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東大 院試 過去問の解答|社会基盤学 2021-2026年度42問

東大 工学系研究科 社会基盤学専攻の2021〜2026年度42問について、解答・解説PDFと、構造・設計/材料・地盤/水圏/交通・空間情報/都市・景観/マネジメントの選び方、答案チェックをまとめました。

最終更新: 2026/10/01

東京大学の研究科別・公式過去問を見る

東大社会基盤学の院試は、土木の一分野だけを深く掘る試験ではありません。梁、コンクリート、地盤、水理、交通、GNSS、景観、PPP、国際開発までが同じ「社会基盤学」として並ぶため、過去問を開いた瞬間に「自分はどこで戦うのか」が見えなくなりやすい試験です。

この記事では、InshiHubで解答化した東京大学大学院 工学系研究科 社会基盤学専攻 社会基盤学の2021〜2026年度、6年度分42問をもとに、年度ごとの出題地図、分野選択の判断、答案の最初の一行、参考書へ戻る章、2027年度入試からの口述中心形式へのつなげ方を整理します。公式問題本文、公式図表、公式の出題意図本文は転載しません。受験生が知りたいのは、どの分野を選ぶか、白紙の1行目に何を書くか、そして本番で説明できる答案にどう変えるかです。

この記事で見た材料

材料確認範囲記事での使い方
公式の最新案内2027年度入試から「社会基盤学(専門)」が口述試験中心の形式へ変わる旨と、サンプル問題の公開を確認。過去問を、筆記対策だけでなく、事前提出課題・口述で説明するための基礎訓練として位置づける。

6年42問の地図

2021〜2024年度は6分野構成、2025年度は10問構成、2026年度は8問構成です。年度ごとに細部は変わりますが、中心にあるのは「計算で構造を示す分野」と「社会課題を根拠つきで説明する分野」の両方です。社会基盤学の対策では、どちらか片方だけに逃げないことが重要です。

年度出題の骨格演習で見ること
2026構造・設計、材料・コンクリート、地盤、水圏、交通、空間情報、都市・景観、マネジメント・国際プロジェクトの8問。方式変更前の直近年度として、分野ごとの基礎知識を短く説明し、口述で聞かれても崩れない粒度へ圧縮する。
2025構造、材料、地盤、水圏A・B、交通、空間情報、都市・景観、マネジメント、国際プロジェクトの10問。選択肢が多い年度。自分の得点源と撤退分野を分ける練習に使う。
2024梁理論と移動荷重、コンクリート材料と斜面安定、気候変動と流体力学、交通配分、津波常襲地域、開発課題。力学計算と政策記述が同じ年度に並ぶ。式だけ、意見だけ、の答案にならないか確認する。
2023梁のたわみ、RCと圧密、堰越流と乱流、交通流・GIS・AI、鉄道史、契約と開発評価。古典的な基礎式と現代的なデータ・制度論が混ざる。基礎を社会実装へつなげる文章を練習する。
2022不均質梁、RC耐久性、地盤改良、河川流と波浪観測、選択モデルと測量、PPP。断面・有効応力・水理・統計推定など、最初のモデル化を誤ると後段が崩れる年度。
2021梁理論、耐久性設計、開水路と高潮、交通計画とリモートセンシング、縮退時代の都市、感染症と開発投資。COVID-19対応でオンライン試験だった年度。参照可でも、式と説明を自分の言葉で組み立てられるかを見る。

最初の10分で分野を選ぶ

社会基盤学では、問題を全部読んでから「得意そう」だけで選ぶと危険です。計算分野は途中の符号や単位で崩れ、記述分野は具体例が弱いと薄く見えます。最初の10分では、最後まで答案の骨格が見えるかを確認します。

候補分野選んでよいサイン最初に書くもの撤退条件
構造・設計梁、振動、断面剛性、移動荷重のモデルを図にできる。仮定、座標、符号規約、境界条件、支配方程式。中立軸、曲率、固有振動数のどれを未知数にするか決まらない。
材料・地盤RC断面、炭酸化、圧密、液状化、有効応力を説明できる。破壊モード、応力ブロック、有効応力、排水/非排水条件。強度、耐久性、施工、地盤挙動の話が混ざり、因果が書けない。
水圏Manning、Bernoulli、浅水波、跳水、洪水リスクの使い分けが見える。保存則、断面平均、境界条件、抵抗則、単位。水位、流量、波速、圧力の関係を式にできない。
交通・空間情報Wardrop、MNL、VTTS、GNSS、SAR、GISのどれを聞いているか判別できる。効用関数、費用関数、座標系、観測量、誤差要因。用語は知っているが、計算式や政策上の意味へ落とせない。
都市・マネジメント災害、景観、PPP、開発投資を、制度・公平性・維持管理まで広げられる。問題設定、利害関係者、評価軸、トレードオフ、具体例。一般論だけで、社会基盤学の技術や制度に戻れない。

