東京大学 院試 過去問 解答例
東大 情報理工学系研究科 一般教育科目(数学) 2024年度 院試 解答例・解説
東京大学 情報理工学系研究科 一般教育科目(数学) 2024年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針・部分点の置き所を解説。全3問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。
最終更新:
設問ごとの解法方針・部分点の置き所を無料で公開しています。
完全な途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。
第1問 — 空間ベクトルと最小二乗
差の行列はアフィン独立性を見る
は そのものではなく,隣り合う差を並べた行列である。したがって rank の条件は「 が同一平面上に乗るかどうか」として読むと自然である。
距離の二乗和は正規方程式になる
平面までの距離の二乗和も,直線までの距離の二乗和も,本質的には最小二乗問題である。勾配をゼロにすると の形が現れる。行列 の正定値性を先に示しておくと,最小点が一意であることも同時に分かる。
射影行列の見方
は 方向への射影, はその直交補空間への射影である。直線への距離は「直線方向に垂直な成分」の長さなので, が自然に出てくる。
第2問 — ガンマ関数と対数分散
ガンマ関数として見る
はガンマ関数 である。特に であり, に関する微分は から を引き出す操作になる。
不等式の役割
は,尾部積分を多項式で上から評価するために使う。 という条件は を で表すために必要である。
最後は分散の変数変換
はレイリー分布である。 と置くと指数分布へ変わり, は の半分に定数を足したものになる。このため に依存しない値が出る。
第3問 — 停止時刻付きの格子上ランダムウォーク
停止までの回数を見る
この過程では,停止するまで右・上の移動だけが続く。したがって停止位置 は,停止前に右を何回,上を何回選んだかというカウントそのものである。共同分布は二項係数つきの負の多項分布になる。
幾何分布としての
は「右が出る前に停止する」確率である。上への移動は何回挟まっても構わないため, の等比級数になる。以後,右への移動を1回数えるたびに同じ状況が再開するので, は幾何分布になる。
相関が正になる理由
と は一見競合するが,停止が遅いほど右にも上にも多く進むため,無条件では正の相関をもつ。計算上も となる。