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東北大学 院試 過去問 解答例

東北大 情報科学研究科 2群 情報・生命系 基礎・専門科目 2026年3月 院試 解答例・解説

東北大学 情報科学研究科 2群 情報・生命系 基礎・専門科目 2026年3月の院試 過去問について、設問ごとの解法方針・部分点の置き所を解説。全6問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。

最終更新:

設問ごとの解法方針・部分点の置き所を無料で公開しています。

完全な途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。

1 — 電磁誘導

磁束を先に置く

この問題は,局所的な誘導電場を直接求めるよりも,ループを貫く磁束 Φ=μ0Ia2πlogr+ar \Phi=\frac{\mu_0 I a}{2\pi}\log\frac{r+a}{r} を最初に求めるのが最短である。直線電流の磁場は 1/x1/x で弱くなるため,積分結果が対数になる点が特徴である。

向きの判定

誘導電流の向きは符号計算だけでなくレンツの法則で確認する。直線電流が増加する場合は磁束の増加を打ち消す向き,ループが遠ざかる場合は磁束の減少を補う向きである。両者で誘導電流の向きが逆になるため,ここを取り違えると力の向きも逆になる。

エネルギー収支

移動する場合,磁気力は必ず運動に逆らう向きになる。外力がする仕事率がジュール熱に等しいことは,エネルギー保存の確認になっている。計算上も Fv0=(4R)IL2 |F|v_0=(4R)I_{\mathrm{L}}^2 となり,誘導電流により失われる機械的エネルギーが抵抗で熱になることが分かる。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

2 — 二端子対回路

縦続行列の向き

二端子対回路では,電流の正方向の取り方により式の見た目が変わる。本解答では負荷側電流を負荷へ流れ込む向きとして整理し,負荷条件を I2=V2/RLI_2=V_2/R_L として用いた。この約束では V1=(A+B/RL)V2 V_1=(A+B/R_L)V_2 となる。

共振点の計算

L0C0=1012L_0C_0=10^{-12} なので ω0=106rad/s\omega_0=10^6\,\mathrm{rad/s} である。このとき ZY=1ZY=-1 となり AADD が消える。数値を代入する前にこの消去を見抜くと,H=5jH=-5jZin=2ΩZ_{\mathrm{in}}=2\,\Omega が短く求まる。

典型ミス

B=2Z+Z2YB=2Z+Z^2Y の第2項の符号を落とすと,共振点で B=j30B=j30 と誤り,後続の値が全てずれる。Z2YZ^2Yj3=jj^3=-j を含むため,符号を必ず確認する。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

3 — 全加算器とMUX

MUXを真理値表として使う

4入力 MUX は,二つの変数を制御入力に固定すると,残り一つの変数に関する場合分け表として使える。全加算器では X,YX,Y を制御入力にし,各場合の CinC_{\mathrm{in}} 依存性をデータ入力へ入れるのが最も整理しやすい。

桁上がりの見方

CoutC_{\mathrm{out}} は多数決関数である。三入力のうち二つ以上が 11 なら桁上がりが発生するため,積和形 XY+YCin+CinX XY+YC_{\mathrm{in}}+C_{\mathrm{in}}X が自然に出る。XOR で書こうとするとかえって複雑になる。

最後の回路の考え方

二つ目の MUX を「動作モードの選択器」と見ると設計が単純になる。S2,S3S_2,S_3 で通常 MUX,XOR,OR,AND の四つを選ばせればよいので,一つ目の MUX と三つの論理ゲート出力を二つ目の MUX に入力する構成で条件を満たせる。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

4 — 関係の性質

反射性は全ての点で必要

対称的・推移的であっても,すべての (a,a)(a,a) が含まれるとは限らない。特に {(1,1)}\{(1,1)\} は,2233 に関する条件が空に近い形で成り立つため,反射性だけが壊れる好例である。

配列参照回数

反射性では B[i][i]B[i][i] だけを見ればよい。対称性では同じ組を二度調べないために i<ji<j に限定する。各組で二つの配列要素を読むので,参照回数は n(n1)n(n-1) 回となる。

存在証明の核

最後の証明は鳩の巣原理を使う。全域性が「次の元を選べる」ことを保証し,有限集合であることが「同じ元に戻る」ことを保証し,推移性が「戻った道を一つの関係に縮める」ことを保証している。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

5 — 井戸型ポテンシャル

急な井戸幅変更の扱い

ポテンシャルが瞬時に変わっても,波動関数そのものは t=0t=0 で不連続にはならない。変わるのは,その後の時間発展を記述する固有関数の基底である。そのため,旧基底状態を新しい幅 2L2L の固有関数に展開する。

なぜ n=2 が重要か

新しい井戸の n=2n=2 固有関数は 1LsinπxL \sqrt{\frac1L}\sin\frac{\pi x}{L} であり,0<x<L0<x<L では旧基底状態と同じ節構造を持つ。規格化定数は異なるが関数形が一致するため,重なりが最大になる。

確率が 1 になる意味

拡張後の波動関数は複数の固有状態の重ね合わせであり,各成分の相対位相が時間とともに変化する。特定時刻に全ての関連する余弦項が同時に 1-1 になると,干渉により確率分布が右半分へ完全に移る。これは粒子が古典的に壁へ移動したという意味ではなく,有限井戸領域内の量子干渉によって検出確率が片側に集中するという意味である。

三つの極大

級数に現れる角周波数は奇数倍の組み合わせで,低次の項が主に波形を決める。基本周期の中で複数の相対位相がそろうため,単純な一山の振動ではなく,三つの極大を含む構造が現れる。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

6 — 線形代数と積分

上三角行列

行列が上三角であることから,行列式と固有値はすぐに読める。固有ベクトルだけは各 λ\lambda について (AλI)v=0(A-\lambda I)v=0 を解く必要がある。

小半円の符号

複素積分で最も間違えやすいのは,原点を避ける小半円の向きである。この経路は上半平面を時計回りに回るため,寄与は +iπ+i\pi ではなく iπ-i\pi になる。この符号が最終的な π/2\pi/2 を決める。

フーリエ変換による確認

矩形関数のフーリエ変換が sinω/ω\sin\omega/\omega になることを使うと,同じ積分値が反転公式からも得られる。複素積分とフーリエ解析が同じ結果を与えるため,答案ではどちらの方法でも符号と定数係数を厳密に追うことが重要である。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

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