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大阪公立大学 院試 過去問 解答例

大阪公立大 理学研究科 数学専攻 数学 2024年度2次募集 院試 過去問 解答例・解説(全4問)

全4問。位相・幾何1問・線形代数1問・微分積分・解析1問。テーマタグは5件(固有値・固有ベクトル・線形空間・基底・重積分と極座標)。

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収録6年度分の解答PDF:大阪公立大学 理学研究科 数学専攻 数学(¥3,200・紙面見本あり)

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解説4問と大問1問の途中式・最終答(全4問)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき4問)
問題本文
非収録

大阪公立大 数学 2024年度2次募集 院試 過去問の出題内容(全4問)

この4問の分野は位相・幾何1問・線形代数1問・微分積分・解析1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問線形代数階数1摂動と外積対角化判定 / 外積の見方あり
第2問微分積分・解析変数変換と極座標微分極座標の計算あり
第3問位相・幾何一点コンパクト化コンパクト性の核心 / 試験で書くべき点あり
第4問—幾何分布と無記憶性無記憶性の特徴付けあり

この年度の解説には典型ミス2件が付いています。

2024年度2次募集の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は2問に5テーマが出ています。

第1問 — 階数1摂動と外積

方針

λI+atb\lambda I+a{}^tb は階数1摂動である。bb に直交する平面では摂動項が消えるため、λ\lambda の固有空間がすぐに見える。

対角化判定

tba≠0{}^tba\ne0 なら2次元平面 b⊥b^\perp と直線 Ra\mathbb Ra が固有空間の直和を作る。tba=0{}^tba=0 では階数1の冪零部分が残るため、固有値が1つしかない非スカラー行列になり対角化できない。

外積の見方

外積は「任意の xx に対して (a×b,x)=det⁡(a,b,x)(a\times b,x)=\det(a,b,x)」で特徴付けると、余因子行列との関係を内積の等式として処理できる。

解答

まず a=b=(1,1,1)Ta=b=(1,1,1)^T の場合を考える。このとき A=λI3+(111111111) A=\lambda I_3+ \begin{pmatrix} 1&1&1\\1&1&1\\1&1&1 \end{pmatrix} である。正規直交基底として u1=13(1,1,1)T,u2=12(1,−1,0)T,u3=16(1,1,−2)T u_1=\frac1{\sqrt3}(1,1,1)^T,\quad u_2=\frac1{\sqrt2}(1,-1,0)^T,\quad u_3=\frac1{\sqrt6}(1,1,-2)^T を取ると、u1u_1 は固有値 λ+3\lambda+3、u2,u3u_2,u_3 は固有値 λ\lambda の固有ベクトルである。したがって P=(u1 u2 u3) P=(u_1\ u_2\ u_3) とおけば tPAP=diag⁡(λ+3,λ,λ). {}^tPAP=\operatorname{diag}(\lambda+3,\lambda,\lambda).

一般の a,b≠0a,b\ne0 について A=λI3+a tb A=\lambda I_3+a\,{}^tb と書ける。xx に対して Ax=λx+a(tbx) Ax=\lambda x+a({}^tbx) である。まず x∈b⊥x\in b^\perp なら tbx=0{}^tbx=0 だから Ax=λxAx=\lambda x である。したがって λ\lambda は少なくとも2次元の固有空間 b⊥b^\perp をもつ。

また Aa=(λ+tba)a Aa=(\lambda+{}^tba)a であるから、もう一つの固有値は λ+tba \lambda+{}^tba である。よって固有値は λ(代数的重複度 2),λ+tba \lambda\quad(\text{代数的重複度 }2),\qquad \lambda+{}^tba である。ただし tba=0{}^tba=0 のときは固有値は λ\lambda のみである。

tba≠0{}^tba\ne0 なら、a∉b⊥a\notin b^\perp なので R3=b⊥⊕Ra \mathbb R^3=b^\perp\oplus \mathbb R a となり、AA は対角化可能である。tba=0{}^tba=0 なら A−λI3=a tb A-\lambda I_3=a\,{}^tb は零でない階数1行列で、(A−λI3)2=a(tba)tb=0(A-\lambda I_3)^2=a({}^tba){}^tb=0 である。したがって A≠λIA\ne\lambda I かつ冪零部分が残るので対角化できない。よって対角化不可能であるための必要十分条件は tba=0, {}^tba=0, すなわち aa と bb が直交することである。

