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電気通信大学 院試 過去問 解答例

電通大 情報理工学研究科 専門科目(機械知能システム学) 2024年度 院試 過去問 解答例・解説(全23問)

全23問。力学8問・熱・統計力学3問・制御工学2問。テーマタグは16件(伝達関数・固有値・固有ベクトル・重積分と極座標)。2023年度と共通のテーマは伝達関数・固有値・固有ベクトル・重積分と極座標。

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解説23問と大問1問の途中式・最終答(全23問)
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途中式と最終答(最終答つき23問)
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電通大 専門科目(機械知能システム学) 2024年度 院試 過去問の出題内容(全23問)

この23問の分野は力学8問・熱・統計力学3問・制御工学2問・線形代数2問・電磁気学・回路2問・微分積分・解析2問・数学1問・微分方程式1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問微分方程式極値・重積分・微分方程式二次関数の極値はヘッセ行列で判定する / 領域は上端の切り替わりで分けるあり
第2問線形代数逆行列・線形写像・対角化像は列空間として見る / 対称な行列は固有空間を先に見るあり
第3問段差を上る円板衝突では角運動量保存を使う / 衝突後は点 まわりの回転あり
第4問平行板コンデンサと誘電体誘電体は有効距離を短くする / 電池接続時の力は 1V2dC/dxあり
第5問力学集中荷重を受ける片持ちはり自由端から座標を取る / 集中荷重の位置で式が切り替わるあり
第6問力学並列部材の引張並列部材は伸びが等しい / 荷重分担は軸剛性で決まるあり
第7問力学曲げとねじりの合成応力曲げ応力とねじり応力を別に求める / 主応力はモールの応力円で処理するあり
第8問力学2自由度ばね質量系中間ばねは相対変位で効く / 同位相の仮定で固有値問題になるあり
第9問力学強制振動と伝達力標準形に直す / 伝達力はばね力と減衰力のベクトル和あり
第10問熱・統計力学カルノー熱機関可逆サイクルでは熱量と温度の比がそろう / 比熱比を使わなくてよい理由あり
第11問熱・統計力学定常流タービンタービンではエンタルピー差を見る / 符号は取り出す向きで決めるあり
第12問熱・統計力学オットーサイクル熱の出入りは定積過程だけ / 圧縮比に直すと見通しがよいあり
第13問力学平行平板間の層流完全発達流では速度分布だけを解く / 平均速度の位置は二つあるあり
第14問力学ベンチュリ管圧力差を二通りに表す / 断面積の差は逆二乗で効くあり
第15問力学次元解析指数を指定された量から置く / 二つの代表的な無次元数あり
第16問制御工学安定化フィードバック重力項とばね項をまとめて見る / PD制御は減衰と剛性を追加するあり
第17問制御工学状態空間表現とオブザーバ出力が角度と角速度の線形結合になっている / この符号のオブザーバは LC になるあり
第18問電磁気学・回路一次ローパスフィルタ低周波と高周波の極限で判定するあり
第19問電磁気学・回路RL過渡応答インダクタ電流は瞬時に変わらない / テブナン等価で時定数を出すあり
第20問微分積分・解析差分方程式の伝達関数二つ前の出力だけが戻る / 安定判定は単位円を見るあり
第21問微分積分・解析離散時間フーリエ変換ステップ信号は収束因子で扱う / 時間シフトは指数因子あり
第22問数学複素積分とコーシーの公式一周する点を見ればよい / 正則関数の線積分は原始関数で処理するあり
第23問線形代数正則写像とヤコビ行列式正則写像の面積倍率 / 分数一次変換は境界を追うあり

2024年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は16問に16テーマが出ています。

テーマこの年度全体の出題実績他大学の直近出題
伝達関数第16・18・20問12大学・113問
固有値・固有ベクトル第2・8問25大学・544問
重積分と極座標第1問23大学・142問
剛体の回転運動第3問16大学・103問
フーリエ変換第21問14大学・91問
静電場第4問16大学・81問
はりの曲げ第5問11大学・71問
固有振動数と振動系第9問16大学・71問
正定値行列第1問17大学・70問
二次形式第1問16大学・63問
ラプラス変換第16問12大学・56問
RC回路の過渡応答第19問12大学・44問
境界層第15問8大学・30問
カルノーサイクル第10問9大学・22問
コーシーの積分定理第23問8大学・16問
モールの応力円第7問3大学・3問

