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東北大学 院試 過去問 解答例

東北大 情報科学研究科 情報基礎科学専攻 数学群 2021年8月実施 院試 解答例・解説

東北大学 情報科学研究科 情報基礎科学専攻 数学群 2021年8月実施の院試 過去問について、設問ごとの解法方針・部分点の置き所を解説。全4問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。

最終更新:

設問ごとの解法方針・部分点の置き所を無料で公開しています。

完全な途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。

1 — 微分可能性と正則性

振動項は振幅で判定する

この型の関数では sin(1/x2)\sin(1/x^{2})cos(1/x2)\cos(1/x^{2}) 自体に極限はない。 したがって,振動を抑えるべき係数が xβx^{\beta} で,β>0\beta>0 かどうかが本質になる。 微分可能性では xα1x^{\alpha-1}C1C^{1} 性では xα3x^{\alpha-3}, 2階微分可能性では xα4x^{\alpha-4} がそれぞれ支配的な係数である。

片側の確認

負の側では関数が恒等的に 00 なので,左微分係数も左側の導関数も 00 である。 したがって問題は常に右側からの極限に帰着される。答案ではこの片側の差を明記しておくと, 原点以外の滑らかさと原点での接続条件を混同していないことが伝わる。

境界値の扱い

α=3\alpha=3α=4\alpha=4 は別々に確認する必要がある。 α=3\alpha=3C1C^{1} 性の段階で 2cos(1/x2)-2\cos(1/x^{2}) が残るため不可である。 一方 α=4\alpha=4C1C^{1} ではあるが,2階微分係数の差商に 2cos(1/h2)-2\cos(1/h^{2}) が残るため2階微分可能ではない。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

2 — 行列の対角化と多項式表示

重複固有値の確認

固有値 11 は代数的重複度が2である。対角化では,ここで固有空間の次元が本当に2かを確認する必要がある。 今回 (AI)x=0(A-I)x=0 は1本の独立な一次条件だけなので,固有空間は2次元であり,固有値 22 の固有ベクトルと合わせて3本の一次独立な固有ベクトルがそろう。

多項式表示の考え方

対角化可能な行列では,多項式 p(A)p(A) の作用は各固有空間上で p(λ)p(\lambda) 倍になる。 したがって A1=f(A)A^{-1}=f(A) は固有値 1,21,2 上で逆数を取る補間問題である。 同様に B=g(A)B=g(A) は,BB が同じ固有値に属する固有空間全体で同じスカラー倍になっているかを見る問題である。

検算

b=2b=-2 を代入すると B=4I2AB=4I-2A と直接計算できる。 この等式は B=g(A)B=g(A) の十分性を一行で保証するので,固有空間で得た条件の検算として有効である。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

3 — Riemann和の極限

和の形を見る

1nk=1n\frac1n\sum_{k=1}^{n} は1変数のRiemann和, 1n2k=1n=1n\frac1{n^{2}}\sum_{k=1}^{n}\sum_{\ell=1}^{n} は2変数のRiemann和である。 添字を k/n,/nk/n,\ell/n に置き換えたときに連続関数が現れれば,極限は定積分になる。

第2の極限の小さい補正

k31k2n\frac{k^{3}-1}{k^{2}n} は主要部が k/nk/n で,補正項は高々 1/n1/n である。 対数の中身は 11 以上で,導関数 1/(1+x)1/(1+x) も有界なので,補正項の総和への寄与は Riemann和の極限では消える。この確認を入れると,単に見た目だけで置き換えた答案にならない。

二重積分の順序

第3の積分は先に yy で積分すると一度の置換で終わる。 先に xx で積分しても計算できるが,sin(xy2)\sin(xy^{2}) の中に xy2xy^{2} があるため, xydyxy\,dy と組にする方が自然である。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

4 — 生成部分空間と固有空間の和

生成系から基底を選ぶ

複数の生成ベクトルが与えられたときは,列ベクトルとして並べて主列を読むのが確実である。 今回の第2列は第1列の 1/2-1/2 倍であり,第4列は第1列と第3列の一次結合である。 そのため,WW は2次元に落ちる。

固有空間の和

行列 AA は固有値 11 を重複して持つが,固有空間は1次元だけである。 したがって,すべての固有空間の和 VVR3\mathbb{R}^{3} 全体ではなく2次元で止まる。 代数的重複度だけで VV の次元を判断しないことが重要である。

和空間の証明

W+V=R3W+V=\mathbb{R}^{3} を直接3本の一次独立なベクトルで示してもよい。 ここでは W,V,WVW,V,W\cap V の次元がすでに分かっているため,次元公式を使うのが最短である。 交わりが1次元であることを明示してから次元公式に入ると,論理の抜けがない。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

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