東北大学 院試 過去問 解答例
東北大 理学研究科 地学専攻 専門科目 2021年度 院試 解答例・解説
東北大学 理学研究科 地学専攻 専門科目 2021年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全7問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
最終更新:
設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。
続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — 問題A1 地震波探査と地球内部熱
採点の置き所
走時曲線では「傾きが速度の逆数」であることを書く。近距離側から 、遠距離側から 、交点から を求め、最後に与式で を出す流れが必要である。
典型ミス
屈折波の傾き を速度 と読まない。熱流量の計算では なので、1年の秒数を掛ける。
第2問 — 問題A2 津波と堆積物運搬
採点の置き所
津波は「長波」であり、水粒子の流速と波の位相速度は別物である。速度比、振幅比、流速比をそれぞれ別の式から出すと、沿岸で波が遅く高く、かつ底面せん断が大きくなる理由が明確になる。
典型ミス
位相速度 が小さくなるから流速 も小さくなる、と考えるのは誤りである。浅海では振幅が増え、水深が小さいため は大きくなる。
第3問 — 問題B1 河川水理と河成段丘
採点の置き所
河道幅比では、流量比だけでなく、平均水深とマニング式による流速比を入れる必要がある。 まで書けば、幅がどこから出るかが明確になる。
典型ミス
降水量が だから幅も とするのは誤りである。水深が半分で、勾配が大きい時期なので、流量が小さくても幅は広くなりうる。
第4問 — 問題B2 地理情報解析と回帰モデル
採点の置き所
方法論の問題では、データ、目的変数、説明変数、交絡調整、モデルの仮定をセットで書く。手法名だけでは十分でない。
典型ミス
相関をそのまま因果と書かない。喫煙と死亡では年齢、基礎疾患、職業などが交絡しうる。地価回帰では、駅距離だけで都市内の地価差をすべて説明できると仮定しない。
第5問 — 問題C1 高圧鉱物とマントル組成
採点の置き所
高圧鉱物の問題では、鉱物名だけでなく配位数を書く。相境界は式、、 の符号をそろえる。
典型ミス
Bridgmanite を立方晶系ペロブスカイトと同じ対称性で書かない。問題では比較対象として が立方晶系であることを使う。
第6問 — 問題C2 隕石有機物と堆積有機物
採点の置き所
隕石有機物と堆積有機物を混同しない。隕石では太陽系初期の非生物的有機化学、堆積岩では埋没・続成・熱熟成を説明する。
典型ミス
有機物の存在を生命の証拠と断定しない。また、ビチュメンとケロジェンは溶媒への可溶性で区別する。
第7問 — 問題C3 岩石組織・相律・年代測定
採点の置き所
年代計算では、比をそのまま年代にせず、 の形にする。相律では自由度の数字だけでなく、温度・圧力がどう拘束されるかを書く。
典型ミス
ポイキリティックとポイキロブラスティックを混同しやすい。前者は火成岩、後者は変成岩の組織名として扱う。