前年度(2023年度)との違い

大問数
2023年度 20問 → 2024年度 23問
2023年度のページを見る

第1問 — 必須数学:極値・重積分・微分方程式

二次関数の極値はヘッセ行列で判定する

二変数二次関数では,停留点を求めたあとヘッセ行列の正定値性を見る。今回は正定値なので停留点は大域的な極小点であり,反対に上方向には無限に大きくなるため極大値は存在しない。

領域は上端の切り替わりで分ける

yy の上端は 2x2x と 3−x3-x のうち小さい方で決まる。交点 x=1x=1 を境に積分範囲を分けると,積分領域を正しく表せる。

指数を含む右辺は置換で簡単になる

左辺が (D−2)2(D-2)^2 になっているので,f=e2xuf=e^{2x}u とおくと演算子が u′′u'' に落ちる。定数係数非斉次方程式では,特性根と同じ指数が右辺にある場合,この置換が特に有効である。

解答

  1. 関数 f(x,y)=x2+xy+2y2−4y f(x,y)=x^2+xy+2y^2-4y の勾配は fx=2x+y,fy=x+4y−4 f_x=2x+y,\qquad f_y=x+4y-4 である。停留点は 2x+y=0,x+4y−4=0 2x+y=0,\qquad x+4y-4=0 を解いて x=−47,y=87 x=-\frac{4}{7},\qquad y=\frac{8}{7} である。 ヘッセ行列は H=(2114) H= \begin{pmatrix} 2&1\\ 1&4 \end{pmatrix} であり, 2>0,det⁡H=7>0 2>0,\qquad \det H=7>0 なので正定値である。したがってこの停留点は極小点である。極小値は f(−47,87)=−167 f\left(-\frac{4}{7},\frac{8}{7}\right) = -\frac{16}{7} である。二次形式が正定値なので上に有界ではなく,極大値は存在しない。
  2. 領域は x≤y≤2x,x+y≤3 x\le y\le 2x,\qquad x+y\le3 である。まず x≤2xx\le2x が必要なので x≥0x\ge0 である。また上端は 2x2x と 3−x3-x の小さい方で決まり,交点は 2x=3−x2x=3-x から x=1x=1 である。したがって 0≤x≤1,x≤y≤2x, 0\le x\le1,\quad x\le y\le2x, 1≤x≤32,x≤y≤3−x 1\le x\le\frac{3}{2},\quad x\le y\le3-x に分ける。 よって I=∫01∫x2x(2x−y) dy dx+∫13/2∫x3−x(2x−y) dy dx. I = \int_0^1\int_x^{2x}(2x-y)\,dy\,dx + \int_1^{3/2}\int_x^{3-x}(2x-y)\,dy\,dx. 第1項は ∫01x22 dx=16 \int_0^1\frac{x^2}{2}\,dx=\frac{1}{6} である。第2項は ∫13/2(9x−4x2−92) dx=524 \int_1^{3/2}(9x-4x^2-\frac{9}{2})\,dx = \frac{5}{24} である。したがって I=16+524=38 I=\frac{1}{6}+\frac{5}{24}=\frac{3}{8} を得る。
  3. 微分方程式は f′′(x)−4f′(x)+4f(x)=6xe2x f''(x)-4f'(x)+4f(x)=6xe^{2x} である。左辺は (D−2)2f (D-2)^2f と書ける。そこで f(x)=e2xu(x) f(x)=e^{2x}u(x) とおくと (D−2)2f=e2xu′′(x) (D-2)^2f=e^{2x}u''(x) であるから u′′(x)=6x u''(x)=6x となる。積分して u′(x)=3x2+C1,u(x)=x3+C1x+C2 u'(x)=3x^2+C_1,\qquad u(x)=x^3+C_1x+C_2 である。したがって一般解は f(x)=e2x(x3+C1x+C2) f(x)=e^{2x}(x^3+C_1x+C_2) である。

最終答

極小点は (−47,87) \left(-\frac{4}{7},\frac{8}{7}\right) で,極小値は −167 -\frac{16}{7} である。極大値は存在しない。重積分の値は 38 \frac{3}{8} である。微分方程式の一般解は f(x)=e2x(x3+C1x+C2) f(x)=e^{2x}(x^3+C_1x+C_2) である。

