大阪公立大学 院試 過去問 解答例
大阪公立大 理学研究科 数学専攻 数学 2025年度2次募集 院試 解答例・解説
大阪公立大学 理学研究科 数学専攻 数学 2025年度2次募集の院試 過去問について、設問ごとの解法方針・部分点の置き所を解説。全4問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
最終更新:
設問ごとの解法方針・部分点の置き所を無料で公開しています。
完全な途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — 固有値と補間多項式
方針
線形代数の前半は、重複固有値 の固有空間の次元だけが本質である。特性多項式を出したあと、 の固有空間を と に分けて調べればよい。
典型ミス
固有値がすべて実数であることと対角化可能性は別である。今回のように固有値 が重複している場合、固有空間の次元が2になるかを必ず確認する。
補間の見方
後半は Vandermonde 行列と剰余計算である。 が相異なるとき、3点での値は2次以下の多項式を一意に決める。 の式は、各成分 が同じ3次方程式を満たすことから同時に得られる。
第2問 — 広義積分と近似単位
方針
前半の広義積分は極座標で特異性が消える形になっている。原点での と面積要素の 、さらに がちょうど釣り合う。
経路極限の注意
は と見れば扱いやすい。直線的に近づくと だが、 のように近づくと が非零定数になる。
試験で書くべき点
近似単位の証明では、中心部を一様連続性で抑え、裾を有界性と質量集中で抑える。この2分割を明示すれば、各点収束ではなく一様収束であることがはっきりする。
第3問 — コンパクト集合で判定する閉集合
方針
これは「コンパクト集合との交わりで閉性を判定する」問題である。局所コンパクト Hausdorff 空間では、各点の近くにコンパクト近傍があるため、局所的な閉性から通常の閉性を復元できる。
閉写像の証明
閉写像性では、閉集合 の像 を直接追うよりも、任意のコンパクト との交わり を見るのが自然である。仮定がちょうどここで使われ、右辺がコンパクト像になる。
典型ミス
コンパクト集合が閉であるためには Hausdorff 性が必要である。最後の段階で「コンパクトだから閉」と書く場合は、 が Hausdorff であることを一言添えると答案が正確になる。
第4問 — 確率収束と有界変換
方針
確率収束の代数演算は、集合の包含関係と確率の劣加法性で処理する。三角不等式を確率事象の包含に翻訳するのが基本である。
有界変換の意味
は大きな値を 未満に押し込む有界な関数であり、原点付近では と同程度に小さい。このため、期待値の収束と確率収束を橋渡しできる。
典型ミス
と同じだと思ってはいけない。ここで使うのは有界な変換の期待値であり、可積分性の強い仮定を置かなくても議論できる点が重要である。