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九州大学 院試 過去問 解答例

九大 理学府 物理学専攻 物理学 2025年度 院試 過去問 解答例・解説(全4問)

全4問。テーマタグは7件(固有値・固有ベクトル・調和振動子・剛体の回転運動)。2024年度と共通のテーマは固有値・固有ベクトル・剛体の回転運動・静電場。

最終更新:

収録6年度分の解答PDF:九州大学 理学府 物理学専攻 物理学(¥3,200・紙面見本あり)

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解説4問と大問1問の途中式・最終答(全4問)
解答PDFに収録
途中式と最終答(最終答つき4問)
問題本文
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九大 物理学 2025年度 院試 過去問の出題内容(全4問)

大問主題解説の小見出し最終答
第1問物理学[I—あり
第2問物理学[II—あり
第3問物理学[III—あり
第4問物理学[IV—あり

この年度の解説には試験で書くべきポイント4件・典型ミス4件が付いています。

2025年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度

この年度は4問に7テーマが出ています。

前年度(2024年度)との違い

大問数
2024年度 4問 → 2025年度 4問
2025年度で新しく出たテーマ
調和振動子・分配関数
2024年度のページを見る

第1問 — 物理学[I

方針

[I-A] は剛体の慣性モーメント、エネルギー保存、衝突時の角運動量保存を組み合わせる典型問題。微小傾斜からの転倒は実質的に不安定平衡 θ=π/4\theta=\pi/4 からの落下と等価で、最高点を超えるか否かで「向こう側へ転がる条件」が決まる。[I-B] は循環座標を持つ Lagrange 系。撃力後の初期条件は糸方向の張力のみが撃力的に働くことから決定する。

典型ミス

OO まわりの慣性モーメント IOI_O を IG+Ma2I_G+Ma^2 と書きがちだが、OO から重心 GG までの距離は面対角線 2 a\sqrt 2\,a である。撃力直後の初期条件で「θ˙(0)=0\dot\theta(0)=0」と早合点しない:糸の長さ拘束 x˙2=x˙1+ℓθ˙=0\dot x_2=\dot x_1+\ell\dot\theta=0 から θ˙(0)=−I/(m1ℓ)\dot\theta(0)=-I/(m_1\ell) が得られる。

試験で書くべきポイント

角運動量保存(衝突)とエネルギー保存(最高点条件)の使い分けを明示する。Lagrange 系では x1x_1 が循環座標であることに気付き、保存量 (m1+m2)x˙1+m2ℓcos⁡θ θ˙=I=const(m_1+m_2)\dot x_1+m_2\ell\cos\theta\,\dot\theta=I=\mathrm{const} から x¨1\ddot x_1 と θ¨\ddot\theta の関係式を一発で得るのが速い。x1(t)x_1(t) に等速ドリフト項 It/(m1+m2)It/(m_1+m_2)(系全体の重心運動)が現れることに必ず触れる。

