東北大学 院試 過去問 解答例
東北大 理学研究科 地学専攻 専門科目 2023年度 院試 解答例・解説
東北大学 理学研究科 地学専攻 専門科目 2023年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全5問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
最終更新:
設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。
続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — 共通問題
方針
共通問題では、地質現象を「場、流体、反応、沈殿物」に分けて考える。鉱床なら、金属を運ぶ熱水と、それを沈殿させる化学条件変化が中心である。
検算
黒鉱鉱床は単なる火山灰層ではない。硫化物鉱物を主体とする熱水性鉱床であり、火山活動は熱源・構造場として効く。
典型ミス
流紋岩質と玄武岩質の違いを色だけで答えない。 量、粘性、噴火様式、熱水系との関係まで書く。
試験で書くべきポイント
年代測定を述べるときは、半減期と閉鎖系を必ず入れる。鉱床形成を述べるときは、金属の供給、移動、沈殿の三段階を入れる。
第2問 — 問題A
方針
地質図問題は、露頭関係を時間順に並べる問題である。観察される切り合い関係から相対年代を決め、必要なら放射年代で数値化する。
検算
接触変成を受けた岩石は、変成を与えた貫入岩より古い。断層は切っている地層より若い。不整合は上下の時間欠落を示す。
典型ミス
GSSP を単なる「代表的な地層」と書かない。国際的に年代境界を定める点であり、層序対比の基準である。
試験で書くべきポイント
地質図の答案では、結論だけでなく、どの接触関係からそう判断したかを一文ずつ添える。
第3問 — 問題B
方針
問題Bは地形プロセスの統合問題である。斜面、海岸、地形図判読を、それぞれ力のつり合いと物質移動で整理する。
検算
降雨は単に重くするだけでなく、間隙水圧を上げて有効応力を下げる。ここを書けると地すべりの力学説明になる。
典型ミス
相対的海水準変動を全球海水準だけで説明しない。地殻変動や沈降・隆起が加わるため、地域ごとの差が出る。
試験で書くべきポイント
地形名を列挙するだけでなく、形成に必要な営力と、地形図・堆積物からの根拠を添える。
第4問 — 問題C1
方針
高圧変成問題は、圧力上昇で安定鉱物がどう変わるか、水をどの鉱物が運ぶかを押さえる。鉱物名だけでなく、沈み込み帯火成作用との関係を書く。
検算
高圧では斜長石は一般に不安定になり、ざくろ石やオンファス輝石を含むエクロジャイト質組合せへ近づく。低圧玄武岩の鉱物組合せをそのまま深部に持ち込まない。
典型ミス
水はマグマそのものとしてスラブから出るのではなく、含水鉱物の脱水で流体として放出される。この流体がマントルウェッジを溶かす。
試験で書くべきポイント
鉱物の安定性、脱水反応、島弧マグマ発生を一続きの過程として書くと、個別知識が答案にまとまる。
第5問 — 問題C2 Al-Mg年代とコンドリュール
採点の置き所
Al-Mg 年代は、初期比の差をそのまま時間差とせず、指数壊変で処理する。鉱物間の Mg 同位体差は、Al/Mg 比の違いから説明する。
典型ミス
CAI とコンドリュールをどちらも単に「高温でできた粒」として同一視しない。CAI は高温凝縮物、コンドリュールは溶融滴の急冷物という区別が重要である。