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東北大学 院試 過去問 解答例

東北大 情報科学研究科 2群 情報・生命系 基礎・専門科目 2025年8月 院試 過去問 解答例・解説(全6問)

全6問。テーマタグは5件(固有振動数と振動系・ラプラス変換・電磁波)。

最終更新:

収録6年度分の解答PDF:東北大学 情報科学研究科 2群 情報・生命系 基礎・専門科目(¥3,200・紙面見本あり)

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解説6問と大問1問の途中式・最終答(全6問)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき6問)
問題本文
非収録

東北大 2群 情報・生命系 基礎・専門科目 2025年8月 院試 過去問の出題内容(全6問)

大問主題解説の小見出し最終答
第1問平面電磁波の反射と透過境界面上の位相整合 / 偏波の種類あり
第2問線路負荷と過渡応答並列部の電圧を置く / 力率1の条件あり
第3問JKフリップフロップ励起表の読み方 / 図の回路の遷移あり
第4問文脈自由文法後置記法として読む / size 5 の列挙あり
第5問トンネル効果指数減衰解 / WKB指数の意味あり
第6問ラプラス変換と幾何有限区間のラプラス変換 / 周期シフトあり

2025年8月の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は4問に5テーマが出ています。

前年度(2025年3月)との違い

大問数
2025年3月 6問 → 2025年8月 6問
2025年3月のページを見る

第1問 — 平面電磁波の反射と透過

境界面上の位相整合

反射の法則と Snell の法則は,境界条件が任意の境界面上の位置で成り立つことから出る。振幅条件だけでなく,指数関数の yy 依存性が一致しなければならない点を書くと,導出として説得力がある。

偏波の種類

この問題では電界が入射面に垂直であるため,TE波または s 偏波の Fresnel 係数を用いる。TM波の係数 ncos⁡θ−cos⁡θ3ncos⁡θ+cos⁡θ3 \frac{n\cos\theta-\cos\theta_3}{n\cos\theta+\cos\theta_3} と取り違えないこと。

磁界の向き

平面波では E,H,a\mathbf{E},\mathbf{H},\mathbf{a} が右手系を作り, H=1ηa×E \mathbf{H}=\frac1{\eta}\mathbf{a}\times\mathbf{E} である。外積の順序を逆にすると符号が全て反転する。

解答

  1. 入射波の伝搬方向を a1=y^sin⁡θ1−z^cos⁡θ1 \mathbf{a}_1=\hat{\mathbf{y}}\sin\theta_1-\hat{\mathbf{z}}\cos\theta_1 とする。反射波は境界面から遠ざかるので a2=y^sin⁡θ2+z^cos⁡θ2. \mathbf{a}_2=\hat{\mathbf{y}}\sin\theta_2+\hat{\mathbf{z}}\cos\theta_2. したがって反射波の複素電界は E2=x^E2exp⁡{−jk0(ysin⁡θ2+zcos⁡θ2)}. \mathbf{E}_2 =\hat{\mathbf{x}}E_2 \exp\{-jk_0(y\sin\theta_2+z\cos\theta_2)\}. 完全導体表面では接線方向電界がゼロである。すなわち z=0z=0 で E1t+E2t=0 \mathbf{E}_{1t}+\mathbf{E}_{2t}=0 でなければならない。ここで E1e−jk0ysin⁡θ1+E2e−jk0ysin⁡θ2=0 E_1e^{-jk_0y\sin\theta_1} +E_2e^{-jk_0y\sin\theta_2}=0 が任意の yy で成り立つ必要がある。したがって位相因子が一致し, sin⁡θ1=sin⁡θ2. \sin\theta_1=\sin\theta_2. 通常の入射角の範囲では θ1=θ2 \theta_1=\theta_2 である。また振幅は E2=−E1E_2=-E_1 となる。
  2. 異なる媒質の境界面では接線方向電界が連続である。すなわち E1t+E2t=E3t \mathbf{E}_{1t}+\mathbf{E}_{2t}=\mathbf{E}_{3t} である。境界面上の任意の yy で位相が一致する必要があるため k0sin⁡θ=k0sin⁡θ2=nk0sin⁡θ3. k_0\sin\theta=k_0\sin\theta_2=nk_0\sin\theta_3. したがって θ2=θ,sin⁡θ=nsin⁡θ3 \theta_2=\theta,\qquad \sin\theta=n\sin\theta_3 を得る。 入射波の磁界は H1=1η0a1×E1,η0=μ0ε0. \mathbf{H}_1=\frac1{\eta_0}\mathbf{a}_1\times \mathbf{E}_1, \qquad \eta_0=\sqrt{\frac{\mu_0}{\varepsilon_0}}. よって H1=ε0μ0 E1(−y^cos⁡θ−z^sin⁡θ)exp⁡{−jk0(ysin⁡θ−zcos⁡θ)}. \mathbf{H}_1 = \sqrt{\frac{\varepsilon_0}{\mu_0}}\, E_1(-\hat{\mathbf{y}}\cos\theta-\hat{\mathbf{z}}\sin\theta) \exp\{-jk_0(y\sin\theta-z\cos\theta)\}. 電界が入射面に垂直な偏波なので,反射係数は E2E1=cos⁡θ−ncos⁡θ3cos⁡θ+ncos⁡θ3,sin⁡θ=nsin⁡θ3. \frac{E_2}{E_1} = \frac{\cos\theta-n\cos\theta_3} {\cos\theta+n\cos\theta_3}, \qquad \sin\theta=n\sin\theta_3.