解答

  1. \textbf{[I-A 1.] 立方体の重心 GG を原点として一辺 2a2a の対称な範囲 [−a,a]3[-a,a]^3 で積分する。紙面に垂直な軸まわり(zz 軸)の慣性モーメントは IG=∫ρ(x2+y2) dV=M(2a)3∫−aa ⁣ ⁣dz∫−aa ⁣ ⁣dx∫−aa(x2+y2) dy. I_G=\int\rho(x^2+y^2)\,dV=\frac{M}{(2a)^3}\int_{-a}^a\!\!dz\int_{-a}^a\!\!dx\int_{-a}^a(x^2+y^2)\,dy. ∫−aax2dx=2a3/3\int_{-a}^a x^2 dx=2a^3/3 より、∫(x2+y2)dx dy=2(2a)(2a3/3)⋅2=8a4⋅2/3\int(x^2+y^2)dx\,dy=2(2a)(2a^3/3)\cdot 2=8a^4\cdot 2/3(対称性)であり、∫dz=2a\int dz=2a を掛けて密度 M/(8a3)M/(8a^3) で割ると IG=M8a3⋅2a⋅16a43=23Ma2. I_G=\frac{M}{8a^3}\cdot 2a\cdot\frac{16a^4}{3}=\frac{2}{3}Ma^2. OO は GG から距離 2 a\sqrt{2}\,a の点(重心から立方体の頂点までの面対角線)であるから、平行軸の定理より IO=IG+M(2a)2=23Ma2+2Ma2=83Ma2. I_O=I_G+M(\sqrt 2 a)^2=\frac{2}{3}Ma^2+2Ma^2=\frac{8}{3}Ma^2.
  2. \textbf{[I-A 2.] 接触辺が滑らない場合は OO まわりの純回転。転倒開始直後を、重心 GG が OO の鉛直上方にある不安定平衡からわずかに外れた状態として扱う。重心と OO の距離は 2a\sqrt2a なので、開始時の高さは 2a\sqrt2a、隣の面が水平面に接触する瞬間の高さは aa である。したがって落差は (2−1)a(\sqrt2-1)a。エネルギー保存より 12IO ω2=Mg(2−1)a  ⟹  ω=2Mg(2−1)aIO=3(2−1)g4a. \tfrac{1}{2}I_O\,\omega^2=Mg(\sqrt 2-1)a\;\Longrightarrow\; \omega=\sqrt{\frac{2Mg(\sqrt 2-1)a}{I_O}}=\sqrt{\frac{3(\sqrt 2-1)g}{4a}}.
  3. \textbf{[I-A 3.] 接触辺が摩擦なく滑る場合、立方体は重心の水平方向には外力を受けない(垂直抗力のみ)から重心は鉛直線上を運動する。すなわち重心は鉛直軸上を上下し、回転は重心まわりに進行する。接触点 CC は瞬間的回転中心ではないが、終状態で底面が水平面に再接触する瞬間 θ=π/2\theta=\pi/2 での角速度を求める。 重心の鉛直高さは h(θ)=2acos⁡(θ−π/4)h(\theta)=\sqrt 2 a\cos(\theta-\pi/4)、鉛直速度 h˙=−2asin⁡(θ−π/4)θ˙\dot h=-\sqrt 2 a\sin(\theta-\pi/4)\dot\theta。エネルギー保存 12Mh˙2+12IGθ˙2=Mg(2a−h(θ)) \tfrac{1}{2}M\dot h^2+\tfrac{1}{2}I_G\dot\theta^2=Mg(\sqrt 2 a-h(\theta)) を不安定平衡 θ=π/4\theta=\pi/4 から出発したとして θ=π/2\theta=\pi/2 で評価すると、h˙=−2asin⁡(π/4)θ˙=−aθ˙\dot h=-\sqrt 2 a\sin(\pi/4)\dot\theta=-a\dot\theta、左辺 =12(Ma2+23Ma2)θ˙2=56Ma2θ˙2=\tfrac{1}{2}(Ma^2+\tfrac{2}{3}Ma^2)\dot\theta^2=\tfrac{5}{6}Ma^2\dot\theta^2、右辺 =Mg(2−1)a=Mg(\sqrt 2-1)a。よって θ˙=6(2−1)g5a. \dot\theta=\sqrt{\frac{6(\sqrt 2-1)g}{5a}}. これが CC(接触点)まわりの角速度の大きさである(重心系での θ˙\dot\theta と同一)。
  4. \textbf{[I-A 4.] 段差衝突の前後で、OO 点まわりの角運動量が(撃力が OO で作用するため)保存する。衝突直前、立方体の重心は水平に v0v_0 で進み、段差角 OO から見た重心位置を rG/O=(0,a)\boldsymbol r_{G/O}=(0,a)、vG=(v0,0)\boldsymbol v_G=(v_0,0) とおける。OO まわりの角運動量は LO=rG/O×MvG=Ma v0  (反時計回り正基準で −Mav0 の時計回り)。 L_O=\boldsymbol r_{G/O}\times M\boldsymbol v_G=Ma\,v_0\;(\text{反時計回り正基準で }-Mav_0\text{ の時計回り})。 衝突直後は OO まわりの純回転で LO=IO ω0=83Ma2ω0L_O=I_O\,\omega_0=\tfrac{8}{3}Ma^2\omega_0。等値して ω0=Mav0IO=Mav08Ma2/3=3v08a. \omega_0=\frac{Mav_0}{I_O}=\frac{Mav_0}{8Ma^2/3}=\frac{3v_0}{8a}.
