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京都工繊大 工芸科学研究科 情報工学専攻 専門科目(情報工学) 2025年度 第I期 院試 過去問 解答例・解説(全3問)

全3問の分野は情報2問、数学1問です。固有値・固有ベクトル、線形空間・基底、計算量理論などが出ています。解説はすべて、途中式と最終答は大問1問ぶんを公開しています。残りは解答PDFに収録しています。問題本文は含みません。

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第1問 — 数学

方針

線形代数は階数とジョルダン標準形の基本問題である。重解の固有値を見たら、対角化できるかを固有空間の次元で確認する。

検算

確率の最後の式は、a=−1a=-1 で 00、a=1a=1 で (1+e−2)/2(1+e^{-2})/2 になる。端点で検算すると積分範囲の取り違えを発見しやすい。

採点の置き所

ジョルダン標準形では、固有値の重複度だけでなく固有空間の次元を確認する必要がある。二変数関数の極値は、候補点を出したあと Hessian または平方完成で極小性を説明するところまで書く。

典型ミス

X+YX+Y と X−YX-Y の独立性を共分散だけで断定しない。本問では共分散が 2/32/3 で0でないため独立でない、と判定できるので、独立性の十分条件としてではなく反証として使う。

解答

  1. 線形代数。 (1) 最初の4本のベクトルの階数を調べる。第1、第3ベクトルを基準にすると、第2、第4ベクトルはその一次結合で表せる。 最後のベクトル (a,1,1)T(a,1,1)^T が張る空間に入る条件を連立方程式で調べると、aa によらず既存の2次元空間には入らない。 したがって dim⁡V=3 \dim V=3 である。 (2) 行列 A=(52−21) A=\begin{pmatrix}5&2\\-2&1\end{pmatrix} の固有多項式は det⁡(λI−A)=(λ−3)2. \det(\lambda I-A)=(\lambda-3)^2. よって固有値は 33 のみである。A−3IA-3I は階数1なので固有ベクトルは1次元しかなく、対角化はできない。 したがって相似な下三角行列の対角成分は s=t=3 s=t=3 であり、非対角成分は 00 にはできない。例えば v=(−11),w=(−1/20) v=\begin{pmatrix}-1\\1\end{pmatrix},\qquad w=\begin{pmatrix}-1/2\\0\end{pmatrix} をとると (A−3I)w=v(A-3I)w=v である。P=(w v)P=(w\ v) とすれば P−1AP=(3013). P^{-1}AP=\begin{pmatrix}3&0\\1&3\end{pmatrix}. ゆえに一例として b=1b=1 が得られる。
  2. 解析。 (1) x2+x+1=(x+12)2+34 x^2+x+1=\left(x+\frac12\right)^2+\frac34 なので ∫0∞dxx2+x+1=23[arctan⁡2x+13]0∞=2π33. \int_0^\infty\frac{dx}{x^2+x+1} =\frac{2}{\sqrt3} \left[\arctan\frac{2x+1}{\sqrt3}\right]_0^\infty =\frac{2\pi}{3\sqrt3}. (2) fx=4x3+2y, fy=2x+2yf_x=4x^3+2y,\ f_y=2x+2y より、停留点は (0,0),(12,−12),(−12,12) (0,0),\qquad \left(\frac1{\sqrt2},-\frac1{\sqrt2}\right),\qquad \left(-\frac1{\sqrt2},\frac1{\sqrt2}\right) である。ヘッセ行列は H=(12x2222). H=\begin{pmatrix}12x^2&2\\2&2\end{pmatrix}. (0,0)(0,0) では det⁡H=−4<0\det H=-4<0 で鞍点。残り2点では det⁡H=8>0\det H=8>0 かつ fxx>0f_{xx}>0 なので極小点である。 極小値はいずれも −1/4-1/4 で、極大点は存在しない。
  3. 確率。 XX は率1の指数分布、YY は [−1,1][-1,1] 上の一様分布である。 E(X)=1,V(X)=1,E(Y)=0,V(Y)=13. E(X)=1,\quad V(X)=1,\qquad E(Y)=0,\quad V(Y)=\frac13. 独立性より Cov⁡(X+Y,X−Y)=V(X)−V(Y)=23. \operatorname{Cov}(X+Y,X-Y)=V(X)-V(Y)=\frac23. これは 00 ではないため、X+YX+Y と X−YX-Y は独立でない。 −1≤a≤1-1\le a\le1 のとき P(X+Y≤a)=12∫−1aP(X≤a−y) dy=12∫−1a(1−e−(a−y))dy. P(X+Y\le a) =\frac12\int_{-1}^{a}P(X\le a-y)\,dy =\frac12\int_{-1}^{a}\left(1-e^{-(a-y)}\right)dy. よって P(X+Y≤a)=a+e−a−12. P(X+Y\le a)=\frac{a+e^{-a-1}}{2}.

最終答

dim⁡V=3\dim V=3、s=t=3s=t=3 で一例は b=1b=1。積分は 2π/(33)2\pi/(3\sqrt3)。極小点は (±1/2,∓1/2)(\pm1/\sqrt2,\mp1/\sqrt2)、極小値 −1/4-1/4。共分散は 2/32/3、確率は (a+e−a−1)/2(a+e^{-a-1})/2。

第2問 — プログラミング(1)

典型ミス

d.i++ と ++d.i はどちらも局所変数 d への操作であり、呼び出し元の d[0].i は変わらない。ポインタ引数で渡した要素だけが更新される。

採点の置き所

漸化式の反復版では、関数 a を呼び出さずに同じ値を返す必要がある。閉じた形 an=2n−1a_n=2^{n-1} を示してから x *= 2 と書くと根拠が明確になる。

検算

文字列変換では、終端文字 '0' に到達するまで進むことを確認する。再帰で文字列を反転する問題は、呼び出し時に出力するのか戻り時に出力するのかを小さい文字列で試すと誤りを発見しやすい。

プログラミング(1)の途中式・最終答をPDFで見る

第3問 — プログラミング(2)

検算

末尾ピボットの実装では、昇順配列を入れると毎回ピボットが最大値になる。分割後の片側が常に空になることを確認すると、T(n)=T(n−1)+O(n)T(n)=T(n-1)+O(n) が自然に出る。

典型ミス

クイックソートの「平均が速い」ことと「最悪も速い」ことは別である。ピボット選択が固定されている実装では、入力順だけで最悪計算量に落ちる。

採点の置き所

空欄補充は、分割位置を返す partition、左右部分列への再帰、最後のピボット交換を対応させて書く。計算量では、最良・平均・最悪を同じ式にまとめず、それぞれの分割の偏りを説明する。

プログラミング(2)の途中式・最終答をPDFで見る

年度別の解答例(5年度)

2025年度 第I期の出題内容

全3問

この3問の分野は情報2問・数学1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問数学——あり
第2問情報プログラミング(1)—あり
第3問情報プログラミング(2)—あり

2025年度 第I期の解説には検算3件・採点の置き所3件・典型ミス3件が付いています。

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