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東大 建築 院試の過去問対策|6年30題で読む設計・計画・環境・構造

東京大学大学院 工学系研究科 建築学専攻の院試対策ガイド。2020・2022〜2026年度の建築学専門科目30題の解答解説メモから、専門課題I、設計、計画・史・構法、環境、構造・材料の読み方、参考書、4週間の演習計画、答案チェックを整理します。

最終更新: 2026/10/12

東京大学の研究科別・公式過去問を見る

東大建築学専攻の院試が怖いのは、難問が一つあるからではありません。構造、環境、計画、建築史、構法、材料、そして設計までが、同じ試験の中で一気に迫ってくるからです。公式名を知っているだけでは足りず、式も、図も、寸法感覚も、作品理解も、答案の中で「建築として」つながっていなければなりません。

この記事では、InshiHubで解答化した東京大学大学院 工学系研究科 建築学専攻 建築学専門科目の2020・2022〜2026年度、6年度分30題をもとに、最初の10分で何を見るか、各群の答案を何から始めるか、参考書へどの章単位で戻るかを整理します。公式問題本文、公式図表、公式敷地図、公式の出題意図本文は転載しません。受験生に必要なのは、問題を眺めたあとに「自分は次に何を書けばいいか」がわかることです。

この記事で見た材料

材料確認範囲記事での使い方
公式PDF保存メモ建築学専攻の公式過去問ページから、各年度の専門課題Iと専門課題II第1群から第4群を保存。2026年度は各群の出題の意図PDFも保存。公式PDFを先に解く前提で、解答パックでどの途中式、図示、説明の根拠を照合するべきかを決める。

公式情報で確認する入口

建築学専攻の専門科目過去問ページでは、2018年度以降の大学院入試試験問題が公開されています。2026年度は専門課題Iに加えて、専門課題IIの第1群(建築設計)、第2群(建築計画・建築史・構法)、第3群(建築環境)、第4群(建築構造・建築材料)が並び、各群の出題の意図も公開されています。

2026年5月25日時点では、2027年度大学院入試に関する情報のページに、令和9年度入試の案内、工学系研究科サイトへの導線、ガイダンス資料、大学院入試Q&A、外国語試験に関する更新が掲載されています。過去問で出題を読む記事と、出願条件を確認する公式ページは役割が違います。日程、英語スコア、提出書類、問い合わせ先は必ず公式情報で確認してください。

2020・2022〜2026年度30題の地図

建築学専門科目は、毎年のテーマが変わっても骨格は安定しています。専門課題Iで幅広い基礎を見られ、専門課題IIで設計、計画・史・構法、環境、構造・材料へ分かれます。対策の初期にやるべきことは、全部を同じ濃さで読もうとすることではなく、5つの答案の型を分けて持つことです。

年度専門課題I専門課題IIの4群復習で見ること
2026トラス、環境代表値、CLTと集成材、合わせガラスと複層ガラス、標準寸法、建築史短答。設計、計画・史・構法、環境、構造・材料。各群で出題意図も公開。構造は釣合いと仮想仕事、環境は代表値と単位、設計は敷地・用途・構造・環境を一つの提案にまとめる。
2025構造、環境、計画、史、構法の基礎を横断して問う構成。設計、計画・史・構法、環境、構造・材料。必須室、来訪者と搬入の動線、階段・便所・設備、構造グリッドの整合性を確認する。
2024釣合い、断面力、変位、熱、換気、光、音、計画・史・構法の短答。設計、計画・史・構法、環境、構造・材料。定常、一次元、線形、微小変形などの仮定を先に置き、単位とオーダーで検算する。
2023構造の釣合い・断面力・変位、環境の熱・換気、計画・史・構法の理由づけ。設計、計画・史・構法、環境、構造・材料。鋼、RC、木質材料の破壊モードや異方性を、構造モデルと合わせて書く。
2022・2020建築学基礎として、構造、環境、計画、史、構法を横断。2021年度は公式ページ上で筆記試験なし。2022年度と2020年度は同じ5本立て。計画・史・構法は、定義、特徴、理由、具体例の順に短く閉じる。