構造・設計は仮定から始める

構造・設計では、Euler-Bernoulli梁、せん断補正、不均質梁、移動荷重、1自由度振動、履歴ダンパが繰り返し現れます。ここで大切なのは、式を覚えることよりも、仮定を先に置くことです。断面は平面保持か、せん断変形を無視するか、材料は線形弾性か、境界条件は固定端か自由端か。ここが曖昧なまま計算を始めると、最後の答えだけ合っていても説明できません。

2026年度の不均質梁では、中立面、曲げ剛性、支配方程式、材料分布による応力差が核でした。2025年度の1自由度振動では、外力、基礎加振、固有角振動数、減衰比を整理しないと、変位を抑える条件が見えません。口述中心形式を考えるなら、導出を紙で追うだけでなく、ホワイトボードで「なぜこの仮定からこの式になるか」を説明する練習が必要です。

材料・地盤は破壊と水を分ける

材料・地盤は、暗記が効くようで効かない分野です。コンクリートなら、締固め、炭酸化、鉄筋腐食、終局曲げ、せん断破壊、靱性。地盤なら、液状化、圧密、透水、土圧、非排水三軸、地下水位。答案では、強度の話と耐久性の話、排水条件と有効応力の話を混ぜないことが重要です。

2026年度の地盤では、間隙比、飽和度、透水係数、非排水三軸、液状化抵抗が連続して問われました。2025年度では液状化、土圧、圧密沈下が同じ問題内に並びます。最初に「水が抜けるのか」「間隙水圧が上がるのか」「有効応力がどう変わるのか」を書くと、説明が一気に安定します。

水圏は保存則から逃げない

水圏工学は、見た目が公式集のように見える分野です。しかし答案の芯は、連続式、運動量、エネルギー、抵抗則、境界条件です。Manning式、Bernoulli式、浅水波速、跳水、堰越流をバラバラに覚えるより、どの保存則をどの近似で使っているかを言葉にします。

2021年度では開水路流れと高潮、2022年度では河川流と波浪観測、2023年度では堰越流と開水路乱流、2025年度では円頂堰と気候変動・洪水リスク、2026年度では線形長波と段波が出ています。計算問題でも政策記述でも、「水位を下げる」だけでは不十分です。流域、土地利用、予測、グリーンインフラ、補償、合意形成まで含めて、社会基盤の答案にします。

交通・空間情報はモデルと観測を分ける

交通では、Wardropの利用者均衡と社会的最適、MNL、VTTS、混雑課金、公平性が核になります。空間情報では、GNSS、写真測量、SAR、GIS、地図タイル、AIが出ます。交通は「人がどう選ぶか」、空間情報は「世界をどう測るか」です。この2つを分けてから、政策や防災へつなげると答案が読みやすくなります。

2025年度の交通ではMNLとVTTS、2026年度では混雑課金と公平性が出ました。空間情報では、GNSSの擬似距離、相対測位、整数バイアス、ジオイド高、SARの散乱特性が頻出の入口です。式だけを書くのではなく、交通なら「誰に負担が移るか」、空間情報なら「災害時にどの観測が何を担うか」を添えてください。

都市・景観・マネジメントは一般論で終わらせない

都市・景観・マネジメントは、文章で何とかなると思われがちです。しかし、一般論だけの答案は弱い。縮退時代の立地計画なら、集約と撤退を対にする。大都市災害なら、人口密度だけでなく権利関係、代替住宅、復旧順序を見る。景観なら、見た目ではなく、視点場、連続可視性、壁面線、用途・高さ・密度規制まで書く。PPPなら、民営化ではなく、リスクを最も管理しやすい主体に配分する話にする。

国際プロジェクトでは、投資の便益を大きく見せるだけでは危険です。債務、維持管理、制度能力、負の外部性、公平性を含めて評価します。2021年度の感染症と交通運営、2022年度のPPP、2023年度の契約と開発評価、2026年度の公共資本の生産性は、どれも「誰のためのインフラか」を問う答案になります。

2027年度以降の新方式へどうつなげるか

公式サンプル問題では、2027年度入試から、従来の筆記試験とは異なる、口述試験を中心とした「社会基盤学(専門)」が示されています。事前提出課題では、選択した試験分野に関連する英語論文等を題材に、基礎知識、科学的手法の理解、限界や適用可能性、社会課題への応用を説明する形になります。