  5. \textbf{[I-A 5.] 衝突後 OO まわりに回転して θ=π/4\theta=\pi/4(重心が OO の真上、最高点)を超えれば、重心は反対側 x>0x>0 の領域へ転がり込む。エネルギー保存 12IO ω02=Mg(2a−a)=Mga(2−1) \tfrac{1}{2}I_O\,\omega_0^2=Mg(\sqrt 2 a-a)=Mga(\sqrt 2-1) を ω0=3v0/(8a)\omega_0=3v_0/(8a) で書くと 12⋅83Ma2⋅9v0264a2=Mga(2−1)  ⟹  v0min=16(2−1)ga3=4(2−1)ga3. \tfrac{1}{2}\cdot\tfrac{8}{3}Ma^2\cdot\frac{9v_0^2}{64a^2}=Mga(\sqrt 2-1) \;\Longrightarrow\; v_0^{\mathrm{min}}=\sqrt{\frac{16(\sqrt 2-1)ga}{3}}=4\sqrt{\frac{(\sqrt 2-1)ga}{3}}.
  6. \textbf{[I-B 1.] 糸の長さ ℓ\ell、傾き角 θ\theta(鉛直下向きから反時計回り)より BB の座標は x2=x1+ℓsin⁡θ,y2=−ℓcos⁡θ. x_2=x_1+\ell\sin\theta,\qquad y_2=-\ell\cos\theta.
  7. \textbf{[I-B 2.] AA は y=0y=0 上、BB の高さ −ℓcos⁡θ-\ell\cos\theta。よって U=m2g y2=−m2gℓcos⁡θ. U=m_2 g\,y_2=-m_2 g\ell\cos\theta.
  8. \textbf{[I-B 3.] x˙2=x˙1+ℓcos⁡θ θ˙\dot x_2=\dot x_1+\ell\cos\theta\,\dot\theta、y˙2=ℓsin⁡θ θ˙\dot y_2=\ell\sin\theta\,\dot\theta。よって KA=12m1x˙12,KB=12m2(x˙12+2ℓcos⁡θ x˙1θ˙+ℓ2θ˙2). K_A=\tfrac{1}{2}m_1\dot x_1^2,\quad K_B=\tfrac{1}{2}m_2\bigl(\dot x_1^2+2\ell\cos\theta\,\dot x_1\dot\theta+\ell^2\dot\theta^2\bigr).
  9. \textbf{[I-B 4.] L=KA+KB−UL=K_A+K_B-U。 L=12(m1+m2)x˙12+m2ℓcos⁡θ x˙1θ˙+12m2ℓ2θ˙2+m2gℓcos⁡θ. L=\tfrac{1}{2}(m_1+m_2)\dot x_1^2+m_2\ell\cos\theta\,\dot x_1\dot\theta+\tfrac{1}{2}m_2\ell^2\dot\theta^2+m_2 g\ell\cos\theta. x1x_1 は循環座標:∂L/∂x1=0\partial L/\partial x_1=0、Euler--Lagrange 方程式は ddt[(m1+m2)x˙1+m2ℓcos⁡θ θ˙]=0. \frac{d}{dt}\bigl[(m_1+m_2)\dot x_1+m_2\ell\cos\theta\,\dot\theta\bigr]=0. θ\theta について ∂L/∂θ=−m2ℓsin⁡θ x˙1θ˙−m2gℓsin⁡θ\partial L/\partial\theta=-m_2\ell\sin\theta\,\dot x_1\dot\theta-m_2 g\ell\sin\theta、∂L/∂θ˙=m2ℓcos⁡θ x˙1+m2ℓ2θ˙\partial L/\partial\dot\theta=m_2\ell\cos\theta\,\dot x_1+m_2\ell^2\dot\theta、よって m2ℓcos⁡θ x¨1−m2ℓsin⁡θ x˙1θ˙+m2ℓ2θ¨+m2ℓsin⁡θ x˙1θ˙+m2gℓsin⁡θ=0, m_2\ell\cos\theta\,\ddot x_1-m_2\ell\sin\theta\,\dot x_1\dot\theta+m_2\ell^2\ddot\theta+m_2\ell\sin\theta\,\dot x_1\dot\theta+m_2 g\ell\sin\theta=0, すなわち ℓθ¨+cos⁡θ x¨1+gsin⁡θ=0\ell\ddot\theta+\cos\theta\,\ddot x_1+g\sin\theta=0。
