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東京大学 院試 過去問 解答例

東大 工学系研究科 機械工学専攻 機械工学 専門科目 2022年度 院試 解答例・解説

東京大学 工学系研究科 機械工学専攻 機械工学 専門科目 2022年度の院試 過去問について、設問ごとの解法方針・部分点の置き所を解説。全5問収録の解答・解説PDFと併用できます。問題本文は含みません。

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設問ごとの解法方針・部分点の置き所を無料で公開しています。

完全な途中式・最終答は解答・解説PDFに収録しています。問題本文は含まれません。

1 — 熱ポンプサイクルと放射体温計

方針

第 I 部は,定積熱交換と断熱仕事を別々に追うより,1 サイクルの エネルギー収支 Win=QhQcW_{\mathrm{in}}=Q_h-Q_c を使う方が短い。第 II 部は 円筒熱伝導抵抗と外表面の熱伝達抵抗を直列に置けば,温度分布と表面温度が 同時に求まる。

検算

可逆断熱圧縮で T2TlT_2\to T_l とすると圧縮比は 1 に近づき, ε=T2/(T2Tl)\varepsilon=T_2/(T_2-T_l) は大きくなる。温度差が小さい熱ポンプほど 高効率という物理的な傾向と合う。円筒モデルでは h0h\to0TsTcT_s\to T_chh\to\inftyTsTT_s\to T_\infty となり,境界条件の 極限と一致する。

典型ミス

TT-ss 線図で定積線を直線にしてしまうミスが多い。式 ss0=cvln(T/T0)s-s_0=c_v\ln(T/T_0) を添え,定積線上で冷却すればエントロピーが 減ることを書くと減点されにくい。また放射熱量の計算では摂氏温度をそのまま 4 乗してはいけない。必ず K に直す。

試験で書くべきポイント

熱ポンプでは「どの熱量を正に取るか」を最初に明示する。放射体温計では, 測っているのは体表面からの赤外放射であり,体温との関係は熱伝導・対流・放射の つり合いに依存する,という一文を最後に入れると説明問題として締まる。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

2 — 運動量法則と細管内の粘性流れ

方針

前半は水平方向の運動量保存を使う典型問題である。自由表面に大気圧が 作用しているため,絶対圧で全境界を扱うと p0p_0 は打ち消し合う。 実際の計算ではゲージ圧で静水圧合力を書くのが最も安全である。

検算

Fr1=1Fr_1=1 のとき H2/H1=1+92=1 H_2/H_1=\frac{-1+\sqrt{9}}{2}=1 となり,水深は変わらない。Fr1>1Fr_1>1H2>H1H_2>H_1 となるので, 射流から常流への跳水と同じ判定になっている。

典型ミス

運動量流束を ρHV\rho HV としてしまうと次元が質量流量になる。 運動量流束は ρHV2\rho HV^2 である。また細管問題では,放物速度分布を 仮定しているのでポアズイユ係数 3232 を用いる。平板クエット流の式を 混ぜると係数が合わない。

試験で書くべきポイント

液柱の先端では,圧力差と表面張力の水平成分のつり合いを書くことが重要である。 濡れ性がよい cosθ>0\cos\theta>0 の場合に PF<p0P_F<p_0 となることを確認しておくと, 符号ミスを発見しやすい。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

3 — はりの曲げと薄肉円筒容器

方針

はりの問題では,上側はりと下側はりを分けて考える。上側はりの支点反力が 下側はりへの荷重になり,点 D の変位は「下側はりの支点沈下」と 「上側はりの相対たわみ」の和になる。

検算

下側はり AB の曲げモーメントは l<x<3ll<x<3l で一定である。この区間を 三角形に描いてしまうと,支点 C, E に集中荷重があるという力学状態と 矛盾する。薄肉円筒では σθ=2σz\sigma_\theta=2\sigma_z となるので,き裂開口には 周方向応力を使うのが自然である。

典型ミス

点 D のたわみに下側はりの中央 x=2lx=2l のたわみを足してしまう誤りがある。 上側はりは C, E で支持されているため,足すべき沈下は C または E の沈下である。 また,き裂進展圧力の式では a\sqrt{a} が分母に入るため,き裂が深くなるほど 破壊圧力が下がる。

試験で書くべきポイント

SFD・BMD は図で描く指定だが,答案では反力,区間ごとのせん断力, 曲げモーメントの値を添えると読み取りの曖昧さが消える。破壊圧力のグラフでは 「水平な塑性崩壊線」と「右下がりのき裂進展線」の小さい方が実際の破壊圧力である, という説明を書く。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

4 — 微小振動とフィードバック制御

方針

振り子は,重力によるモーメント係数とばねによるモーメント係数を 足して Iθ¨+Kθ=0I\ddot\theta+K\theta=0 に落とす。制御はブロック線図から 閉ループ分母を先に作れば,安定条件,減衰比,最終値が同じ分母から 順に読める。

検算

同期モードでばねが変形しないなら,1 次固有振動数に kk が現れない。 この性質は式にも反映されている。制御系では b>1b>1 がないと 閉ループ分母の定数項が負となり,もとの不安定なプラントを安定化できない。

典型ミス

上側質点 MM は復元ではなく倒立側のモーメントを与えるので, (mb+Mc)g(mb+Mc)g としてはいけない。ノイズ伝達関数では,ノイズが出力側ではなく プラント入力に入っているため,分子は P(s)P(s) であり,閉ループ伝達関数 GP/(1+GP)GP/(1+GP) ではない。

試験で書くべきポイント

固有モードは固有値だけでなく「同相」「逆相」を言葉で添える。 制御の最後の記述問題では,bb を大きくして定常偏差を下げるだけでなく, aa によって減衰を確保しノイズピークを抑える,という両立条件まで書く。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

5 — 力センサと空気圧シリンダ

方針

力センサは,薄板の曲げ剛性をばね定数に置き換え,剛体先端部の質量と組み合わせて 1 自由度系として見る。空気圧シリンダは,圧力による有効受圧面積と, 薄い潤滑膜のせん断応力を別々に処理する。

検算

δzt3\delta_z\propto t^{-3}εmaxt2\varepsilon_{\max}\propto t^{-2} である。 薄板を少し厚くするだけで剛性が大きく上がるため,力センサの感度が大きく下がる という設計感覚と合う。潤滑膜では Vc/μV\propto c/\mu なので,隙間が狭くなる効果と 粘度低下の効果が逆向きに効く。

典型ミス

シリンダ推力でロッド側にも全断面積 πD2/4\pi D^2/4 を使う誤りが多い。 ロッド側は環状面積 π(D2d2)/4\pi(D^2-d^2)/4 である。熱膨張では直径差を計算してから 2 で割り,半径隙間に戻す必要がある。

試験で書くべきポイント

4 ゲージブリッジは「感度増大」と「温度補償」を理由付きで書く。 加工工程は唯一解ではないが,基準面,同軸加工,穴加工の順に整理して書くと, 実現可能な工程として評価されやすい。

完全な解答(途中式・最終答)はPDFに収録

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