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電気通信大学 院試 過去問 解答例

電通大 情報理工学研究科 専門科目(機械知能システム学) 2022年度 院試 解答例・解説

電気通信大学 情報理工学研究科 専門科目(機械知能システム学) 2022年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針・部分点の置き所を解説。全23問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。

最終更新:

設問ごとの解法方針・部分点の置き所を無料で公開しています。

完全な途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。

1 — 数学基礎:積分と微分方程式

変数変換で長方形に直す

条件が x+yx+yxyx-y で与えられているので、この2つをそのまま新変数にするのが最短である。 ヤコビアンが 1/21/2 になる点を落とすと、積分値がちょうど2倍ずれる。

ベルヌーイ型では零解を別に扱う

z=y1z=y^{-1} とおく解法は y0y\ne0 を仮定している。したがって最後に y=0y=0 を確認して戻す必要がある。 これは採点上も差が出やすい。

二階方程式は作用素を見る

左辺は (D1)2y(D-1)^2y である。右辺に exe^x が掛かっているため、y=exuy=e^xu とおくと定数係数方程式が一気に u=cosxu''=\cos x へ落ちる。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

2 — 数学基礎:行列

上三角行列は冪零部分に分ける

QQ は「スカラー行列 aIaI」と「冪零行列 PP」の和である。 この2つは可換なので、通常の二項定理をそのまま使える。

無数の解は係数行列と拡大係数行列の階数を見る

係数行列の行列式が0になるだけでは不十分である。 右辺を含めても同じ一次従属関係が保たれること、つまり rankA=rank(Ab)<3\operatorname{rank}A=\operatorname{rank}(A|b)<3 を確認する必要がある。

対称行列は直交対角化できる

この問題では AA が実対称行列であるため、互いに異なる固有値の固有ベクトルは自動的に直交する。 最後は固有値の大きい順に固有ベクトルを並べればよい。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

3 — 物理学基礎:円板の転がり

転がり条件で自転を消去する

円板中心の並進運動だけでなく、自転の運動エネルギーも必要である。 一様円板では I=12mr2I=\frac12mr^2 なので、全運動エネルギーは 34m(Rr)2θ˙2\frac34m(R-r)^2\dot\theta^2 になる。

摩擦は仕事をしないが力としては残る

静止摩擦は接触点で仕事をしないため、エネルギー保存には直接現れない。 しかし、円板を回転させるトルクを担うので、FtF_t を求めるには回転方程式が必要である。

法線反力は向心加速度から決まる

法線方向は円運動の向心加速度を含む。 初期位置 θ=θ0\theta=\theta_0θ˙=0\dot\theta=0 とすると、式は Fn=mgcosθ0F_n=mg\cos\theta_0 に戻り、静止直後の力のつり合いとも一致する。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

4 — 物理学基礎:電場と磁場

立体角を使うと面積分が一行になる

平板や円盤の電場は、面積要素を逐一積分するより、立体角で整理する方が速い。 とくに軸上の円盤では、見込み立体角 2π(1cosθ)2\pi(1-\cos\theta) を覚えておくと計算量が大きく減る。

電位は符号まで確認する

正電荷をもつ円盤の上側では電場は +z+z 方向である。 したがって Ez=dφ/dzE_z=-d\varphi/dz から、zz\to\infty で0に近づく形を選ぶ。

変位電流は面積比で決まる

極板間の電場を一様とみなすと、半径 rr の円を通る変位電流は全電流の r2/a2r^2/a^2 倍である。 この比を出せば、あとは通常の円周積分と同じである。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

5 — 材料力学:片持ちはりの重ね合わせ

自由端側から切ると式が簡単

片持ちはりでは固定端反力を先に求める方法もあるが、自由端側から断面を切ると、その左側の荷重だけで FFMM が出る。 この問題では M=wx2/2M=wx^2/2 の形になる。

荷重のない区間は曲率が0

CBCB だけに荷重がある場合、ACAC には曲げモーメントがない。 したがって ACAC は曲がらず、点 CC のたわみ角を保ったまま直線的に移動する。

重ね合わせは線形性の利用

たわみの基礎式 EIy=MEIy''=M は線形である。 そのため「全長荷重」から「固定端側半分の荷重」を引くことで、「自由端側半分の荷重」を得られる。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

6 — 材料力学:段付き丸棒のねじり

内部トルクを区間ごとに分ける

段付き軸では、外力モーメントそのものではなく各区間の内部トルクを使う。 この問題では丸棒1が2つのトルクを受け持つため 2T2T、丸棒2は端部の TT だけを受け持つ。

