東北大学 院試 過去問 解答例
東北大 情報科学研究科 2群 情報・生命系 基礎・専門科目 2025年8月 院試 解答例・解説
東北大学 情報科学研究科 2群 情報・生命系 基礎・専門科目 2025年8月の院試 過去問について、設問ごとの解法方針・部分点の置き所を解説。全6問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
最終更新:
設問ごとの解法方針・部分点の置き所を無料で公開しています。
完全な途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — 平面電磁波の反射と透過
境界面上の位相整合
反射の法則と Snell の法則は,境界条件が任意の境界面上の位置で成り立つことから出る。振幅条件だけでなく,指数関数の 依存性が一致しなければならない点を書くと,導出として説得力がある。
偏波の種類
この問題では電界が入射面に垂直であるため,TE波または s 偏波の Fresnel 係数を用いる。TM波の係数 と取り違えないこと。
磁界の向き
平面波では が右手系を作り, である。外積の順序を逆にすると符号が全て反転する。
第2問 — 線路負荷と過渡応答
並列部の電圧を置く
負荷全体にかかる電圧と抵抗にかかる電圧は同じではない。直列インダクタの後ろにある並列部の電圧 を一度置くと, と は素直に求まる。
力率1の条件
力率が1とは,負荷インピーダンスの虚部がゼロという意味である。抵抗値を解くとき, が正でなければ実数の正抵抗が存在しない。
過渡応答の振動条件
二次系の減衰係数 と固有角周波数を比較する。 のときだけ複素共役根となり,抵抗電流に減衰振動が現れる。
第3問 — JKフリップフロップ
励起表の読み方
JK-FFでは,現在値と次状態から必要な を逆算する。 では は結果に影響しないため don't care, では が don't care になる。
図の回路の遷移
下位ビットが全て のとき上位ビットが反転する構成なので,通常の上向きカウンタではなく, から へ進む下向きの同期カウンタになる。
未使用状態の扱い
指定された5状態以外は到達しない前提で don't care としてよい。この自由度を使うことで, や のような非常に簡単な式に落とせる。
第4問 — 文脈自由文法
後置記法として読む
生成規則 $SSS\$$ は,条件・真の場合・偽の場合を並べた後置的な構造と見られる。評価規則も「第1要素が真なら第2要素,偽なら第3要素」を返す形になっている。
size 5 の列挙
サイズ5は内部節点が一つだけの最小の複合形である。したがって $abc\$abc$ が評価値になる。
評価を反転する構成
$zft\$zfzt4$ 増える。
第5問 — トンネル効果
指数減衰解
障壁内で のとき,波数は虚数になり,解は と の線形結合になる。透過側から境界条件を立てると, と を で直接表せる。
WKB指数の意味
透過確率は禁制領域での に指数関数的に支配される。電圧印加で障壁が傾くと,この面積が小さくなるため透過確率が増える。
二つの場合の違い
電子のエネルギーが障壁右端より低い場合は,障壁全体をトンネルする。右端より高い場合は途中で古典的に許容領域に入るため,実効的な障壁幅が短くなる。
第6問 — ラプラス変換と幾何
有限区間のラプラス変換
区間で切られた関数は,積分範囲をそのまま限定すればよい。周期的に繰り返す場合は,各周期の寄与が等比級数になる。
周期シフト
では のラプラス変換が 倍になる。この因子を外に出すと,残りは一周期分の積分だけで済む。
幾何と行列式
直線や円の係数が非自明に存在する条件は,対応する連立一次方程式の係数行列の行列式が であることに等しい。三角形の面積公式も,二次元の外積を同次座標の行列式で書いたものである。