第2問 — 必須数学:逆行列・線形写像・対角化

像は列空間として見る

行列で定まる線形写像の像は,行列の列ベクトルが張る空間である。今回の CC は第1列と第2列が同じなので,列の重複を取り除いて一次独立な列だけを残せば像の基底が得られる。

対称な行列は固有空間を先に見る

対角成分がすべて同じで,非対角成分もすべて同じ行列は,(1,1,1)T(1,1,1)^T 方向と,成分和が0の平面に分けるとすぐに固有値が分かる。この構造を使うと,特性多項式を直接展開するより計算が短い。

必須数学:逆行列・線形写像・対角化の途中式・最終答をPDFで見る

第3問 — 必須物理:段差を上る円板

衝突では角運動量保存を使う

段差の角 PP から受ける衝撃力は大きいが,その作用線は PP を通る。そのため,衝突の瞬間に PP まわりの角運動量を保存量として使える。一方,力学的エネルギーは衝突で失われるので,衝突前後で保存してはいけない。

衝突後は点 PP まわりの回転

衝突直後は円板が点 PP を中心に回り始める。したがって慣性モーメントは重心まわりではなく,平行軸の定理で IP=IG+Mr2 I_P=I_G+Mr^2 とする。ここを IGI_G のままにすると ω1\omega_1 もエネルギーも大きく誤る。

必須物理:段差を上る円板の途中式・最終答をPDFで見る

第4問 — 必須物理:平行板コンデンサと誘電体

誘電体は有効距離を短くする

極板に垂直に誘電体が挿入される場合,真空中の距離 d−td-t と誘電体中の距離 tt が直列に並ぶ。誘電体中では同じ電束密度に対する電場が 1/ε1/\varepsilon になるので,有効距離は d−t+t/εd-t+t/\varepsilon になる。

電池接続時の力は 12V2dC/dx \frac{1}{2}V^2 dC/dx

電位差一定の条件では,電池が電荷を出し入れする。したがって力をエネルギーから出すときは,コンデンサ単体のエネルギーだけでなく電池の仕事も含めた有効ポテンシャルを考える必要がある。結果として,力は 12V2dC/dx \frac{1}{2}V^2 dC/dx で求まる。

傾いた極板は微小並列コンデンサの和

極板間隔が場所で変わるときは,長さ方向に細かく分割し,各微小部分を並列コンデンサとして足し合わせる。積分で対数が出たあと,δ/d\delta/d が小さいことを使って二次まで展開する。

必須物理:平行板コンデンサと誘電体の途中式・最終答をPDFで見る

第5問 — 材料力学:集中荷重を受ける片持ちはり

自由端から座標を取る

このはりは固定端が右にあるので,固定端条件は x=ℓx=\ell で与えられる。自由端から座標を取ると,断面の左側にある荷重だけを数えればよく,せん断力と曲げモーメントを簡単に書ける。

集中荷重の位置で式が切り替わる

x=ℓ/2x=\ell/2 を越えると,断面の左側に2つ目の集中荷重が入る。そのため F(x)F(x) は階段状に,M(x)M(x) は折れ線状に変化する。たわみ曲線は,たわみ角とたわみが荷重点で連続になるように積分定数を決める。

材料力学:集中荷重を受ける片持ちはりの途中式・最終答をPDFで見る

第6問 — 材料力学:並列部材の引張

並列部材は伸びが等しい

2つの部材が剛体板で一体に接続されているため,軸力は等しくないが伸びは等しい。これは電気回路でいえば並列接続の電圧が等しいことに対応する。

荷重分担は軸剛性で決まる

各部材の軸剛性は AiEi/ℓA_iE_i/\ell である。したがって剛性が大きい部材ほど大きな荷重を負担する。応力はさらに断面積で割るため,荷重分担と応力分担を混同しないようにする。

材料力学:並列部材の引張の途中式・最終答をPDFで見る

第7問 — 材料力学:曲げとねじりの合成応力

曲げ応力とねじり応力を別に求める

中実丸棒では σ=32Mπd3,τ=16Tπd3 \sigma=\frac{32M}{\pi d^3},\qquad \tau=\frac{16T}{\pi d^3} が基本式である。曲げは垂直応力,ねじりはせん断応力として同じ表面点に重ね合わせる。

