数関数のあてはめ誤差棒の描き方 / x=4 の点の特徴 / 求め方の説明 / 重み付き最小二乗との比較 / 有効数字 / 判定の基準 / モデルの妥当性は否定されない
rikkyo-university 公式の過去問の公開年度と公式解答例
- 公式の過去問ページ
- 理学研究科 物理学専攻(博士課程前期課程)
- 公開されている年度
- 専攻ページは2003〜2025年度。2026年度は大学本体の公開先
- 公式の解答例
- 一部の年度・科目で公開
- 英語の扱い
- 専攻の過去問ページは物理学の問題。大学本体の2026年度公開フォルダには英語の問題・解答資料もある。現在の受験条件は志望年度の募集要項で確認。
- 院試hubが最後にリンクを確認した日
- 2026-10-17
- ページの内容
- 公式の呼称は夏季入学試験(7月実施)と春季入学試験(翌年2月実施)で、どちらも同じ入学年度の回次。夏季は全6問、春季は全4問の構成でPDFを掲載。専攻ページ側は問題のみだが、大学本体の過去問題ページでは「2025年度に実施した試験(2026年度入試)から、解答または解答例および出題の意図も公開」されており、理学研究科は物理学・化学・数学・生命理学の4専攻とも2026年度入試分の解答例がGoogleドライブで公開されている。2025年度入試以前の回については解答例は非公開。数学専攻・化学専攻・生命理学専攻も同じ形式の専攻別ページを持つ。
よくある質問
立教大学物理学専攻の院試では、何問を何分で解きますか。
2027年度入試要項では、物理学の筆記は9時〜11時の120分です。2023〜2025年度の問題冊子は大問6問で、理論物理学研究室の志望者は大問1〜4の4問、原子核・放射線物理学研究室か宇宙地球系物理学研究室の志望者は6問から4問を選びました。春季の3回は全員が理論物理学研究室を第1志望としていたため、大問5・6は配られていません。
立教大学物理学専攻の院試に公式の解答はありますか。
物理学専攻の問題ページ(2003〜2025年度)は問題だけです。大学本体の過去問題ページでは、2026年度入試(2025年7月・2026年2月実施)から、解答または解答例と出題の意図をGoogleドライブで公開しています。2025年度以前の回に大学の解答はなく、院試Hubの解答PDFは2023〜2025年度の6回を収録しています。
英語の試験はありますか。辞書は使えますか。
あります。2027年度入試要項では、物理学の後に11時30分〜12時30分の英語があり、英和・和英の語学辞書を使えます。用語辞典と電子辞書は使えません。2025年度春季の英語の問題は、大学本体の過去問題ページに物理学の問題と並んで掲載されています。
次に受けられる入試はいつですか。
2027年4月入学の春季入試です。Web出願は2027年1月12日〜15日(書類のアップロードを含む)、試験は2月24日、合格発表は3月3日です。出願前に志望研究室の教員と面談します(オンライン可)。夏季入試は2026年7月12日に実施済みです。
大問5・6はどんな問題ですか。
実験と測定の問題です。2023年度夏季は立体角を使う輝度の比較と非対称度の統計誤差、2024年度夏季は熱伝導による温度緩和・温度計と、統計誤差の低減・誤差伝播、2025年度夏季は片対数グラフへのあてはめと、X線の減衰を使う膜厚測定でした。原子核・放射線物理学研究室と宇宙地球系物理学研究室の志望者が選べます。
解答PDFに2026年度の問題は入っていますか。
入っていません。収録は2023年度夏季から2025年度春季までの6回・30問です。2026年度の回は、大学が公開している解答例で確認してください。各回1問、計6問の解答は年度別ページで無料で読めます。
立教大学の解答PDF
公式過去問と併用する解答・解説PDFを、立教大学の研究科・科目別に掲載しています。収録年度と価格は各ページで確認できます。
- 立教大学 理学研究科 化学専攻 博士課程前期課程 化学の解答PDF(収録6実施回分)
- 立教大学 理学研究科 数学専攻 数学の解答PDF(収録6実施回分)
- 立教大学 理学研究科 物理学専攻 物理学の解答PDF(収録6実施回分)
立教大学の解答PDF一覧で、立教大学の研究科・専攻・科目をまとめて確認できます。