  10. \textbf{[I-B 5.] 微小角近似で cos⁡θ≈1\cos\theta\approx 1、sin⁡θ≈θ\sin\theta\approx\theta。x1x_1 の保存量を時間微分して (m1+m2)x¨1+m2ℓ θ¨=0  ⟹  x¨1=−m2ℓm1+m2θ¨. (m_1+m_2)\ddot x_1+m_2\ell\,\ddot\theta=0\;\Longrightarrow\; \ddot x_1=-\frac{m_2\ell}{m_1+m_2}\ddot\theta.
  11. \textbf{[I-B 6.] 問4の θ\theta 方程式に代入:ℓθ¨−m2ℓm1+m2θ¨+gθ=0\ell\ddot\theta-\frac{m_2\ell}{m_1+m_2}\ddot\theta+g\theta=0、まとめると θ¨+(m1+m2)gm1ℓθ=0,ω2=(m1+m2)gm1ℓ. \ddot\theta+\frac{(m_1+m_2)g}{m_1\ell}\theta=0,\qquad \omega^2=\frac{(m_1+m_2)g}{m_1\ell}.
  12. \textbf{[I-B 7.] 力積 II は AA にのみ作用するため、衝撃直後の初期条件は糸の長さ拘束から決める。BB の水平速度 x˙2=x˙1+ℓθ˙\dot x_2=\dot x_1+\ell\dot\theta が瞬時不変 =0=0(衝撃前は静止)であるから x˙1(0)+ℓθ˙(0)=0. \dot x_1(0)+\ell\dot\theta(0)=0. AA の運動量 m1x˙1=I−(m_1\dot x_1=I-(張力の水平成分の力積))。撃力的張力は糸方向(鉛直)なので水平成分はゼロ、よって m1x˙1(0)=Im_1\dot x_1(0)=I。これらより x˙1(0)=Im1,θ˙(0)=−Im1ℓ. \dot x_1(0)=\frac{I}{m_1},\qquad \dot\theta(0)=-\frac{I}{m_1\ell}.
  13. \textbf{[I-B 8.] θ(t)=θ0sin⁡ωt\theta(t)=\theta_0\sin\omega t、θ(0)=0\theta(0)=0 は満たす。θ˙(0)=θ0ω=−I/(m1ℓ)\dot\theta(0)=\theta_0\omega=-I/(m_1\ell) より θ0=−I/(m1ℓω)\theta_0=-I/(m_1\ell\omega)。ω\omega は問6の値。θ0\theta_0 は符号を含めて θ0=−Im1ℓm1ℓ(m1+m2)g=−Im1(m1+m2)gℓ. \theta_0=-\frac{I}{m_1\ell}\sqrt{\frac{m_1\ell}{(m_1+m_2)g}}=-\frac{I}{\sqrt{m_1(m_1+m_2)g\ell}}.
  14. \textbf{[I-B 9.] 問5より x¨1=−m2ℓm1+m2θ¨=m2ℓm1+m2θ0ω2sin⁡ωt\ddot x_1=-\frac{m_2\ell}{m_1+m_2}\ddot\theta=\frac{m_2\ell}{m_1+m_2}\theta_0\omega^2\sin\omega t。これを2回積分して x1(t)=−m2ℓm1+m2θ0sin⁡ωt+C1t+C2. x_1(t)=-\frac{m_2\ell}{m_1+m_2}\theta_0\sin\omega t+C_1 t+C_2. x1(0)=0x_1(0)=0 より C2=0C_2=0。x˙1(0)=I/m1=−m2ℓm1+m2θ0ω+C1\dot x_1(0)=I/m_1=-\frac{m_2\ell}{m_1+m_2}\theta_0\omega+C_1 から C1=Im1+m2ℓ θ0ωm1+m2=Im1−m2m1+m2⋅Im1=Im1+m2. C_1=\frac{I}{m_1}+\frac{m_2\ell\,\theta_0\omega}{m_1+m_2}=\frac{I}{m_1}-\frac{m_2}{m_1+m_2}\cdot\frac{I}{m_1}=\frac{I}{m_1+m_2}. よって (あ)=−m2ℓm1+m2θ0,(い)=Im1+m2. (\text{あ})=-\frac{m_2\ell}{m_1+m_2}\theta_0,\qquad (\text{い})=\frac{I}{m_1+m_2}. θ0<0\theta_0<0 より(あ)>0>0。θ(t)=θ0sin⁡ωt\theta(t)=\theta_0\sin\omega t と x1x_1 の振動部 =−m2ℓm1+m2θ0sin⁡ωt=-\frac{m_2\ell}{m_1+m_2}\theta_0\sin\omega t は互いに θ0\theta_0 と符号が反対、すなわち位相差は π\pi(逆位相)。

