電気通信大学 院試 過去問 解答例
電通大 情報理工学研究科 基盤理工学専攻 専門科目(無機・有機化学・物理化学) 2025年度 院試 解答例・解説
電気通信大学 情報理工学研究科 基盤理工学専攻 専門科目(無機・有機化学・物理化学) 2025年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針と確認点を解説。全2問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
最終更新:
設問ごとの解法方針と確認点を公開しています。
続きの途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — 選択問題:無機・有機化学
錯体場分裂の判定
高スピン・低スピンの問題では,最初に金属の酸化数と 電子数を決める。今回の2つの Fe 錯体はいずれも なので,違いは配位子による の大きさだけに帰着する。CN は強い場の配位子,水は弱い場の配位子であるという定性的知識とも一致する。
VSEPR の使い方
VSEPR は「分子形の名前」を暗記するだけでは点が伸びない。孤立電子対も含めた電子領域の幾何を先に書き,その後で原子核の配置だけを読めば,四角錐形やシーソー形を取り違えにくい。
有機反応の答案で落としやすい点
反応名だけでなく,どの結合が切れ,どの結合ができるかを書く。特に E2 では反平行,Wittig ではカルボニル炭素への付加と oxaphosphetane 経由,mesylate の置換では乾燥・極性非プロトン性条件の意味まで添えると,生成物の妥当性を説明できる。
第2問 — 選択問題:物理化学
光吸収はエネルギー差の逆数
HOMO--LUMO 間隔が小さいほど吸収は長波長側へ移る。二面角が大きくなると 軌道の重なりが減るため,共役で得られる準位分裂が小さくなり,分子全体は単量体2個に近づく。この方向を押さえれば,準位図の選択と吸収波長の比較を同時に判断できる。
速度式の低温極限と高温極限
複雑に見える速度式でも,分母のどちらが大きいかで近似すれば意味が見える。低温では が小さいので反応過程そのものが効き,高温では が十分大きくなって遭遇対形成の速さが上限になる。計算値でも では と より極端に小さく, では と を上回る。
単位の確認
は , は , は無次元なので,最終的な は になる。数値計算で桁を誤ったときは,この単位確認で気づきやすい。