直径が2倍なら極二次モーメントは16倍

丸棒の JJ は直径の4乗に比例する。 このため太い部分のねじれは小さく、全体のねじれ角は細い丸棒1に強く支配される。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

7 — 機械力学:台車と振り子

座標を先に正しく置く

台車と振り子の問題では、おもりの絶対位置に台車変位 xx が加わる。 ここを lsinθl\sin\theta だけで処理してしまうと、連成項 mlx˙θ˙cosθml\dot x\dot\theta\cos\theta が消えてしまう。

角度は鉛直下向き基準

角度の基準が鉛直下向きであるため、重力ポテンシャルは mglcosθ-mgl\cos\theta と書くのが自然である。 この符号を使うと、単振り子の式 lθ¨+gsinθ=0l\ddot\theta+g\sin\theta=0 が極限として現れる。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

8 — 機械力学:基礎励振

基礎励振では相対変位を主変数にする

ばねと減衰器が感じるのは絶対変位ではなく、床に対する相対変位である。 そのため y=xmxBy=x_m-x_B とおくと、右辺に床加速度が現れる標準形になる。

共振点では変位計として使える

k=mω2k=m\omega^2 の条件では、相対変位と床変位が90度ずれた比例関係になる。 この性質を利用すると、相対変位の時間微分から床の変位を再構成できる。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

9 — 熱力学:剛体タンク内の混合

剛体タンクでは総体積が一定

バルブを開いても外部境界は動かないため、系全体の体積は 5.0m35.0\,\mathrm{m^3} のままである。 圧力は「初期質量の合計」と「最終温度」から決まる。

単位は kPa と kJ の組を使う

R=0.29kJ/(kgK)R=0.29\,\mathrm{kJ/(kg\,K)}0.29kPam3/(kgK)0.29\,\mathrm{kPa\,m^3/(kg\,K)} と同じである。 したがって圧力を kPa、体積を m3\mathrm{m^3} で計算すれば、そのまま kg が得られる。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

10 — 熱力学:p-V線図のサイクル

受熱過程と放熱過程を分ける

サイクル効率は 1QL/QH1-Q_L/Q_H である。 この問題では 232\to3 が受熱、313\to1121\to2 が放熱なので、各過程の熱量を符号ではなく大きさとして整理すると間違いにくい。

理想気体では PVPV が温度に比例する

内部エネルギー変化は温度変化に比例し、温度は PVPV に比例する。 したがって P=aVP=aV の直線過程では aV2aV^2 の差だけを追えばよい。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

11 — 熱力学:水動力計

トルクと回転数から仕事率を出す

回転機械では P=TωP=T\omega が基本である。 rpm はそのまま使えないため、必ず ω=2πN/60\omega=2\pi N/60 に直す。

冷却水の流量は質量流量へ直す

熱収支に入るのは m˙cΔT\dot m c\Delta T である。 m3/h\mathrm{m^3/h} のまま計算すると、時間単位と質量単位の両方で誤差が出る。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

12 — 流体力学:半球殻に働く圧力

曲面圧力は投影面積で見る

一様圧力が曲面に作用するとき、ある方向の合力は、その方向に垂直な投影面積に圧力を掛けたものになる。 半球の場合、投影面は半径 RR の円である。

円環積分では成分を忘れない

曲面の微小面積に働く圧力をそのまま足すのではなく、引き離す方向の成分だけを積分する。 その成分が sinθcosθ\sin\theta\cos\theta の形で現れる。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

13 — 流体力学:円管内の層流

力のつり合いから速度勾配を出す

ポアズイユ流れでは、圧力差が流体を押し、粘性せん断応力がそれに抵抗する。 半径 rr の仮想円柱で力をつり合わせると、速度勾配が半径に比例することが分かる。

管壁の速度は0

粘性流体が固体壁に接する場合、壁面での速度は壁の速度と一致する。 ここでは管壁が静止しているので v(R)=0v(R)=0 を境界条件に使う。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

14 — 流体力学:半球容器からの流出

容器形状から断面積を先に出す

半球容器では断面積が一定でない。 高さ hh の断面半径は R2(Rh)2\sqrt{R^2-(R-h)^2} なので、面積は π(2Rhh2)\pi(2Rh-h^2) になる。