最初の10分で答案の型を決める

東大建築学の過去問を開くと、広さに圧倒されます。だから最初の10分は、詳しく解く時間ではなく、答案の型を選ぶ時間にします。自信のある分野から突っ込むのではなく、その問題で採点者が追える骨格を先に置きます。

領域最初に書くもの危険な入り方
専門課題I符号規約、単位、代表値、用語の定義、図のラベル。選択肢や数値だけを急いで書き、根拠を一語も残さない。
設計必須条件、準必須条件、裁量条件、来訪者・管理・搬入動線、階段と設備コア。コンセプトの言葉だけを先に作り、平面・断面に翻訳できない。
計画・史・構法定義、特徴、理由、具体例。図面読解なら利用者、動線、領域、環境性能。知っている作品名や用語を並べるだけで、なぜそれが答えになるかを書かない。
環境保存則、境界条件、単位、定常か非定常か、熱・空気・光・音のどのモデルか。公式を思い出した順に書き、熱流、照度、騒音、湿度の単位を混ぜる。
構造・材料支点条件、荷重、モデル化、断面力、耐力、破壊モード、材料の前提。図の部材名や境界条件を曖昧にしたまま、式だけで押し切る。

専門課題Iは広く浅くではなく、根拠を短く

専門課題Iは、建築学基礎という名前の通り、構造、環境、構法、計画、建築史を横断します。ここで大切なのは、全部を長く説明することではありません。構造なら引張・圧縮の符号、環境なら単位と代表値、構法なら部材の位置と性能上の違い、計画なら標準寸法の理由、建築史なら作品と時代背景を一文で添えることです。

2026年度の解答制作では、トラスの節点法、仮想仕事法、二枚ガラスの多重反射、CLTと集成材の違い、合わせガラスと複層ガラスの違い、グッゲンハイム美術館やせんだいメディアテークの空間構成まで、短い小問の中に幅広い確認点がありました。番号だけで答えると速いですが、復習では必ず「なぜその番号か」を一語足してください。本番の見直しでも、その一語が誤選択を止めます。

設計は見せ場より整合性

設計課題で最初に捨てるべき発想は、「かっこいい形を出せば勝てる」という期待です。もちろん表現力は必要ですが、院試の設計答案では、必須室が落ちていないか、来訪者と管理者と搬入の動線が混ざらないか、階段・便所・設備が各階に成立しているか、構造グリッドと断面が矛盾しないかが先に見られます。

設計の練習では、毎回同じ順番で下書きを作ります。与条件を必須、準必須、裁量に分ける。面積配分を荒く決める。来訪者、スタッフ、搬入の動線を色分けする。コアと構造グリッドを置く。断面で採光、吹抜け、設備、避難を確認する。最後に主旨文を、図面にある操作だけで書く。この順番にすると、白紙の恐怖がかなり減ります。

計画・史・構法は定義から具体へ

計画・史・構法は、知識量だけの勝負に見えます。しかし採点される答案は、知っていることの羅列ではなく、問いに対して根拠を持つ短い説明です。計画なら、利用者、動線、視線、安全、衛生。建築史なら、時代背景、空間構成、構造、都市的意味。構法なら、要求性能、層構成、防水、断熱、耐火、維持管理。この順番で見ると、書くべきことが急に絞れます。

2026年度の解説メモでは、図面読解、エレベーターや避難や待ち行列の計算、作品名と建築家名だけで終わらせない建築史、外壁の支持・防水・熱橋・メンテナンスまでをつなげる構法が要点でした。暗記カードを増やすより、「この用語を実際の建物のどこに描くか」を練習してください。

環境は保存則と単位で守る

建築環境は、覚える公式が多く見える分野です。ただし過去問演習では、公式名よりも保存則と単位が大事です。伝熱なら熱抵抗、換気なら濃度収支、光なら照度と入射角、音ならデシベルと対数、湿度なら水蒸気分圧と露点。どの物理量を未知数にしているかを先に宣言すると、式の選択が安定します。

