東京大学 院試 過去問 解答例
東大 工学系研究科 社会基盤学専攻 専門科目 2023年度 院試 解答例・解説
東京大学 工学系研究科 社会基盤学専攻 専門科目 2023年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全6問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
最終更新:
設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。
続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — 構造・設計(梁のたわみと履歴減衰)
採点上の要点
梁問題は、境界条件を満たす変位関数を選び、曲げエネルギーと外力仕事で極小化する流れが書けていれば部分点を積み上げやすい。 回転ばねでは固定端傾きが 0 ではなく未知量になるため、ばねエネルギーを追加することが答案の分岐点である。
典型ミス
履歴型ダンパの散逸を粘性ダンパと同じように最初から時間積分だけで処理すると、周波数依存性の違いが見えにくい。 まずループ面積で を求め、それを粘性ダンパの1周期散逸と等置するのが最短である。
第2問 — 材料・地盤(RC材料と圧密・土質試験)
RC計算の読み方
終局曲げは、平面保持、圧縮ブロック、鉄筋降伏判定、力の釣合い、モーメントの順に処理する。 圧縮鉄筋がある場合は であり、圧縮鉄筋力を二重に数えないことが重要である。
地盤問題の要点
全応力は土の単位体積重量の積み上げ、間隙水圧は水頭差、有効応力は差し引きで求める。 間隙比は有効応力の履歴に依存するため、降伏応力を超えた状態だけ処女圧縮線に切り替える。
第3問 — 水圏工学(堰越流と開水路乱流)
堰問題の見通し
越流量式は Bernoulli 式と限界流の組合せで出す。 実務式に流量係数が入るのは、静水圧・一様流速・損失無視という理想化が堰頂上では完全には成立しないためである。
乱流問題の見通し
分子粘性だけなら放物線、乱流混合を入れると対数分布になる。 この違いを「応力を何が運ぶか」という言葉で説明できると、式の導出と物理的解釈がつながる。
第4問 — 交通・空間情報(交通流・最適化・GIS/AI)
交通流図の注意
三角形 FD は「自由流の正の傾き」と「渋滞波の負の傾き」を最大交通流率でつなぐ。 臨界密度と渋滞密度を先に数値化すると、図も式も迷いにくい。
空間情報問題の注意
GPS、タイル、トリップ化、CNN は暗記だけでなく、データがどこで小さくなり、どこで誤差や負荷が生じるかを説明する。 CNN では畳み込み層より全結合層のパラメータが圧倒的に多い点が検算になる。
第5問 — 都市・景観(鉄道史と景観評価)
答案の組み立て
都市史は「誰が、何の制約の下で、何を接続したかったか」を書くと論点が整理される。 景観論は抽象論で終わらせず、視点、視対象、移動経路、距離、角度という操作可能な要素に落とすと答案として強い。
第6問 — 国際プロジェクト・マネジメント(契約と開発評価)
契約問題の採点観点
「総価請負は悪い」と書くのではなく、固定価格の利点を認めた上で、制御不能リスクをどう調整するかを書く。 リスク配分は公平性ではなく、予防・監視・吸収を最も効率的にできる主体へ置くという考え方が軸になる。
開発評価の採点観点
夜間光は万能な貧困指標ではない。 観測しやすさ、比較可能性、空間解像度という長所と、飽和・電化以外の光・センサー差という弱点を同時に書くと、実務的な答案になる。