大阪大学 院試 過去問 解答例
阪大 理学研究科 数学 第2次募集 院試 解答例・解説
大阪大学 理学研究科 数学 第2次募集の院試 過去問について、設問ごとの解法方針・部分点の置き所を解説。全4問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
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設問ごとの解法方針・部分点の置き所を無料で公開しています。
完全な途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — 一変数関数の極限
前半の本質は、導関数の右極限が存在するなら、導関数が の近くで有界になるという点である。有界性があれば、平均値の定理により が得られ、 が の近くで Cauchy になる。
後半では、関数そのものは に収束するが、導関数が激しく振動する例を作る。 は値としては に押さえられて に行くが、微分すると が現れ、導関数の極限が壊れる。
試験答案では、反例の導関数が で連続であることも暗に必要である。上の関数は では通常の合成・積で作られた滑らかな関数なので、この条件を満たしている。
第2問 — 射影と直和分解
条件 は、 が射影であることを表している。射影では、像の成分を 、核の成分を として分けるのが基本である。
像と核の交わりが であることは、 を同時に使うと一行で出る。ここで となるため、 しかあり得ない。
直和を示す際には、「和で書ける」ことと「交わりが 」であることの両方が必要である。どちらか一方だけでは直和分解の証明として不十分になる。
第3問 — 距離空間
この距離は、写像 で通常の距離を引き戻したものである。 が単射であるため、 から が従う。
完備でない理由は、 が通常の距離で完備でないことに対応している。列 は 内では Cauchy だが、極限 が に入らない。その現象を として 側に戻している。
縮小写像は、通常の距離での平行移動ではなく、指数を通したときに倍率がかかるものを選ぶ。 は指数を 倍するので、縮小率 がそのまま出る。
第4問 — 留数と広義積分
前半は単純零点と単純極の基本対応である。 かつ なので、 は一次因子 をちょうど一つだけ持ち、その残り が になる。
後半では、実軸全体の偶関数積分を直接三角置換で計算する方法もあるが、問題の前半が留数の公式なので、留数定理に接続するのが自然である。弧上の積分は分母の次数が十分高いため、Jordan の補題ではなく単純な弧長評価で消える。
根の和の計算では符号に注意する。 だから根は の根であり、上半平面には偏角 の三つが入る。検算として、被積分関数は正で偶関数なので答えは正になるはずであり、 はこの符号条件と合っている。