次に外積の主張を示す。標準内積を ( , )(\ ,\ ) とする。すべての yy に対して (x,y)=(z,y)(x,y)=(z,y) なら、y=x−zy=x-z と取って ∥x−z∥2=0 \|x-z\|^2=0 となるから x=zx=z である。

また fa,b(x)=det⁡(a,b,x) f_{a,b}(x)=\det(a,b,x) は xx について線形であり、標準的な外積の性質から det⁡(a,b,x)=(a×b,x) \det(a,b,x)=(a\times b,x) である。前段の非退化性により、この条件を満たす cc は c=a×b c=a\times b に限る。

AA を正則行列、A~\widetilde A を余因子行列とする。任意の xx について、行列式の変換公式から fAa,Ab(x)=det⁡(Aa,Ab,x)=(tA~(a×b),x) f_{Aa,Ab}(x)=\det(Aa,Ab,x)=({}^t\widetilde A(a\times b),x) が成り立つ。一方、外積の特徴付けより fAa,Ab(x)=(Aa×Ab,x) f_{Aa,Ab}(x)=(Aa\times Ab,x) でもある。任意の xx に対して内積が等しいので、 Aa×Ab=tA~(a×b) Aa\times Ab={}^t\widetilde A(a\times b) を得る。

最終答

tPAP=diag⁡(λ+3,λ,λ){}^tPAP=\operatorname{diag}(\lambda+3,\lambda,\lambda) となる直交行列 PP を上のように取れる。一般に固有値は λ,λ,λ+tba\lambda,\lambda,\lambda+{}^tba で、対角化不可能条件は tba=0{}^tba=0。また Aa×Ab=tA~(a×b)Aa\times Ab={}^t\widetilde A(a\times b)。

第2問 — 変数変換と極座標微分

方針

積分では分母が x+2yx+2y、分子が x−2yx-2y の形なので、この2つをそのまま新変数にするのが最短である。領域も三角形から単純な帯状領域に変わる。

極座標の計算

勾配の式は、半径方向成分と角方向成分が直交することを表している。ラプラシアンは暗記してもよいが、試験答案では gr,gθg_r,g_\theta の式を先に書くと説得力がある。

典型ミス

点収束と一様収束の違いを積分で問う典型問題である。幅が 1/n1/n、高さが nn の三角形スパイクを使うと、点ごとには消えるが面積だけが残る。

変数変換と極座標微分の途中式・最終答をPDFで見る

第3問 — 一点コンパクト化

方針

これは一点コンパクト化の標準定理である。無限遠点 ∞\infty の近傍は「コンパクト閉集合の外側」である、という定義を常に使う。

コンパクト性の核心

任意の開被覆で ∞\infty を含む開集合を一つ選ぶと、その開集合は XX のコンパクト部分以外を一気に覆う。残ったコンパクト部分だけを有限個で覆えばよい。

試験で書くべき点

Hausdorff 性と局所コンパクト性の同値部分では、xx と ∞\infty の分離を使う。ここで得られる xx の近傍がコンパクト集合に含まれることを明記するのが採点上重要である。

一点コンパクト化の途中式・最終答をPDFで見る

第4問 — 幾何分布と無記憶性

方針

この幾何分布は「1回目の成功が出る時刻」を表す型で、台は 1,2,…1,2,\dots である。したがって尾確率が pxp^x になることを最初に押さえると、無記憶性も期待値計算も簡単になる。

無記憶性の特徴付け

無記憶性は尾確率の乗法性 qm+n=qmqnq_{m+n}=q_mq_n に直すと一気に解ける。自然数上なので、qn=q1nq_n=q_1^n が帰納法で出る。

典型ミス

台が 0,1,2,…0,1,2,\dots の幾何分布と混同しないこと。この問題では P(X=x)=(1−p)px−1P(X=x)=(1-p)p^{x-1} なので、期待値と分散は 1/(1−p)1/(1-p)、p/(1−p)2p/(1-p)^2 になる。

幾何分布と無記憶性の途中式・最終答をPDFで見る

大阪公立大 数学 院試 過去問の収録6年度