東京大学 院試 過去問 解答例
東大 情報理工学系研究科 数理情報学専攻 数理情報学 2022年度 院試 解答例・解説
東京大学 情報理工学系研究科 数理情報学専攻 数理情報学 2022年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全2問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
最終更新:
設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。
続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — 研究計画型レポート
方針
この種のレポートでは、専門用語を多く並べるよりも、研究課題を一つに絞って 「なぜ難しいか」と「どの数理で解くか」を結びつけることが重要である。 この解答では、分布ロバスト最適化、グラフ上の潮流制約、リスク尺度を一つの流れにまとめた。
採点上の注意
評価されやすい答案は、単なる社会課題の説明で終わらない。 少なくとも一つは数式で定式化し、変数、制約、目的関数、不確実性の扱いを明示する必要がある。 また、参考文献を挙げるだけでなく、その文献が背景、既存手法、限界、提案手法のどこに関係するかを 書くと、研究計画として読める。
典型ミス
「機械学習で予測精度を上げる」とだけ書くと、数理情報学の研究としては弱い。 予測誤差が残ったときに意思決定をどう安全に行うか、得られたモデルがどの制約の下で解けるか、 性能をどの指標で検証するかまで書いて初めて、研究課題として成立する。
第2問 — キーワード論述:カーボンニュートラル
方針
キーワード論述では、選んだ語の社会的意義だけを書くと一般論に流れやすい。 この解答では、排出量推定、多目的最適化、電力ネットワーク、政策効果検証という四つの 数理情報学的な柱を立て、それぞれに式を添えている。
数式を使う意味
数式は飾りではなく、何を入力として、何を出力し、どの制約を満たすかを明確にするために使う。 例えば と書けば予算制約が明確になり、 や分散を入れれば、平均性能だけでなく悪いケースを抑える意図が伝わる。
典型ミス
「AIを使う」「ビッグデータで解析する」という表現だけでは、方法論が曖昧である。 推定なら観測モデル、最適化なら目的関数と制約、検証なら比較対象と効果指標を明示する。 また、排出削減だけを最小化すると費用や安定供給を無視した非現実的な答えになりやすいので、 トレードオフを扱う姿勢を示すことが重要である。