最終答

% [I-A] IG=2Ma2/3I_G=2Ma^2/3、IO=8Ma2/3I_O=8Ma^2/3。問2 ω=3(2−1)g/(4a)\omega=\sqrt{3(\sqrt 2-1)g/(4a)}。問3 θ˙=6(2−1)g/(5a)\dot\theta=\sqrt{6(\sqrt 2-1)g/(5a)}。問4 ω0=3v0/(8a)\omega_0=3v_0/(8a)。問5 v0min=4(2−1)ga/3v_0^{\mathrm{min}}=4\sqrt{(\sqrt 2-1)ga/3}。 [I-B] x2=x1+ℓsin⁡θx_2=x_1+\ell\sin\theta、y2=−ℓcos⁡θy_2=-\ell\cos\theta、U=−m2gℓcos⁡θU=-m_2g\ell\cos\theta。ω=(m1+m2)g/(m1ℓ)\omega=\sqrt{(m_1+m_2)g/(m_1\ell)}、θ0=−I/m1(m1+m2)gℓ\theta_0=-I/\sqrt{m_1(m_1+m_2)g\ell}。x1(t)=−m2ℓm1+m2θ0sin⁡ωt+Im1+m2tx_1(t)=-\frac{m_2\ell}{m_1+m_2}\theta_0\sin\omega t+\frac{I}{m_1+m_2}t。θ\theta と x1x_1 振動部は逆位相。

第2問 — 物理学[II

方針

[II-A] は Yukawa 型ポテンシャルを題材とした δ\delta 関数の入れ子問題。∇⋅(r/r3)=4πδ3\nabla\cdot(\boldsymbol r/r^3)=4\pi\delta^3 を発散の積分とガウスの定理から導出する手順は完全に試験標準。続く電荷密度計算では公式 a)(積の発散)と b)(δ\delta 関数の引数性質)を順に適用する。[II-B] は HH 偏光(TM 波と紐づくが、ここでは H∥ey\boldsymbol H\parallel\boldsymbol e_y)における Fresnel の式の導出。境界条件 HyH_y 連続と ExE_x 連続から Ar/AiA_r/A_i を得て、Brewster 角の条件 Ar=0A_r=0 を Snell の法則と連立する。

典型ミス

∇⋅(r/r3)=0\nabla\cdot(\boldsymbol r/r^3)=0 と書くと、これは r≠0r\ne 0 でしか正しくない。原点での寄与 4πδ34\pi\delta^3 を必ず加える。電荷密度の符号:原点の点電荷は +q0+q_0、まわりの遮蔽電荷雲は −q0-q_0(合計ゼロ)。Brewster 角の式は屈折率の定義(n=n= 透過側/入射側)の取り方で逆数になりやすいので、本問では「真空=1、絶縁体=nn」なので tan⁡θB=n2/n1=n/1=n\tan\theta_B=n_2/n_1=n/1=n ではなく、磁場が yy 成分(TM 偏光)の場合の境界条件から得られる tan⁡θ0=1/n\tan\theta_0=1/n となる点に注意。

試験で書くべきポイント

δ\delta 関数導出ではガウスの定理を使った球面流束 4π4\pi を明示し、特異点とそれ以外の領域を分けて議論する。Snell の法則の導出は「境界条件が任意の x,tx,t で成立するためには指数(ここでは余弦)の引数の係数が一致しなければならない」という位相整合の論理を必ず一文で述べる。ExE_x の境界条件への変換は ∇×H=ε∂tE\nabla\times\boldsymbol H=\varepsilon\partial_t\boldsymbol E の xx 成分を zz 微分で書き、両側の ε\varepsilon の違い(ε0\varepsilon_0 と ε1=n2ε0\varepsilon_1=n^2\varepsilon_0)を経て 1/n1/n の係数が現れる。

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第3問 — 物理学[III

方針

[III-A] は不確定性関係の本格的な導出。エルミート性/反エルミート性の判定、シュワルツ不等式、交換子と反交換子の分解、最後に座標表示で1階線形 ODE を解くという流れ。等号成立条件から Gauss 波束を「導く」点が見せ場。[III-B] は調和振動子の標準解法。漸近形 e−y2/2e^{-y^2/2} の取り出しからエルミート方程式への帰着、規格化までを一気通貫で書ける必要がある。電場印加後はポテンシャルを平方完成し、中心がシフトした振動子として扱って時間発展を固有関数展開で書く。