主応力はモールの応力円で処理する

一軸垂直応力とせん断応力の組合せでは,モールの応力円の中心が σ/2\sigma/2,半径が (σ/2)2+τ2 \sqrt{(\sigma/2)^2+\tau^2} になる。最大主応力は中心に半径を足したもの,最大主せん断応力は半径そのものである。

材料力学:曲げとねじりの合成応力の途中式・最終答をPDFで見る

第8問 — 機械力学:2自由度ばね質量系

中間ばねは相対変位で効く

2つの質点をつなぐばねの伸びは x1−x2x_1-x_2 である。壁につながるばねは絶対変位,質点間のばねは相対変位で書く。この区別を間違えると剛性行列の非対角成分の符号が崩れる。

同位相の仮定で固有値問題になる

同じ角振動数・同じ位相で振動すると仮定すると,時間依存部分が共通因子として消え,振幅 X1,X2X_1,X_2 に関する連立一次方程式になる。非自明解の条件が振動数方程式である。

機械力学:2自由度ばね質量系の途中式・最終答をPDFで見る

第9問 — 機械力学:強制振動と伝達力

標準形に直す

強制振動では,まず ωn,ζ,xs \omega_n,\quad \zeta,\quad x_s で標準形に直すと,振幅倍率と位相遅れをそのまま読める。xs=F/kx_s=F/k は静的に同じ力を加えたときの変位であり,動的振幅 AA の基準になる。

伝達力はばね力と減衰力のベクトル和

ばね力は変位と同相,減衰力は速度と同相である。速度は変位より 90∘90^\circ 進むため,伝達力の振幅は単純な和ではなく k2+(cω)2 \sqrt{k^2+(c\omega)^2} を掛けて求める。

機械力学:強制振動と伝達力の途中式・最終答をPDFで見る

第10問 — 熱力学:カルノー熱機関

可逆サイクルでは熱量と温度の比がそろう

カルノーサイクルで最も重要なのは, QHTH=QLTL \frac{Q_H}{T_H}=\frac{Q_L}{T_L} という可逆熱交換の関係である。これを使うと,熱効率も成績係数も一気に求まる。熱機関の細かな構造や作動流体の種類を直接使わない点がカルノーサイクルの特徴である。

比熱比を使わなくてよい理由

断熱線の傾きや体積比を求める問題では比熱比が必要になる。しかし,本問の効率は熱源温度だけで決まる。比熱比が変わると同じ体積比に対する温度変化は変わるが,THT_H と TLT_L の間で動く可逆熱機関として見れば効率は不変である。

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第11問 — 熱力学:定常流タービン

タービンではエンタルピー差を見る

流れを伴う機械では,閉じた系の内部エネルギー差ではなく,流入・流出に伴う押しのけ仕事を含めたエンタルピー差を使う。理想気体では h=cpTh=c_pT なので,圧力が与えられていても,断熱タービンの取り出し仕事は温度差で決まる。

符号は取り出す向きで決める

ここではタービンが外部へ取り出す仕事を正にした。したがって入口温度が出口温度より高い通常のタービンでは T1>T2T_1>T_2 となり,w>0w>0 である。

熱力学:定常流タービンの途中式・最終答をPDFで見る

第12問 — 熱力学:オットーサイクル

熱の出入りは定積過程だけ

オットーサイクルでは断熱過程では熱の出入りがない。したがって効率計算では,定積加熱と定積冷却だけを見ればよい。定積過程では熱量が cvΔTc_v\Delta T で表せるため,温度だけで整理できる。

圧縮比に直すと見通しがよい

入試では (T1,T2,T3,T4)(T_1,T_2,T_3,T_4) の式から圧縮比の式へ変形する流れがよく問われる。断熱関係を使って T4/T3T_4/T_3 を体積比に置き換えるのが要点である。圧縮比が大きいほど 1/rκ−11/r^{\kappa-1} が小さくなり,理想的には効率が上がる。

