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東北大学 院試 過去問 解答例

東北大 情報科学研究科 2群 情報・生命系 基礎・専門科目 2025年3月 院試 過去問 解答例・解説(全6問)

全6問。熱・統計力学1問。テーマタグは1件(分配関数)。

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解説6問と大問1問の途中式・最終答(全6問)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき6問)
問題本文
非収録

東北大 2群 情報・生命系 基礎・専門科目 2025年3月 院試 過去問の出題内容(全6問)

この6問の分野は熱・統計力学1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問—平行導体と接地平板線電流・線電荷近似 / 向きの確認あり
第2問—無損失伝送線路進行波と反射波 / 整合負荷あり
第3問—3値入力論理3値入力のまとめ方 / 最小項と最小積和形あり
第4問—再帰と高速累乗fは線形再帰 / gは二分法あり
第5問熱・統計力学二準位系の統計力学独立粒子の分配関数 / 内部エネルギーの意味あり
第6問—級数と行列収束条件 / 係数計算あり

2025年3月の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は1問に1テーマが出ています。

テーマこの年度全体の出題実績他大学の直近出題
分配関数第5問16大学・88問

前年度(2024年8月)との違い

大問数
2024年8月 6問 → 2025年3月 6問
2025年3月で新しく出たテーマ
分配関数
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第1問 — 平行導体と接地平板

線電流・線電荷近似

d≫a, h≫ad\gg a,\ h\gg a が与えられているので,導体内部や表面近傍の詳細な分布ではなく,中心軸上に電流・電荷が集中している近似で主項を求める。対数が出るのは 1/r1/r 型の場を積分するためである。

向きの確認

二つの電流は逆向きだが,導体間の点では磁界の向きが同じになる。電界も正電荷側から負電荷側へ向かうため,導体間では −z-z 方向である。

鏡像法

接地平板は反対符号の鏡像線電荷で置き換えられる。導体と平板の電位差は,実導体と鏡像導体の電位差の半分になるため,係数が二線式の場合の2倍になる。

解答

  1. 導体半径に比べて中心間距離が十分大きいので,各導体を中心軸上の線電流・線電荷で近似する。 導体間の点 P(0,0,z)P(0,0,z) における磁束密度は,二つの導体からの寄与が同じ −x-x 方向を向く。大きさは B(z)=μ0I2π(1z+1d−z) B(z)=\frac{\mu_0 I}{2\pi} \left(\frac1z+\frac1{d-z}\right) であり,向きは −x^-\hat{\mathbf{x}} である。 単位長さあたりの磁束鎖交を導体間で積分すると Φ′=∫ad−aB(z) dz=μ0Iπlog⁡d−aa. \Phi'=\int_a^{d-a}B(z)\,dz = \frac{\mu_0 I}{\pi}\log\frac{d-a}{a}. したがって往復線路の単位長さあたり自己インダクタンスは L′=Φ′I=μ0πlog⁡d−aa≃μ0πlog⁡da. L'=\frac{\Phi'}{I} = \frac{\mu_0}{\pi}\log\frac{d-a}{a} \simeq \frac{\mu_0}{\pi}\log\frac{d}{a}. 同様に,導体間の電界は −z^-\hat{\mathbf{z}} 方向で,大きさは E(z)=λ2πε0(1z+1d−z). E(z)=\frac{\lambda}{2\pi\varepsilon_0} \left(\frac1z+\frac1{d-z}\right). 導体間電位差の大きさは V12=∫ad−aE(z) dz=λπε0log⁡d−aa. V_{12}=\int_a^{d-a}E(z)\,dz = \frac{\lambda}{\pi\varepsilon_0} \log\frac{d-a}{a}. よって単位長さあたり静電容量は C12=λV12=πε0log⁡((d−a)/a)≃πε0log⁡(d/a). C_{12}=\frac{\lambda}{V_{12}} = \frac{\pi\varepsilon_0}{\log((d-a)/a)} \simeq \frac{\pi\varepsilon_0}{\log(d/a)}.
  2. 接地平板は鏡像法で扱う。導体3の鏡像として,z=−hz=-h に線電荷 −λ-\lambda を置く。電気力線は導体3から出て接地平板に垂直に終端し,鏡像問題では +λ+\lambda から −λ-\lambda へ向かう線になる。 導体3と平板との電位差は,導体3と鏡像導体間の電位差の半分である。したがって V3≃λ2πε0log⁡2ha, V_3\simeq \frac{\lambda}{2\pi\varepsilon_0}\log\frac{2h}{a}, より C3=λV3≃2πε0log⁡(2h/a). C_3=\frac{\lambda}{V_3} \simeq \frac{2\pi\varepsilon_0}{\log(2h/a)}. 追加導体については,問題文に電位・接続・電荷条件が明記されていないため,厳密には静電容量は一意に定まらない。追加導体も導体3と同じ単位長さ電荷 +λ+\lambda を持ち,平板に対して同じ電位の対称配置として扱うなら,導体3の電位には追加導体とその鏡像から λ2πε0log⁡2 \frac{\lambda}{2\pi\varepsilon_0}\log\sqrt2 が加わる。したがってこの前提では C3′≃2πε0log⁡(22 h/a). C'_3\simeq \frac{2\pi\varepsilon_0}{\log(2\sqrt2\,h/a)}.