典型ミス

z=irz=ir の符号を誤って r>0r>0 とすると規格化不能解になる。実際は r<0r<0(または等価に ∣r∣ℏ=2(Δx)2>0|r|\hbar=2(\Delta x)^2>0)が要請される。エルミート方程式の指数 2n=2ϵ/(ℏω)−12n=2\epsilon/(\hbar\omega)-1 から ϵn=ℏω(n+1/2)\epsilon_n=\hbar\omega(n+1/2) を導く際、係数 1/21/2 を落としやすい。電場下のエネルギーは −(eE)2/(2mω2)-(eE)^2/(2m\omega^2) だけ「下がる」点(電場は仕事をする方向)で符号を要確認。

試験で書くべきポイント

不確定性関係の導出では、ABAB を交換子+反交換子に分けたとき「交換子の期待値が純虚数、反交換子の期待値が実数」なので ∣⟨AB⟩∣2=14∣⟨[A^,B^]⟩∣2+14⟨{A,B}⟩2|\langle AB\rangle|^2=\tfrac{1}{4}|\langle[\hat A,\hat B]\rangle|^2+\tfrac{1}{4}\langle\{A,B\}\rangle^2 と分離されることを明記。Gauss 波束の規格化は ∫e−x2/(2(Δx)2)dx=2πΔx\int e^{-x^2/(2(\Delta x)^2)}dx=\sqrt{2\pi}\Delta x から係数 (2π(Δx)2)−1/4(2\pi(\Delta x)^2)^{-1/4} が出る。電場下の調和振動子は平方完成「x→x−x0x\to x-x_0」で問題が元に戻るというロジックを明示する。

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第4問 — 物理学[IV

方針

[IV-A] は熱力学関数の Maxwell 関係式と内部エネルギーの体積依存。dU=TdS−pdVdU=TdS-pdV から導く流儀と Helmholtz から導く流儀を統一して書く。[IV-B] はカノニカル分布の標準操作(エネルギー期待値・分散・熱容量と ln⁡Z\ln Z の微分の関係)と表面吸着のグランドカノニカル。N0N_0 乗の意味と 1+αa(T)1+\alpha a(T) の各項の物理的解釈を3点(空/占有/重み eβμe^{\beta\mu})で説明する。[IV-C] は1次元ランダムウォーク的ポリマー。Stirling 近似で F(L)F(L) を導き、小展開で Gauss 化、張力 f=∂F/∂Lf=\partial F/\partial L がエントロピー弾性 ∝T\propto T で得られる。

典型ミス

C=kBβ02σ2C=k_B\beta_0^2\sigma^2 の係数 β02\beta_0^2(1/T021/T_0^2 の変換から)を落とす。化学ポテンシャル μ\mu の符号:N<N0N<N_0 では μ<0\mu<0 となるのが通常で、μ=β−1ln⁡[N/((N0−N)a)]\mu=\beta^{-1}\ln[N/((N_0-N)a)] から a(T)∼1a(T)\sim 1 で N≪N0N\ll N_0 なら μ∼kBTln⁡(N/N0)<0\mu\sim k_BT\ln(N/N_0)<0。Stirling 近似後 −1-1 の項が NN の保存で消える点を見落とすと余計な定数が残る。エントロピー弾性の符号は「LL を伸ばすほど自由エネルギーが上がる」ので f=∂F/∂L>0f=\partial F/\partial L>0(L>0L>0 で)。

試験で書くべきポイント

熱容量を σ2\sigma^2 で書く流儀は揺らぎ・散逸関係の典型例として明示する。表面吸着では「グランドカノニカルの定義」「独立性から N0N_0 乗」「11 は空状態、αa(T)\alpha a(T) は占有状態(α=eβμ\alpha=e^{\beta\mu})」の3点を必ず書く。ポリマーでは「エネルギーは無視されるので分配関数は状態数そのもの」「LL について Gauss 化されることがランダムウォークと同じ」「張力 f∝Tf\propto T がエントロピー由来」を強調。⟨L2⟩=Nb2\langle L^2\rangle=Nb^2 は Gauss 分布の分散から直接、または分配関数で ∂2F/∂L2\partial^2 F/\partial L^2 から熱力学揺らぎとして得られる。

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