特に、熱貫流率はW/(m2 K)、熱流はW、照度はlx、音はdB、湿度は分圧や絶対湿度というように、単位の違いがそのまま検算になります。環境分野で崩れる答案は、たいてい式が間違う前に単位が混ざっています。

構造・材料はモデル化から始める

構造・材料では、最初の線が命です。支点は何か、荷重はどこに入るか、部材はピンか剛接か、断面力はどの符号で書くか、材料は弾性か、破壊モードは何か。この前提を置かずに計算を始めると、式が合っていても答案として追いにくくなります。

2026年度の構造・材料では、構造力学、行列を使う構造解析、風荷重、コンクリート材料、火災材料試験など、手計算と知識説明が混在します。構造志望でなくても、反力、軸力、せん断力、曲げモーメント、たわみ、固有周期、座屈、耐火、非燃焼性、コンクリートの材料性質までは、答案の言葉として使える状態にしてください。

4週間の演習計画

  1. 1週目:2026年度と2024年度の専門課題Iを解き、構造、環境、計画、史、構法の「最初に書く一行」を作る。符号、単位、定義、標準寸法を誤答ノートに集める。
  2. 2週目:設計課題を時間無制限で2年分解く。図面の完成度より、必須室、動線、コア、グリッド、断面、主旨文が矛盾しないかを自己採点する。
  3. 3週目:計画・史・構法と環境を交互に解く。計画は定義から具体例、環境は保存則から単位検算、という型を固定する。
  4. 4週目:構造・材料を中心に、反力、断面力、仮想仕事、材料の破壊モード、耐火・防火の説明を通しで確認する。最後に30題を一覧化し、自分が落としやすい型を3つだけ決める。

後回しにしてよいこと

直前期に、建築作品集を無限に増やしたり、特殊な構造解析だけを深掘りしたり、設計表現のテクニック動画だけを見続けたりするのは危険です。東大建築学の専門科目でまず必要なのは、広い範囲を前にしても、答案の初手を失わないことです。作品名を100個増やすより、代表作10個を「時代、空間、構造、都市的意味」で説明できる方が点に近い場面があります。

逆に、公式PDFを眺めるだけの勉強も危険です。建築は読むだけだとわかった気になりやすい分野です。構造は手で釣合いを書く。環境は単位をそろえる。設計は実際に平面と断面を置く。史・構法は図と言葉を結びつける。手を動かした答案だけが、本番で戻ってきます。

よくある質問

東大 院試 の他専攻ガイド

東大 大学院 工学系研究科 建築学専攻は、社会基盤学(土木)・機械工学・マテリアル工学と隣接した出題分野です。建築で身につけた「構造力学・荷重と境界条件の宣言」は、土木の連続体・流体、機械の固体力学、マテリアルの強度でも答案の骨格として効きます。下記の同大学他専攻ガイドも合わせて読むと、東大 院試 工学系全体の出題傾向が見えます。

途中式と最終答まで読める解説

問題本文は含みません。公式の問題冊子と併用してください。

建築学 専門科目の収録解説の分野(2020〜2026年度・30項目)

院試hubの収録解説6実施回・30項目の見出しを分野別に数えたものです。設問を分割した項目や、公開資料の制約を説明する項目を含むため、公式問題の大問数や完成答案数とは一致しません。が24項目(全体の80%)で最多。・材料力学・材料は6実施回すべてに出ています。

分野項目数全項目に占める割合直近の連続出題最後に出た回
2480%6回連続2026年度
材料力学・材料620%6回連続2026年度

収録年度と解説項目数

院試hubに収録した6実施回の一覧です。どの回も解説見出しは5項目です。

東大 建築学 専門科目の解答で立てた注意点(43件)

院試hubの解説で、その設問だけに立てた小見出しです(「方針」「検算」のような全問共通の 見出しは除いています)。新しい実施回から並べています。

  • 2026年度 第1問 専門課題I(建築学基礎)採点される答案の形 / 問題文非掲載での復習方法
  • 2026年度 第2問 専門課題II 第1群(設計)設計試験で失点しやすい点 / 読みがいのある答案にする工夫
  • 2026年度 第3問 専門課題II 第2群(計画・史・構法)答案の密度 / 計画系で使う数式の意味
  • 2026年度 第4問 専門課題II 第3群(環境)単位が答案の骨格になる / 論述へのつなげ方
  • 2025年度 第1問 専門課題I(建築学基礎)図版問題の注意
  • 2025年度 第2問 専門課題II 第1群(設計)答案を強くする表現

