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大阪公立大学 院試 過去問 解答例

大阪公立大 理学研究科 数学専攻 数学 2025年度2次募集 院試 過去問 解答例・解説(全4問)

全4問。位相・幾何1問・確率・統計1問・線形代数1問。テーマタグは2件(固有値・固有ベクトル・一様収束)。2024年度春入学と共通のテーマは固有値・固有ベクトル・一様収束。

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収録6年度分の解答PDF:大阪公立大学 理学研究科 数学専攻 数学(¥3,200・紙面見本あり)

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解説4問と大問1問の途中式・最終答(全4問)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき4問)
問題本文
非収録

大阪公立大 数学 2025年度2次募集 院試 過去問の出題内容(全4問)

この4問の分野は位相・幾何1問・確率・統計1問・線形代数1問・微分積分・解析1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問線形代数固有値と補間多項式補間の見方あり
第2問微分積分・解析広義積分と近似単位経路極限の注意 / 試験で書くべき点あり
第3問位相・幾何コンパクト集合で判定する閉集合閉写像の証明あり
第4問確率・統計確率収束と有界変換有界変換の意味あり

この年度の解説には典型ミス3件が付いています。

2025年度2次募集の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は2問に2テーマが出ています。

前年度(2024年度春入学)との違い

大問数
2024年度春入学 20問 → 2025年度2次募集 4問
両年度に出たテーマ
固有値・固有ベクトル・一様収束
2024年度春入学のページを見る

第1問 — 固有値と補間多項式

方針

線形代数の前半は、重複固有値 11 の固有空間の次元だけが本質である。特性多項式を出したあと、λ=1\lambda=1 の固有空間を c=0c=0 と c≠0c\ne0 に分けて調べればよい。

典型ミス

固有値がすべて実数であることと対角化可能性は別である。今回のように固有値 11 が重複している場合、固有空間の次元が2になるかを必ず確認する。

補間の見方

後半は Vandermonde 行列と剰余計算である。a,b,ca,b,c が相異なるとき、3点での値は2次以下の多項式を一意に決める。v3,v4v_3,v_4 の式は、各成分 a,b,ca,b,c が同じ3次方程式を満たすことから同時に得られる。

解答

前半の行列を A=(121c−1−1−2c−20) A= \begin{pmatrix} 1&2&1\\ c&-1&-1\\ -2c&-2&0 \end{pmatrix} とおく。特性多項式を計算すると det⁡(λI−A)=(λ−1)2(λ+2) \det(\lambda I-A)=(\lambda-1)^2(\lambda+2) である。したがって固有値は 1(重複度 2),−2(重複度 1) 1\quad(\text{重複度 }2),\qquad -2\quad(\text{重複度 }1) である。

λ=1\lambda=1 に対しては (A−I)x=0⟺2x2+x3=0,cx1=0 (A-I)x=0 \quad\Longleftrightarrow\quad 2x_2+x_3=0,\qquad c x_1=0 となる。よって c≠0c\ne0 なら固有空間は E1=span⁡{(0,1,−2)T} E_1=\operatorname{span}\{(0,1,-2)^T\} の1次元であり、代数的重複度2に足りないから対角化できない。

c=0c=0 なら E1=span⁡{(1,0,0)T, (0,1,−2)T} E_1=\operatorname{span}\{(1,0,0)^T,\,(0,1,-2)^T\} である。また λ=−2\lambda=-2 の固有ベクトルとして (−1,1,1)T (-1,1,1)^T を取れる。したがって c=0c=0 のときだけ対角化可能で、例えば P=(10−10110−21) P= \begin{pmatrix} 1&0&-1\\ 0&1&1\\ 0&-2&1 \end{pmatrix} とすれば P−1AP=diag⁡(1,1,−2) P^{-1}AP=\operatorname{diag}(1,1,-2) である。

後半では vk=(ak,bk,ck)T v_k=(a^k,b^k,c^k)^T と読む。v0,v1,v2v_0,v_1,v_2 を列にもつ行列は (1aa21bb21cc2) \begin{pmatrix} 1&a&a^2\\ 1&b&b^2\\ 1&c&c^2 \end{pmatrix} であり、その行列式は (b−a)(c−a)(c−b) (b-a)(c-a)(c-b) である。したがって一次独立であるための必要十分条件は a,b,c が相異なること a,b,c \text{ が相異なること} である。

