大阪大学 院試 過去問 解答例
阪大 理学研究科 物理学専攻・宇宙地球科学専攻 物理学 2021年度 院試 過去問 解答例・解説(全4問)
全4問。熱・統計力学1問。テーマタグは5件(固有値・固有ベクトル・調和振動子・分配関数)。
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- 解説4問と大問1問の途中式・最終答(全4問)
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- 途中式と最終答(最終答つき0問)
- 問題本文
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阪大 物理学 2021年度 院試 過去問の出題内容(全4問)
この4問の分野は熱・統計力学1問です。
| 大問 | 分野 | 主題 | 解説の小見出し | 最終答 |
|---|---|---|---|---|
| 第1問 | — | 中心力・散乱・円軌道の安定性 | — | — |
| 第2問 | — | 回転帯電球殻の磁気双極子場 | — | — |
| 第3問 | — | 調和振動子・角運動量・磁場中の固有値 | — | — |
| 第4問 | 熱・統計力学 | 常磁性体の熱力学と二準位スピン系 | — | — |
この年度の解説には検算4件・典型ミス4件が付いています。
2021年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度
この年度は2問に5テーマが出ています。
| テーマ | この年度 | 全体の出題実績 | 他大学の直近出題 |
|---|---|---|---|
| 固有値・固有ベクトル | 第3問 | 25大学・544問 | |
| 調和振動子 | 第3問 | 16大学・110問 | |
| 分配関数 | 第4問 | 16大学・88問 | |
| ハミルトン形式 | 第3問 | 15大学・72問 | |
| 熱力学第一・第二法則 | 第4問 | 10大学・22問 |
第1問 — 中心力・散乱・円軌道の安定性
方針
中心力では、まず角運動量保存を出してから に移るのが最短である。散乱角は、軌道式そのものよりも無限遠での幾何と動径速度から を求めると計算が崩れにくい。
検算
が小さい極限では となり、散乱角も小さくなる。衝突パラメータ や入射エネルギー が大きいほど曲がりにくいことも式と合っている。
典型ミス
は斥力であり、力は 向きである。ここで符号を引力型と取り違えると、Binet 方程式の定数項と散乱角の式が同時に反転する。また、安定条件では力の式を直接線形化するより、有効ポテンシャルの二階微分で判定する方が安全である。
解答
I. 斥力型 ポテンシャル
極座標で であるから Euler--Lagrange 方程式は したがって角運動量の大きさを とおくと は保存する。問題文で角運動量を と書く流儀に合わせるなら、以下の を と読めばよい。
とおく。標準的な Binet の式から を得るので、 よって軌道は である。
散乱では、入射側の無限遠で角運動量は である。最接近方向を にとると、無限遠では だから また であり、無限遠で速さが になるため 散乱角を とすれば
II. 引力型 ポテンシャル
運動方程式は 半径 、角速度 の等速円運動では
角運動量を固定して動径の安定性を調べるには、有効ポテンシャル を使う。円軌道条件 より 二階微分は したがって微小動径振動が可能なのは のとき、すなわち である。このとき動径振動の角振動数は である。
最終答
% %
% %
第2問 — 回転帯電球殻の磁気双極子場
方針
回転する帯電球殻は、表面電流を直接積分してもよいが、一様磁化球との対応を見抜くと後半が大幅に短くなる。鍵は が と同じ形をしていることである。
検算
全電荷 を用いると であり、回転する一様帯電球殻の既知公式と一致する。また または で磁場が消える。
典型ミス
帯の面積に が一つ、ループ面積に が入るため、 は に比例する。ここを で止めると全双極子モーメントがずれる。磁荷面密度は そのものではなく法線成分 である。
第3問 — 調和振動子・角運動量・磁場中の固有値
方針
一次元は昇降演算子、二次元は 方向の独立な振動子として処理する。縮重した第一励起状態では、実基底 のままだと角運動量が対角化されないので、複素線形結合に取り替える。
検算
が微小なとき であり、一次摂動 と一致する。基底状態は角運動量を持たないため一次の Zeeman 分裂を受けない。
典型ミス
電子の電荷を としつつ、問題では の形で書かれている。ここで符号を勝手に に変えると磁気モーメントの符号が逆になる。また、 極限では となるため、 の符号と絶対値を区別する。
第4問 — 常磁性体の熱力学と二準位スピン系
方針
前半は通常の と符号が違うため、与えられた熱力学第一法則から機械的に Legendre 変換するのが安全である。後半は独立な二準位系なので、分配関数からエネルギーを出してから で微分する。
検算
は、通常の 型の関係と同じ構造を持つ。安定な常磁性体では なので、磁化を固定すると磁場一定より熱容量が小さくなる。
典型ミス
の微分で が相殺されることを確認しないまま符号を暗記すると、Maxwell 関係式の符号を誤る。統計力学では の 微分で負号が出るが、エネルギー全体にも負号があるため熱容量は正になる。
阪大 物理学 院試 過去問の収録6年度
小振動と基準振動 / 電子ビームと電磁波 / 一次元量子井戸と散乱
解析力学・制限三体問題 / 電磁波・表皮効果 / 量子調和振動子
拘束条件付き力学 / 電磁場のエネルギー保存 / 環上粒子と摂動
連成振動 / 磁気ミラー / スピンの時間発展
剛体振り子と連成振動 / 円環電荷と磁気双極子 / デルタ関数ポテンシャルの散乱
2021年度(このページ・全4問)
中心力・散乱・円軌道の安定性 / 回転帯電球殻の磁気双極子場 / 調和振動子・角運動量・磁場中の固有値