だから過去問は不要になるのではありません。むしろ、過去問の使い方が変わります。構造なら式を導出して説明する。地盤なら有効応力を図で説明する。水圏なら保存則と現象をつなげる。交通ならモデルの前提と政策含意を語る。都市・マネジメントなら、論文の知見を現実の制約へつなげる。42問分の過去問は、口述で崩れない基礎語彙を作る材料です。

4週間の演習計画

  1. 1週目:2026年度と2025年度を読み、8〜10分野の中から自分の得点源を3つ、保険にする記述分野を2つ選ぶ。選ばなかった分野も、撤退理由を記録する。
  2. 2週目:構造、材料・地盤、水圏の計算問題を時間無制限で解く。仮定、境界条件、単位、有効応力、保存則を答案の1行目に置く練習をする。
  3. 3週目:交通・空間情報、都市・景観、マネジメントを解く。モデル、観測、制度、公平性、具体例を分け、一般論だけで終わらない答案へ直す。
  4. 4週目:2021〜2024年度を使い、選択判断を10分、答案作成を本番時間で回す。最後に各分野を3分で口頭説明し、2027年度以降の口述形式にも備える。

後回しにしてよいこと

直前期に、全分野を百科事典のように広げる必要はありません。社会基盤学は広いからこそ、完璧主義で全科目を浅くなぞると、どの答案も薄くなります。まずは構造・水圏・交通のような計算の型、材料・地盤のような条件整理、都市・景観・マネジメントのような論述の型を分けて作ってください。

また、記述分野を「感想文」で乗り切ろうとするのも危険です。社会基盤学の記述は、社会問題に見えても、必ず技術、制度、データ、維持管理、利害関係者へ戻ります。きれいな意見より、根拠のある制約条件を示す答案の方が強いです。

公式情報で確認すること

社会基盤学専攻の過去問ダウンロードページでは、2016年度以降の過去問が掲載され、2021年度入試から「社会基盤学」は英語出題、解答は日本語・英語どちらでも可能と説明されています。また、2021年度と2022年度はCOVID-19対応でオンライン試験が実施され、教科書やウェブページなどを参照可とした旨も記載されています。

大学院で学びたい方向けページでは、2027年度大学院入試の募集要項・入試案内、独自書類、FAQ、研究室訪問、説明会情報が案内されています。さらに社会基盤学(専門)のサンプル問題では、2027年度入試からの事前提出課題・口述試験中心の形式が説明されています。出願時期、提出書類、英語、研究室訪問、口述の細部は必ず最新の公式情報で確認してください。

よくある質問

東大 院試 の他専攻ガイド

東大 大学院 工学系研究科 社会基盤学専攻(土木)は、建築・機械工学・物理工学・地球惑星科学と隣接した出題分野です。土木で身につけた「保存則・連続体方程式・水理の宣言」は、建築の構造、機械の流体、地球惑星の連続体でも答案の骨格として効きます。下記の同大学他専攻ガイドも合わせて読むと、東大 院試 工学系全体の出題傾向が見えます。

途中式と最終答まで読める解説

問題本文は含みません。公式の問題冊子と併用してください。

工学系研究科の収録解説の分野(2021〜2026年度・42項目)

院試hubの収録解説6実施回・42項目の見出しを分野別に数えたものです。設問を分割した項目や、公開資料の制約を説明する項目を含むため、公式問題の大問数や完成答案数とは一致しません。が34項目(全体の81%)で最多。・材料力学・材料は6実施回すべてに出ています。

分野項目数全項目に占める割合直近の連続出題最後に出た回
3481%6回連続2026年度
材料力学・材料614%6回連続2026年度
力学25%—2025年度

収録年度と解説項目数

院試hubに収録した2科目・6件の一覧です。1回あたりの解説見出しは6〜10項目です。

東大 工学系研究科の解答で立てた注意点(83件)

院試hubの解説で、その設問だけに立てた小見出しです(「方針」「検算」のような全問共通の 見出しは除いています)。新しい実施回から並べています。

  • 2026年度 第1問 構造・設計この問題の軸 / 答案で落としやすい点
  • 2026年度 第3問 地盤工学サクションと液状化の共通点 / Mohr--Coulomb 式の使い方
  • 2026年度 第4問 水圏工学移動座標で考える理由 / 線形波と段波の違い
  • 2026年度 第5問 交通図示のポイント / 政策答案の書き方
  • 2026年度 第6問 空間情報GNSS の答案で必要な粒度 / 高さ変換の落とし穴
  • 2026年度 第7問 都市・景観景観答案の作り方 / 規制の効果は形で説明する

