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東大 情報理工学系研究科 一般教育科目(数学) 2022年度 院試 過去問 解答例・解説(全3問)

全3問の分野は微分積分・解析1問です。固有値・固有ベクトル、一様収束、二次形式が出ています。解説はすべて、途中式と最終答は大問1問ぶんを公開しています。残りは解答PDFに収録しています。問題本文は含みません。

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第1問 — 不等式で定まる投影領域

存在条件は区間の重なり

zz が存在するかどうかは,zz が入るべき2つの開区間が重なるかどうかで判定できる。s=z−xys=z-xy,t=z−(x+y)2t=z-(x+y)^2 と置くと,重なり条件が xy<0xy<0 と x2+xy+y2<1x^2+xy+y^2<1 に整理される。

楕円の主軸

x2+xy+y2x^2+xy+y^2 の交差項は,座標軸に対して傾いた楕円を表す。固有ベクトル (1,−1)T,(1,1)T(1,-1)^T,(1,1)^T を使えば,単位円から楕円への線形変換を直接作れる。

面積は行列式で処理する

線形変換による面積倍率は行列式の絶対値である。あとは単位円側で xy<0xy<0 に対応する扇形の角度を数えればよい。

不等式で定まる投影領域の途中式・最終答をPDFで見る

第2問 — Frullani型積分

微分すると端点だけが残る

α\alpha で微分すると,分子の f(αx)f(\alpha x) だけが変化し,xx が打ち消されて ∫f′(αx) dx\int f'(\alpha x)\,dx になる。ここから置換積分で端点の値に落ちる。

Frullani型積分

最後の公式はFrullani型積分である。一般に ∫0∞f(ax)−f(bx)x dx \int_0^\infty \frac{f(ax)-f(bx)}{x}\,dx は,f(0)f(0) と a/ba/b の対数で決まる。今回の f(u)=e−ucos⁡uf(u)=e^{-u}\cos u は振動を含むが,指数減衰により同じ枠組みで扱える。

解答

  1. 微分と積分の交換を用いると Jn(α)=ddαIn(α)=∫1/nnf′(αx) dx. J_n(\alpha) = \frac{d}{d\alpha}I_n(\alpha) = \int_{1/n}^{n} f'(\alpha x)\,dx. ここで u=αxu=\alpha x とおくと du=α dxdu=\alpha\,dx なので Jn(α)=1α∫α/nαnf′(u) du=1α{f(αn)−f(αn)}. J_n(\alpha) = \frac1\alpha\int_{\alpha/n}^{\alpha n}f'(u)\,du = \boxed{\frac1\alpha\left\{f(\alpha n)-f\left(\frac{\alpha}{n}\right)\right\}}.
  2. β∈[1,α]\beta\in[1,\alpha] とする。前問より Jn(β)=1β{f(βn)−f(βn)}. J_n(\beta) = \frac1\beta \left\{f(\beta n)-f\left(\frac{\beta}{n}\right)\right\}. n→∞n\to\infty で βn→∞\beta n\to\infty は [1,α][1,\alpha] 上一様であり,仮定より f(βn)→0 f(\beta n)\to0 が一様に成り立つ。また β/n→0\beta/n\to0 も一様であり,ff は連続なので f(βn)→f(0) f\left(\frac{\beta}{n}\right)\to f(0) が一様に成り立つ。したがって lim⁡n→∞Jn(β)=−f(0)β \lim_{n\to\infty}J_n(\beta) = -\frac{f(0)}{\beta} であり,収束は [1,α][1,\alpha] 上一様である。 また In(1)=0I_n(1)=0 であるから In(α)=∫1αJn(β) dβ I_n(\alpha)=\int_1^\alpha J_n(\beta)\,d\beta である。一様収束により極限と積分を交換できるので I(α)=∫1α(lim⁡n→∞Jn(β))dβ. I(\alpha) = \int_1^\alpha \left(\lim_{n\to\infty}J_n(\beta)\right)d\beta.
  3. 前問の極限を積分して I(α)=∫1α−f(0)β dβ=−f(0)log⁡α I(\alpha) = \int_1^\alpha -\frac{f(0)}{\beta}\,d\beta = \boxed{-f(0)\log\alpha} である。
  4. f(u)=e−ucos⁡u f(u)=e^{-u}\cos u とおくと f(0)=1f(0)=1,lim⁡u→∞f(u)=0\lim_{u\to\infty}f(u)=0 である。求める積分は ∫0∞f(px)−f(qx)x dx. \int_0^\infty \frac{f(px)-f(qx)}{x}\,dx. u=qxu=qx と置けば ∫0∞f((p/q)u)−f(u)u du \int_0^\infty \frac{f((p/q)u)-f(u)}{u}\,du となる。これは前問の α=p/q\alpha=p/q の場合である。したがって ∫0∞e−pxcos⁡(px)−e−qxcos⁡(qx)x dx=−log⁡pq=log⁡qp \boxed{ \int_0^\infty \frac{e^{-px}\cos(px)-e^{-qx}\cos(qx)}{x}\,dx = -\log\frac{p}{q} = \log\frac{q}{p}} である。

最終答

Jn(α)=1α{f(αn)−f(αn)}. J_n(\alpha)= \frac1\alpha \left\{f(\alpha n)-f\left(\frac{\alpha}{n}\right)\right\}. lim⁡n→∞Jn(β)=−f(0)β,I(α)=−f(0)log⁡α. \lim_{n\to\infty}J_n(\beta)=-\frac{f(0)}{\beta}, \qquad I(\alpha)=-f(0)\log\alpha. ∫0∞e−pxcos⁡(px)−e−qxcos⁡(qx)x dx=log⁡qp. \int_0^\infty \frac{e^{-px}\cos(px)-e^{-qx}\cos(qx)}{x}\,dx = \log\frac{q}{p}.

第3問 — 一様分布点が作る長方形の面積

面積は独立な一様乱数の積

点 A=(X,Y)A=(X,Y) が単位正方形上で一様なので,長方形の面積は S=XYS=XY である。積の分布は,単位正方形内の双曲線 xy=rxy=r の下側の面積として計算できる。

最小値の分布

最小値 ZZ については,直接 Z≤zZ\le z を考えるより Z>z Z>z を考える方が簡単である。これは全ての SiS_i が zz より大きいという事象なので,独立性により確率が nn 乗になる。

一様分布点が作る長方形の面積の途中式・最終答をPDFで見る

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2022年度の出題内容

全3問

この3問の分野は微分積分・解析1問です。

大問分野主題解説の小見出し最終答
第1問—不等式で定まる投影領域存在条件は区間の重なり / 楕円の主軸あり
第2問微分積分・解析Frullani型積分微分すると端点だけが残る / Frullani型積分あり
第3問—一様分布点が作る長方形の面積面積は独立な一様乱数の積 / 最小値の分布あり

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公開年度範囲
2022〜2026(直近5年)
公式の解答例
非公開(問題冊子のみ)
英語の扱い
TOEFL iBT/ITP のスコア提出。学内英語試験なし。
院試hubの最終確認
2026-09-26
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