流速は水頭で決まる

大気圧変化を無視すれば、穴での流速はトリチェリの公式 v=2ghv=\sqrt{2gh} でよい。 あとは体積保存 A(h)(dh)=SvdtA(h)(-dh)=Sv\,dt を積分するだけである。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

15 — 制御工学:質点ばね系のフィードバック

初期値応答と伝達関数を分ける

前半は初期位置による自由振動、後半は入力から出力への伝達関数である。 同じ質点ばね系でも、ラプラス変換で扱う量が違う点に注意する。

PD制御は減衰項を作る

c2sc_2s の項が閉ループ特性多項式の ss 係数になる。 これが正であるため、二次系として安定性を満たす。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

16 — 制御工学:二質点系の状態方程式

状態変数は変位と速度を並べる

二階の運動方程式を一階の状態方程式にするには、各質点の変位と速度を状態に入れる。 この問題では4次元状態になる。

可制御性は階数で判定する

入力が第1質点にしか入らなくても、ばねを通して第2質点へ作用が伝わる。 そのため可制御性行列の4本の列が一次独立になり、全状態を制御できる。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

17 — 電気回路学:LCR並列共振

並列回路はアドミタンスで処理する

並列共振ではインピーダンスを直接足すより、アドミタンスを足す方が簡単である。 虚部が0になる周波数が共振周波数であり、そのとき入力電流が最小になる。

共振時には枝電流が消えるわけではない

全電流は小さくなるが、キャパシタとインダクタの枝電流はそれぞれ流れている。 それらが逆位相で打ち消し合うため、電源から見た電流だけが小さくなる。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

18 — 電気回路学:LRフィルタ

出力をどの素子から取るかでフィルタ名が変わる

同じ直列 RR-LL 回路でも、抵抗から出力を取れば低域通過、インダクタから出力を取れば高域通過になる。 ここではインダクタ電圧が出力である。

カットオフでは大きさが 1/21/\sqrt2

H=1/2|H|=1/\sqrt2 は電力で半分になる点を表す。 この問題では ωL=R\omega L=R がその条件であり、位相も π/4\pi/4 と読みやすい。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

19 — ディジタル信号処理:差分方程式とZ変換

差分方程式は遅延演算子で因数分解する

この問題では分母が (13z1)(1+z1)(1-3z^{-1})(1+z^{-1}) に分解できる。 ここまで整理できれば、インパルス応答も入力応答も部分分数分解で機械的に出せる。

不安定な極もそのまま応答に現れる

z=3z=3 が単位円外にあるため、インパルス応答には 3n3^n が含まれる。 入力が 4n4^n のため、出力にはさらに 4n4^n の成分も現れる。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

20 — ディジタル信号処理:離散時間フーリエ変換

有限長矩形列はディリクレ核になる

τ-\tau から τ\tau まで左右対称に和を取るため、位相因子は残らず、実数の正弦比になる。

片側指数列には収束条件がある

bnu[n]b^n u[n] のDTFTは等比級数である。 通常の関数として扱うには b<1|b|<1 が必要であり、この条件を書いておくと答案として堅い。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

21 — 応用数学:複素積分と階段関数

指数因子で閉じる半平面を決める

eiaze^{iaz}z=x+iyz=x+iy とすると eiaxaye^{iax-ay} である。 a>0a>0 なら上半平面、a<0a<0 なら下半平面で減衰する。

原点での値は半分

極が実軸に近づく極限では、階段関数の不連続点の値として 1/21/2 が現れる。 これはフーリエ解析でよく出る規約である。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

22 — 応用数学:ベッセル関数の積分表示

単位円上では共役が逆数になる

z=1|z|=1 では z=1/z\overline z=1/z である。 そのため指数関数の z1/zz-1/z は三角関数の sinθ\sin\theta に変換される。

ローラン係数は周回積分で取り出す

係数 Jn(α)J_n(\alpha) はコーシーの積分公式で取り出す。 単位円を z=eiθz=e^{i\theta} とパラメータ表示すれば、ベッセル関数の標準的な積分表示が得られる。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

23 — 応用数学:Joukowski変換

極形式に代入する

Joukowski変換では、円や半直線を z=reiθz=re^{i\theta} と書いて代入するのが最も直接的である。 円では rr が一定、半直線では θ\theta が一定になる。

実部と虚部を分ける

w=u+ivw=u+iv として実部・虚部を読むと、円の像では cost,sint\cos t,\sin t の係数が異なる。 これが楕円の半軸になる。半直線では r+a2/rr+a^2/rra2/rr-a^2/r の差から双曲線の式が出る。

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