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第13問 — 流体力学:平行平板間の層流

完全発達流では速度分布だけを解く

完全発達した平行平板間流れでは,速度の xx 方向変化が消え,問題は yy 方向の二階常微分方程式になる。圧力勾配が一定なら,速度分布は放物線になる。

平均速度の位置は二つある

速度分布は中央面 y=h/2y=h/2 に関して対称である。そのため,平均速度と等しい位置も中央面を挟んで二つ現れる。最大速度の位置だけを答えないように注意する。

流体力学:平行平板間の層流の途中式・最終答をPDFで見る

第14問 — 流体力学:ベンチュリ管

圧力差を二通りに表す

ベンチュリ管の吸い上げ問題では,空気流側のベルヌーイ式で得られる圧力低下と,液柱側の静水圧差を等置する。空気と液体で密度が異なるので,ρA\rho_A と ρl\rho_l を混同しないことが重要である。

断面積の差は逆二乗で効く

速度は Q/AQ/A なので,動圧差には 1/A21/A^2 が現れる。直径で表すと d4d^4 が出るため,途中で面積のまま整理してから最後に代入すると計算ミスを減らせる。

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第15問 — 流体力学:次元解析

指数を指定された量から置く

次元解析では,問題文で「UU の指数を 11」「ff の指数を 11」と指定されることがある。この場合,その量を最初から一次で含めて未知指数を解けばよい。

二つの代表的な無次元数

球まわりの粘性流れではレイノルズ数が慣性力と粘性力の比を表す。後流振動を扱うときは,振動の時間尺度 1/f1/f と移流時間 d/Ud/U の比からストローハル数が現れる。

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第16問 — 制御工学:安定化フィードバック

重力項とばね項をまとめて見る

線形化後の係数は (mgl−k)θ(mgl-k)\theta である。ばねが強いと k−mgl>0k-mgl>0 となり,左辺へ移したときに安定な復元項になる。符号を間違えると,安定条件が逆になるので注意する。

PD制御は減衰と剛性を追加する

kDk_D は速度に比例する項なので減衰を増やし,kPk_P は角度偏差に比例する項なので実効的なばね定数を増やす。閉ループの分母 Js2+kDs+k+kP−mgl Js^2+k_Ds+k+k_P-mgl を見れば,安定化の役割が直接読み取れる。

制御工学:安定化フィードバックの途中式・最終答をPDFで見る

第17問 — 制御工学:状態空間表現とオブザーバ

出力が角度と角速度の線形結合になっている

出力が y=θ−θ˙y=\theta-\dot{\theta} なので,出力行列は C=[1 −1]C=[1\ -1] である。角度だけを測る場合の C=[1 0]C=[1\ 0] とは可観測条件が変わるため,問題文の出力をそのまま行列にすることが重要である。

この符号のオブザーバは A+LCA+LC になる

標準形では A−LCA-LC と書くことも多いが,本問は L(Cxˉ−y) L(C\bar{x}-y) という形で与えられている。誤差を e=xˉ−xe=\bar{x}-x と定義すると e˙=(A+LC)e\dot e=(A+LC)e になるので,符号を機械的に確認してから特性多項式を作る。

制御工学:状態空間表現とオブザーバの途中式・最終答をPDFで見る

第18問 — 電気回路:一次ローパスフィルタ

低周波と高周波の極限で判定する

ローパスかどうかは,ω→0\omega\to0 と ω→∞\omega\to\infty の極限を見ると素早く判断できる。インダクタは低周波で短絡,高周波で開放に近づく。キャパシタは低周波で開放,高周波で短絡に近づく。

−3 dB-3\,\mathrm{dB} は振幅が 1/21/\sqrt{2} の点

デシベル表示では 20log⁡10(1/2)=−10log⁡102≃−3 20\log_{10}(1/\sqrt{2}) = -10\log_{10}2 \simeq -3 となる。したがってカットオフは分母の二乗和が 22 になる点として求めればよい。

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第19問 — 電気回路:RL過渡応答

インダクタ電流は瞬時に変わらない

RL過渡応答では,最初に iL(0+)=iL(0−)i_L(0+)=i_L(0-) を置く。閉じた直後はインダクタが開放のように振る舞い,十分時間がたつと短絡のように振る舞う。この二つの極限を確認すると,指数応答の向きが決まる。

