早稲田大学 基幹理工学研究科 数学応用数理専攻 専門科目 2022年度 院試 過去問 解答例・解説(全12問)
全12問の分野は微分積分・解析4問、代数2問、確率・統計1問です。線形空間・基底、一様収束、ラグランジュの未定乗数法が出ています。解説はすべて、途中式と最終答は大問1問ぶんを公開しています。残りは解答PDFに収録しています。問題本文は含みません。
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第1問 — 微分積分
境界の扱い
級数では が境界であり、そこに対数因子が入ると がさらに境界になる。図示するなら、 の直線上で の半直線だけを収束側に含める。
解答
級数 は のとき収束し、 のとき発散する。これは積分判定法 と比較すればよい。
対数因子を含む級数 は、 で収束、 で発散、 のとき で収束し で発散する。 では と置換した積分判定法で分かる。
したがって収束領域は 全体と、境界直線 上の である。発散領域は および である。
最終答
型では、 または で収束する。
第2問 — 線形代数
階数分解
と書き、 に像の基底を列として入れ、 に座標行列を入れると、列ごとの表示がそのまま階数1行列の和になる。
第3問 — 基礎数理
有限性の使い所
有限集合では個数、有限次元線形空間では次元が保存量である。無限では「一つずらす」操作ができるため、この同値性が壊れる。
第4問 — 代数
固定体と軌道
この問題では「固定される元全体」と「軌道に現れる共役」の二つを対応させるのが要点である。係数が固定体に入る理由は、群が根の集合を置換するからであり、最小多項式の次数は軌道安定化定理の指数 で決まる。Galois 性の判定では、共役を添加して得る中間体が同じかどうかを、Galois 対応で安定化群の一致に翻訳すると見通しがよい。
第5問 — 代数
変数変換で標準形に戻す
を に取り替えると、関係式は という標準的な形になる。この標準形では、 と の偶奇が分かれるため、核に入る剰余が存在しないことを一気に示せる。単に関係式が核に入ることを確認するだけでなく、任意の核の元がその関係式で割り切れることまで書くのが採点上の要点である。
第6問 — 解析
直交性とコンパクト性
正弦関数系では ノルムが係数の二乗和に変わる。コンパクト性は「有限項で切った作用素が有限階数、尾部がノルムで小さい」と示すのが標準的である。
第7問 — 解析
Scheffe 型の議論
点wise 収束だけでは 収束しない。ノルムの極限が一致するという条件が、質量が無限遠や細い集合へ逃げることを防ぐ役割を持つ。
第8問 — 幾何
正則値定理
等式制約で定まる多様体は、勾配が消えないことを示すのが第一歩である。さらに交叉では、複数の勾配が一次独立かどうかを見る。
第9問 — 幾何
リーマン球面の一次分数変換
行列式が であることにより逆行列が存在し、変換も可逆になる。直線と円をまとめて一般化円として扱うと、像の計算が簡単になる。
第10問 — 応用数理基礎
可算性の示し方
開区間には有理数を入れる、ジャンプには正の大きさを割り当てる、という二つの典型手法で可算性を示す。どちらも「無数に大きなものは共存できない」ことを使っている。
第11問 — 確率統計
有名な の問題
一様乱数を足して初めて を超えるまでの個数の期待値は になる。核は、 個足しても 未満である確率が単体の体積 になる点である。
第12問 — 数値解析
残差と誤差
数値線形代数では「残差が小さい」と「解が近い」は同じではない。両者を結ぶ係数が であり、その大きさを含む条件数が悪いと、残差評価だけでは信頼できない。
年度別の解答例(5年度)
微分積分 / 線形代数 / 基礎数学 3A・3B
微分積分 / 線形代数 / 基礎数理 3A・3B
微分積分 / 線形代数 / 基礎数理 3A・3B
微分積分 / 線形代数 / 基礎数理 3A・3B
2022年度(このページ・全12問)
微分積分 / 線形代数 / 基礎数理
2022年度の出題内容
全12問
同じテーマを出した他大学・他年度
3テーマ
2022年度は4問に3テーマが出ています。
| テーマ | この年度 | 全体の出題実績 | 他大学の直近出題 |
|---|---|---|---|
| 線形空間・基底 | 第2・3・6・8問 | 21大学・152問 | |
| 一様収束 | 第6問 | 14大学・63問 | |
| ラグランジュの未定乗数法 | 第8問 | 12大学・33問 |
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