東北大学 院試 過去問 解答例
東北大 理学研究科 地学専攻 専門科目 2022年度 院試 解答例・解説
東北大学 理学研究科 地学専攻 専門科目 2022年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全7問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
最終更新:
設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。
続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — 問題A1
方針
地質図問題は、切り合い関係と化石年代を使って相対年代を決める。接触変成は貫入岩より古い岩石だけに起こる。
検算
花崗岩が始新世層を変成していないなら、始新世より若い年代は不適である。一方、白亜紀前期層を変成しているなら、それより古い年代も不適である。
典型ミス
GSSP を「代表的な露頭」とだけ書かない。地質時代境界を定義する国際的な位置であることが要点である。
試験で書くべきポイント
選択問題でも、選んだ根拠を一文で添える。地層年代、貫入、接触変成、不整合を時間順に並べるとよい。
第2問 — 問題A2
方針
放射性炭素年代は、生成、取り込み、壊変、リザーバー効果を分ける。計算は指数関数を半減期の回数に直す。
検算
はおよそ半減期10回分である。 年なので、オーダーは妥当である。
典型ミス
海洋試料で大気と同じ初期 濃度を仮定しない。海洋リザーバー効果がある。
試験で書くべきポイント
同位体比のシフトは、保存過程、供給過程、欠層の有無を切り分けて説明する。
第3問 — 問題B1
方針
凍土問題は、凍結指数から深さ、凍上量から斜面移動量、年間移動量から必要年数へ順に進む。
検算
は に比例するので、凍結指数が4倍になっても凍結深は2倍である。比例関係を線形と誤解しない。
典型ミス
frost creep と gelifluction を混同しない。前者は凍上・融解沈降による粒子移動、後者は融解した活動層の流動である。
試験で書くべきポイント
計算では単位を cm、m、年でそろえ、最後に有効数字を指定に合わせる。
第4問 — 問題B2
方針
地理学用語は、定義、典型例、社会的帰結を短く書く。人口移動図は、距離、人口規模、中心性、地域ブロックを分けて読む。
検算
重力モデル型の考え方では、規模が大きいほど相互作用は大きく、距離が遠いほど小さくなる。この大枠から外れる移動が説明対象になる。
典型ミス
ジェントリフィケーションを単なる再開発と同一視しない。地価上昇や住民の置換が重要である。
試験で書くべきポイント
図の特徴を述べるときは、モデルで説明できる特徴と説明しにくい特徴を分ける。
第5問 — 問題C1
方針
空欄補充型でも、層構造、物性、鉱物相転移、地磁気を因果でつなげる。外核の液体性は地震波観測から説明する。
検算
S波は液体を伝わらないので、外核の液体性を示す強い根拠になる。P波は液体中も伝わるが速度は変化する。
典型ミス
外核と内核を逆にしない。外核が液体で内核が固体である。
試験で書くべきポイント
鉱物名だけでなく、深さと構造名、速度変化の理由を一緒に書く。
第6問 — 問題C2
方針
結晶化問題は、相図のレバー則、核生成の自由エネルギー、マグマだまりの熱輸送を分ける。式は体積項と表面項の符号を確認する。
検算
小さい核では表面項が支配的で は正、大きい核では体積項が勝って成長が有利になる。このため臨界半径が現れる。
典型ミス
過冷却が大きいほど必ず結晶成長速度も最大になるとは限らない。核生成率と拡散・成長速度は分けて考える。
試験で書くべきポイント
相図では組成、温度、量比をレバー則で示す。核生成では と の意味を必ず説明する。
第7問 — 問題C3
方針
太陽系存在度は、太陽分光、始原的隕石、揮発性元素、核合成をつなぐ問題である。気体に残る元素と固体に入る元素を区別する。
検算
太陽の吸収線は、連続光が上層の原子に吸収されてできる。発光線ではなく吸収線である点に注意する。
典型ミス
隕石組成をすべての元素で太陽と同じとしない。H、希ガスなどの揮発性元素は固体隕石で大きく欠乏する。
試験で書くべきポイント
元素存在度の説明では、観測方法、代表性、例外、核合成過程を順に述べる。