京都大学 院試 過去問 解答例
京大 情報学研究科 数理工学コース 2023年度 院試 過去問 解答例・解説(全6問)
全6問。線形代数1問・微分積分・解析1問・微分方程式1問。テーマタグは4件(固有値・固有ベクトル・線形空間・基底・留数定理)。2022年度と共通のテーマは固有値・固有ベクトル・線形空間・基底・グラフ理論。
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- 解説6問と大問1問の途中式・最終答(全6問)
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- 途中式と最終答(最終答つき6問)
- 問題本文
- 非収録
京大 数理工学コース 2023年度 院試 過去問の出題内容(全6問)
この6問の分野は線形代数1問・微分積分・解析1問・微分方程式1問・複素解析1問です。
2023年度の出題テーマと、同じテーマを出した他大学・他年度
この年度は3問に4テーマが出ています。
| テーマ | この年度 | 全体の出題実績 | 他大学の直近出題 |
|---|---|---|---|
| 固有値・固有ベクトル | 第2問 | 25大学・544問 | |
| 線形空間・基底 | 第4問 | 21大学・152問 | |
| 留数定理 | 第3問 | 18大学・126問 | |
| グラフ理論 | 第3問 | 8大学・21問 |
前年度(2022年度)との違い
- 大問数
- 2022年度 12問 → 2023年度 6問
- 両年度に出たテーマ
- 固有値・固有ベクトル・線形空間・基底・グラフ理論
- 2023年度で新しく出たテーマ
- 留数定理
第1問 — 微積分
指数関数への直し方
は と直すのが最短である。 対数を取って極限を調べる典型問題で, は より遅く増えることを明記すれば十分である。
2変数の極値
は停留点だが極値ではない。停留点を列挙したあと,方向を変えて値の増減を見ることが重要である。 ここでは なので, 軸上の候補点は 方向へ動くと値が増える。
解答
- であり, であるから である。
- なので,停留点は である。停留点で となる。したがって が偶数のとき極大, が奇数のとき極小である。 極値は である。
- とおくと である。偏微分は よって停留点は である。原点では かつ なので極小である。 では値は であり,これは大域最大値である。 では 方向に局所最大, 方向に増加するため鞍点であり,極値ではない。 したがって極小値は ,極大値は である。
- 部分積分を2回用いると であり, したがって である。
- 極座標 を用いる。領域は である。したがって より
最終答
- .
- で極値をとり,値は 偶数で極大, 奇数で極小。
- 極小点 ,極小値 。極大点 ,極大値 。
- .
- .
第2問 — 線形代数
対角化の並べ方
固有値が相異なるので,対応する固有ベクトルは自動的に線形独立である。 の列の順番を変えれば の対角成分の順番も同じように変わるため,組として整合していればよい。
自由変数の残し方
連立方程式は1自由度をもつ。第3式から と置くと,残りはすぐ と分かる。 最後に任意定数 を明示して全解であることを示す。
第3問 — 複素関数・グラフ理論
単位円上の置換
と置いたとき, に分解するのが中心である。極の位置は から一つだけ内側にある。
Bellman--Ford の判定条件
回の緩和後にさらに改善できる枝があることは,負閉路が到達可能であることを意味する。 この問題では有向グラフが強連結なので,負閉路が存在すれば始点から到達可能であり,通常の Bellman--Ford 判定をそのまま使える。
第4問 — 凸最適化・制御理論
双対問題の符号
最小化問題で をそのまま Lagrangian に入れると,双対目的が になる。 符号を間違えやすいので,停留条件 まで書いて確認するのが安全である。
制御の最後の設問
初期状態が指定されていない入力最適化では,通常の入出力評価と同じ零初期状態で読むのが自然である。 その場合,評価関数は非負で,零入力が評価値0を達成するため大域最適である。
第5問 — 統計力学
相関は
ランダムウォークの位置 と は,最初の 個の増分だけを共有している。 このため となり,重心の2乗平均は の計算に帰着する。
分散型の整理
は展開して平均2乗から重心の2乗を引く形にする。 この一行を入れると,最後の期待値は既に求めた を再利用できる。
第6問 — 常微分方程式
定数項比較で が決まる
を代入した後, を多項式恒等式として見る。 と は定数項を持たないため,すぐに が出る。
Wronskian の使いどころ
2階線形方程式で既知解が一つあるとき,独立な第2解の存在は Wronskian で調べるのが強い。 ここでは有理関数であるはずの Wronskian が非定数多項式の指数関数になってしまうため,矛盾が出る。
京大 数理工学コース 院試 過去問の収録4年度
微積分 / 線形代数 / 複素関数・グラフ理論
2023年度(このページ・全6問)
微積分 / 線形代数 / 複素関数・グラフ理論
基礎数学 I / アルゴリズム基礎 / 線形計画
基礎数学 I / アルゴリズム基礎 / 線形計画