材料力学・材料9件

  • 2026年度 第5問 専門課題II 第4群(構造・材料)第4群の解き進め方 / 論述問題の採点軸
  • 2025年度 第5問 専門課題II 第4群(構造・材料)記述問題の注意
  • 2024年度 第5問 専門課題II 第4群(構造・材料)図読取の扱い / 部分点の確保
  • 2023年度 第5問 専門課題II 第4群(建築構造・建築材料)部分点の取り方
  • 2022年度 第5問 専門課題II 第4群(建築構造・建築材料)構造問題での部分点 / 材料問題での部分点
  • 2020年度 第5問 専門課題II 第4群(建築構造・建築材料)得点の取り方

頻出論点と、同じ論点を出す他大学

院試hubが解答した大問の論点を、他大学の出題と突き合わせたものです。併願先を 探すときの重なりの実数として使えます。

論点この専攻での出題出題年度同じ論点を出す他大学全国の出題大学
はりの曲げ10問2026・2025・2024・2023・2022・2020京都大学・名古屋大学・東北大学・名古屋工業大学・東京科学大学11大学
結晶構造2問2025・2022北海道大学・東京科学大学・名古屋工業大学・九州大学・東北大学9大学
線形空間・基底1問2023神戸大学・名古屋大学・京都大学・北海道大学・九州工業大学21大学
境界層1問2022京都大学・東京科学大学・九州大学・東北大学・名古屋大学8大学
グラフ理論1問2023京都大学・名古屋大学・早稲田大学・大阪大学・北海道大学8大学
伝熱工学1問2022九州大学・早稲田大学・京都大学4大学

東大 公式の過去問の公開年度と公式解答例

公式の過去問ページ
工学系研究科 建築学専攻
公開されている年度
2018〜2026(2021年度は筆記試験未実施)
公式の解答例
解答例の掲載なし
院試hubが最後にリンクを確認した日
2026-08-13
ページの内容
専門課題Iと専門課題II(建築設計/計画・史・構法/環境/構造・材料の4グループ)の問題を年度別に公開。2021年度は筆記試験を実施せず。解答例は非公開。

よくある質問

東大建築学の専門科目はどのような構成ですか。

公開過去問では、専門課題I(建築学基礎)と、専門課題IIの第1群(設計)、第2群(建築計画・建築史・構法)、第3群(建築環境)、第4群(建築構造・建築材料)という5本立てで整理されています。2021年度は公式ページ上で筆記試験なしと案内されています。

設計課題は何から練習すべきですか。

見栄えの練習より先に、条件整理、動線、コア、構造グリッド、断面、主旨文の整合性を練習してください。東大建築の設計は、図面が美しいだけでなく、必須室、避難、搬入、設備、採光、構造が互いに矛盾しないことが重要です。

外部生はどの分野を優先すべきですか。

最初は専門課題Iで出る基礎を広く固めます。構造は釣合いと仮想仕事、環境は熱・換気・光・音の単位、計画は標準寸法、史・構法は作品名や用語を理由付きで説明する練習を先に作るのが安全です。その後に第2群から第4群の得点源を決めていきます。

参考書は何冊も必要ですか。

一気に増やすより、構造力学、建築環境工学、建築計画、建築史、建築構法・材料の標準書を章単位で使う方が効果的です。過去問で詰まったら参考書へ戻り、公式名や用語暗記ではなく、式、図、標準寸法、空間構成の説明へ落としてください。

公式過去問と併用する解答・解説PDFを、東京大学の研究科・科目別に掲載しています。収録年度と価格は各ページで確認できます。

東京大学の解答PDF一覧で、東京大学の研究科・専攻・科目をまとめて確認できます。

院試対策ガイド一覧(大学別)