東北大学 院試 過去問 解答例
東北大 理学研究科 地学専攻 専門科目 2025年度 院試 過去問 解答例・解説(全5問)
全5問。テーマタグは1件(結晶構造)。
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収録3年度分の解答PDF:東北大学 理学研究科 地学専攻 専門科目(¥3,200・紙面見本あり)
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- 解説5問と大問1問の途中式・最終答(全5問)
- 解答PDFに収録
- 途中式と最終答(最終答つき5問)
- 問題本文
- 非収録
東北大 地学専攻 専門科目 2025年度 院試 過去問の出題内容(全5問)
この年度の解説には検算5件・試験で書くべきポイント5件・典型ミス5件が付いています。
2025年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度
この年度は1問に1テーマが出ています。
| テーマ | この年度 | 全体の出題実績 | 他大学の直近出題 |
|---|---|---|---|
| 結晶構造 | 第5問 | 9大学・44問 |
前年度(2022年度)との違い
- 大問数
- 2022年度 7問 → 2025年度 5問
第1問 — 共通問題
方針
共通問題は、気候変動・氷期証拠・火山活動を横断して問う構成である。時間スケールを短期、氷期サイクル、地質学的長期に分けると答案がまとまる。
検算
火山エアロゾルは日射を減らすので短期寒冷化、温室効果ガスは赤外放射収支を変えるので長期温暖化である。符号を取り違えない。
典型ミス
「氷期の証拠」として単に寒冷だったと書くのではなく、氷河が実際に存在したことを示す地形・堆積物・同位体記録を挙げる。火山の効果も、エアロゾルと を混同しない。
試験で書くべきポイント
指定語がある場合は、各語を原因、過程、結果のどこに入れるか決めてから短文にする。証拠を問われたら「何を観察し、なぜそれが証拠になるか」まで書く。
解答
気候フィードバック
気候システムのフィードバックは、初期変化を増幅する正のフィードバックと、抑制する負のフィードバックに分けられる。雪氷アルベドフィードバックでは、気温低下により氷雪面積が増えるとアルベドが増し、吸収日射が減ってさらに寒冷化する。水蒸気フィードバックでは、気温上昇により大気中水蒸気量が増え、温室効果が強まりさらに昇温する。雲フィードバックは雲量・雲頂高度・光学的厚さにより正にも負にもなりうる。
氷期の証拠
陸域では、氷河擦痕、迷子石、モレーン、氷河性堆積物が氷期の証拠となる。これらは氷河による侵食・運搬・堆積を示す。海域では、有孔虫殻の酸素同位体比、氷山起源砕屑物、海底堆積物の粒度・化石群集変化が証拠となる。氷期には海水の が高くなり、寒冷種の比率も増える。
火山ガスと気候
火山噴火では二酸化硫黄が成層圏で硫酸エアロゾルとなり、太陽放射を散乱して短期的な寒冷化を起こす。一方、二酸化炭素は温室効果を通じて長期的な温暖化要因になる。ただし単発噴火での 供給量は人為起源排出や地質学的炭素循環に比べて小さいことが多く、時間スケールを分けて書く必要がある。
カルデラ火山
巨大噴火では、マグマだまりから大量のマグマが急速に噴出し、支持を失った天井岩が陥没してカルデラができる。火砕流堆積物、広域火山灰、溶結凝灰岩、リング状断層が、カルデラ形成と大規模噴火を示す地質学的証拠になる。
最終答
気候変動はアルベド・水蒸気・雲などのフィードバックで増幅または抑制される。氷期証拠は陸上の氷河地形と海底堆積物・同位体記録を組み合わせて示す。
第2問 — 問題A
方針
地質年代境界の問題は、暗記した用語を出すだけでは不十分である。層序対比の根拠、境界認定の指標、環境変動との対応を順に書く。
検算
GSSP は「模式地」ではあるが、単なる有名露頭ではない。国際的合意により年代境界を定める一点であり、連続性・対比可能性・保存性が必要である。
典型ミス
大量絶滅の原因を隕石衝突だけに寄せない。ペルム紀末ではシベリア洪水玄武岩、温暖化、海洋無酸素、酸性化を結びつける方が標準的である。
試験で書くべきポイント
レンジチャートを読む答案では、化石の出現・消滅、同位体ピーク、火山灰の年代を別々に扱わず、同じ時間面をどう追跡するかを明記する。
第3問 — 問題B
方針
環境地理・地形の大問では、図が示す観察事実と、背後にある物理過程を分ける。観察、解釈、根拠の順に書くと、短い答案でも説得力が出る。
検算
テフラ名は給源とセットで覚える。K-Ah は鬼界、AT は姶良であり、いずれも日本列島の第四紀層序対比に頻用される。
典型ミス
河川縦断形を単に「下流ほど低い」と説明しない。下に凸である理由は、流量増加に伴う運搬能力と勾配の調整である。斜面崩壊では、降雨と地震の効果を同じ言葉で済ませない。
試験で書くべきポイント
地形判読では、地形面、堆積物、傾斜、比高、分布を最低一つずつ根拠として挙げる。図がある場合は、図から読める事実と自分の推論を混同しない。
第4問 — 問題C1
方針
惑星物質科学では、形成場、熱源、時間スケールを分ける。太陽系円盤内過程、衛星内部過程、母天体熱進化を混ぜずに答案化する。
検算
イオは太陽から遠いにもかかわらず激しい火山活動を示すため、太陽加熱では説明できない。潮汐加熱を主因とするのが自然である。
典型ミス
CAI とコンドリュールを同じものとして扱わない。CAI は高温凝縮物で、コンドリュールは溶融・急冷した球粒である。
試験で書くべきポイント
小天体の保存度を述べるときは、形成時刻、半径、熱源、冷却速度の四つをそろえる。熱変成を受けたかどうかは、この組み合わせで決まる。
第5問 — 問題C2
方針
元素分配の問題は、元素名を覚えるより、なぜ固相に入りにくいかを結晶化学で説明する。Hf-W 系は親石性・親鉄性の対比が中心である。
検算
Hf と W は似た重元素として扱われがちだが、地球化学的挙動は異なる。Hf は珪酸塩側、W は金属側へ寄りやすいので、核形成で分別が起こる。
典型ミス
玄武岩をすべて同じ起源として書かない。MORB、OIB、島弧玄武岩、大陸洪水玄武岩は、テクトニックセッティングと微量元素組成が異なる。
試験で書くべきポイント
同位体体系は、親核種、娘核種、半減期、元素分配、閉鎖時刻をそろえて書く。これが書ければ、年代・分化史の説明として成立する。
東北大 地学専攻 専門科目 院試 過去問の収録3年度
共通問題 / 問題A / 問題B
2025年度(このページ・全5問)
共通問題 / 問題A / 問題B
問題A1 / 問題A2 / 問題B1