最終答

E2=x^E2e−jk0(ysin⁡θ2+zcos⁡θ2),θ1=θ2,E2=−E1 (完全導体). \mathbf{E}_2=\hat{\mathbf{x}}E_2 e^{-jk_0(y\sin\theta_2+z\cos\theta_2)},\quad \theta_1=\theta_2,\quad E_2=-E_1\ \text{(完全導体)}. θ2=θ,sin⁡θ=nsin⁡θ3, \theta_2=\theta,\qquad \sin\theta=n\sin\theta_3, H1=ε0μ0E1(−y^cos⁡θ−z^sin⁡θ)e−jk0(ysin⁡θ−zcos⁡θ), \mathbf{H}_1= \sqrt{\frac{\varepsilon_0}{\mu_0}}E_1 (-\hat{\mathbf{y}}\cos\theta-\hat{\mathbf{z}}\sin\theta) e^{-jk_0(y\sin\theta-z\cos\theta)}, E2E1=cos⁡θ−ncos⁡θ3cos⁡θ+ncos⁡θ3. \frac{E_2}{E_1}= \frac{\cos\theta-n\cos\theta_3}{\cos\theta+n\cos\theta_3}.

第2問 — 線路負荷と過渡応答

並列部の電圧を置く

負荷全体にかかる電圧と抵抗にかかる電圧は同じではない。直列インダクタの後ろにある並列部の電圧 VpV_p を一度置くと,ICI_C と IRI_R は素直に求まる。

力率1の条件

力率が1とは,負荷インピーダンスの虚部がゼロという意味である。抵抗値を解くとき,1−ω2LC1-\omega^2LC が正でなければ実数の正抵抗が存在しない。

過渡応答の振動条件

二次系の減衰係数 α\alpha と固有角周波数を比較する。α<1/LC\alpha<1/\sqrt{LC} のときだけ複素共役根となり,抵抗電流に減衰振動が現れる。

線路負荷と過渡応答の途中式・最終答をPDFで見る

第3問 — JKフリップフロップ

励起表の読み方

JK-FFでは,現在値と次状態から必要な J,KJ,K を逆算する。0→00\to0 では KK は結果に影響しないため don't care,1→11\to1 では JJ が don't care になる。

図の回路の遷移

下位ビットが全て 00 のとき上位ビットが反転する構成なので,通常の上向きカウンタではなく,000000 から 111111 へ進む下向きの同期カウンタになる。

未使用状態の扱い

指定された5状態以外は到達しない前提で don't care としてよい。この自由度を使うことで,J1=1J_1=1 や K0=1K_0=1 のような非常に簡単な式に落とせる。

JKフリップフロップの途中式・最終答をPDFで見る

第4問 — 文脈自由文法

後置記法として読む

生成規則 $SSS\$$ は,条件・真の場合・偽の場合を並べた後置的な構造と見られる。評価規則も「第1要素が真なら第2要素,偽なら第3要素」を返す形になっている。

size 5 の列挙

サイズ5は内部節点が一つだけの最小の複合形である。したがって $abc\$の8通りだけを調べればよい。条件 の8通りだけを調べればよい。条件 aが真なら が真なら b,偽なら,偽なら c$ が評価値になる。

評価を反転する構成

$zft\$は, は,zが真なら が真なら fを返し, を返し,zが偽なら が偽なら tを返す。サイズも葉を二つと内部構造一つ分だけ増えるため,ちょうど を返す。サイズも葉を二つと内部構造一つ分だけ増えるため,ちょうど 4$ 増える。

文脈自由文法の途中式・最終答をPDFで見る

第5問 — トンネル効果

指数減衰解

障壁内で U0>EU_0>E のとき,波数は虚数になり,解は eβxe^{\beta x} と e−βxe^{-\beta x} の線形結合になる。透過側から境界条件を立てると,AA と BB を tt で直接表せる。

WKB指数の意味

透過確率は禁制領域での ∫U(x)−E dx \int\sqrt{U(x)-E}\,dx に指数関数的に支配される。電圧印加で障壁が傾くと,この面積が小さくなるため透過確率が増える。

二つの場合の違い

電子のエネルギーが障壁右端より低い場合は,障壁全体をトンネルする。右端より高い場合は途中で古典的に許容領域に入るため,実効的な障壁幅が短くなる。

トンネル効果の途中式・最終答をPDFで見る

第6問 — ラプラス変換と幾何

有限区間のラプラス変換

区間で切られた関数は,積分範囲をそのまま限定すればよい。周期的に繰り返す場合は,各周期の寄与が等比級数になる。

周期シフト

fcf_c では g(t−2nπ)g(t-2n\pi) のラプラス変換が e−2nπpe^{-2n\pi p} 倍になる。この因子を外に出すと,残りは一周期分の積分だけで済む。

幾何と行列式

直線や円の係数が非自明に存在する条件は,対応する連立一次方程式の係数行列の行列式が 00 であることに等しい。三角形の面積公式も,二次元の外積を同次座標の行列式で書いたものである。

ラプラス変換と幾何の途中式・最終答をPDFで見る

東北大 2群 情報・生命系 基礎・専門科目 院試 過去問の収録6年度

  • 2026年3月(全6問)

    電磁誘導 / 二端子対回路 / 全加算器とMUX

  • 2025年8月(このページ・全6問)

    平面電磁波の反射と透過 / 線路負荷と過渡応答 / JKフリップフロップ

  • 2025年3月(全6問)

    平行導体と接地平板 / 無損失伝送線路 / 3値入力論理

  • 2024年8月(全6問)

    静電界と静電容量 / 共振回路と変圧器 / 論理式の簡単化

  • 2024年3月(全12問)

    中空円筒導体とポインティングベクトル / 交流回路と結合インダクタ / 多数決関数と中立関数

  • 2023年8月(全12問)

    同心球導体の電界と静電容量 / 並列交流回路と結合インダクタ / リード・マラー標準形