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東京大学 院試 過去問 解答例

東大 工学系研究科 化学システム工学専攻 化学システム工学 2026年度 院試 解答例・解説

東京大学 工学系研究科 化学システム工学専攻 化学システム工学 2026年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全5問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。

最終更新:

設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。

続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。

1 — 物理化学1

圧力導出で平均すべき量

壁への到達頻度だけを見ると vx\langle |v_x|\rangle が出てくるが、圧力では衝突ごとの運動量移行量も vxv_x に比例する。 そのため最終的には vx2\langle v_x^2\rangle が現れる。 ここを取り違えると、気体分子運動論の標準結果 PV=(2/3)EPV=(2/3)E に到達できない。

断熱指数の出し方

単原子理想気体の内部エネルギーが E=(3/2)nRT=(3/2)PVE=(3/2)nRT=(3/2)PV であることを使う。 熱の出入りがないので dE=PdVdE=-P\,dV であり、これだけで PV5/3=const.PV^{5/3}=\mathrm{const.} が出る。 壁の速度を用いる小問は、この微分形を時間変化として読ませるための設定である。

ビリアル係数の符号

第2ビリアル係数が正なら排除体積効果が優勢、負なら引力が優勢である。 今回の近似では、硬い芯の寄与が正、長距離引力の寄与が負である。 Xe は ε/kB\varepsilon/k_{\mathrm B}σ\sigma がどちらも大きいため、Ar より強く負になり、凝縮に近い挙動を示しやすい。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

2 — 物理化学2

ボーア模型で消去する変数

角運動量量子化から vvrrnn で表し、力のつり合いに代入するのが最短である。 エネルギーは、力のつり合いから運動エネルギーがクーロン位置エネルギーの半分の大きさになることを使うと、符号を間違えにくい。

第二イオン化エネルギーの見方

第二イオン化エネルギーは中性原子からではなく、一価陽イオンからさらに電子を取る過程である。 Na が最大になるのは、Na+\mathrm{Na^+} が閉殻であるためで、単に周期表で右にあるからではない。

回転スペクトルの間隔

剛体回転子ではピーク位置そのものは J+1J+1 に比例し、隣接ピークの間隔が一定になる。 問題で「間隔」が与えられているときは、直接 h/(4π2I)h/(4\pi^2I) と等置すればよい。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

3 — 無機化学

無機化学の小問集合の処理

このタイプの問題は、数値計算よりも「根拠を短く正確に出す」ことが重要である。 イオン半径なら周期表上の位置、格子エンタルピーなら Born--Haber サイクル、錯体なら内圏・外圏と配位子場、Ellingham 図なら線の上下関係、というように判断軸を先に固定すると答案がぶれにくい。

沈殿量問題の定石

硝酸銀で沈殿するのは外圏の Cl\mathrm{Cl^-} であり、配位して内圏に入っている塩化物はすぐには AgCl として沈殿しない。 Werner 型錯体の古典的な判別問題なので、組成式を配位式に直してから数える。

Ellingham 図

還元反応の自発性は、酸素を奪う金属がより安定な酸化物を作るかどうかで決まる。 図の読み取り問題では、反応式そのものを覚えるより、酸化物生成線の上下差が反応自由エネルギーになることを明示する方が採点上強い。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

4 — 化学工学1

半分のサーバーと半分の流路をとる理由

図の1つの油流路は、両側のサーバー面から熱を受ける。 片側だけを切り出すと、サーバーは幅 Ws/2W_s/2、流路は幅 WL/2W_L/2 の対応になる。 この切り方をすると、熱流束 qq を片面あたりで扱えるので、式の係数 1/21/2 がそろう。

最大温度を決める支配項

今回の数値では冷却油のバルク温度上昇は約 0.38K0.38\,\mathrm K と小さい。 一方で q/hq/h は約 37K37\,\mathrm K である。 したがって最大温度は、槽全体の熱収支よりもサーバー表面の境膜熱抵抗に強く支配されている。 答案ではこの大小関係を確認しておくと、流速を上げたときの温度低下の説明が明確になる。

相関式を使うときの注意

Nu=0.023Re0.8Pr0.4Nu=0.023Re^{0.8}Pr^{0.4} は強制対流の経験式であり、ここでは問題文が使用を指定している。 ただし実機設計では、流路入口効果、乱流遷移、サーバー配置、油の温度依存性、電気絶縁油の安全余裕を別途確認する必要がある。 入試答案では、まず無次元数を正しく作り、そこから h=NuκL/Dhh=Nu\,\kappa_L/D_h に戻す流れを外さないことが重要である。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

5 — 化学工学2

図読みに幅がある問題

この種の問題では、数字そのものよりも、液相線と気相線を同じ温度で水平に結び、てこの規則を正しく使えるかが採点の中心である。 読み取り値が少しずれても、物質収支式と平衡関係が整合していれば大きな減点にはなりにくい。

フラッシュと連続蒸留の違い

フラッシュ蒸留は1回の平衡分離なので、到達できる組成は平衡線上の1点で決まる。 一方、連続多段蒸留は平衡段を重ねるため、操作線と平衡線の階段作図で段数を読む。 ただし共沸点では x=yx=y となり、単純な二成分蒸留では組成をそれ以上押し上げられない。

第三成分の役割

抽出蒸留と共沸蒸留は、どちらも第三成分で見かけの気液平衡を変える方法である。 高沸点溶媒を使う抽出蒸留では、溶媒が塔内に残って相対揮発度を変える。 共沸剤を使う共沸蒸留では、低沸点の新しい共沸混合物を作り、水を塔頂側へ運び出す。 塔底に残る主成分が両者で逆になる点は、記述問題で差がつく。

続きの解答(途中式・最終答)はPDFに収録

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