東京大学 院試 過去問 解答例
東大 工学系研究科 機械工学専攻 機械工学 専門科目 2025年度 院試 過去問 解答例・解説(全5問)
全5問。力学3問・材料力学・材料1問・熱・統計力学1問。テーマタグは2件(ラプラス変換・伝熱工学)。
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収録6年度分の解答PDF:東京大学 工学系研究科 機械工学専攻 機械工学 専門科目(¥3,200・紙面見本あり)
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- 解説5問と大問1問の途中式・最終答(全5問)
- 解答PDFに収録
- 途中式と最終答(最終答つき5問)
- 問題本文
- 非収録
東大 機械工学 専門科目 2025年度 院試 過去問の出題内容(全5問)
この5問の分野は力学3問・材料力学・材料1問・熱・統計力学1問です。
| 大問 | 分野 | 主題 | 解説の小見出し | 最終答 |
|---|---|---|---|---|
| 第1問 | 熱・統計力学 | 熱力学・熱伝導 | — | あり |
| 第2問 | 力学 | 流体力学 | 境界条件 | あり |
| 第3問 | 力学 | 材料力学 | — | あり |
| 第4問 | 力学 | 機械力学・制御 | 安定判別 | あり |
| 第5問 | 材料力学・材料 | 機械設計・生産材料 | インボリュート歯形 / 軸受選定 | あり |
この年度の解説には典型ミス5件・検算3件が付いています。
2025年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度
この年度は2問に2テーマが出ています。
前年度(2024年度)との違い
- 大問数
- 2024年度 5問 → 2025年度 5問
第1問 — 熱力学・熱伝導
方針
前半は状態点の意味を取り違えないことが最重要である。圧縮機出口が過熱 蒸気,凝縮器出口が飽和液,蒸発器出口が飽和蒸気,膨張弁出口が湿り蒸気 である。後半は円筒面積が に比例するため,直交座標の ではなく の形になる。
検算
熱伝導方程式の右辺の次元は で,左辺の と一致する。定常解では であり, で となるので,外向きを正に取った符号も整合している。
典型ミス
を等エントロピー膨張として描く誤りが多い。膨張弁は仕事を 取り出す膨張機ではなく,絞りなので である。また,凝縮器内の 過熱蒸気温度を求めるときは,理想気体のエントロピー式から始め, 凝縮器では 一定だから の項が消える,という一行を書くと 答案として強い。
第2問 — 流体力学
方針
この問題は垂直管内のポアズイユ流として処理する。圧力差ではなく重力項 が速度分布を作る点が特徴である。十分発達流なので だけが未知関数になり,対流項も 微分も消える。
境界条件
で速度が有限であることから,積分定数のうち 型の特異項を 除く。さらに で滑りなし条件を課す。この二つを書かないと,放物線 分布をただ暗記しただけに見える。
検算
円管の平均速度は最大速度の半分である。ここでも , となっており, 通常の円管層流と同じ比になっている。正方形管の時間比が より小さい のは,辺長を円管内径と同じにしたため断面積が大きくなるからである。
典型ミス
正方形管で の代表長さを勝手に変えると係数がずれる。本問では とともに辺長 が与えられているので, と読んでよい。また,体積が同じという条件では 流速比だけでなく断面積比も必ず入れる。
解答
十分発達した軸対称流で旋回がないので である。また,上下端が大気に開いているため,管内の駆動力は重力項として 扱い,発達部では とする。したがって 方向運動方程式は すなわち となる。
管半径を とする。上式を積分すると より で速度勾配が有限であるため である。さらに積分して 壁面の滑りなし条件 から である。
断面平均流速は である。ただし とした。したがって時間 の流出体積は
数値代入より
次に,正方形管の辺長を とする。断面積 ,ぬれ縁長さ である。発達流の力のつり合いから 与えられた摩擦係数 を用いると よって 同じ体積を流出させる時間は であるから,
最終答
%
第3問 — 材料力学
方針
点 では曲げによる軸応力と,ねじりによるせん断応力を重ね合わせる。 ひずみゲージの値は応力そのものではなく,ゲージ方向へのひずみ変換で 求める。 ゲージでは工学せん断ひずみの半分が入る点に注意する。
検算
数値は意図的に計算しやすくなっている。, となり, , である。したがって ゲージは と 暗算でも確認できる。
典型ミス
材料変更後の応力比に や を直接掛けるのは誤りである。荷重 が同じなら,応力は断面二次モーメントや極モーメントで決まり,弾性係数は 変位やひずみに効く。今回は直径を大きくした効果だけが応力比に残る。
第4問 — 機械力学・制御
方針
二つの絶対変位で解こうとすると式が増える。相対変位が指定されているので, 最初から の式を作り,換算質量 にまとめるのが短い。
安定判別
閉ループ特性は 3 次式になる。すべての係数が正でも 3 次系では十分ではなく, Routh の条件 が必要である。この問題ではこの不等式から ばね定数 と質量が消え, だけが残る。
典型ミス
制御入力の符号を誤ると,特性多項式の の符号が逆になり, 正のゲインで安定化できない形になる。 のとき,台車 2 を左へ 押すと相対変位 は増える,という物理的向きで符号を確認できる。
第5問 — 機械設計・生産材料
方針
前半は用語問題,後半は歯車列の速度比とトルク比の問題である。歯車箱の 図には外径や軸間距離も示されているが,損失なしのトルク比にはピッチ円 直径だけを使えばよい。
インボリュート歯形
インボリュート歯形の重要点は,作用線が一定で,中心距離が少しずれても 速度比の一定性を保ちやすいことである。また,ラック形工具で創成できるため 製造・標準化の面でも有利である。試験では「滑らか」だけでは弱く, 速度比一定や工具標準化まで書くと採点されやすい。
軸受選定
円筒ころ軸受は大きなラジアル荷重には強いが,単体では軸方向荷重の支持に 向かない。自動調心玉軸受はミスアライメントには強いが,はすば歯車の スラストを積極的に受ける選択としては弱い。アンギュラ玉軸受は接触角に よりラジアル荷重とアキシアル荷重を同時に支持できる。
典型ミス
トルク比を外径 で書くのは避ける。歯車の速度比を決めるのはピッチ円 直径 である。また,中間軸では歯車 2 と歯車 3 が同じ角速度で回る ため,二段の速度比を掛け合わせればよい。
東大 機械工学 専門科目 院試 過去問の収録6年度
逆ブレイトン冷凍サイクルと発熱平板 / 非定常粘性拡散 / 熱膨張拘束はり
2025年度(このページ・全5問)
熱力学・熱伝導 / 流体力学 / 材料力学
熱機関サイクルと非定常熱伝導 / 風車モデルと傾斜液膜流 / 応力変換と自重を受ける丸棒
熱力学と相変化熱伝導 / 音速と圧縮性流れの相似 / はりの応力と平面トラス
熱ポンプサイクルと放射体温計 / 運動量法則と細管内の粘性流れ / はりの曲げと薄肉円筒容器
断熱タンクへの充填 / 分子運動論による熱伝導 / 二次元粘性流の減衰