この条件のもとで、任意の α,β,γ\alpha,\beta,\gamma に対し f(a)=α,f(b)=β,f(c)=γ f(a)=\alpha,\qquad f(b)=\beta,\qquad f(c)=\gamma を満たす2次以下の多項式 ff は一意に存在する。実際、差があれば3点 a,b,ca,b,c を根にもつ2次以下の多項式になり、零多項式しかない。存在はラグランジュ補間 f(t)=α(t−b)(t−c)(a−b)(a−c)+β(t−a)(t−c)(b−a)(b−c)+γ(t−a)(t−b)(c−a)(c−b) f(t)= \alpha\frac{(t-b)(t-c)}{(a-b)(a-c)} +\beta\frac{(t-a)(t-c)}{(b-a)(b-c)} +\gamma\frac{(t-a)(t-b)}{(c-a)(c-b)} で与えられる。

s1=a+b+c,s2=ab+bc+ca,s3=abc s_1=a+b+c,\qquad s_2=ab+bc+ca,\qquad s_3=abc とおくと、各 r=a,b,cr=a,b,c は r3−s1r2+s2r−s3=0 r^3-s_1r^2+s_2r-s_3=0 を満たす。したがって v3=s3v0−s2v1+s1v2. v_3=s_3v_0-s_2v_1+s_1v_2. さらに r4=s1r3−s2r2+s3rr^4=s_1r^3-s_2r^2+s_3r と上の式を代入して r4=s1s3+(s3−s1s2)r+(s12−s2)r2 r^4=s_1s_3+(s_3-s_1s_2)r+(s_1^2-s_2)r^2 を得るので、 v4=s1s3v0+(s3−s1s2)v1+(s12−s2)v2. v_4=s_1s_3v_0+(s_3-s_1s_2)v_1+(s_1^2-s_2)v_2.

最終答

AA は c=0c=0 のときだけ対角化可能。補間側の条件は a,b,ca,b,c が相異なること。v3=s3v0−s2v1+s1v2v_3=s_3v_0-s_2v_1+s_1v_2, v4=s1s3v0+(s3−s1s2)v1+(s12−s2)v2v_4=s_1s_3v_0+(s_3-s_1s_2)v_1+(s_1^2-s_2)v_2。

第2問 — 広義積分と近似単位

方針

前半の広義積分は極座標で特異性が消える形になっている。原点での r−2r^{-2} と面積要素の rr、さらに ∣y∣=r∣sin⁡θ∣|y|=r|\sin\theta| がちょうど釣り合う。

経路極限の注意

xyx^y は exp⁡(ylog⁡x)\exp(y\log x) と見れば扱いやすい。直線的に近づくと ylog⁡x→0y\log x\to0 だが、x=e−1/yx=e^{-1/y} のように近づくと ylog⁡xy\log x が非零定数になる。

試験で書くべき点

近似単位の証明では、中心部を一様連続性で抑え、裾を有界性と質量集中で抑える。この2分割を明示すれば、各点収束ではなく一様収束であることがはっきりする。

広義積分と近似単位の途中式・最終答をPDFで見る

第3問 — コンパクト集合で判定する閉集合

方針

これは「コンパクト集合との交わりで閉性を判定する」問題である。局所コンパクト Hausdorff 空間では、各点の近くにコンパクト近傍があるため、局所的な閉性から通常の閉性を復元できる。

閉写像の証明

閉写像性では、閉集合 CC の像 f(C)f(C) を直接追うよりも、任意のコンパクト K⊂XK\subset X との交わり K∩f(C)=f(C∩f−1(K)) K\cap f(C)=f(C\cap f^{-1}(K)) を見るのが自然である。仮定がちょうどここで使われ、右辺がコンパクト像になる。

典型ミス

コンパクト集合が閉であるためには Hausdorff 性が必要である。最後の段階で「コンパクトだから閉」と書く場合は、KK が Hausdorff であることを一言添えると答案が正確になる。

コンパクト集合で判定する閉集合の途中式・最終答をPDFで見る

第4問 — 確率収束と有界変換

方針

確率収束の代数演算は、集合の包含関係と確率の劣加法性で処理する。三角不等式を確率事象の包含に翻訳するのが基本である。

有界変換の意味

∣x∣/(1+∣x∣)|x|/(1+|x|) は大きな値を 11 未満に押し込む有界な関数であり、原点付近では ∣x∣|x| と同程度に小さい。このため、期待値の収束と確率収束を橋渡しできる。

典型ミス

E∣Xn∣→0E|X_n|\to0 と同じだと思ってはいけない。ここで使うのは有界な変換の期待値であり、可積分性の強い仮定を置かなくても議論できる点が重要である。

確率収束と有界変換の途中式・最終答をPDFで見る

大阪公立大 数学 院試 過去問の収録6年度