最終答

B=−x^μ0I2π(1z+1d−z),L′=μ0πlog⁡d−aa. \mathbf{B} =-\hat{\mathbf{x}}\frac{\mu_0 I}{2\pi} \left(\frac1z+\frac1{d-z}\right),\quad L'=\frac{\mu_0}{\pi}\log\frac{d-a}{a}. E=−z^λ2πε0(1z+1d−z),C12=πε0log⁡((d−a)/a). \mathbf{E} =-\hat{\mathbf{z}}\frac{\lambda}{2\pi\varepsilon_0} \left(\frac1z+\frac1{d-z}\right),\quad C_{12}=\frac{\pi\varepsilon_0}{\log((d-a)/a)}. C3≃2πε0log⁡(2h/a). C_3\simeq\frac{2\pi\varepsilon_0}{\log(2h/a)}. 追加導体の条件がないため C3′C'_3 は一意に決まらない。同電位・同電荷の対称配置なら C3′≃2πε0log⁡(22 h/a). C'_3\simeq\frac{2\pi\varepsilon_0}{\log(2\sqrt2\,h/a)}.

第2問 — 無損失伝送線路

進行波と反射波

受電端を x=0x=0 としているため,V+,V−V^+,V^- はその点での振幅である。V0,I0V_0,I_0 から進行波と反射波へ戻す式は,伝送線路問題の基本である。

整合負荷

負荷が特性インピーダンスに等しいと反射波が消える。このとき線路上のどの位置から見ても,先に見えるのは同じ進行波だけなので入力インピーダンスは常に ZcZ_c である。

短絡端の定在波

短絡端では電圧がゼロになる。電圧最大はそこから四分の一波長だけ離れた点であり,βx=π/2\beta x=\pi/2 と書けばすぐ求まる。

無損失伝送線路の途中式・最終答をPDFで見る

第3問 — 3値入力論理

3値入力のまとめ方

2値論理のカルノー図と同じく,隣接する真値をまとめる。ただし各変数は {0,1,2}\{0,1,2\} の部分集合でまとめられるため,Xi{0,2}X_i^{\{0,2\}} のような項が自然に現れる。

最小項と最小積和形

最小項は各変数の値を一つに固定するため,真となる入力の数だけ項が必要になる。一方,最小積和形では複数の値を同じ集合にまとめられるので,項数を大きく減らせる。

誤りやすい点

Xi{0,2}X_i^{\{0,2\}} は「00 または 22」であり,「00 と 22 の両方」ではない。集合の意味を論理和として読むことが重要である。

3値入力論理の途中式・最終答をPDFで見る

第4問 — 再帰と高速累乗

fは線形再帰

ff は nn を1ずつ減らすので,op\mathrm{op} の呼び出し回数はそのまま nn 回である。足し算なら掛け算的な反復加算,掛け算なら累乗に対応する。

gは二分法

gg は偶数のとき引数を半分にするため,呼び出し回数は対数オーダーになる。奇数のとき一度だけ n−1n-1 にして偶数へ戻すので,2log⁡2n2\log_2 n で上から抑えられる。

高速累乗との対応

op(x,x)=f(x,2)\mathrm{op}(x,x)=f(x,2) は「二乗」に相当し,f(f(x,2),y)=f(x,2y)f(f(x,2),y)=f(x,2y) は「二乗したものを yy 回作用させると元を 2y2y 回作用させたのと同じ」という結合法則的性質を表している。

再帰と高速累乗の途中式・最終答をPDFで見る

第5問 — 二準位系の統計力学

独立粒子の分配関数

相互作用がないため,全体の分配関数は一粒子分配関数の NN 乗になる。ここを使うと自由エネルギーも一粒子自由エネルギーの NN 倍になる。

内部エネルギーの意味

励起状態にある粒子の平均数は Ne−x1+e−x=Nex+1 N\frac{e^{-x}}{1+e^{-x}}=\frac{N}{e^x+1} である。各励起粒子がエネルギー E0E_0 を持つので,UN=NE0/(ex+1)U_N=NE_0/(e^x+1) と直ちに解釈できる。

熱容量の形

T→0T\to0 でも T→∞T\to\infty でも熱容量は 00 に近づく。中間温度でだけ二準位間の占有が大きく変化するため,Schottky型の山を持つ。

二準位系の統計力学の途中式・最終答をPDFで見る

第6問 — 級数と行列

収束条件

∣z∣<1|z|<1 があるので,有限等比級数の式から極限を取れる。無限級数をいきなり扱うより,有限和を先に示す方が厳密である。

係数計算

eze^z と (1−z)−2(1-z)^{-2} の既知展開を掛け合わせる。z3z^3 までなら,必要な項だけを残せばよい。

行列の構造

この行列は四元数の左乗法に対応する直交的な構造を持つ。列の内積を見ると一気に ATA=sIA^{\mathsf T}A=sI が分かり,行列式もすぐ求まる。

級数と行列の途中式・最終答をPDFで見る

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  • 2026年3月(全6問)

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  • 2025年8月(全6問)

    平面電磁波の反射と透過 / 線路負荷と過渡応答 / JKフリップフロップ

  • 2025年3月(このページ・全6問)

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