材料力学・材料13件

  • 2026年度 第2問 材料・コンクリート工学曲げ耐力計算の見通し / 湿度条件の注意
  • 2025年度 第2問 材料(RC 断面の終局曲げ)計算の骨格 / 落としやすい点 / 真偽問題の書き方
  • 2024年度 第2問 材料・地盤(コンクリート材料と斜面安定)採点で見られる筋
  • 2023年度 第2問 材料・地盤(RC材料と圧密・土質試験)RC計算の読み方 / 地盤問題の要点
  • 2022年度 第2問 材料・地盤(RC耐久性と地盤改良)耐久性は強度だけで決まらない / RC計算の採点点 / 地盤対策は有効応力で説明する
  • 2021年度 第2問 材料・地盤(耐久性設計と土質挙動)用語は構造性能に結び付ける / 地盤の答案は有効応力で統一する

力学5件

  • 2025年度 第1問 構造・設計(1自由度振動)最初の一手 / (3) の見通しと検算 / (4) の落とし穴 / (5) の意味
  • 2024年度 第3問 水圏工学(気候変動と流体力学)採点で見られる筋

頻出論点と、同じ論点を出す他大学

院試hubが解答した大問の論点を、他大学の出題と突き合わせたものです。併願先を 探すときの重なりの実数として使えます。

論点この専攻での出題出題年度同じ論点を出す他大学全国の出題大学
はりの曲げ6問2026・2025・2024・2023・2022・2021京都大学・名古屋大学・東北大学・名古屋工業大学・東京科学大学11大学
固有振動数と振動系3問2024・2023・2022名古屋大学・北海道大学・広島大学・筑波大学・東北大学16大学
応力・ひずみ2問2026・2022京都大学・東京科学大学・九州大学・電気通信大学・名古屋工業大学6大学
固有値・固有ベクトル1問2021神戸大学・京都大学・大阪大学・名古屋大学・北海道大学25大学
伝達関数1問2022京都大学・九州大学・名古屋大学・東北大学・大阪大学12大学
正定値行列1問2022名古屋大学・大阪大学・九州工業大学・京都大学・東北大学17大学
転位1問2026北海道大学・東京科学大学・名古屋工業大学・名古屋大学・東北大学7大学
境界層1問2023京都大学・東京科学大学・九州大学・東北大学・名古屋大学8大学
最尤推定1問2025京都大学・東京科学大学・大阪公立大学・静岡大学・千葉大学8大学

東大 公式の過去問の公開年度と公式解答例

公式の過去問ページ
工学系研究科 社会基盤学専攻
公開されている年度
2016〜2026
公式の解答例
解答例の掲載なし
院試hubが最後にリンクを確認した日
2026-08-13
ページの内容
「社会基盤学」の問題PDFを2016年度分から公開。2021年度入試から社会基盤学は英語出題(専門用語に和訳付き、解答は日英どちらでも可)。博士の専門学術Bは非公開。解答例は非公開。

よくある質問

社会基盤学はどの分野を勉強すればよいですか。

過去問では、構造・設計、材料・コンクリート、地盤、水圏、交通、空間情報、都市・景観、マネジメント・国際プロジェクトが繰り返し現れます。全部を同じ深さでやるより、計算で戦う分野を2〜3、記述で守る分野を2つ作る方が現実的です。

2027年度入試から方式が変わるなら、過去問は使えますか。

使えます。ただし使い方を変える必要があります。公式サンプルでは、事前提出課題と口述試験を中心に、選択分野の基礎知識、論文内容の理解、社会課題への応用力を見る形式が示されています。過去問は、基礎知識を説明できるか、式や図を口頭で再現できるかを鍛える材料として使います。

外部生が最初に固めるべき分野はどれですか。

数学・力学に強い人は構造・水圏・交通を先に固めると答案の型を作りやすいです。環境・都市計画寄りの人は水圏B、都市・景観、マネジメントを読みつつ、地盤と材料で最低限の計算を落とさない準備をしてください。社会基盤は分野横断なので、得意分野だけで完結しない前提で組みます。

参考書は何を使えばよいですか。

構造力学、コンクリート工学、土質力学、水理学、交通計画、測量・空間情報、都市計画、プロジェクトマネジメントを章単位で戻ります。書名を増やすより、過去問で出た梁、RC終局、圧密、Manning、MNL、GNSS、景観、PPPに対応する章を解ける状態にしてください。

公式過去問と併用する解答・解説PDFを、東京大学の研究科・科目別に掲載しています。収録年度と価格は各ページで確認できます。

東京大学の解答PDF一覧で、東京大学の研究科・専攻・科目をまとめて確認できます。

院試対策ガイド一覧(大学別)