テブナン等価で時定数を出す

並列枝を含む回路では,インダクタから見た等価抵抗を使うと時定数がすぐに出る。電源を短絡して R1∥R2R_1\parallel R_2 を取ることがポイントである。

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第20問 — ディジタル信号処理:差分方程式の伝達関数

二つ前の出力だけが戻る

差分方程式に y[n−1]y[n-1] がなく,y[n−2]y[n-2] だけが現れるため,インパルス応答は偶数番目だけに値を持つ。展開式から時間領域の形を直接読める。

安定判定は単位円を見る

離散時間の因果LTIシステムでは,収束領域が単位円を含めばBIBO安定である。極の絶対値がすべて 11 未満であれば,因果系では単位円が収束領域に入る。

ディジタル信号処理:差分方程式の伝達関数の途中式・最終答をPDFで見る

第21問 — ディジタル信号処理:離散時間フーリエ変換

ステップ信号は収束因子で扱う

単位ステップ信号は無限に続くため,そのまま ∑u[n]e−jωn\sum u[n]e^{-j\omega n} と書くと通常の関数としては収束しない。入試答案では,収束因子を入れた極限で表すと安全である。差を取ると δ[n]\delta[n] になり,最終的な X(ω)X(\omega) は普通の関数として 11 になる。

時間シフトは指数因子

離散時間フーリエ変換では,右へ一つ遅らせると e−jωe^{-j\omega} が掛かる。y[n]=δ[n]−δ[n−1]y[n]=\delta[n]-\delta[n-1] は二点だけの信号なので,変換も 1−e−jω1-e^{-j\omega} とすぐに求まる。

ディジタル信号処理:離散時間フーリエ変換の途中式・最終答をPDFで見る

第22問 — 応用数学:複素積分とコーシーの公式

一周する点を見ればよい

∮(z−z0)−1dz\oint (z-z_0)^{-1}dz は,経路が z0z_0 を正の向きに一周していれば 2πi2\pi i である。半径や中心以外の形には依存しない。

正則関数の線積分は原始関数で処理する

2z+12z+1 は全平面で正則なので,経路が曲がっていても積分値は端点だけで決まる。パラメータ aa が答えに出ないのは,曲線の形ではなく始点と終点だけが効いているからである。

応用数学:複素積分とコーシーの公式の途中式・最終答をPDFで見る

第23問 — 応用数学:正則写像とヤコビ行列式

正則写像の面積倍率

正則関数は局所的には回転と拡大縮小として振る舞う。そのため,面積倍率であるヤコビ行列式は,長さ倍率 ∣f′(z)∣|f'(z)| の二乗になる。コーシー・リーマンの関係式を使うと,この事実を直接計算で確認できる。

分数一次変換は境界を追う

分数一次変換は円や直線を円や直線に写す。本問では単位円の内部がどちら側へ写るかを,Im⁡w\operatorname{Im}w の符号で判定すればよい。z=0z=0 が w=iw=i に写ることからも,上半平面側であることが確認できる。

応用数学:正則写像とヤコビ行列式の途中式・最終答をPDFで見る

電通大 専門科目(機械知能システム学) 院試 過去問の収録7年度

  • 2026年度(全23問)

    必須数学:解析と微分方程式 / 必須数学:線形代数と空間図形 / 必須物理:斜面上の転がり運動

  • 2025年度(全25問)

    必須数学:極座標・体積・微分方程式 / 必須数学:行列・階数・固有値 / 必須物理:可動輪軸と2本のひも

  • 2024年度(このページ・全23問)

    必須数学:極値・重積分・微分方程式 / 必須数学:逆行列・線形写像・対角化 / 必須物理:段差を上る円板

  • 2023年度(全20問)

    必須数学:極座標・重積分・微分方程式 / 必須数学:線形写像・連立方程式・対角化 / 必須物理:半円板の転がり振動

  • 2022年度(全23問)

    数学基礎:積分と微分方程式 / 数学基礎:行列 / 物理学基礎:円板の転がり

  • 2021年度(全24問)

    必須数学:偏微分・重積分・微分方程式 / 必須数学:線形代数 / 必須物理:折れた棒の回転運動

  • 2020年度(全24問)

    数学基礎:立体の体積と微分方程式 / 数学基礎:行列の固有値と行列関数 / 物理学基礎:円柱上を転がる輪