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大阪大学 院試 過去問 解答例

阪大 理学研究科 数学 2025年度 第2次募集 院試 過去問 解答例・解説(全4問)

全4問。位相・幾何1問・線形代数1問・微分積分・解析1問。テーマタグは3件(固有値・固有ベクトル・留数定理・正定値行列)。2025年度 第1次募集と共通のテーマは固有値・固有ベクトル・留数定理。

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解説4問と大問1問の途中式・最終答(全4問)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき4問)
問題本文
非収録

阪大 数学 2025年度 第2次募集 院試 過去問の出題内容(全4問)

この4問の分野は位相・幾何1問・線形代数1問・微分積分・解析1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問微分積分・解析多変数関数の極値—あり
第2問線形代数行列の固有値—あり
第3問位相・幾何連結性とコンパクト性—あり
第4問—留数定理—あり

2025年度 第2次募集の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は3問に3テーマが出ています。

前年度(2025年度 第1次募集)との違い

大問数
2025年度 第1次募集 10問 → 2025年度 第2次募集 4問
両年度に出たテーマ
固有値・固有ベクトル・留数定理
2025年度 第2次募集で新しく出たテーマ
正定値行列
2025年度 第1次募集のページを見る

第1問 — 多変数関数の極値

方針は標準的で、臨界点をすべて求めてからヘッセ行列で判定する。二変数関数では、臨界点を一つ見落とすと極値判定全体が崩れるため、まず fy=2y(3−x) f_y=2y(3-x) から場合分けするのが安全である。

ヘッセ行列の判定では、行列が正定値なら極小、不定なら鞍点である。今回の (3,±3)(3,\pm3) では右下成分が 00 なので一見判定しにくく見えるが、行列式が負であることから直ちに不定と分かる。

試験答案では、「極値」を局所極値として答える場合でも、三次関数であるため大域的には上下に有界でないことを一言添えると答案の解釈が明確になる。

解答

関数を f(x,y)=x3−xy2−3x2+3y2 f(x,y)=x^3-xy^2-3x^2+3y^2 とおく。偏微分は fx=3x2−y2−6x,fy=−2xy+6y=2y(3−x) f_x=3x^2-y^2-6x,\qquad f_y=-2xy+6y=2y(3-x) である。臨界点は fx=fy=0f_x=f_y=0 を満たす点である。

fy=0f_y=0 より y=0y=0 または x=3x=3 である。y=0y=0 のとき 3x2−6x=3x(x−2)=0 3x^2-6x=3x(x-2)=0 なので (x,y)=(0,0),(2,0) (x,y)=(0,0),(2,0) を得る。x=3x=3 のとき 27−y2−18=9−y2=0 27-y^2-18=9-y^2=0 なので (x,y)=(3,3),(3,−3) (x,y)=(3,3),(3,-3) を得る。

ヘッセ行列は H=(6x−6−2y−2y−2x+6) H= \begin{pmatrix} 6x-6&-2y\\ -2y&-2x+6 \end{pmatrix} である。各臨界点で調べると、 H(0,0)=(−6006) H(0,0)= \begin{pmatrix}-6&0\\0&6\end{pmatrix} は不定であるから (0,0)(0,0) は鞍点である。 H(2,0)=(6002) H(2,0)= \begin{pmatrix}6&0\\0&2\end{pmatrix} は正定値であるから (2,0)(2,0) は極小点である。このとき f(2,0)=8−12=−4. f(2,0)=8-12=-4. また det⁡H(3,±3)=12⋅0−(−2(±3))2=−36<0 \det H(3,\pm 3)=12\cdot 0-(-2(\pm3))^2=-36<0 より、(3,3),(3,−3)(3,3),(3,-3) はいずれも鞍点である。

さらに f(t,0)=t3−3t2f(t,0)=t^3-3t^2 は t→∞t\to\infty で +∞+\infty、t→−∞t\to-\infty で −∞-\infty へ発散するため、大域的な最大値・最小値は存在しない。

最終答

極小値は (2,0)(2,0) における −4-4。極大値は存在しない。臨界点 (0,0),(3,3),(3,−3)(0,0),(3,3),(3,-3) は鞍点である。

第2問 — 行列の固有値

この問題の中心は、三次の特性多項式をそのまま解くことではなく、必ず出る固有値 11 を見つけて二次式に落とすことである。特性多項式の係数は λ3−pλ2+pλ−1 \lambda^3-p\lambda^2+p\lambda-1 の対称的な形になっており、λ=1\lambda=1 を代入すると 00 になる。

二次式 λ2+bλ+1 \lambda^2+b\lambda+1 では根の積が 11 である。二根が単位円上にあるとき、実係数であることから共役な組 eiθ, e−iθ e^{i\theta},\ e^{-i\theta} になり、和は実数 2cos⁡θ2\cos\theta で [−2,2][-2,2] に入る。ここを判別式だけで処理しようとすると、重根の場合や実根 ±1\pm1 の境界を見落としやすい。

最後の不等式整理では a2(3−a)−4=−(a−2)2(a+1) a^2(3-a)-4=-(a-2)^2(a+1) と因数分解するのが決め手である。区間端 a=−1,3a=-1,3 でも固有値の絶対値は 11 なので、等号を含める。

行列の固有値の途中式・最終答をPDFで見る

第3問 — 連結性とコンパクト性

連結性は「円周を一筆書きの連続パラメータで表す」ことで示すのが最も簡潔である。[0,2π][0,2\pi] の端点が同じ点に写ることは問題なく、像全体がちょうど S1S^1 になっていることを確認すればよい。

コンパクト性では、R2\mathbb R^2 内の部分集合であることを使えるので、閉かつ有界を示せばよい。閉性は方程式 x2+y2=1 x^2+y^2=1 の逆像として処理する。有界性は例えば ∥(x,y)∥=1\|(x,y)\|=1 から直ちに分かる。

典型ミスは、「円周は端がないから閉じている」と直感だけで書くことである。答案では、連続関数の逆像または補集合が開であることを使って閉性を明示する。

連結性とコンパクト性の途中式・最終答をPDFで見る

第4問 — 留数定理

この積分は留数定理で解けるが、極の位数が nn なので、Cauchy の積分公式の微分形を使うのが最短である。円周の半径が 22 であることは、特異点 z=1z=1 が内部に入ることを確認するために使う。

n=1n=1 の場合、式は −2πisin⁡0=0 -2\pi i\sin0=0 となる。これは sin⁡(πz)\sin(\pi z) が z=1z=1 で 00 になることとも一致している。

微分の符号は間違えやすい。検算として n=2 n=2 を代入すると、積分値は −2π2i -2\pi^2 i となる。これは単純極の留数が (sin⁡πz)′∣z=1=πcos⁡π=−π(\sin\pi z)'|_{z=1}=\pi\cos\pi=-\pi であることからも確認できる。

留数定理の途中式・最終答をPDFで見る

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